○中西(績)
委員 そうですね。だから私は聞いたのです。あくまでも行政
担当の人たちがそのことの判断を主観的にやれば、それが威力になるわけですよ。だから、今言ったとおりなんです。
そうなると、これは大変なことだということです。戦後これが決まったのが
昭和二十四年ですから、こうした今あなたが読み上げられた十四—七の人事院
規則に該当するいろいろな分野というのは大変なことになる、だからそのときにわざわざ文部次官の
通知まで出ているのですよ。そうなっては大変だということでもって
通知まで出されている。それからすると約四十年近くたっている。しかし、今までこんなことは出たことがないわけです。人事院に、こういうことが出たかどうかを聞いてみましたら、経験がありませんとこう来たのです。
ですから、今のような勝手な政策というものの解釈についても、さらに政策決定ということになれば、少なくとも私はこういうふうに
感じていますよ。政治的
目的のうちに、今あなたがおっしゃったような「政策とは」云々というのがずっとありますが、これは正式に決定されたものでなければならないはずです。ところで、初任者研修
制度あるいは
教育職員免許法改悪、それぞれ
教育公務員特例法により云々ということ、こういうあなたが申されたような問題について、免許法を改正する
法律案など全部どうなっているかというと、
国会では提出はされておるけれ
ども、いまだに
審議がされておらないのですよ。ですから、これから
審議がされて衆参両院で可決成立して、初めて正式に決定された
制度として
実施されるに至るというものであります。これがもし否決あるいは
審議未了あるいは継続
審議などになった場合には、これは法律としては現存しないわけです。今もまだ現存していないのです、提出はされてあっても。ですから、こうしたことを
考えてみると、今の答弁からすると、
国会における
審議権を侵すようなことを平気で言っているということが
一つです。
それからもう
一つは、威力妨害ということ、妨害をするということを盛んに今言われていましたけれ
ども、これが勝手に行政者によって、
感じとしてそれを受けとめることができればそうだと言う。しかも法律がまだない中でですよ。だから、さっき私が言ったように、反対すらもしてはいけないということになる。やったときには処分すればいい、そうすれば何でもできる、そしてそれは裁判で争いましょうと。あなたたちは自分で金を出さぬからいいよ、みんな国の金でやるんだから。二十年も裁判をやってごらんなさい。個人のこうした問題をどうするかといったときに、二十年間もこれをやれなんていったってできるわけないですよ、個人では。だから私は、今のようなことが平気で行政者の
感じでやられるということになったら大変だと思うのですが、この点で、政治的な
目的というものを、国の機関あるいは公の機関において決定した政策、これを
実施することを妨害するというふうにあなたは盛んに今言ったけれ
ども、この点は「
実施を妨害する」ということは、手段だとか方法のいかんを問わずに有形無形の威力をもって組織的、
計画的または継続的にその政策の
目的の達成を妨げることを言っておるわけでしょう。しかし、まだ実際行為としてこういうものは全然出てきてない。そして具体的には、あなたは指令が出されたと言うけれ
ども、指令は出されてないのですよ。具体的にはそういうものが何もない中で出している。だから私はこれは警告だろうと思った、最初にもらったときに。私は
佐藤委員からもらったのです。だからこれは組合に対する警告かなと思って読んでいたところが、よく読み返したらそうじゃないのです。ということになってまいりますと、何といってもこの問題は、「当該政策を批判する」こういうことで具体的にやってもいいということになっているわけですから、このことを今の段階でもう既に妨害が出るとか何とかいろんな予見をし、勝手に主観で決めてやられるということになってまいりますと、これは大変なことになってくるわけです。
ですから、この初任者研修等につきまして「政策」に当たる、こういうことにしていますけれ
ども、政策の問題と、こうした妨害問題等を含めてあるいは「
実施」という問題について、これは
実施したかどうかという問題だって、ここでは結論が出ないうちに、こういうことを平気でやろうとしているのです。
ですから私は、何としてもこの点は、「威力をもつて」云々だということには決してならないということを、法律上はこういうように言っていますね。いいですか。「威力とは、人の意見を制圧するに足りる勢力を言う。」これは具体例として、危険が身に及ぶようなことを告げたり、会場での発煙筒をたき大会を混乱させるなどがこれに当たるとされている。これは大審院明治四十三年の二月と、最高裁では二十八年の一月三十日にこういう
事例がちゃんと示されております。したがって、集会、デモ、こういうものは威力には当たらないわけです。署名だってそれが当たるとはならないのです。
憲法二十一条に保障されているそういう
基本的なものを平気で否定するという、しかも
教育を
担当するところがこういうことを言うということになりますと、これは大変な問題であります。私は、この点で大変な
内容をここでは示しておるということになると思うのです。
そこで、ぜひ
大臣、聞いておいてください。今までを
考えてみても、日教組の
昭和三十一年の
教育三法反対闘争だとか、三十三年以降の勤務評定反対闘争、三十六年の
文部省学力テスト反対闘争、五十一年以降の主任制反対闘争等、これらを挙げていきますと、
文部省は今まで一度たりともこういう中身のものを出したことはありません。これは
文部省だけでなしに、人事
委員会に対して私たちがそれを聞いても、初めてですということでびっくりした顔をします。したがって、これが人事院
規則一四—七に違反すると言明をしたことがないということ、今度初めてこれが違反をする、そういう中身になっておるということ、私たちはこんなことを
考えますと、本当に、先ほど一番最初に申し上げましたように、見ただけでぞっとするのです。真っ暗になる。ですからこの問題は、例えば免許法の問題等になってまいりますと、これから後の労働組合のそれぞれの労働条件にかかわる問題等が出てくるのです。しかし、全然話もせずに一方的にこうして行政を通じて流していくということになりますと、大体文部行政というのは、今や世界的に、こうした問題については、ILO、ユネスコの教員の地位に関する勧告九項などを見てみましても、すべてこうしたことはやはり話し合いをしてちゃんと片づけるべきであるということを言われているのです。国際化、国際的にということを盛んにあなたたちは言うわけですから、少なくとも世界のそうしたしきたりをもう一度学んだらどうですか。そして、当事者同士がまず話をするということが前提にならずに、一方的に、私が一番最初ショックとして受けとめたような弾圧だけを前提にしてやるようなこうしたことはあってはならない。
大臣どうですか。——いや、もう時間がないから、
大臣です。あなたなんかから答弁をもらおうと思っていない。
大臣いかがですか。