○森本
委員 大臣、
予算委員会に行っていただかなければなりませんので、御答弁は今いただいた答弁で結構かと思いますが、私、いま言だけ
大臣にちょっと聞いておいていただければと思います。
大臣が今、運用面が大事だというふうにおっしゃっていただきました。これは十年間の時限立法となっている、しかも新しい制度でありますので、これからよくその
状況を把握しながら、逐次よく検討して進めていかなければならないかと思います。私も、今国会が終わりましたら、全国をいろいろ回りながら、この点については
自分の目でも確かめてまいりたいというふうに思っているところでございます。
それからもう
一つ、先ほど
大臣が、
中小企業政策にとって何よりも大事なことは金融だというふうにおっしゃっていただきましたが、やはり
中小企業への資金力をどうするかということが一番大きな
問題点になっております。したがって、きょうは大蔵省はお見えいただいておりませんけれ
ども、
中小企業庁が管轄するいろいろな国の
公的機関は、ともすれば
中小企業の業者が、機械をいろうていたそのままの手で銀行へ行かなきゃならない、そうすると、そこに非常にしち面倒くさい書類をいっぱい書いたりしなきゃならない。もっともっとこういう機関をお使いになったらどうですかと言っても、いや、銀行さんだったら毎日頭を下げて、今金が余っているから使うてくれませんかと言うて来ていると。ところが、どうもお役所の方へ行くのはかた苦しいという
雰囲気があります。この辺を、だからといっていろいろな基準を緩めるというわけではありませんけれ
ども、
中小企業の業者がもう少し親しみやすい機関にしていかなければならないのではないだろうかというふうに思います。
大臣、それでは結構でございます。どうぞ時間をとっていただきますので、引き続いて
お話をさせていただきたいと思います。
相互銀行、これは「
中小企業施策のあらまし」を読みますと、相互銀行というのは、
昭和四十三年に
中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する
法律が施行されて、それで
中小企業者の金融機関としての性格を明確にすることにしたというふうにあります。
相互銀行は民間ですから、直接
中小企業庁云々ということではありませんけれ
ども、ちょうど四カ月ほど前に、私、たまたま土曜日から地元に帰っておりまして、日曜日の朝、早い時間ですけれ
ども、まだ私は家で休んでおりました。それで、娘が表に出ようとして出たときに、そこに男の人と女の人が子供を抱いて立っているという。娘が慌てて私に、お父さん、表にお客さんやと言う。もう非常に早い時間です。そこで私、何事かと思って表へ出たら、子供を抱いた親子がいる。どうしたんですかと言ったら、実はもう家も全部とられるので、これから言うならば夜逃げしようかと思います、その前にちょっと御相談に上がりましたということでした。それで私は、まあ上がってくださいということで上がっていただいてよく
事情を伺ったら、
自分の不注意、
中小企業の経営者というのは、いろいろな金融の制度等々は知りませんから、
自分の不注意で人に手形を乱発されてしまったというのです。これは私、いろいろ調べましたら、そのある相互銀行もわかっていたはずなんです。ところが、
中小企業のおやじさんというのは、
自分の手でトンカチトンカチやっていますから、そのことになかなか気がつかない。それで、もう多大の借金ができて、その返済もとてもじゃないけれ
どもできないというのです。
私は、それじゃ余りにも気の毒だということで、その相互銀行の本店の方に一緒に行こうということで、その日は日曜日だったものですから、翌日朝から、奈良県の相互銀行ではありませんけれ
ども、行きましたら極めて紋切り型。思わず私は、その行った親子連れの人に、銀行の人を前にして言ったのです。もうこれじゃ話にならぬ、あんた、死ぬか逃げるかどっちかしなさい、死ぬんだったら、この前で死んだらニュースになるでとか言いながら、死ねとは言いませんけれ
ども激励をした。そこで、
考えますと言っておりましたけれ
ども、実際、まだなかなか解決をしていない。
どこの相互銀行がどうこうということはありませんけれ
ども、
中小企業の経営者というのは、資金繰りに本当に悩み、ちょっとしたことで、もう家も売り仕事もほって逃げ出さなければならないという
状況下にある。私、相互銀行というのは
中小企業のためのある
意味での銀行だと
認識していたけれ
ども、どうもそうでない。この辺を、そういった国の
公的機関の場合もこれからよく
事情を賢察して、救うべきところは救ってあげなければならない。確かに我々のところへ来る相談というのは、もうごてごてにこてついた相談で、あなたもっときちっと
自分の日常の経営をやりなさいよというふうに私も言いますけれ
ども、それがなかなかできなくて困っている
中小企業ですから、今後の制度運用について、あるいはそういった公的金融機関については、どうか温かい心のある、思いやりのある融資というものを心がけていただければというふうに思うのですが、これは次官、いかがでしょうか。