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藤本国務大臣 ただいま議題となりました
児童扶養手当法等の一部を
改正する
法律案について、その提案
理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
母子家庭及び心身障害者に係る各種手当
制度並びに
老人、障害者等の
所得保障の中心である年金
制度につきましては、従来からその充実に努めてきたところでありますが、最近の厳しい
財政状況のもとにあっても、母子家庭、障害者、
老人等に対しては社会経済
情勢の動向に対応した適切な配慮がなされる必要があります。
今回の
改正案は、このような趣旨にかんがみ、児童扶養手当、特別児童扶養手当、障害児
福祉手当、特別障害者手当等の額の引き上げ並びに拠出制
国民年金、厚生年金及び老齢
福祉年金の額の引き上げ等を行うとともに、年金
福祉事業団が行う住宅融資
制度を拡充し、親子助け合い住宅融資
制度を
創設するものであります。
以下、
改正案の内容について、御説明申し上げます。まず、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する
法律の
改正について申し上げます。
第一に、児童扶養手当の額につきましては、児童一人の場合月額三万三千九百円から三万四千円に、児童二人の場合月額三万八千九百円から三万九千円に、それぞれ本年四月から引き上げることとしております。
第二に、特別児童扶養手当の額につきましては、障害児一人につき月額二万七千四百円から二万七千五百円に、重度障害児一人につき月額四万千百円から四万千三百円に、それぞれ本年四月から引き上げることとしております。
第三に、障害児
福祉手当、特別障害者手当及び特別障害者手当
制度の
発足に伴い経過的に支給されている
福祉手当の額についてでありますが、障害児
福祉手当及び経過的に支給されている
福祉手当の額につきましては、月額一万千六百五十円から一万千七百円に、特別障害者手当の額につきましては、月額二万九百円から二万九百五十円に、それぞれ本年四月から引き上げることとしております。
次に、
国民年金法等の一部を
改正する
法律の
改正等年金
制度の
改善について申し上げます。
第一に、拠出制
国民年金及び厚生年金の物価スライドの特例
措置について申し上げます。
現行の
制度におきましては、消費者物価上昇率が五%を超えた場合に物価スライドを
実施することとなっておりますが、昭和六十三年度におきましては、特例として昭和六十二年の物価上昇率に応じた年金額の引き上げを、本年四月から
実施することとしております。
第二に、老齢
福祉年金の額につきましては、拠出制年金の額の引き上げに準じて月額二万七千四百円から二万七千五百円に、本年四月から引き上げることとしております。
第三に、旧
国民年金法による障害年金等につきましては、昭和六十四年二月から、現行の年四回支払いを、二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の年六回支払いに変更することとしております。
第四に、年金
福祉事業団の住宅融資
制度を拡充し、被保険者の直系血族等の居住の用に供するための住宅を融資の対象とする親子助け合い住宅融資
制度を
創設することとしております。
以上がこの
法律案の提案
理由及びその内容の概要であります。
何とぞ慎重に御
審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
次に、ただいま議題となりました
原子爆弾被爆者に対する
特別措置に関する
法律の一部を
改正する
法律案につきまして、その提案の
理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
広島市及び長崎市に投下された原子爆弾の被爆者につきましては、
原子爆弾被爆者の
医療等に関する
法律により、健康診断及び
医療の
給付を行うとともに、
原子爆弾被爆者に対する
特別措置に関する
法律により、
医療特別手当等の支給を行い、被爆者の健康の保持増進と生活の安定を図ってまいったところであります。
本
法律案は、被爆者の
福祉の一層の向上を図るため、
医療特別手当等の額の引き上げを行うこととし、
原子爆弾被爆者に対する
特別措置に関する
法律の一部を
改正しようとするものであります。
以下、その内容につきまして御説明申し上げます。
まず第一は、
医療特別手当の額を、現行の月額十一万千六百円から十一万二千円に引き上げることであります。
第二は、特別手当の額を、現行の月額四万千百円から四万千三百円に引き上げることであります。
第三は、原子爆弾小頭症手当の額を、現行の月額三万八千四百円から三万八千五百円に引き上げることであります。
第四は、健康管理手当の額を、現行の月額二万七千四百円から二万七千五百円に引き上げることであります。
第五は、保健手当の額を、一定の範囲の身体上の障害のある者等に対し支給されるものにつきましては、現行の月額二万七千四百円から二万七千五百円に、それ以外のものにつきましては、現行の月額一万三千七百円から一万三千八百円に引き上げることであります。
