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1988-03-22 第112回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年三月二十二日(火曜日)     午前十時一分開議  出席委員    委員長 村山 喜一君    理事 青木 正久君 理事 伊吹 文明君    理事 川崎 二郎君 理事 高橋 一郎君    理事 牧野 隆守君 理事 小野 信一君    理事 山田 英介君 理事 塚田 延充君       大島 理森君    金子原二郎君       二階 俊博君    穂積 良行君       谷津 義男君    竹内  猛君       草川 昭三君    伏屋 修治君       辻  第一君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      中尾 栄一君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     梅澤 節男君         公正取引委員会         事務局長    厚谷 襄児君         経済企画政務次         官       臼井日出男君         経済企画庁国民         生活局長    海野 恒男君         経済企画庁物価         局長      冨金原俊二君  委員外出席者         特別委員会第二         調査室長    岩田  脩君     ───────────── 委員の異動 三月二十二日  辞任         補欠選任   鴻池 祥肇君     大島 理森君   岩佐 恵美君     辻  第一君 同日  辞任         補欠選任   大島 理森君     鴻池 祥肇君   辻  第一君     岩佐 恵美君     ───────────── 本日の会議に付した案件  物価問題等に関する件(物価対策及び国民生活行政等)      ────◇─────
  2. 村山喜一

    村山委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  この際、中尾経済企画庁長官から、物価対策並びに国民生活行政について発言を求められておりますので、これを許します。中尾経済企画庁長官
  3. 中尾栄一

