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1988-05-12 第112回国会 衆議院 本会議 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年五月十二日(木曜日)     ─────────────  議事日程 第二十号   昭和六十三年五月十二日     午後一時開議  第一 昭和六十二年度における地方公務員等共済組合法年金の額の改定特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  第二 労働安全衛生法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第三 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第四 不動産登記法及び商業登記法の一部を改正する法律案内閣提出)  第五 特定産業構造改善臨時措置法を廃止する法律案内閣提出)  第六 民間事業者能力活用による特定施設整備促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第七 土地区画整理法の一部を改正する法律案内閣提出)  第八 農村地域工業導入促進法の一部を改正する法律案内閣提出)  第九 原子力平和的利用に関する協力のための日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定締結について承認を求めるの件     ───────────── ○本日の会議に付した案件  日程第一 昭和六十二年度における地方公務員等共済組合法年金の額の改定特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第二 労働安全衛生法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第三 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第四 不動産登記法及び商業登記法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第五 特定産業構造改善臨時措置法を廃止する法律案内閣提出)  日程第六 民間事業者能力活用による特定施設整備促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第七 土地区画整理法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第八 農村地域工業導入促進法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第九 原子力平和的利用に関する協力のための日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定締結について承認を求めるの件     午後一時二分開議
  2. 原健三郎

    議長原健三郎君) これより会議を開きます。      ────◇─────  日程第一 昭和六十二年度における地方公務員等共済組合法年金の額の改定特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出
  3. 原健三郎

    議長原健三郎君) 日程第一、昭和六十二年度における地方公務員等共済組合法年金の額の改定特例に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。地方行政委員長松本十郎君。     ─────────────  昭和六十二年度における地方公務員等共済組合法年金の額の改定特例に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     ─────────────     〔松本十郎登壇
  4. 松本十郎

    松本十郎君 ただいま議題となりました昭和六十二年度における地方公務員等共済組合法年金の額の改定特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、地方公務員等共済組合法年金の額について、厚生年金及び国民年金改定措置に倣い、自動改定措置特例として、昭和六十二年の昭和六十一年に対する消費者物価指数の比率を基準として、昭和六十三年四月分以後の年金の額を改定しようとするものであります。  本案は、三月二十五日本委員会付託され、四月十二日梶山自治大臣から提案理由説明を聴取いたしました。  五月十日質疑に入り、公的年金一元化の展望、高齢者等生活水準維持の観点からの〇・一%改定妥当性、賃金、生活水準等を考慮した政策改定必要性等について論議が行われましたが、同日質疑終了、次いで、委員長より、原案において「昭和六十三年四月一日」と定められております施行期日を「公布の日」に改める修正案を提出し、直ちに採決に入りましたところ、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決、よって、本案修正議決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  5. 原健三郎

    議長原健三郎君) 採決いたします。  本案委員長報告修正であります。本案委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 原健三郎

    議長原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり決しました。      ────◇─────  日程第二 労働安全衛生法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第三 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付
  7. 原健三郎

    議長原健三郎君) 日程第二、労働安全衛生法の一部を改正する法律案日程第三、勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。社会労働委員長稲垣実男君。     ─────────────  労働安全衛生法の一部を改正する法律案及び同報告書  勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     ─────────────     〔稲垣実男登壇
  8. 稲垣実男

    稲垣実男君 ただいま議題となりました二法案について、社会労働委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、労働安全衛生法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近の経済社会情勢変化及び労働災害の動向に即応し、労働者の健康の保持増進のための措置充実強化するとともに、中小規模事業場における安全衛生管理体制整備する等の措置を講じようとするもので、その主な内容は、  第一に、小規模事業場における安全衛生業務を担当する者として安全衛生推進者等を選任することとするとともに、安全管理者等に対し、職場の安全衛生管理を進めるための新たな知識、技能を付与すること、  第二に、法令上の要件を具備していない機械等製造者及び輸入者に対し、その回収または改善を命ずる制度を創設すること、  第三に、労働者に対する健康教育健康相談を実施することとし、必要な指針の公表や援助を行うこと、  第四に、建設業における労働災害を防止するための計画届け出制度充実発注者等に対する勧告または要請等について、必要な規定を設けること 等であります。  次に、勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、勤労者財産形成年金貯蓄契約及び勤労者財産形成住宅貯蓄契約払い出し理由拡大等を行おうとするもので、その主な内容は、  第一に、勤労者財産形成年金貯蓄の額が、据置期間中の予期しない金利の上昇により非課税限度額を超える場合には、利子等払い出しを認めること、  第二に、勤労者財産形成住宅貯蓄契約の使途を拡大し、住宅増改築等を加えること、  第三に、勤労者財産形成給付金制度及び勤労者財産形成基金制度に、勤労者の転職時等における継続措置を創設すること 等であります。  両案は、去る四月十五日参議院より送付され、同日付託となり、同月十九日中村労働大臣から提案理由説明を聴取し、五月十日の委員会において質疑終了し、採決の結果、両案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、労働安全衛生法の一部を改正する法律案に対し附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  9. 原健三郎

