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中村国務大臣 ただいま議題となりました
特定不況業種関係労働者の
雇用の安定に関する
特別措置法の一部を
改正する
法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
我が国の
景気は現在のところ拡大局面にあり、最近の
雇用失業情勢は
求人倍率が上昇を続けるなど総じて
改善傾向にあります。しかしながら、こうした中でも石炭、造船、非鉄金属等の構造的
不況に陥った
業種においては、相当程度の
雇用調整が行われるなど依然として厳しい
状況にあります。また、円高や対外貿易摩擦を背景に、内需主導型の
産業構造への転換を図ることが国民的課題となっており、その過程において、
産業・職業間の
労働力需給の不適合の拡大や
雇用調整の増加など各種の
雇用問題が発生するおそれがあります。
このため、構造的
不況業種の労働者や今後の
産業構造の転換の過程において
雇用面での影響を受けることとなる労働者に関し、
失業の予防を中心とした
雇用の安定のための
施策を積極的に進めていくことが重要な課題となっております。
政府といたしましては、こうした課題に適切に対処するため、
特定不況業種関係労働者の
雇用の安定に関する
特別措置法について、その廃止
期限の
延長を図るとともに、
失業の予防
対策の
充実等を図ることとし、その案を関係審議会にお諮りした上、この
法律案を作成し、ここに提出した次第であります。
次に、この
法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。
第一に、法の廃止
期限を七年間
延長して、
昭和七十年六月三十日までとすることとしております。
第二に、
特定不況業種に係る事業所以外の事業所のうち、事業規模の縮小等に伴い相当数の労働者が離職等を余儀なくされるおそれがあると
労働大臣が認定した事業所を、特例事業所として本法の
失業の予防
措置の対象とするとともに、下請事業主の範囲を拡大することとしております。
第三に、
特定不況業種事業主が作成することとされている現行の再就職援助等計画を、
雇用の維持及び再就職の援助のための
措置に関する計画、すなわち
雇用維持等計画とするとともに、特例事業所の事業主は、
失業の予防のための
措置に関する計画を作成し、公共職業安定所長の認定を受けることができることとしております。
第四に、事業の転換による
雇用機会の確保など関係労働者の
失業の予防に特に資すると認められる
措置を講ずる事業主について、
雇用保険法の
雇用安定事業として特別の
措置を講ずるとともに、事業主が在職者の職業の転換のために必要な教育訓練を円滑に実施できるようにするため、職業訓練の実施について特別の
措置を講ずることとしております。
なお、この法律は、一部の規定を除き、本年七月一日から施行することとしております。
以上、この
法律案の提案理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げました。
何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
続きまして、
駐留軍関係離職者等臨時措置法及び
国際協定の
締結等に伴う
漁業離職者に関する
臨時措置法の一部を
改正する
法律案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
駐留軍関係離職者及び
漁業離職者につきましては、それぞれ
駐留軍関係離職者等臨時措置法及び
国際協定の
締結等に伴う
漁業離職者に関する
臨時措置法に基づき、特別な就職指導の実施、職業転換給付金の支給等各般の
施策を講ずることにより、その再就職の促進と生活の安定に努めてきたところでありますが、これら二法は、前者が本年五月十六日限りで、また、後者が本年六月三十日限りで失効することとなっております。
しかしながら、駐留軍関係離職者及び
漁業離職者につきましては、今後においても、国際情勢の変化等に伴い、なおその発生が予想されますので、政府といたしましては、現行の駐留軍関係離職者
対策及び
漁業離職者対策を今後とも引き続き実施する必要があると考え、そのための案を中央職業安定審議会にお諮りして、その答申に基づき、この
法律案を作成し、提案した次第でありみす。
次に、その内容を御説明申し上げます。
第一に、
駐留軍関係離職者等臨時措置法の有効
期限を五年
延長し、
昭和六十八年五月十六日までとすることであります。
第二に、
国際協定の
締結等に伴う
漁業離職者に関する
臨時措置法の有効
期限を五年
延長し、
昭和六十八年六月三十日までとすることであります。
以上、この
法律案の提案理由及びその内容につきまして、御説明申し上げました。
何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
以上であります。