○関山
委員 いずれにしても一億二千万――あなた、千二百万じゃなくて一億二千万ですね。
総務庁の安全教育の
予算というのは一人一円でしかないのだ。私は、せっかく我が同県の
大臣が実現をいたしましたので、
交通安全でここが変わったという
意味では、安全教育に少し重点を置いてほしいと思うのです。せっかく
大臣との初の
質問でございますので、我が新潟県の宣伝をさせてもらいたいと思うのですけれ
ども、ちょっと
委員長、お許しいただいて
大臣へこの資料を。
実は私、昨日新潟県警に寄りました。今差し上げましたのは、県警の
交通部が一昨年の暮れから昨年にかけて出しました二冊のパンフなのです。各県いろいろ知恵を絞っていろいろなことをやっていらっしゃると思うのですが、私、これをきのう汽車の中で、本当にこの二冊のパンフレットを夢中で読み通してしまいました。この第一弾は「おじいちゃん ただいま」という本ですが、これは現場の警察官三十二名がそれぞれの現場での
事故の体験を記している。十万部売れたそうですよ。決して文章は上手でもなければ飾りのある文章でもないのですけれ
ども、
事故の現場の臨場感というものが実に迫力を持って私
どもにも迫ってまいりまして、いささか年をとったせいか、ちょっと目頭がというような感じがするぐらいのものでございます。それだけならどうということはないのですけれ
ども、実は、引き続いて第二弾の「高速
道路上の幻覚」というパンフレットがことしの三月に出されました。この第二弾の方は、警察という役所としては常識を超えた英断だと言っていいと私は思う。我が県の山田良助
交通部長のまさに思い切ったパンフレットだったのではないか。
それはどういうことかといいますと、このパンフレットの「まえがき」のところにも書いてありますけれ
ども、「「
事故は、なぜ起きるのだろうか……。」「ルールやマナーを守らない」からだ」「しかし、「ルールやマナーは、なぜ守られなかったのだろうか……」と考えると、余りハッキリしない。」「この冊子は、その「ハッキリ」しない部分、即ち、
事故を起こした人々の人間的要因に焦点を当て、真の
原因は何であったか……を探ろうとした。」こういう問題意識でございまして、後でお読みいただければいいのですが、二日間連続で長距離運転を強いた運送会社の管理体制の問題でありますとか、あるいは家庭内の不和の問題だとか、他人への気配りや思いやりを失っている自己本位の精神構造、言うところのミーイズムというようなものについてまで立ち至らなければ
事故の発生はこれ以上防げないのではないかという問題提起をやっているのです。現場の警察官がそういう判断をしながら物を書くということはなかなか容易でないことだと思うのです。私はすばらしい作業だったと思っています。
総務庁長官、ぜひこれを県警からお買い求めになって
全国にひとつ配っていただくぐらいなことをおやりいただきたいものだ、大いに評価し、大いに宣伝し、大いに売っていただきたいと思っているのですけれ
ども、こういう仕事がかなり大事ではないか。これは百円ずつお金を取って売っているのですから、やれば銭がかかる。売る方がただで配るよりもいいと僕は思うのですけれ
ども、そういうことをやることも今の時期は、
安全施設の仕事ももちろん大事ですけれ
ども、もっともっとウエートをかけなければならぬと思うのです。その点いかがでしょうか、
大臣。