    議長原健三郎君) 両案を一括して採決いたします。  両案は委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 原健三郎

    議長原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。      ────◇─────  日程第四 不動産登記法及び商業登記法の一部を改正する法律案内閣提出
  11. 原健三郎

    議長原健三郎君) 日程第四、不動産登記法及び商業登記法の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。法務委員長戸沢政方君。     ─────────────  不動産登記法及び商業登記法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     ─────────────     〔戸沢政方登壇
  12. 戸沢政方

    戸沢政方君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、最近における登記事務処理状況にかんがみ、電子情報処理組織を用いて登記を行う制度導入等を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。  第一に、法務大臣の指定する登記所においては、登記事務の全部または一部を電子情報処理組織によって取り扱うことができるものとすること、  第二に、電子情報処理組織による登記事務においては、登記事項公開は、登記事項証明書及びその摘要を記載した書面の交付によるものとし、指定登記所中別に法務大臣の指定する登記所管轄に属する不動産または会社等についての登記事項証明書は、指定登記所中別に法務大臣の指定する他の登記所においても交付するものとすること、  第三に、登記事項証明書は、民法等法令規定適用については、登記簿の謄本または抄本とみなすものとすること、  第四に、指定登記所中別に法務大臣の指定する登記所管轄区域内に本店を有する会社が、本店及び支店所在地において登記すべき事項について支店所在地においてする登記を申請する場合において、当該支店指定登記所中別に法務大臣の指定する他の登記所管轄区域内にあるときは、本店における登記の申請と同時にする場合に限り、本店所在地管轄する登記所を経由してすることができるものとすること、  第五に、担保権に関する登記抹消手続要件の緩和及び商業登記簿の閲覧の有料化等措置を講ずること 等であります。  委員会においては、四月十二日提案理由説明を聴取した後、参考人意見を聴取する等慎重審査を行い、去る十日質疑終了し、討論に付したところ、日本共産党革新共同から反対意見が述べられ、採決の結果、本案賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  13. 原健三郎

    議長原健三郎君) 採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  14. 原健三郎

    議長原健三郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ────◇─────  日程第五 特定産業構造改善臨時措置法を廃止する法律案内閣提出)  日程第六 民間事業者能力活用による特定施設整備促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付
  15. 原健三郎

    議長原健三郎君) 日程第五、特定産業構造改善臨時措置法を廃止する法律案日程第六、民間事業者能力活用による特定施設整備促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。商工委員長渡辺秀央君。     ─────────────  特定産業構造改善臨時措置法を廃止する法律案及び同報告書  民間事業者能力活用による特定施設整備促進に関する臨時措置法の一部を改正する   法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     ─────────────     〔渡辺秀央登壇
  16. 渡辺秀央

    渡辺秀央君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、商工委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、特定産業構造改善臨時措置法を廃止する法律案について申し上げます。  特定産業構造改善臨時措置法は、二度にわたる石油危機を契機として構造不況に陥った基礎素材産業構造改善を円滑に推進するため、昭和五十八年に五年間の限時法として制定されたものでありますが、同法に基づく構造改善の目標はおおむね達成されております。  また、その後の円高等に伴う構造調整推進につきましては、既にこれに対処するための産業構造転換円滑化臨時措置法が施行されております。  本案は、こうした状況等にかんがみ、特定産業構造改善臨時措置法法律の期限の本年六月三十日をもって廃止しようとするものであります。  本案は、去る四月十五日当委員会付託され、同月二十七日田村通商産業大臣から提案理由説明を聴取し、五月十一日質疑を行い、採決の結果、本案全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  次に、民間事業者能力活用による特定施設整備促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、我が国経済社会を取り巻く内外環境変化にかんがみ、経済社会の基盤の充実に資する新しい施設整備に対する要請が高まっていることに対応し、特定施設追加を行おうとするものであります。  その主な内容は、  第一に、相当数企業等が各種の無線通信業務を行うために利用する施設我が国及び外国の相当数企業従業員等が相互の交流を図りつつ経済社会国際化に即応した研修を行うことができる施設等十一の施設追加すること、  第二に、特定施設追加に伴い、主務大臣に関する規定等について所要の規定整備すること、 等であります。  本案は、去る四月十五日参議院から送付され、同日当委員会付託となり、同月二十七日田村通商産業大臣から提案理由説明を聴取し、五月十一日質疑を行い、討論採決の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  17. 原健三郎

