○
田中(恒)
委員 非常にこれは微妙な
日ソ間の毎年繰り返されていく
漁業交渉でありますから、それぞれがこれまでの
交渉の
過程の中で
相手側の呼吸もある
程度伝えていらっしゃるのだと思いますから私はこれ以上申し上げませんが、ぜひ五月の初めの
操業時期に間に合うように、これまでの
実績などに大きな
変化が起きないようにひとつ
最大限の
努力を注いでいただきたいと思います。
ともかくこの
漁業問題は、現在
米ソ間においても、
大変日本の
漁業というか
日本の
漁船の締め出しといったように思われるようなものが、話がどうもあちこち進められておる。第一に
ベーリングの
公海上の
操業の問題もありますし、
北洋の問題についても、これはこの
漁業だけではありませんが、どうも最近、まあまあ
佐藤大臣が
向こうに行って
オレンジ、
牛肉問題で頑張ってくれているのだと思いますが、ともかく
通商摩擦、
貿易摩擦のあおりを
農林水産業、一手に引き受けた感があって、いろいろなところから
外国との
関係であつれき、
摩擦が起きておるわけです。
漁業も今に始まったことじゃありませんが、
北洋なり
日ソを通して大変厳しい
状況の中に置かれておるわけでありますが、
水産外交というものが大変重要な時期に入っておるわけでありまして、そういう
水産外交の中で
お互いにそれぞれの国の
漁業の利害をぶつけ合いながらしかも協調していく、こういう
意味では
海外漁場確保のために積極的な
漁業協力なども当然やるべきことは
我が国もやらなければいけないと思いますけれども、しかしそのことだけで事が済むような甘い
状況ではないのですね。
先般、
調査捕鯨の実施を、
政府、踏み切って行いましたね。これをめぐって
大変アメリカとの間にいろいろ問題が起きて、場合によると
ペリー修正法の発動、これは日程的にいくと四月の十日ごろがぎりぎりの
期限になる。四月の十日ごろにこの
修正法が仮に発動されるとすれば、なかなかこれは難しいだろうと言われておりますが、
我が国の
漁業製品の
輸出が
全面ストップをしていくということになる。しかし我々から言わせれば、
アメリカに約七百億円、我々は
アメリカから千八百億円買っておるわけでありますから、そういう
貿易環境からいくと
我が国としてもそういう事態になれば当然腹を決めなければいかぬということになるのですね。そういう
意味で、私は何もこんなところで大きな声で言いたくないが、我々
野党はこの
委員会にいわゆる
本邦漁業者の
漁業生産活動の
確保に関する
法律案というものを
提出をいたしております。これはある時期には
与野党一緒に、こういう話が進んでおりましたが、残念ながら
野党の
共同提案という形で出されておるわけでありますが、私はやはり
日本の
漁場、
漁業、これまでの長い伝統、
実績、そういうものの上に立って、そして新しい
国際環境の中で、我々としては我々の
主張すべきことを
主張し、我々の権益を守るために努めるけれども、なおかつ話がつかない場合には何らかの形でこの種の
法案が
国内で
整備をされる必要がある。今
牛肉、
オレンジ問題をめぐって
ガット提訴云々の
議論がなされておりますが、この問題をめぐっても、
国内でも、自民党の内部でも声を大きくしてそういう
法案の
整備の必要あり、こういうふうに皆さん盛んに言われていらっしゃるわけですね。そういう
意味で、この
水産の、我々は
対抗法案と言っておりますが、こういうものがなければ、当面話し合いだけで、
お互いの
信頼関係だけでというわけにはいかない、そういう
現実があると私は思います。この点について、これは
長官でも
大臣でも結構ですが、
水産庁はやはりきちんと腹を決めてかかっていただかないと、当面の
北洋問題や
ベーリング公海上の問題や、あるいは今、
日米間で問題になっておりますさまざまな大きな
漁業問題の
解決は何だかずるずる後ろへ下がっていくということだけに終わってしまうんじゃないか、私はこう
心配を持つ一人であります。私の
考えに間違った面があれば御
指摘をいただきたいと思いますが、ここまで来ると、我々としてはこういう
法案を
与野党で真剣に
議論をして
内容のあるものに仕上げていく必要がある、こういうふうに
考えておりますが、
政府はどういうふうにお
考えになっていらっしゃるでしょうか。なかなか言いにくい点があることは
十分承知なんですが、
貿易摩擦の問題については言わなければいけないことは言わないと、国際的にどうだこうだと遠慮しておったら本当のものは出てこない、近ごろ私もこういうふうに思っております。あえてこの
対抗法案についての
政府の所見を求めておきたいと思います。