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竹下内閣総理大臣 私は
内閣総理大臣に指名していただいて幸せだなと思っておりますのは、
四全総というものが既に私が就任前に策定されておった。これは施策を進めていく上の
一つの基礎的条件として、私
自身にとって大変幸せなことであったなと実は思っておるところでございます。そうしてそれのいわばはしりとでも申しますか、いろいろなことを
考えながら、いわゆる多極
分散型
国土形成ということが少なくとも位置づけられはしてきた。そういうことに、たまたま前内閣から今ももちろん継続しております土地問題というものがちょうど複合しまして、そこで国会に自発的に土地問題対策
特別委員会というものができて、しかもこの
四全総の促進のための
基本法ともいうべき今次の
法律がこの
委員会に付託され審議されてきた。そういう環境は私
自身にとって大変恵まれたことであるなというふうな問題意識をまず持っておるところであります。
しかし、今もろもろ御
質疑がありましたように、これは一挙にできるものであるとは私
自身ももちろん思っておりません。したがって、少なくともそのはしりとしての、今第一次もあろう第二次もあろう第三次もあろうとおっしゃった。が、曲がりなりにもできましたこの
基本方針に基づいて、今は第二次とでも申しましょうかそうしたものを少なくとも
概算要求時点までには整理整とんをきちんと、やはり各
省庁の
調整ということをお願いをしてやっていかなければならぬ課題だというふうに、まず
考えておるところでございます。
そうなると当然のこととして、この問題は、今度はただ、首都が仮にどこにあろうとも、
関東ブロックというものは
関東のいずれかの地帯に移したがよかろうということが今現実化しておる
一つの問題になっておるわけでございますが、それだけでもとより済むものではございませんので、それこそ今おっしゃった、道州制の議論まで進むかどうかは別といたしまして、そういう
地域ブロックの問題に対してもそれぞれの青写真というものを、
四全総で特徴だけは明記されておりますから、そうしたものに
地域の方々の知恵を加えながら、そういうものを
形成していかなければならぬというふうに
考えております。
それと、今度はそれに伴うところのいわば
地方の自主性の尊重ということでございますが、これは私は
基本的には一番大事なことであると思っております。しかしながら、そのいわゆる財源
調整ということになりますと、税源というものが非常にばらつきの多い今日、自主財源というものにもおのずからの限界はございましょう。したがって、その中の議論ではまた第二交付税的な議論も出て、補助金に対するいろいろな角度の問題も引き続き議論をしていただかなければならぬ問題ではなかろうか。そうして権限移譲の問題につきましても、確かに行政改革は天の声である、こういう雰囲気の中で行革というものが進められ、そうしていわば非常に目に見えやすいところの国鉄とか電電とか専売とか、そういうものが総裁がいなくなって社長になった。こういう進歩はありましたものの、
地方への権限移譲ということになりますと、私もいまだしという感じを持っております。
これに対していろいろな困難な問題がありましょうとも、私どもはそれに対してやはり着々と物を進めていかなければならないではなかろうかというふうに思っております。一挙にできるものとは思いませんが、もろもろの
意見等、これは誘導税制等々いろいろございます。そしてまた財源配分の問題等も踏まえながら、まさにその
基本法ともいうべき今次の
法律というものに基づきまして、特に協議
機関というようなもので縦割り行政のもろもろの
調整も私は幾ばくか前進するのじゃないかという期待感も含めて、これから私なりに、国会のこういう雰囲気は盛り上がってきておるわけでございますから、御協力も得ながら、まさに
国民次元の問題としてこの問題を進めていくべきである、このようにみずからにも言い聞かせておるところでございます。