    議長原健三郎君) これより採決に入ります。  まず、日程第五につき採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 原健三郎

    議長原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。  次に、日程第六につき採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  19. 原健三郎

    議長原健三郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ────◇─────  日程第七 土地区画整理法の一部を改正する法律案内閣提出
  20. 原健三郎

    議長原健三郎君) 日程第七、土地区画整理法の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。建設委員会理事野呂田芳成君。     ─────────────  土地区画整理法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     ─────────────     〔野呂田芳成君登壇
  21. 野呂田芳成

    野呂田芳成君 ただいま議題となりました土地区画整理法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、良好な市街地形成宅地供給に大きな役割を果たしてきた土地区画整理事業について、これをなお一層推進して健全な住宅市街地の造成を促進するため、宅地所有者または借地権者の発意に基づいて施行される事業について、個人施行者制度を拡充するとともに、土地区画整理組合についての参加組合員制度を新設するほか、地方公共団体等が施行する事業において、宅地地積適正化のための措置を拡充する等の措置を講じようとするものであります。  本案は、去る三月十五日本委員会付託され、四月二十七日越智建設大臣から提案理由説明を聴取し、昨十一日質疑終了採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対しましては、未利用地有効利用促進等四項目の附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  22. 原健三郎

    議長原健三郎君) 採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  23. 原健三郎

    議長原健三郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ────◇─────  日程第八 農村地域工業導入促進法の一部を改正する法律案内閣提出
  24. 原健三郎

    議長原健三郎君) 日程第八、農村地域工業導入促進法の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。農林水産委員長菊池福治郎君。     ─────────────  農村地域工業導入促進法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     ─────────────     〔菊池福治郎登壇
  25. 菊池福治郎

    菊池福治郎君 ただいま議題となりました農村地域工業導入促進法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、最近における農業をめぐる情勢その他の社会経済情勢の推移にかんがみ、農村地域への導入対象業種として、現行工業のほか、道路貨物運送業倉庫業こん包業及び卸売業を加えるとともに、都道府県が工業等導入実施計画を定めることができる場合を拡大し、工業等導入の進んでいない複数の市町村の区域において、広域的見地からその導入促進するための計画を定めることができることとする等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、四月二十日佐藤農林水産大臣から提案理由説明を聴取した後、四月二十七日参考人から意見を聴取、五月十一日質疑を行い、同日質疑を終局し、直ちに採決いたしました結果、本案全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  26. 原健三郎

    議長原健三郎君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 原健三郎

    議長原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ────◇─────  日程第九 原子力平和的利用に関する協力のための日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定締結について承認を求めるの件
  28. 原健三郎

    議長原健三郎君) 日程第九、原子力平和的利用に関する協力のための日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定締結について承認を求めるの件を議題といたします。  委員長報告を求めます。外務委員長糸英太郎君。     ─────────────  原子力平和的利用に関する協力のための日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定締結について承認を求めるの件及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     ─────────────     〔糸山英太郎登壇
  29. 糸山英太郎

