○藤原(房)
委員 貯炭の方も去年の暮れから見ますと少し減ったようでありますが、これは
経済の動きと非常に連動する一面もありまして、円高の中で
価格差がだんだん開くような現況の中にあります。一方では海外炭が最近は値上がり傾向にあるといいますか、報じられるところによりますと、交渉の中で海外炭につきましても値上げの要求が強い。それは値上げ幅ということになりますとわずかかもしれませんが、交渉の中でもそういう傾向にあることは事実のようであります。石油にしましても石炭にしましても非常に揺れ動く、そしてまた、長い目で見ますといろいろな問題のあります中でのことであります。こういうことからいいまして、一千万トンの八次策のなだらかな遂行ということを
国内の石炭
産業として確保するといいますか、何とかこれの
計画を進めるということが非常に大事なことになるのじゃないかと思います。
時間もございませんので、今後の動きと中長期的な見方、いろいろなことについて
お尋ねしたいと思いましたが、この
程度にしておきます。今の
部長の
お話からしますと、今後いろいろ予測される貯炭のことにつきましても十分な手当てができるというふうに受けとめさせていただいたわけでありますが、
生産に当たっております各山の需給
関係が円滑に進むように、ぜひひとつ御配慮いただきたいものだと思います。
次に、
地域振興の問題でございますが、これも午前中いろいろ触れられておりました。確かに各
地域でそれぞれの
計画を立てられ、各町村ごとの
計画、それから総合的な
計画、さらにまた、
建議によりまして総合
支援事業という形でそれをバックアップするという形はできました。また、もう一々申し上げる時間もございませんが、それぞれの地方自治体で熱心な
企業誘致をいたしましてそれぞれ配置をする、またいろいろな
お話がある。
計画も、絵にかいた
計画それから
現実的なもの、こういうものが今散在をしておるのでありますが、これを
一つ一つきちっと
計画どおり進めていくには、ここ二年、三年の担当官庁の御
努力が非常に大事なときになっているんじゃないかと思います。いろいろな話はありますけれ
ども、具体的にそれが進むということになりますとそれなりに
計画もしっかりしていなければなりませんし、また
支援対策も強力でなければなりません。そういうことから、総合
支援事業というのはいろいろな
意味で重要なことだろうと思います。そういうことで、今後の
支援事業に対しましてひとつ強力な体制で臨んでいただきたい、このことを実は要望いたしておきたいと思います。
過日、ある方の
お話を聞きました。西ドイツのエッセンというところの市長さんですが、ここはアメリカのピッツバーグと並んで重
工業都市から文化学術都市に変貌したということで模範的なところと言われているわけであります。この市長さんがいらっしゃっていろいろな
お話をしたのをちょっと読ませていただいたのです。
企業がいらっしゃるときに
企業のトップの
方々が考えることは、やはりそこに文化的な魅力というものを感ずるからなんだ。そこに従業員が張りついて
企業活動するには、その
地域に文化的な魅力というものが必要だ。今いろいろ
計画を立てておりまして、これから観光とかリゾートとかいろいろなことが言われておるわけでありますけれ
ども、確かに
産炭地という特殊
事情の中で今そこに
企業を
誘致するということからいたしますと、それは手っ取り早い
一つの方法であるかもしれません。総体的に観光とかリゾートとかいうことが
中心になっておるわけでありますが、やはり文化的な要素、それから学術研究とかいうものがそういうところになければ魅力というものを感じない、ただリゾートとか観光というだけでは満足し得ないそういうものがあるのじゃないか。筑波学園ができたとき、私も
科学技術の方を担当して何度か向こうへ参りましたが、
地元の研究者の子弟の教育とかいうことで
地元でいろいろな要望をお聞きしたことを今思い出しておるのであります。
産炭地の
振興というのはいろいろな要素が絡み合っていますからあれですけれ
ども、これから大きな
計画を立てるに当たりましては、確かに今立てておる
計画を力強く進めていただくことも大事なことでありますが、そこに文化的な魅力をというこの市長さんの
お話は、確かに私
ども考えなければならない一面があるなというふうに読ませていただいたのです。そういう点からいいますと、全体的な
計画の中にもそういう要素がないわけじゃありませんが、失敗の許されない
産炭地としてまた新しい出発をするわけでありますから、いろいろな情勢を勘案してお進めいただきたい、こう思うのですが、いかがでしょう。
〔金子(原)
委員長代理退席、
委員長着席〕