○滝沢委員 時間がありませんから問答してもなにでありますが、どうかその点よろしきを得て、
生産する側と使う側と役所、この三位一体の
協力関係が十分できますように御配慮をお願いしたいと存じます。
そこで、これを
規制してそのようなものは使わぬということになりまするときに、しからば
代替品はいかがなものか、こうなるわけでございます。これは語れば長きことになりまするから飛びますけれ
ども、
代替品はどのようなものに対してどのようなものが想定され、しかもそれは
生産可能であるかどうか。逆に言うならば、これにかわるべきものを
開発、発明、
生産することができるかどうか、それはいつまでにできるかということになるわけであります。
ここで私は、やや他事に触れるのでありますが、大体、
我が国は国家の
一つの目的といいますか
方針、国是なんという言葉が例の核三原則について言われておりまするけれ
ども、抽象的なものにはそれは平和何々と言いますが、問題は、いついつまでにこれこれのものを
開発しなさい、発明しなさい、つくりなさいという学界に対する、あるいはまた産業界に対する
指導援助の手だてが、よその国に比して少ないのではないか。かつて
日本がアメリカに対して絹製品を売らぬと言ったときに、アメリカの御婦人が靴下も履けぬことになって、とにかくアメリカの婦人の方から戦は御免という声になるというふうに期待したのでありましたが、アメリカ
政府はアメリカの学界に対して、絹にかわるべきものをつくりなさいと強力に
指導した結果ナイロンが発明されまして、それが結局は
我が国の絹業界の命をとる結果になるわけでありますけれ
ども、およそ全体主義の国は当然でございますが、しかし民主主義の国といえ
ども、国民全体の幸せのために学問の
世界、産業の
世界がこれに
協力することは当然であり、それを誘導することは政治の
責任でございましょう。
そのような
意味で私は、今回のことについても
代替品を――もとのものよりもだめなものではだめですよ、これは結局用いられないことになりまするから。よりもっといいものが、しかも無害なものが発明されないはずがない、人知の至るところ不可能なるものなしでございますから。そういうことで、これは先ほど申し上げたように
日本の国の今日の状況が、何せ国家目的、国の理想、
計画に対して学問の
世界、産業の
世界が
協力する
体制がない、これが大きな国家的
課題でありますが。このいわゆる
フロンというような、これに対しての
対策いかんというお
伺いでございますが、いかがなものでしょうか。