    中尾国務大臣 皆様、おはようございます。  このたび、経済企画庁長官拝命を受けまして、本会議場であのような私どもの経済演説の趣旨を御披露申し上げましたけれども、きょう、それに先立ちまして、村山委員長以下各位の皆様方に御招待賜りまして、まずもって御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。  議事に従いまして、所信表明をさせていただきます。  我が国経済の当面する課題経済運営の基本的な考え方につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでございますが、当委員会が開催されるに当たりまして、重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。  我が国経済は、国民生産にして一日当たり約一兆円を生み出す規模にまで成長いたしましたが、今後、対外面では、国際的に調和のとれた対外均衡達成世界経済への貢献国内面では、国民生活質的向上に努めることが重要な課題となっております。  これらの内外課題を克服するためのかぎは、内需主導型成長の中で経済構造調整を進めることでございます。私は、経済構造調整をさらに進めていくためには、国民一人一人がその必要性をしっかりと認識することが重要であると考えます。  内外経済の現状を見ますと、世界経済は、このところ緩やかながらも息の長い景気拡大を続けております。しかしながら、従来からの課題であるアメリカの財政赤字の縮減、主要国対外均衡是正発展途上国累積債務問題等につきましては、今後も解決に努めるべき課題として残されております。  一方、我が国経済は、一昨年末に景気転換点を迎え、昨年は、政府緊急経済対策効果も加わり、景気回復から拡大への道をたどってまいりました。現在も、国内需要は堅調に推移し、企業収益増益傾向にあり、雇用情勢改善するなど、景気拡大局面にあります。また、輸出はやや強含みとなっておりますが、輸入製品類等中心に増加しており、経常収支黒字幅は、このところ縮小傾向にあります。  こうした状況を踏まえ、私は昭和六十三年度の経済運営に当たりましては、特に次の諸点を基本的な柱としてまいりたいと考えます。  第一の柱は、景気回復二年目における景気の足取りを確実なものとするために、内需中心とした景気持続的拡大を図ることであります。同時に、雇用の安定及び地域経済活性化にも努めてまいります。  このため、主要国との政策協調推進しつつ、円レート安定化を図る一方、急速な円高進展等により影響を受けた地域等に十分配慮しながら、引き続き適切かつ機動的な経済運営に努めてまいります。  具体的には、まず、内需拡大を図るため、昭和六十三年度予算におきましては、NTT株式の売り払い収入の活用等により一般公共事業費の増額を図ったほか、住宅建設促進民間活力発揮のための環境整備各種中小企業対策雇用対策等の諸施策を積極的に推進することとしております。  金融政策については、内外経済動向及び国際通貨情勢を注視しつつ、適切かつ機動的な運営を図る必要があると考えております。  昭和六十三年度の我が国経済は、以上のような政府の諸施策民間経済活力が一つとなり、引き続き対外均衡是正を進めながら、内需中心とした着実な拡大が図れるものと考えられ、実質経済成長率は三・八%程度になるものと見込まれます。  第二の柱は、自由貿易体制の維持、強化に向けて率先して努力するとともに、調和ある対外経済関係の形成と世界経済への積極的貢献を図ることであります。  このため、まず、保護貿易主義の抑止と貿易拡大均衡を目指して、国際協調型経済構造への変革を推進し、我が国市場の積極的な開放等による市場アクセス改善を図るとともに、ウルグアイ・ラウンド交渉の一層の進展貢献してまいりたいと考えております。  発展途上国への経済協力については、政府開発援助の第三次中期目標早期達成を図るとともに、発展途上国への資金の還流を拡大するため、積極的な役割を果たしていく必要があると考えております。  第三の柱は、物価の安定と国民生活質的向上に努めることであります。  物価状況を見ますと、最近の円高等を反映し、卸売物価消費者物価ともこのところ極めて落ちついた動きを示しております。政府としては、このような物価安定基調を維持するため、公共料金については、できる限りその引き下げに努めてきており、先般の電気、ガス料金遠距離電話料金引き下げの実施や外国郵便料金引き下げ決定等を行ったところであります。こうした施策効果等もあり、円高等のメリットはおおむね順調に物価に反映されつつあると判断をしております。昭和六十三年度においては、円高等のメリットの一層の浸透に努めることなどにより、卸売物価は〇・三%程度消費者物価は一・三%程度の上昇にとどまるものと見込んでおります。なお、私は、今後の物価対策においては、経済構造調整のための施策を通じて内外価格差を縮小し、国民が納得できる物価水準達成していくという観点も重視してまいりたいと考えております。  さらに、住生活質的改善等、豊かで質の高い国民生活を実現するための諸施策について、積極的に検討するとともにその推進に努力してまいる所存であります。  また、国民が安心して充実した消費生活を送ることができるように、悪質な商法による被害の防止等消費者保護施策推進するとともに、消費者教育充実を図ってまいりたいと考えております。  第四の柱は、新しい中長期的な経済運営基本的方針を速やかに策定することであります。  これまで述べてまいりましたように、我が国は、国民生活質的向上地域経済活性化経済摩擦の解消、国際社会への貢献等課題に緊急かつ重点的に取り組んでいかなければなりません。  このため、政府は、昨年十一月、中長期的展望の上に立った新たな経済運営基本方針である新経済計画の策定について、経済審議会に諮問を行い、これを受けて去る一月二十二日、経済審議会は、新計画基本的考え方検討方向を取りまとめたところでございます。  新しい経済計画においては、経済構造調整を一層強力に推進し、内需主導型成長への転換、定着を進めることを基本方向としつつ、主要な政策課題として、第一に経済発展の成果を国民一人一人の生活に十分生かし、豊かさを実感できる国民生活を実現すること、第二に東京への過剰な依存から脱却し、第四次全国総合開発計画で示された多極分散型の国土を形成していくこと、第三に日本の豊かさと活力を生かし、世界貢献していくことの三点が重点になるものと考えております。  以上、我が国経済が当面する主な課題経済運営基本方向について所信を申し述べました。  私は、世界経済動向我が国経済社会についての中長期的展望を踏まえ、常に国民生活向上と人間性豊かな社会建設を目指して、今後の経済運営に万全を期してまいりたいと存ずる次第であります。  本委員会皆様の御支援と御協力を切にお願いする次第でございます。(拍手)
  4. 村山喜一

