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矢野政府委員 御
指摘のように、消防の予算、五十六
年度をピークといたしまして、その後いわゆるマイナスシーリングという厳しい
財政状況のもとで年々減ってまいってきております。その中でも特に中心になっておりますのが、やはり消防の
施設整備費の補助金、これがただいま御
指摘の百五十数億の予算の大部分を占めておるわけでございますが、こちらの方が減ってきておるわけでございます。私どもの方としては、そういった厳しい
財政事情の中でできるだけの努力をしてまいったわけでございますが、残念ながら
昭和六十二
年度の時点では、こういった
施設整備の補助金関係でも、ピーク時五十六年の約三分の二、六六%
程度にまで落ちております。ただ、
昭和六十三
年度の予算につきましては、こういった傾向にかんがみまして、同じく予算の要求は減額基準の対象ではございますけれども、最大限の努力をいたしまして、対前
年度約九九%にとどめるということで、ここのところ続いてまいりました低落の傾向に何とか歯どめをかけることができたのではなかろうか、こう
考えておるわけでございます。
ただ、問題は中身もあるわけでございまして、特に予算の中でも補助金でございますから、補助金をもって
施設整備を大いに促進するという必要のあるものをやはり重点に
考えていきたい。例えば、いわゆる消防の科学力の増強分でございますとか、あるいは整備がおくれております市町村の防災無線でありますとか、あるいは消防団の活性化、こういった面に特に重点を置いてまいっております。
そして一方におきまして、こういった補助金の減をカバーするというと若干語弊がありますが、これとあわせて、いわゆる防災まちづくり
事業、これは
地方債とその
地方債の一部につきまして
交付税上元利償還費を算入するという仕組みでございますが、この
事業を併用いたしまして、こちらの方で可能なもの、例えば防火水槽、こういったようなものについてはそちらの方で
施設整備を図っていく、こういうぐあいに努力をしておるところでございます。この点につきましては御理解を賜りたいと存じます。
また、消防力基準と職員の充足との関係でございますが、消防力基準は、これはしばしば御
指摘ございますが、大変高い基準ではないかということも言われております。しかし、私どもとしては、現在の消防力基準を実態がそこまでいかないからといって落とすということは
考えておりません。もちろん消防力基準も時代の趨勢に伴って見直しの必要はあろうかと思いますが、
基本的にはこの消防力基準の水準というものは今後とも目標として掲げていきたい。
特に職員数の方におきましては、全国平均で申しますと大体七六、七%ぐらいでございます。大阪の場合、私もちょっと記憶をいたしておりませんが、ちょっと率が低いようでございますけれども、この点については、一方において消防の
施設を充実をしていく、他方においてそれに伴う職員が同様にふえてくれば、あるいはそれ以上にふえてくれば、この数字は上がってまいるわけでございますが、行政改革という
状況のもとでできるだけ職員数の増加を抑えるということから、一方でできるだけ装備の方の省力化というものを図りながら
考えてまいりたい。
それからもう一つは、もちろんこの基準が一〇〇%になれば、すべて専任を配置するということになるわけでございますけれども、実はなかなかそうはまいりません。そういう意味では、相互応援協定とかあるいは広域応援協定で、必要な場合には直ちに応援を求めてこれをカバーしていくというようなことも進めておるわけでございまして、いろいろな厳しい条件の中で私どもも今後とも最大限の努力をしてまいりたいと存じますので、御理解を賜りたいと存じます。