また、これらの
改正の
実施時期は、昭和六十三年四月一日といたしております。
以上がこの
法律案の提案
理由及びその内容の概要であります。
何とぞ慎重に御
審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
次に、ただいま議題となりました
戦傷病者戦没者遺族等援護法及び
戦没者の
父母等に対する
特別給付金支給法の一部を
改正する
法律案につきまして、その提案の
理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
戦傷病者、
戦没者遺族等に対しましては、その置かれた
状況にかんがみ、各種の援護
措置を講じ、
福祉の増進に努めてきたところでありますが、今回、年金等の支給額を引き上げるとともに、国債の最終償還を終えた
戦没者の
父母等に対し改めて特別
給付金を支給することとし、
関係の
法律を
改正しようとするものであります。
以下、この
法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一は、
戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部
改正であります。これは障害年金、遺族年金等の額を恩給法の
改正に準じて引き上げるものであります。
第二は、
戦没者の
父母等に対する
特別給付金支給法の一部
改正であります。これは、再々継続分の国債の最終償還を終えた
戦没者の
父母等に対し、特別
給付金として、七十五万円、五年償還の無利子の国債を改めて支給するものであります。
以上がこの
法律案の提案
理由及びその内容の概要であります。
何とぞ慎重に御
審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
次に、ただいま議題となりました
厚生年金保険法の一部を
改正する
法律案につきまして、その提案の
理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
厚生年金基金
制度は、厚生年金保険の老齢
給付を代行するとともに、被保険者及び事業主の自助努力により代行部分を上回る年金
給付を行うものであり、
制度発足後二十年余を経て、被用者のより豊かな老後生活を保障するものとして大きな役割を果たしておりますが、今後、人口の
高齢化等が急速に進展することに伴い、老後生活の多様な需要に柔軟に対応するため、厚生年金基金
制度のより一層の普及育成を図ることが緊要の
課題となっております。
以上のような
状況にかんがみ、厚生年金基金の支給する年金
給付を充実させるとともに、その普及を図るため所要の
措置を講ずることを目的として、この
法律案を
提出した次第であります。
以下、この
法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一は、年金
給付の充実に関する事項であります。
まず、厚生年金基金の支給する年金
給付について、努力目標水準を設定し、厚生年金基金は、
給付の水準がこの努力目標水準に達するよう努めるものとすることとしております。この水準は、代行部分の二・七倍に相当する水準としております。
次に、厚生年金基金の中途脱退者につきましては、厚生年金基金が支給する脱退一時金にかえて、これを厚生年金基金連合会が年金
給付として支給することができることとしております。
また、解散した厚生年金基金の加入員であった者につきましては、清算手続後の年金積立金が残余財産として分配されておりますが、これを厚生年金基金連合会が年金
給付として支給することができることとしております。
さらに、厚生年金基金が設立母体企業の倒産等により解散した場合においても、厚生年金基金連合会がその加入員のために一定額の年金
給付を確保する事業を行うことができることとしております。
第二は、厚生年金基金の普及を図るための
措置を講ずることであります。
まず、小規模厚生年金基金についてその業務の共同処理により事務費負担の軽減を図るため、厚生年金基金は、業務の一部を厚生年金基金連合会に委託することができることとしております。
また、厚生年金基金及び厚生年金基金連合会の業務が適正な年金数理に基づいて行われるよう、年金数理人による
関係書類の確認等の
措置を講ずることとしております。
以上のほか、厚生年金基金及び厚生年金基金連合会に係る退職年金等積立金に関する法人税法の
改正等所要の
改正を行うこととしております。
なお、この
法律の施行期日は、本年九月一日としておりますが、中途脱退者及び解散した厚生年金基金の加入員であった者に対し厚生年金基金連合会が支給する年金
給付に関する事項並びに厚生年金基金連合会の年金
給付の確保事業に関する事項は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
以上がこの
法律案の提案
理由及びその内容の概要であります。
何とぞ慎重に御
審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。