  5. 梅澤節男

    梅澤政府委員 昭和六十二年における公正取引委員会業務につきまして、その概略を御説明申し上げます。  経済国際化等経済社会構造変化進展する中で、民間活力が十分に発揮されるような経済環境整備を行うことがますます重要になっており、公正取引委員会といたしましては、公正かつ自由な競争を通じ、我が国経済活力を維持し、その健全な発展を図るため、競争政策の適正な運営に努めてまいったところであります。  まず、独占禁止法運用状況について申し上げます。  昭和六十二年中に審査いたしました独占禁止法違反事件は二百十三件であり、同年中に審査を終了した事件は百五十一件であります。このうち、法律の規定に基づき違反行為排除等を勧告いたしましたものは六件、法的措置をとるには至りませんでしたが警告を行いましたものは九十三件であります。また、カルテル事件の八件、七十四事業者に対し、総額四億四百五十六万円の課徴金の納付を命じました。  また、貿易摩擦問題への対応の一環として、ソーダ灰輸入制限カルテル事件についての第二次監査、比較広告並行輸入不当阻害等に関する考え方の公表、景品提供制限見直し等を行いました。  次に、届け出受理等に関する業務でありますが、合併及び営業譲り受け等につきましては、二千二百六十八件の届け出があり、所要審査を行いました。  事業者団体につきましては、千二百五十八件の届け出がありました。また、事業者団体活動に関する相談事例を取りまとめて公表することにより違反行為未然防止を図りました。  国際契約等につきましては、四千六百九十件の届け出があり、不公正な取引方法に該当するおそれのある改良技術に関する制限競争品の取り扱いの制限等を含むもの百四十七件について、これを是正するよう指導いたしました。  独占的状態に対する措置に関する業務といたしましては、十九業種について実態の把握及び関係企業動向監視に努めました。  価格同調的引き上げに関する報告徴収業務につきましては、昭和六十二年中に価格引き上げ理由報告を求めたものはありません。  次に経済実態調査といたしましては、VAN事業に関する調査輸入代理店制度並行輸入に関する調査生産出荷集中度調査等を行いました。また、流通分野においては、大規模小売業者仕入れ体制システム化に関する調査新聞販売等に関する調査等に基づき、独占禁止法及び景品表示法上問題のある行為につきまして、所要改善指導を行いました。  政府規制制度及び独占禁止法適用除外制度につきましては、我が国経済における民間活力を生かし、経済効率性を高める見地から、引き続きその見直しのための検討を行いました。  独占禁止法上の不況カルテルは、鋼船及び舶用ディーゼルエンジンの二品目について認可しました。なお、独占禁止法適用除外を受けている共同行為の数は、昭和六十二年末現在で三百十六件となっておりますが、その大半は中小企業関係のものであります。  次に、景品表示法運用状況について申し上げます。  昭和六十二年中に調査いたしました景品表示法違反事件は六千二百九十一件であり、このうち、排除命令を行いましたものは九件、警告により是正させましたものは千百八十一件であります。都道府県の行いました違反事件処理件数は、昭和六十二年一月から九月末までで三千七百九十一件となっております。  また、公正競争規約につきましては、新たに相互銀行業における景品に関する規約など四件を認定し、昭和六十二年末現在における公正競争規約の総数は百三十二件となっております。  以上簡単でございますが、業務概略につきまして御説明申し上げました。  何とぞ、今後ともよろしく御指導のほど、お願い申し上げます。
  6. 村山喜一

