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1988-05-18 第112回国会 衆議院 建設委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年五月十八日(水曜日)     午前十時四分開議  出席委員    委員長 中村喜四郎君    理事 加藤 卓二君 理事 東家 嘉幸君    理事 野中 広務君 理事 野呂田芳成君    理事 東   力君 理事 中村  茂君    理事 矢追 秀彦君 理事 西村 章三君       榎本 和平君    遠藤 武彦君       金子原二郎君    木村 守男君       桜井  新君    田村 良平君       武村 正義君    松田 九郎君       小野 信一君    坂上 富男君       沢藤礼次郎君    三野 優美君       山花 貞夫君    柴田  弘君       薮仲 義彦君    伊藤 英成君       滝沢 幸助君    辻  第一君       中島 武敏君  出席国務大臣         建 設 大 臣 越智 伊平君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 内海 英男君  出席政府委員         国土庁長官官房         長       清水 達雄君         国土庁長官官房         審議官     荒木  寛君         国土庁長官官房         水資源部長   大河原 満君         国土庁地方振興         局長      森  繁一君         運輸大臣官房国         有鉄道改革推進         部長      井山 嗣夫君         建設政務次官  古賀  誠君         建設大臣官房長 牧野  徹君         建設大臣官房総         務審議官    中嶋 計廣君         建設省建設経済         局長      望月 薫雄君         建設省都市局長 木内 啓介君         建設省河川局長 萩原 兼脩君         建設省道路局長 三谷  浩君         建設省住宅局長 片山 正夫君  委員外出席者         警察庁刑事局保         安部生活経済課         長       泉  幸伸君         警察庁警備局公         安第二課長   田口  朔君         総務庁行政監察         局監察官    大橋 豊彦君         環境庁企画調整         局環境影響審査         課長      櫻井 正昭君         環境庁自然保護         局企画調整課自         然環境調査室長 小原 豊明君         環境庁大気保全         局企画課交通公         害対策室長   濱中 裕徳君         農林水産省構造         改善局計画部地         域計画課長   東   諄君         資源エネルギー         庁公益事業部業         務課長     稲川 泰弘君         運輸大臣官房国         有鉄道改革推進         部施設課長   澤田  諄君         建設省道路局次         長       市川 一朗君         自治省財政局準         公営企業室長  大屋 正男君         参  考  人         (本州四国連絡         橋公団理事)  萩原  浩君         参  考  人         (電源開発株式         会社社長)  神澤  博君         建設委員会調査         室長      佐藤 毅三君     ───────────── 委員の異動 五月十七日  辞任         補欠選任   榎本 