○安楽
政府委員 お答え申し上げます。
まず一番初めの古い方から申し上げますと、新産・工特地区でございますが、これにつきましては高度
成長時代、昭和四十年代に地方に対して、
地域に対して拠点開発をしようということで始めた
政策でございます。その結果、これまで特に重化学工業の発展、臨海型基礎素材型
産業の発展に大きく寄与いたしまして、今日の
日本経済、
産業の成果の中で重要な位置を占めてきたものではないかと思います。これが新産
地域十五
地域と工特
地域六
地域あるわけでございますが、対全国の工業出荷額のこの
地域のシェアでいいますと、昭和四十年の一四・一%が六十年には一六・九%になった、それから人口が同じく一四・四%が一四・九%になったというような形で、一応地方に対する工業、人口の分散には寄与してきたわけでございます。
ただ、期間を分けてやっておりますけれ
ども、昭和五十六年から六十年までの第三次
基本計画の達成率を見ますと、工業出荷額の目標達成率は四三・九%等々ということで、目標には達していないわけでございます。特に二回の石油危機がございまして、それ以後
我が国の経済が安定
成長化する。そうした中で、
産業構造も基礎素材型の
産業の
ウエートからむしろ高付加価値型、加工組み立て型の
産業に
ウエートが移るというような中で、この
地域におきましてはさらに
地域の整備というものを進めているわけでありますが、そうした
産業構造の変化の中で、新しい
産業構造に合わせたような展開ということも必要であるということで、高付加価値型
産業の育成、あるいは基礎素材
産業についても新しい
技術開発等の導入によりまして新しい発展を図る、そういう努力が行われているわけでございます。
それから次に、昭和五十年の前後になりまして高度
成長から安定
成長にだんだん向かってまいりましたが、そうした中で国土計画の方では三全総というのができましたし、それから工業
立地政策の方でも工業再配置
政策ということでやってきたわけでございますが、これは必ずしも臨海型ということではなくて、内陸型の加工組み立て型
産業等々を重視いたしまして、誘導
地域という地方の
地域を
法律上決めまして、そこに三大都市圏等からの工業の分散あるいは工業をそこで内発的に育てるということをやってきたわけでございます。これにつきましては、
工場の
立地件数で言いますと、面積ベースで当初の目標の全国の七割くらいを誘導
地域でやるという目標がほぼ達成されたわけでございますが、やはりこれも経済
成長の安定化という中で、工業出荷額で見ますと目標の半分
程度が達成されたということでありまして、まだまだ不十分ということでさらにこの
政策を進めていこうというふうにしているわけでございます。
それからテクノポリス法でございますが、これは、そういう
産業構造の変化の中で、特に昭和五十年代の後半以降ハイテク
産業というものが
技術革新の中で大変重要になってまいりまして、そこでこのハイテク
産業というものを
地域に導入していく、あるいはそれをてこといたしまして
地域の工業の
技術を
高度化するということで、高度
技術に立脚した工業の開発、それと産学住の町づくりというような
観点から
地域を決めて、そこでハイテク的な工業開発をやってきたわけでございます。
これは、現在始めて四、五年というところでございますので、これからまだ時間がかかるので評価についてはさらに時間が要るわけでございますけれ
ども、現在のところで見てみますと、テクノポリスを承認し始める前の三年とそれ以後の三年間を年平均で比べてみますと、
工場の
立地件数につきましては、面積ベースで一・八倍、それから
立地件数で一・四倍ということで全国平均を上回る
立地が進んでいるというわけでございますが、その際同時に、テクノポリスということでございますので、高度
技術に
関係したいろいろな施策があるわけでございますけれ
ども、その
一つといたしまして、例えばテクノポリスの開発機構というものをそれぞれの
地域につくっていただいていろいろな事業をしていただいておりますけれ
ども、その関連でも、例えば研究型
企業の育成のための債務保証事業というので見ますと六十二年度末で合計百四十七件出ているとか、あるいは産学官の交流ということを非常に重視してまいりましたが、これもだんだんふえてまいりまして六十二年度で百九十件のケースが出ている。それからまた、リサーチコアというような研究施設の充実等の施策もございまして、そのほか公設試験研究機関の拡充等、地元の努力もいろいろございまして、研究開発とか人材育成、情報等の施設整備も進んでおるわけでございまして、一応六十二年度末までにテクノ
地域でこうした施設が三十二カ所完成しているというような数字はあるわけでございます。
もちろん
地域によりまして、あるいはその中身におきましていろいろ問題がないわけではないわけでございますけれ
ども、我々としては、おおむね順調にプロジェクトが拡大しておりますので、これを一層支援してまいりたいというふうに考えております。