○中島説明員
厚生年金国庫負担の繰り入れのこれまでの経緯につきましては、
先生御
指摘のとおりでございます。このような措置が望ましいかどうかという点につきましては、私
どもとしても決してこれが望ましい措置と考えているわけではございません。御
承知のように、これまで財政が大変に苦しい
状況にありまして、特例公債の発行額を少しでも減額していきたいというような中で、社会保障を初めとする必要な歳出の財源を確保するためのいわば苦肉の策としてこうした措置をとらしていただいたというのが実情でございます。そういった意味では、私
どもといたしましても、できるだけこのような措置によらなくて
予算が編成できる、そしてしかも必要な歳出を確保できる財政
状況になることを望んでいるわけでございます。
したがいまして、来年度以降もそのような基本的考え方で臨みたいわけでございますが、財政
状況はこれまでの歳出抑制の
努力あるいは歳入の増加によってだんだん好転の兆しは見せておりますけれ
ども、借入金の残高はなお百五十兆円を上回り、特例公債も約五兆円を発行しなければ
予算が組めないという実情には変わりはございませんので、私たちといたしましては、もうしばらくの間
努力して財政改革を進めていきたいと思っております。このような中で、この措置を今後どのようにするかということでございますけれ
ども、今申し上げましたような財政事情等を勘案する必要がございますから何とも言えない点でございますけれ
ども、安易に延長することのないように慎重に検討していきたいということでございます。
これからの返済の点についてのお尋ねでございますけれ
ども、これにつきまして
法律では国の特例公債に依存している期間を経過した後におきまして、国の財政
状況を勘案しつつ
積立金運用収入の減額分を含む国庫負担金の減額分を繰り入れていく、つまり返済していくということをはっきり書いているわけでございます。ただ、返済の期間、方法等の具体的な内容につきましては、来年度以降の財政
状況を勘案する必要がございますので、現時点では何とも申し上げられないのでございますけれ
ども、私
どもといたしましては、国の財政改革をさらに一層進めるといった
努力を重ねてまいりまして、一般会計が特例公債依存体質から脱却いたしました後におきましては、いわゆる
運用収入の減額分も含めまして、できる限り速やかな繰り入れに着手していきたい。なおその場合には、厚生
大臣と
大蔵大臣の約束でございますけれ
ども、
年金財政の運営に支障を来すことがないように計画的に繰り戻しを行っていきたいというふうに考えている次第でございます。