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堀委員 おっしゃるように、オーバーパーで回っているに決まっておりますから、その分はそれを額面で繰り上げ償還は困難でございましょうが、一回そこでやっておけば、これは
長期に、さっきも申し上げましたように十六年から二十年というところが大変たくさんございまして、八・九から八のところが九千八百十九億円、七・九から七というところが一兆三千六百十七億円、合計いたしまして二兆三千五百億ぐらいざっとここにございます。ですから、
長期のものがもし多少オーバーパーで償還をいたしましても清算
事業団にとっては
大変金利の負担が楽になる、こういうことになろうかと私は考えておりまして、それが
一つ。
後の構想についてやはり申し上げた方がよかろうと思います。実は子会社の設立の目的でございますけれ
ども、処分の中核的受け皿として、かつ株式売却を通じて債務返済を行うということが
一つでございますし、
事業団所有地の散逸を避けるとともに、
事業団の中核を担う職員に雇用の機会を与えるということが
一つの
基本的な考え方でございます。そうして、この子会社の担う
役割と条件でございますけれ
ども、設立後、可及的速やかに上場ができる方向を目指す。現行のルールでは七、八年はかかると思いますけれ
ども、そういう形で株式の上場をする。また、このための前提として、高収益、高成長会社の実現を目指さなければならない。三番目に、今のものの前提として、現物出資による会社を設立する。最後に、設立後、現物出資以外の用地について、
事業団から譲渡または貸与を受け、不動産
開発を行うということで、少なくともこれは完全な民間の会社として、経営者の
皆さんも民間から来ていただいて御協力をいただきたい、こういう考えでございます。
実は国鉄清算
事業団の土地処分の
委員会の
委員長を平岩経団連副会長がなさっておりまして、御相談に参りました。一体この国鉄の土地を処分をして七兆七千億という金を得ようということのようですが、ちょうど累積債務国の債務をセキュリタイゼーションによって
処理をするというのは今日の
一つの方法として考えられておるところでありますので、まずこの土地をそういうふうな民間の子会社に出資をいたしまして、そうしてそこでその会社自身が株を発行する、あるいは先に株に転換できる転換社債を発行する等いろいろな手段を通じて
資金を調達しながらそれを今の債務の償還に充てていく、いろいろな方法を通じて実はこの新しい民間の子会社は
かなり有効な仕事ができるだろう、私はこう考えておるわけでございます。
設立のための
基本的考え方でございますけれ
ども、将来の株式処分を考えると、子会社はできるだけ規模を大きくし、既存の上場大手不動産会社の規模と遜色のないものにするということでございます。これはどの
程度かと申しますと、現在、大手の不動産会社、三菱地所、三井不動産、住友不動産、東京建物、東急不動産というのが大体大きいところでありますが、この三菱地所の
事業用土地の時価評価額は八兆四千億円でございます。これは六十二年三月時点であります。そうして、業績は税引き利益で二百四十七億二千万円、株式の時価総額は二兆七千三百十八億円、株価収益率はこれでいきますと大体一一〇倍
程度に今なっているということでありますが、この一番大きい三菱地所と遜色のないような出資を受けた民間会社にするという考え方を御提案したいわけであります。このぐらいになりますと、実はこの会社、負債はないわけであります。そうして、その土地の有効利用を自治体とも協議をし、合理的な判断で
処理ができるということになりますから、さっき申し上げました土地の乱売あるいは利用の乱立といいますか整合性のない利用というようなことで土地を切り売りいたしました場合には問題が起きてまいりますけれ
ども、今の場合にはこれは極めて合理的な
処理になるのではないか。
私先日関西電力の芦原名誉会長にお会いをいたしましたときにちょっとこの話をいたしまして、大阪でも梅田に大きな操車場跡がある、あれもそういうふうに民間会社が保有をすれば計画的な
開発ができるのじゃないかと思いますと申し上げたら、芦原さんは、いや堀さんそれは大変いいことだな、あれがまた切り売りでもされて乱
開発になったら我々はとても困るなと心配していたのだけれ
ども、それは堀さん大変いい考えではないかというふうに芦原さんも私のこの提案に答えていただいておるところでございます。
この設立子会社の問題をもうちょっと申し上げておきますと、大量の現物出資を全国的に一時的に行うことは不可能であり、一社に限定することは難しい。
一つだけつくるというのは無理だというふうに考えておりまして、子会社は、
事業団のすべての用地を取得し
開発することは必ずしも望ましくなく、むしろ民間業者に用地
開発の機会を与えることが必要である。
中心になる部分は新しい会社がやるといたしましても、その他につきましては民間デベロッパーと協議をしながら
対応するということがいいのではないか、こういうふうに考えておりますし、現物出資につきましては、(現物出資は通常、税法上の
関係から、設立時に限られ、追加現物出資はできない。現物出資の対象物件については、