    ○糸山英太郎君 ただいま議題となりました日米原子力協定につきまして、外務委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  日米両国間には、昭和四十三年に現行日米原子力協定締結されておりますが、我が国は、米国より供給を受けている核燃料の再処理を行うに当たって必要とされる米国同意を円滑に取得することに多大の関心を有しておりました。他方、米国においては、昭和五十三年に核不拡散法が成立いたしました。このような事情のもとに、政府は、昭和五十七年以来、現行協定改定するため、米国政府と交渉を行ってまいりました結果、本協定は、昭和六十二年十一月四日東京において署名されたものであります。  本協定は、日米間の原子力分野における協力について、現行日米原子力協定にかわる新しい枠組みを提供するものであり、協力平和的利用に限定されることを確保するため、国際原子力機関保障措置適用核物質利用した活動などを両国政府同意に係らしめることなどについて規定しております。また、このような同意については、本協定の実施取極において一定の条件のもとにあるものについては一括して与えることが定められております。  本件は、三月十一日に提出され、四月二十二日本会議において趣旨説明が行われた後、同日外務委員会付託されました。  委員会におきましては、同日直ちに宇野外務大臣から提案理由説明を聴取し、同月二十七日及び昨五月十一日に質疑を行い、討論の後、引き続き採決を行いました結果、本件は多数をもって承認すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  30. 原健三郎

    議長原健三郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。上田利正君。     〔上田利正登壇
  31. 上田利正

    上田利正君 私は、日本社会党護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題となりました原子力平和的利用に関する協力のための日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定締結について承認を求めるの件に、反対討論を行います。(拍手)  本協定は、原発から出る使用済み核燃料の再処理によるプルトニウムの抽出と輸送利用の本格的で大規模な展開を図り、推進するためのものであります。当面は、再処理を委託したフランスイギリスからプルトニウムを本格的に我が国に常時空輸し、利用するための条件整備であります。  したがって、次のような重大な諸問題を有しております。  その第一は、再処理プルトニウムの商業的大規模利用は、平和利用といえども大きな危険性をもたらすものであるということです。  プルトニウムは、一回に輸送される二百五十キログラム程度の量で全世界の人々にがん被害を与えるほど毒性の強い物質であり、しかも半減期は二万四千年と極めて長い放射性物質であります。これが商業的規模で抽出され、輸送され、利用されるようなことになりますと、大気や水や食物は取り返しのつかない汚染を受け、人類の生命と健康に子々孫々にわたって重大な影響を及ぼすことになるのであります。  輸送だけを見ましても、フランスイギリスから日本に空輸するのに、アメリカ領空を飛びさえしなければよいなどという性格のものではございません。フランスイギリス日本の上空を必ず飛ぶのであります。アメリカ国民が猛反対をしているアンカレッジへの着陸はなくとも、日本のいずれかの空港へは必ず着陸することになるのであります。最近航空事故が多発しておりますが、何らかの事故で墜落した場合は、たとえ公海上であっても、そのプルトニウムで、サケやマスやタラ等のかけがえのない水産資源が長い年月にわたって汚染されるおそれがあるのであります。万一、航空機が爆発するような事態ともなれば、プルトニウム大気中に飛散しないという絶対の保障は得られません。したがって、このような危険なプルトニウム大量輸送などが安易に許されてよいものでしょうか。断じて許してはならないのであります。(拍手)  その第二は、アメリカから強く求められる核拡散防止のための防護措置の強化によるプルトニウム等の厳格な管理は当然必要でありますが、しかし、そのことを理由管理社会化が進行し、核ジャック防止の美名のもとに、市民のさまざまな意思表示や運動の自由と正当な権利が奪われる危険性をはらんでおります。  国民の持つ権利と自由が狭められること自体、決してあってはならない重大な事態でありますが、問題はそれにとどまりません。原子力基本法による自主、民主、公開平和利用三原則に基づく国民の行動が抑圧されるということになりますと、今日まで確保されてきた原発安全性も根底から損なわれ、経済性追求の前に大事故発生の確率が大きくなることは避けられないのであります。  その第三は、プルトニウム利用を世界で最初に手がけたアメリカでは、原発使用済み燃料の再処理と高速増殖炉によるプルトニウム利用の開発をとっくに中止をしております。なぜでしょうか。  アメリカアメリカ国民安全性確保を最優先したからであります。  近年フランスでも、スーパーフェニックスでのナトリウム漏えい事故により開発を凍結せざるを得なくなっており、ヨーロッパ諸国全体が否定的になっております。それは余りにも高価であり、余りにも危険性が高いプルトニウムであるからであります。二年前のソ連におけるチェルノブイリ原発の大惨事は、今日も西ヨーロッパを中心に放射能による被害が広く深く進行しています。許されざることであります。  この現実から、我が国においても、プルトニウムの抽出や輸送利用に対する懸念と反対国民の声が急激に高まっております。高速増殖炉はもとより、それ以前の過渡的利用法ともいうべき軽水炉におけるプルサーマル、つまりプルトニウムとウランの混焼にしましても、またチェルノブイリ型炉に類似した新型転換炉にしましても、我が国の電力業界自体がすっかり消極的になっております。私どもの指摘で明らかにされたとおり、低濃縮ウランの国際価格に比べて再処理費や輸送費に多額の費用を要して精製されるプルトニウムは極めて高くつくからであります。  さて、かねてからの我が党の先見性ある警告にもかかわらず、やがて原子力商船が七つの海に浮かぶようになると想定をし、原子力船「むつ」の建造や修理、母港問題や附帯設備に巨額の費用を投じてきた政府と関係省庁の皆さん、その結果は廃船の道をたどることとなりました。そして今また、高速増殖炉を本命としたプルトニウムの商業的大規模利用をまたもや想定をして、再処理による抽出や輸送等を本格的に開始するとなると、その誤りは原子力船「むつ」の誤りとは比較にならないほど重大であり、かつ深刻であります。なぜなら、それが持つ潜在的な危険性はけた違いに大きいからであります。  今、賢明なる竹下内閣に求められているのは、過去において想定した軌道の上を猪突猛進することではありません。勇気を持って世界の教訓に学び、耳を澄まして国民の声をじっと聞き取り、原子力開発計画について根本的な再検討を加えることであります。今なら間に合うのであります。  以上が反対する主な理由であります。  党派を乗り越えて、国際社会に貢献する平和日本国の立場から、本院の総意として反対されますよう切望いたしまして、ちょうど時間となりましたので、私の反対討論を終わらさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手
  32. 原健三郎