    村山委員長 次に、昭和六十三年度の物価対策関係経費概要について、冨金原物価局長から説明を聴取いたします。冨金原物価局長
  7. 冨金原俊二

    冨金原政府委員 昭和六十三年度の物価対策関係経費予算関連公共料金等改定概要につきまして、お手元に配付いたしました資料に即して御説明を申し上げたいと思います。  まず、お手元資料昭和六十三年度物価対策関係経費」一番初めは半ぴらでございますが、これは一般会計及び特別会計予算に計上される経費のうち、物価の安定に資することとなる経費を七項目に分類、整理して取りまとめております。  総額は、一番下の欄の真ん中、合計欄ごらんをいただけますように、四兆一千四百九十七億五千百万円でございます。前年度予算に比べて四千四百三億七千二百万円の増、比率では一一・九%の増加となっております。  次に、経費内容を縦長の資料で順次御説明を申し上げます。  項目の第一は、低生産性部門生産性向上でございます。経費総額では一兆八千九百三十五億七百万円となっております。  内訳といたしましては、農林漁業対策の面で、農林漁業者資本装備充実のための農林漁業金融費、農業、林業、漁業生産基盤を整理するための経費などが計上されております。また、中小企業対策経費では、二ページの下の方から三ページにかけてお示しをしてございますが、中小企業金融費小規模事業対策推進経費などであります。これらは生産性向上供給力の増大を通じて物価安定に寄与するものであります。  第二の項目は、三ページの半ば、流通対策でございますが、総額は三百三十三億九千八百万円であります。  具体的には野菜価格安定対策経費卸売市場施設整備費などが計上されておりまして、流通コストの節減に資する経費であります。  第三の項目は、四ページ下の方でございますが、労働力流動化促進でありまして、経費総額六千九十九億九千四百万円であります。  内容は、四ページ一番下の右側ごらんをいただきますように、雇用安定等事業を実施するものでありまして、労働力の質を高め、流動化を図ることを通じて、物価の安定に役立つものであります。  五ページに移りますが、第四の項目は、競争条件整備でありまして、その総額は三十二億五千二百万円であります。価格が公正かつ自由な競争を通じて適正に形成されるように、市場競争条件整備するための公正取引委員会経費がその大部分であります。  第五の項目は、生活必需物資等安定的供給でありまして、総額は五千二百四十五億五千二百万円であります。  内容につきましては、石油安定供給対策費、六ページに移りまして環境衛生施設整備費等が主な項目でありまして、石油等生活必需物資、上水道、公共輸送等生活必需サービス安定供給確保のための経費であります。  次に、第六の項目は、住宅及び地価の安定でありまして、総額は一兆八百三十四億九千八百万円であります。  右側中央あたりでございますが、公営住宅建設事業費住宅金融公庫補給金等経費などを内容としておりまして、住宅供給促進と土地の有効利用を通じまして、住宅及び地価の安定に資することを目的とするものであります。  最後に第七番目の項目、その他でございますが、総額としては十五億五千万円が計上されております。国民生活安定対策等経済政策推進費などであります。  次に、縦長の一枚紙でございますが、昭和六十三年度予算に関連する公共料金等改定につきまして、この資料に沿って御説明を申し上げたいと思います。  まず、米穀の政府売り渡し価格につきましては、六十二年生産者価格引き下げ効果を目に見える形で消費者に還元するとともに、最近における米需給状況などを勘案いたしまして、昨年十二月一日から平均三・四%の引き下げを実施いたしております。  また、麦の政府売り渡し価格につきましては、内外麦コスト動向などを適切に反映させることとしまして、本年二月一日から平均六・二%の引き下げを実施いたしております。  次に、医療費合理化適正化を図る見地から、社会保険診療報酬の三・四%の引き上げと、薬価基準の二・九%の引き下げを行いまして、総平均で〇・五%の医療費引き上げを本年四月一日から実施する予定となっております。  なお、国立学校授業料につきましては、行財政改革観点から、私立学校との格差縮小が求められている状況などを勘案いたしまして、六十四年度入学者から国立大学学部で現行の年三十万円を年三十三万六千円にするなどの改定が予定されております。  公共料金等改定につきましては、今後とも経営の徹底した合理化を前提とし、物価及び国民生活に与える影響に十分配慮しつつ、厳正に取り扱ってまいりたいと考えております。  以上で説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  8. 村山喜一

    村山委員長 次に、昭和六十三年度の消費者行政関係経費概要について、海野国民生活局長から説明を聴取いたします。海野国民生活局長
  9. 海野恒男

    海野政府委員 昭和六十三年度の消費者行政関係経費について御説明申し上げます。  この経費は、昭和六十三年度の予算案から各省庁消費者行政にかかわるものを一括して整理したものであります。  お手元に「昭和六十三年度消費者行政関係経費概要」と表題をつけました二枚の表を配付してあると存じますが、これに沿って概要を申し上げます。  一枚目の表は、消費者行政関係経費を十二の項目に分類した項目別の表であります。左側の欄にはそれぞれの項目を掲げておりますが、これはおおむね消費者保護基本法の体系に沿ったものであります。  十二の項目のうち、項目一の危害の防止から項目六の契約適正化までの項目は、主として事業者活動適正化することを内容とする事項であります。  項目七の消費者啓発以下の諸項目は、消費者が自主的、合理的に消費生活を営むことを支援することを内容とするものであります。  項目別主要内容は表の右側の欄に示したとおりであります。  昭和六十三年度の消費者行政関係経費を合計いたしますと、表の一番下の欄にありますように九十五億八千万円となります。前年度の九十七億六千万円に比べますと、約一億八千万円の減となっております。  また、これを省庁別に集計したものが二枚目の表であります。  以上、簡単でございますが、昭和六十三年度の消費者行政関係経費概要を御説明申し上げました。  なお、機構面におきましては、厚生省において輸入食品監視体制強化を図ることといたしております。  以上、何とぞよろしくお願い申し上げます。
  10. 村山喜一

    村山委員長 以上で説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時二十八分散会