○
田中(宏尚)
政府委員 最初の
価格の点でございますけれ
ども、ただいま
先生から
輸入状況や何かにつきましていろいろ御指摘ございましたが、事実
関係といたしましてはおおむねそういうことでございまして、先般の
答弁では若干時間も足りませんで少し直裁的な言い方にあるいは終始したかと思っておりますけれ
ども。
輸入サケと
国内の
アキザケとの
価格の
相関でございますが、これは過去のいろいろな
数値の経緯というものも我々はトレースして見ているわけでございますけれ
ども、やはり
基本的には
輸入品の
主体が、六割から七割が高品質ものでありますべ
ニザケが
主体を占めていることもただいま
先生から
お話のあったとおりでございまして、これにつきましては
アキザケとの
価格帯というものが
相当違っておるわけでございまして、
現実にべ
ニザケの方は千四百円から千五百円くらい、それから
アキザケの方は七百円から八百円ぐらいということで
相当の
価格帯の差というものもございますし、それから用途につきましてもかなり違っておるわけでございます。したがいまして、先般も申し上げましたのは、ストレートな
因果関係というものはないことは確かでございますけれ
ども、同じ
サケでございますので、総体としていろいろな
影響をし合うということも否定できない事実かとは思っております。
ただ、過去の数字を見てみますと、例えば
昭和五十七年は初めて
輸入サケが十万トンになった年でございますけれ
ども、この年は
沿岸ものの量が減ったということがございまして、
輸入ものが初めて十万トンという大台に乗って大騒ぎしながら
沿岸ものの
サケの
価格は逆に上昇したということになっておりますし、それから翌年の五十八年はまた逆に
輸入が十万トンを切りまして九万トン台に減ったわけでございますけれ
ども、この年は
沿岸がかなり豊漁でございまして、その結果、
沿岸ものの
価格が落ちたということに相なっております。それでここのところ、六十一年などは両方の
数量が減って、にもかかわらず
価格が同じく大幅に減をしているということで、残念ながら
数値としての
相関関係ということは確たるものがないわけでございますけれ
ども、今、
先生からも
お話ありましたように、全体として
関係が全くないかと言われるとそれは否定はし切れない面があろうかというふうに認識している次第でございます。しかしいずれにいたしましても、全体としての用途が違うあるいは
価格帯が違うといいましても同じ
サケは
サケでございますので、トータルとしての需給なり消費というものがどうあるかということにつきましては我々としても注意深く監視し、関心を持っていく必要があろうかと思っております。
それから二番目に、ただいまのこととも関連いたしまして、今回の
特例的
措置をほかのものに
拡大しないかどうかということでございますけれ
ども、今回の
措置は、先ほ
どもお話しいたしましたように、
ふ化放流という特殊な
事情のもとでの
生産の増大ということに加えまして、
特定地域での
共済収支の悪化の恒常化という非常に特殊な事例に着目いたしましてこういう
特例をお願いしているわけでございまして、現在のところ、こういう
特例に対応する
魚種なり漁法というものが決して見当たる
状況にはございませんので、これに限定して運用してまいりたいというふうに
考えております。
それから、その際の具体的運用方法でございますけれ
ども、
関係地方からいろいろと要望が我々のところにも参っているわけでございます。具体的には、アキ
サケ、その
定置に限定してくれ、あるいは
サケ以外の
混獲数量は除外してくれというような形でいろいろな要望が来ているわけでございますけれ
ども、そういう要望は十分念頭に入れまして、これから具体的運用を決めます政省令事項の決定に当たりましては、
漁業生産に悪
影響を及ぼすことがございませんよう、それからまたその基準
漁獲数量制度の導入趣旨に反することがございませんよう、
漁業実態を踏まえまして
関係者とも十分
協議の上、適切かつ弾力的に定めるなり、運用を行ってまいりたいと思っております。
それから、今後のこの
特例制度の
位置づけといいますか、
共済収支の
状況に応じてどう持っていくかということでございますけれ
ども、おかげさまで、去年まで非常に
サケ・
マスが
収支が悪うございましたけれ
ども、今年度といいますか、六十二年度、まだ集計は終わっておりませんけれ
ども、若干黒になるという明るい話も出てきておるわけでございます。しかし、単年なりあるいは数年間そういう
状況になりましても、構造的に現在
サケ・
マス大型定置が持っている問題点なり悩み、こういうものが解消したとも思えないわけでございます。したがいまして、むしろ若干ゆとりがたまたまことしある時期、こういう時期にこそ、こういう全体的、構造的な
対策というものを逆にお願いすることの方が時宜に適しているんじゃないかということで、ことしのこういう
状況の中でこの
特例をお願いしているわけでございますけれ
ども、将来どの程度こういう
状況というものが続いていくかということは、残念ながら現時点では定かじゃございませんし、それから
共済というものは、
先生十分御承知のとおり、長期に立っての
収支というものを見ていく
仕組みでございますので、将来
収支が
改善した場合にはどうなるかという点につきましては、将来の問題としてそういう
状況がどれだけ永続し、それから構造がどれだけ直っていくかという、全体も含めまして、その時点で検討させていただきたいと思っております。