○平野
政府委員 いわゆる戦後処理問題、ただいま
先生も御
指摘ございましたとおりに、私
ども大きく分けて三つと思っております。一つは、今御議論もございました、あるいは
附帯決議でございましたいわゆる
恩給欠格者の問題、それからもう一つはシベリアに抑留されたいわゆる戦後強制抑留者の問題、さらには引揚者の在外財産の問題、この三つの問題を私
どもいわゆる戦後処理問題として取り扱っているわけでございます。
これらの問題につきましては、これも御
承知のとおりに、
昭和五十七年六月に戦後処理問題懇談会というものを、有識者の
方々にお集まりいただきましてお願いをした経緯がございます。そしてその戦後処理懇の報告が五十九年十二月に出たわけでございますけれ
ども、その処理懇の報告によりますと、そういったいわゆる戦後処理三問題を中心としたいわゆる戦後処理問題につきましては、国としていわゆる
補償をすることはないけれ
ども、そういう
方々の御苦労というものは大変であった、そういう
方々の心情に思いをいたして、いわゆる戦後処理のために特別基金をつくったらどうかということの御報告があったわけでございます。
そこで、私
どもそのことを中心といたしましていろいろ論議を重ね、また
検討も続けてきたわけでございます。率直に申し上げれば、私が所属しております特別基金の
検討調査室というのもその処理懇を受けてできた部局であるということも言えるかと思っております。そこで、そういった処理懇の報告を踏まえて、それを基本方針としながら私
ども今日まで至ってきているわけでございます。
そういう戦後処理懇のことを基本方針として私
ども政府等とも十分
検討した結果出てまいりましたのが、ただいま御
指摘がございましたいわゆる平和祈念事業特別基金等に関する
法律案ということになるわけでございます。
したがいまして、この平和祈念事業特別基金等に関する
法律案、この法律の
趣旨というのはこの一条にも書いてあるわけで、また別途御議論、御
審議がいただけるものと思っておりますけれ
ども、いわゆる恩欠者の問題あるいは戦後強制抑留者、シベリア抑留者の問題、さらには引揚者と申しますかの在外財産に関する問題、こういう
方々の「戦争犠牲による労苦について国民の
理解を深めること等により
関係者に対し慰藉(しゃ)の念を示す事業を行う」、こういう形で平和祈念事業特別基金というものをつくらせていただきたい、設置していただきたい、こういうことでございますので、いわゆる恩欠者の問題もその問題の中に含まれている、その基金の
対象に含まれている、このようにお
考えいただきたいと思っているわけでございます。