事業団全体の土地処分、利用計画に照らして整合的に選択される必要がある。大量の土地を一括現物出資しにくい。こういうようないろいろな問題もございますので、ここらは十分配慮をしながら適切な
対応を講じたらいかがだろうか、こんなふうに思っているわけであります。
そこで、設立子会社の
事業の展開から見たところでありますけれ
ども、まず
開発不動産の種類は、ホテル、商業ビル、オフィスビル等でございまして、
事業の収益性、成長性、安定性等を考慮すれば、総合的な
開発事業が適当である。二番目に不動産マーケットでございますけれ
ども、現在の
日本の不動産マーケットからすれば、東京、大阪
中心の子会社設立が考えられ、その他名古屋、福岡等についても検討が必要であろう、こういうふうに考えております。そうして、地価高騰地域、子会社方式の必要性の高い特定地域というものがあろうかと思いますが、土地処分形態の中で、子会社方式の必要性から見ると、汐留、梅田駅周辺、大宮等の地域の
事業開発を目的としたさらに子会社の設立が考えられる。こういうふうに見ておるわけでございます。そういう
意味で、考え方としては、東京なり大阪なりあるいは福岡等を含めて規模の大きい民間会社を設立するということにしてまいったらどうだろうかというのがその具体的な提案の中身でございます。
ここで
一つ、この例示といたしまして、汐留地区の現物出資を想定した子会社の収支試算というものを実は取りまとめておるわけでございます。この汐留地区土地利用の想定といたしまして、国土庁大都市圏整備局作成の汐留地区整備イメージというのがございますが、これを用い、各ブロック面積を概略計測し、各ブロックの容積率を一〇〇〇%と想定する。ここは非常に重要でございまして、容積率を一〇〇〇%くらいにいたしませんとせっかくの非常に有効な土地利用がうまく行われませんので、まずこれの容積率を一〇〇〇%とするというふうに想定をいたしまして、そういたしますとオフィスビルその他のネットの用地が十二万二千平米ということになりまして、有効率が六二%になります。道路用地が四万六千平米になりまして、公園、オープンスペース等二万八千平米、合計十九万六千平米というのが汐留の土地利用の今の想定のプランでございます。そして、ブロック
開発についても細かい計算が出ておりますが、時間の上で省略をいたします。
こういうことで、収入・費用原単位等いろいろ計算をいたしておりますけれ
ども、結論として、
資金計画でございますが、資本金が一千億円、現物出資、そうして建物を建てました敷金は賃料の二十五カ月、借入金
金利は平均五・八%、現在、公的
金利五・五%で四〇%、市中
金利六%で六〇%ということで、
運用利回りは平均五・五%くらいになるのではないか、こういうふうに見ておるわけでございます。
以上、株式の上場可能の時期、株式売却のテンポ、株式売却による
事業団の取得
金額等、いろいろ計算をいたしておりますが、これは資料でまたごらんをいただくことにいたしまして、概要今のような考え方でひとつこの主要な土地を企業化をして、そうして、そこで入ります収入だけでなくて、ここに建ちましたいろいろなものの中に、例えばメンテナンスのための会社も必要になりますでしょうし、いろんなものができてまいりますし、
かなりの大規模でありますから、これに、今残っておられる四千七百七十三人でございますか、そういう方
たちをひとつ雇用の場をつくって働いていただくということになれば、これはまず第一の雇用
対策の問題は解決をいたしますし、土地を売っておりませんから、十年、二十年、三十年と
長期のタームで考えていきますならば、やはり土地は
日本経済の拡大とともにその土地の有効利用は拡大をするわけでございますから、そういう
意味で、時間を限らないで
かなり長期に考えれば
日本の大都市における土地問題に対する
一つの非常に有効な解決の手段にもなるし、あわせて、今の土地がそのまま残ってまいりますから、そこでいろんな有効な活用の中でこれらの会社の発行します転換社債やあるいは株式は非常に大きなプラスを清算
事業団にもたらす、こう考えておるわけであります。
以上、一番大きな問題は借りかえをする問題、それから二つ目は、今申し上げたような民間企業を設立することによって土地の有効活用を図り雇用
対策にも資する、こういうのが
基本的な柱でございます。
さっき
大蔵大臣が
お話しになりましたように、確かに今の
資金運用部にも穴があきますし、いろいろ及ぼすところは広いと思います。しかし、金融機関といえ
ども、実は今国債が
特例債をだんだん収縮をしていきますから、そういうことになりますと、これからは政府保証債を含めたそういう債券というものは
かなり需要がある問題でございますので、相対の借り入れということの必要はなくて、債券化によって
資金を調達するということは、今、私、御案内のように、総理にも御協力をいただいて国際金融
経済研究所というので金融の国際化のために
努力をいたしておりますが、そういう世界的な金融マーケットの
中心になってまいります東京なり大阪なりというところでこういう
事業を行うことは、そういう問題との関連でも極めて重要であるし、適切な
対応になるのではないか、私はこう考えておるんでございますが、以上の考え方についてひとつ
大蔵大臣または総理
大臣から御
答弁をいただきたいと思います。