    議長原健三郎君) 田中直紀君。     〔田中直紀君登壇
  33. 田中直紀

    ○田中直紀君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております原子力平和的利用に関する協力のための日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして、賛成討論を行います。(拍手)  賛成の第一の理由は、エネルギー資源に乏しい我が国にとって、原子力は、石油代替エネルギーの中核として極めて重要な位置を占めております。原子力は、現在既に総発電量の約三割を供給しており、我が国のエネルギーの安定供給に大きな役割を果たしております。このような基軸エネルギーとしての原子力平和利用は、今後とも、安全を大前提としつつ、着実に推進する必要があるものであります。  第二に、原子力発電に必要である濃縮ウランの供給につきましては、我が国はその大半を米国より得ているところであります。新しい日米原子力協定におきましては、このような濃縮ウランなどの利用に関して必要とされる米国同意が、一定の要件のもとであらかじめ一括して得られるいわゆる包括同意方式が導入されることとなりました。このような包括同意の仕組みを組み入れた原子力分野における新しい協力の枠組みが、この協定締結によって日米両国間に実現することは、我が国における原子力利用促進に対し極めて重要な貢献となるものであります。すなわち、この協定のもとで我が国が行う国内及び海外の再処理などに対して米国の包括同意が得られることによりまして、我が国核燃料サイクル計画が長期的な見通しのもとに安定的に運営されることは、画期的な成果であります。  第三に、現行日米原子力協定は、専ら米国から日本への核燃料などの移転が行われることを前提としており、再処理等については我が国米国の規制を受ける内容となっておりますが、新しい協定におきましては、協定全般にわたり双務性が充実し、確保されるに至ったものであります。  第四に、原子力利用の先進国である日米両国が、共通の核不拡散政策に立脚した原子力協定締結することは、両国の核不拡散に対する決意を改めて強く示すものであり、世界の核不拡散体制の強化に対して多大な貢献を行うものであります。  最後に、このような画期的な内容の新しい原子力協定が実現する運びとなりますことは、原子力協定という分野において、日米両国の間に存在している強固な信頼関係が改めて確認されることにほかなりません。このように、この原子力協定は、我が国原子力政策のみならず対外政策上重大な意義を有するものであります。  以上、この協定締結は、今後の我が国原子力平和的利用の一層の促進及び核拡散防止への我が国の貢献に資するものでありますので、この協定を早期に承認することに積極的な賛意を表し、賛成討論を終わります。(拍手
  34. 原健三郎

    議長原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  35. 原健三郎

    議長原健三郎君) 採決いたします。  本件委員長報告のとおり承認するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  36. 原健三郎

    議長原健三郎君) 起立多数。よって、本件委員長報告のとおり承認するに決しました。      ────◇─────
  37. 原健三郎

    議長原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。     午後一時四十二分散会