和平君     木村 義雄君 同日  辞任         補欠選任   木村 義雄君     榎本 和平君 同月十八日  辞任         補欠選任   小野 信一君     沢藤礼次郎君   木間  章君     山花 貞夫君   大野  潔君     柴田  弘君   伏木 和雄君     薮仲 義彦君   伊藤 英成君     滝沢 幸助君 同日  辞任         補欠選任   沢藤礼次郎君     小野 信一君   山花 貞夫君     木間  章君   柴田  弘君     大野  潔君   薮仲 義彦君     伏木 和雄君   滝沢 幸助君     伊藤 英成君     ───────────── 五月十三日  東京周辺地区開発に伴う丸の内駅舎復元保存活用に関する請願岩佐恵美紹介)(第二六七七号)  同(大久保直彦紹介)(第二六七八号)  同(坂井弘一紹介)(第二六七九号)  同(平泉渉紹介)(第二七一八号)  建設労働者等に係る公共事業労務費単価改善引き上げに関する請願外一件(大原亨紹介)(第二六八〇号)  同外一件(坂上富男紹介)(第二六八一号)  同外一件(永井孝信紹介)(第二七一九号)  同外二件(矢追秀彦紹介)(第二七二〇号) 同月十六日  土地住宅政策に関する請願安藤巖紹介)(第二八五八号)  同(石井郁子紹介)(第二八五九号)  同(浦井洋紹介)(第二八六〇号)  同(岡崎万寿秀紹介)(第二八六一号)  同(経塚幸夫紹介)(第二八六二号)  同(佐藤祐弘紹介)(第二八六三号)  同(瀬長亀次郎紹介)(第二八六四号)  同(田中美智子紹介)(第二八六五号)  同(辻第一君紹介)(第二八六六号)  同(寺前巖紹介)(第二八六七号)  同(中路雅弘紹介)(第二八六八号)  同(中島武敏紹介)(第二八六九号)  同(不破哲三紹介)(第二八七〇号)  同(藤田スミ紹介)(第二八七一号)  同(藤原ひろ子紹介)(第二八七二号)  同(村上弘紹介)(第二八七三号)  同(矢島恒夫紹介)(第二八七四号)  建設労働者等に係る公共事業労務費単価改善引き上げに関する請願木間章紹介)(第二八七五号) 同月十七日  東京周辺地区開発に伴う丸の内駅舎復元保存活用に関する請願中村茂紹介)(第二九二〇号)  同(山花貞夫紹介)(第二九八四号)  建設労働者等に係る公共事業労務費単価改善引き上げに関する請願外一件(中村茂紹介)(第二九二一号) 同月十八日  奄美群島振興開発に関する請願(辻第一君紹 介)(第三〇七三号)  同(小沢貞孝紹介)(第三二五八号)  同(草野威紹介)(第三三六二号)  東京周辺地区開発に伴う丸の内駅舎復元保存活用に関する請願池田克也紹介)(第三〇七四号)  同(斉藤節紹介)(第三〇七五号)  同(岡崎万寿秀紹介)(第三二五五号)  同(木内良明紹介)(第三二五六号)  同(金子みつ紹介)(第三三五一号)  同(工藤晃紹介)(第三三五二号)  同(小杉隆紹介)(第三三五三号)  同(坂田道太紹介)(第三三五四号)  同(佐藤信二紹介)(第三三五五号)  建設労働者等に係る公共事業労務費単価改善引き上げに関する請願外二件(小野信一紹介)(第三〇七六号)  同(中村茂紹介)(第三二五七号)  同外一件(河野正紹介)(第三三六一号)  土地住宅政策に関する請願小野信一紹介)(第三三五六号)  同(木間章紹介)(第三三五七号)  同(坂上富男紹介)(第三三五八号)  同(中村茂紹介)(第三三五九号)  同(三野優美紹介)(第三三六〇号) は本委員会に付託された。 五月十三日  東京周辺地区開発に伴う丸の内駅舎復元保存活用に関する請願(第一六〇三号)は「内海英男紹介」を「愛知和男紹介」に訂正された。     ───────────── 五月十七日  京奈和自動車道整備促進に関する陳情書(第六六号) は本委員会に参考送付された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  建設行政基本施策に関する件  国土行政基本施策に関する件      ────◇─────
  2. 中村喜四郎

