○
山下(徳)
委員 まず
最初に、
総理に
お尋ねをいたしたいと存じます。
竹下総理は、先般の
自由民主党の
総裁選挙におきまして、話し合いによる
調整、その結果、中曽根前
総理の
指名という形で極めて円満の中に、いわゆる
自由民主党の良識において選ばれたということは、私は御同慶にたえない次第でございます。今、
我が国の内外の
情勢の厳しさを見まするときに、同じ党内においてこういった問題についていろいろと
争い事を生ずるような、そういう
選挙が行われるということは決して好ましくない。そういう
意味におきましても、私は、先般の
総裁選挙はまさに
大変円満の中に選ばれたことを、私も一党員として大変うれしく存じておる次第でございます。
また、
竹下総理御
就任後の各種の
世論調査を見ましても、こうやって選ばれました
竹下総理に対して
国民がいかに期待をいたしておるかということが、数字的に
世論調査の結果示されておるのであります。しかも、
総理はこれにこたえるように、内政で最も大きな問題と言われております
土地対策につきましても、
関係閣僚を督励されまして真剣にこの問題に早速取り組んでおられる姿を、私は大変結構であると存ずるのであります。
また、
外交におきましても、昨年の十二月、早速マニラに出向かれまして、そして
ASEANの
首脳会議に
出席されまして、
ASEAN諸国との間の
友好関係、これを改めて確認された。そして、
首脳同士が
お互いにそこに寄って親睦という
場面を私どもは
テレビ等において見ましたときに、非常にこれはよかったな、また
国民もひとしくあの
場面を見てそう
理解をいたしておると思うのであります。
さらにまた、年が明けまして、早速
アメリカに行かれまして
レーガン大統領とお会いになって、
両国のきずなを深めるとともに、また、お二人が
個人関係においてもさらに友情をはぐくむというようなことに成功されたというふうに私は
理解し、これまた大変結構なことであると存じております。
さらにまた、ワシントンのナショナル・プレス・クラブにおきます
総理の
演説の
一節に、「
日本は、具体的に何をやろうとしているのか。一言でいえば「
世界に貢献する
日本」をつくりあげることであります。私は、他国から
指摘されたからということではなく、自らの意志と主体性に基づいて必要な
政策を推進してまいります。」この
一節につきまして、特に私はこれを聞きながら深い感銘を覚えたのであります。
一方、昨年十一月の
米ソ首脳会談におきましては、御案内のとおり
INF全廃条約が署名されまして、そのさなかに、また一方におきましては、
ソ連機による
沖縄上空の
領空侵犯事件に象徴されたように、
世界の
情勢はなかなか、
INFが全廃されたことだけをもって象徴できるような、そんな生易しいものではない、私はかように
理解しておるのであります。
また
国際経済の上におきましても、
保護主義を求める圧力が増大するなど、
世界を混乱に陥れなければならないような
危険性が依然として内在されておるという現状であります。
こうした中にあって、ひとり
日本だけが、
自由陣営の
諸国から脱落をいたしましてひとりよがりのことをするということは絶対に許されない。そういう点からして、この点につきましては前
総理も
国際協調ということを繰り返してこられたのでありまして、こういう点からいたしましても、これらの問題につきまして
総理の御決意のほどをまず承っておきたいと思います。