○森田(景)
委員 どうも大変御苦労さまでございます。
私は、質疑に入ります前に、一言
大蔵大臣に苦言を申し上げておきたいと思うのでございます。
といいますのは、
政府税調は二類型三方式の税制改革素案というのを発表したわけでございます。その素案の発表を見ますと、竹下総理が予見を与えずと言って大変すばらしいのが出てくるのじゃないかと思っておりましたが、そう言ったにもかかわらず、今までに出尽くした内容の方式が素案として発表になったわけでございます。この
一つは、大平元総理のときに断念しました
一般消費税、もう
一つは、中曽根総理のときに断念をせざるを得なかった売上税、もう
一つは、かつて実施されたけれ
ども短い期間のうちに廃止になったという取引高税、こういう三つの方式でございました。それはそれとしまして、
政府税調が発表したことですから、そのことについては私はどうこうということは申し上げるつもりはございません、今の段階では。我々の立場としては、あくまでも
政府が出してきた段階でいろいろ論議をしたい、こう思っております。
だけれ
ども、私が苦言を申し上げたいと言いましたのは、この素案が発表になりましてから各新聞紙上にいろいろな報道がされまして、例えば新型間接税の税率は一%であるとか、それから増減税規模八兆円だなんて、あるいは新型間接税の簡易課税制は売上高五億円以下だとか、そのほかにもたくさん記事がありました。こういう記事が出ているわけでございます。内容を見ますと、
大蔵省の方針は固まっている、
大蔵省の見解がまとまった、こういう記事になっているのですね。
私は、かつて、いろいろと
大蔵省の
関係、昨年でしたか、記事が出ることを
宮澤大蔵大臣はどう思うのだということを
お尋ねしたことがあるわけです。そのときに、私が申し上げているのではなくていろいろと新聞社が取材してやっているのでしょう、こういうことだったのです。だけど、こういうことは私は非常に不謹慎だと思うのですね。というのは、
政府税調が素案を発表して、素案に基づいてこういう形にすればこうなりますよと
政府税調が発表してくるなら構わないわけです。しかも、今
政府税調は、公聴会といいますか、そういうものを全国で開いて、もう終わったのでしょうか、いよいよまとめの段階に入ってきている、こういうことなのですね。それが、またどっちみちそんなことを言うと
宮澤大蔵大臣は、いや、私はそんなこと関知しておりません、こう言うに違いないのですけれ
ども、やはり
大蔵省が先走って、それで我々のいわゆる大型間接税論議、これに対して逆なでをするようなこういうやり方は慎むべきである、私はこう思うのです。そのことを最初に
大蔵大臣に申し上げておきたい、こういうふうに私は
考えているわけでございます。私はまだ大型間接税の論議に入ろうと思っておりませんから、苦言だけ呈しておきます。
それから問題なのは、きょうも午前中話題になりましたけれ
ども、四月十八日に内閣記者会の懇談というのが竹下総理を囲んであったのだそうでございます。その発言というのが新聞に報道されておりまして、私も、四月十九日付だったと思いますが、新聞を拝見しました。この中に「六十三
年度減税について」という項目がありまして、「戻し税はいいことではない。」中略しまして、「理論的には恒久減税につながるものでないといけない。自然増収を減税に充てるとの話もあるが、自然増収の規模は六月終わりごろに分かる。それも、税収に余裕があるときは、
赤字国債を発行しないのがルールであり、増収があったからといって、
予算書に(税収が)プラスされるわけではない。(六十三
年度減税は)税理論からすれば、恒久的図柄の中に位置づけるべきだ。」こういう内容でございました。これは、減税の法案は税制抜本改正法案の一部として提出したい、こういう意思表示であるというふうに新聞は報道しているわけです。
で、けさも
大臣は
答弁されましたけれ
ども、三月三十日の与野党国対
委員長会談がありました。御存じのところでございますが、ここで合意しました確認事項の
一つは、六十三
年度減税のための法案は今会期中に処理するように最大限
努力をするということでございました。まだ一遍も
努力をしていないのです。その
努力をしてないうちに総理がこの口頭の約束をほごにするようなそういう発言をするということは、これはまさに背信
行為ではないか、こう私は思うのです。そういうことで、きょうは総理ここへ見えておりませんけれ
ども、副総理として、そういうことは慎むべきであるということをぜひ副総理の立場から
宮澤大臣は総理
大臣に進言をしていただきたいと思うのです。そうでないと、これから無用の混乱がまた起こることが予想されると思います。今までも、
政府・自民党の閣僚の中には、大変発言に穏当を欠く発言もときどきありました。そのことが
国会で問題になり、いろいろと混乱した
事例もあるわけでございますから、少なくとも総理としてそういうことは慎むべきであるということをぜひ
宮澤副総理からお伝えいただきたい、こういうことを御忠告申し上げまして、これは
答弁要りません。弁明したければされても結構でございますけれ
ども、これはぜひ伝えていただきたいということを最初に申し上げて、
質問に入りたいと思うわけでございます。
それで、私は時間の配分が非常に下手なものですから、今までも、いろいろと
質問したいことがたくさんあったのを途中で断念せざるを得ない、こういうことがありましたので、本日は、財確法の審議でございますが、財確法は最後にやらせていただこうと思っております。
最初はデノミのことについてお伺いしたいと思うわけでございます。
けさも、また先ほ
ども、いろいろと
予算の単位等につきまして、丸がたくさんついているものですから読み違えがしょっちゅうあるわけでございます。実は、私の地元の商工
会議所の会合にある政務次官が見えられました。断っておきますが、これは大蔵の政務次官じゃございません。そのときに御立派な演説をなさっておられました。その話の中で、皆さん一兆円というお金はどのぐらいのものか御存じですかという話がありました。私もまだ一兆円持ったことがありませんから、東京の造幣局でまだ日銀に入る前の積み重ねたのは一回見せていただきましたが、わかりません。その政務次官は、毎日百万円ずつ使って何と二百七十年かかるのです、こういうお話をなさったのですね。それで、私もそんなものか、大変だな、こう思っていたのですが、
大蔵大臣、これは正しいのでしょうか。