    中村委員長 これより会議を開きます。  建設行政基本施策に関する件及び国土行政基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、内海国土庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。内海国土庁長官
  3. 内海英男

    内海国務大臣 このたび国土庁長官を拝命いたしました内海英男でございます。  国土庁の使命は、豊かで住みよい国づくり地域づくりには邁進していくことと考えております。  私は、奥野前国土庁長官国土政策を引き継ぐとともに、かつそれを発展させるべく尽力してまいる所存でございます。  委員長を初め委員各位の御指導、御協力をお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。よろしくお願いいたします。(拍手)     ─────────────
  4. 中村喜四郎

    中村委員長 次に、参考人出頭要求に関する件についてお諮りをいたします。  両件調査のために、本日、参考人として電源開発株式会社社長神澤博君及び本州四国連絡橋公団理事萩原浩君の出席を求め、意見を徴したいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 中村喜四郎

    中村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ─────────────
  6. 中村喜四郎

    中村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田村良平君。
  7. 田村良平

    田村(良)委員 高知県の奈半利川電発問題で、大変ひどい雨が降りまして、長い間地元陳情、要請いたしておりますが、実は電発当局から何らの御返事もないものですから、一度は地元代表電発の本社へ御陳情申し上げたはずでございますが、全然ナシのつぶてでございます。私も高知県の代表出席しておりますので、しかも建設委員会委員ですからどうも知らぬ顔でおっても悪いということで、この間帰りまして、地元の四漁協と三カ町村執行部と議会の議員、団体の委員さんとお会いしましてお話を聞きました。  時間が三十分しかありませんから、ちょっと要点だけ申し上げます。  六十三年二月二十六日「赤い奈半利川」、これは六枚あります、これは全部出ているのです、言いたいことも要求することも。何らの御返事もないのですよ。だから、一体奈半利川の去年の十月から今までの状態で、電発責任者、どういうことを了解しておるのですか、地元は。地元からこの点何遍も要求して、後で申し上げますが、これは書類が出ておるのですよ、おたくへは。ところが、何らの返事がないということは少ししんどいのじゃないですか、何ぼ電源開発でも。奈半利の河水を流用して電発を多くして発電しておるのでしょう。何の返事もないのはどういうわけですか。そんなことが許されますか。田村良平大臣に質問して、取り合わないで済むのですか。そんなこと知らぬ、それで済むのですか。わざわざ大臣出席を求めているのでしょうが。大臣が何も関係がないということで答弁になりますか。何らあなた、取り合ってないじゃないですか。私は衆議院の第一会館におりますよ。だから、雨が降ってからきょうまでどういう状態か、それから、何遍陳情があって、どういう陳情を受けて、どういう始末をしておるか、まずそれだけ言ってください。
  8. 神澤博

    神澤参考人 お答え申し上げます。  本日、社長が出張で不在でございますので、副社長である私から御返事申し上げますことをお許し願います。  ただいま先生指摘の件でございますが、実は何度も折衝に入っておるのでございまして、間違えるといけませんので記録を正確に申し上げたいのでございますが、十月十六日の台風が出ましてから、まず十一月二十日に関係漁協から、我々が濁水覚書と呼んでおります覚書に基づいて善処するようという申し入れがございました。それに対しまして、十一月から十二月にかけましていろいろ折衝いたしました結果、十二月十八日に関係漁協と第一回の協議会を開いております。したがって、まだその最終回答というのはこれからでございますが、いわゆる折衝に既に入っておるのでございます。その次に、二月二十二日に第二回の協議会、それから三月十四日に第三回の協議会ということで、関係漁協とは協議をずっと続けております。  それで、先生御承知の、六十一年三月に奈半利川水利権更改の時点におきまして地元から種々御要望が出ました結果、奈半利川濁水に関しまして、いわゆる恒久的な取り決めをしようじゃないかということで、六十一年に奈半利川濁水覚書と称するものを締結いたしておりまして、それに基づきまして今日までずっとやってまいったわけでございますが、先生指摘のとおり、昨年十月の十九号台風は、ダム築造四十年以来の一番大きな台風でありましたし、また台風の時期が十月の中ごろという非常に寒くなってきた時期でございましたので、そういった原因から、これは地元関係者もまた電発河川管理者も今まで経験しなかった経験でございまして、濁水が非常に長期化したということで、その覚書にございます、今まで想定し得なかったような非常に大きい洪水あるいは被害が出た場合には、今までのいろいろ手当てをしてまいったことをさらに超えて善処するという条項がございますので、私どもはいろいろ検討し、また関係漁協の万々と御協議申し上げました結果、先ほど申し上げましたように、三月十四日の第三回協議会におきまして、電発としては今までの補償の水準以上に今回は大問題と考えるという、経営の基本的な姿勢を打ち出したわけでございます。  その後、その土俵に乗りまして、関係漁協と逐次交渉を進め、三月の二十五日には関係方々が上京されて、当社にも要望をされに来たわけでございますが、具体的にはそれらの要望関係漁協さんの方でまとまりましたのが四月に入ってからでございまして、連休がございましたので連休を挟んで種々検討されたと思いますが、具体的には五月の十二日に第四回協議会関係漁協と開かれまして、その席で漁協さんの方から初めて具体的な数字の入った御要求がなされたわけでございます。  したがいまして、電発といたしましては、今日まで鋭意関係漁協さんと折衝を重ねてまいりましたが、今後とも精力的に漁協さんの方の御要求検討し、電発としてできるだけのことは、できる範囲のことはやりたいということで、現在協議進行中でございます。  以上、お答え申し上げます。
  9. 田村良平

    田村(良)委員 話が行き違いますが、六十三年二月九日の新聞情報によりますと、「県、電発に怒りの声 奈半利川長期濁水 水利対策協を開く」、この中で、ちょっとポイントを言いますと、「電発回答同社四国支社長名で出されたもので、濁水について「近年に例を見ないほどの集中豪雨による上流域からの土砂の流入によるもの」と推測したうえ、その被害は「まだその実態が明らかでない現状におきまして、これに言及することは差し控えたい。ただ毎年定額の補償金等の支払いについて合意を得て実施しております実情を十分ご認識賜りたく」とする内容。」  奈半利地元地区の人は、それは忘れてない、こういうことですね。当たり前でしょう。六十三年二月九日にこういう声が上がっておって、あなた方は実態調査には行かぬのですか。それなら、いつ検討するのですか。四月の十八日に初めて来たんでしょうが。待ちかねて来たのですよ、何も応答してくれぬから。電発はそんなに偉いのですか。高知県民生活権が奪われていいのですか。あなた方は何もできてないじゃないですか。回答するとか検討すると言うが、何の検討をしたのですか。検討した結果を地元関係者へどんどん出しなさい。魚がみんないなくなってしまったのですよ。漁師が魚がいないんでは仕事になりません。こんなことでいいのですか。  それじゃ、こちらから読みますよ。四月十八日ですが、   電源開発株式会社四国支社長殿        奈半利川関係漁協濁水協議会          会 長  大 西 洋 三   昨年十月の台風十九号以降、奈半利川長期濁水影響により、海面漁業が大きな被害を被りました。   今回の濁水は過去にも例をみない五ケ月間にも及ぶ長期化である。   今後、選択取水装置処理能力以上の濁水があり、濁水長期化が予想される場合は、ダム貯水を一斉放水することを、強く求めるものであります。   今回の濁水による被害状況をみると別紙の通り、沿岸区域漁業を営むものに、各漁協とも水揚数量が約半分に減少している。 こういう点をどうしてくれるのですか。何を御研究されていますか。手がないのですか。電気を売るだけですか。冗談じゃないよ。  話の中でもつれておるのは、治水は知らぬと言ったでしょう、電発当局は。治水関係ないと言うのか。利水だと言うのですか、これは。ダムをつくって、流れておる水を使って、電気を売ってもうけたらいいのか。治水治山をやらずして利水ができますか。そんなんじゃないですよ。あなた、水を知っていますか。あんまり無責任なこと言いなさんな。  たった三十分しかないからね。これは言ってください。回答しなさい。田野漁業組合奈半利漁業組合加領郷漁業組合からこういうことを全部頼んであるのでしょう。これは回答しなければだめではないですか。電気は毎日売るでしょうが。幾らの収入になるのですか。高知県庁には幾ら払っておるのですか。高知県の県庁には一億円以上払っておるのでしょうが。三十年たったら三十億になるじゃないか、県の一般財源が。県と電発だけがもうけて、地元の、ダムを提供し、電発施設に協力した者が殺されるのですか。はっきりしてください。
  10. 神澤博

    神澤参考人 お答え申し上げます。  ただいま先生が御指摘の四月十八日付の要望書要求書と言われるものが電発に届きましたのが四月二十五日でございまして、ちょうど連休でございますので、漁協の方の方と御相談した結果、それでは実質的な内容の御説明については、先ほど申しましたように、五月二十一日ということで漁協さんの方も御納得いただいて、五月二十二日に初めて内容を御説明いただいたわけでございまして、したがって、それから今日まで両者において事務折衝を続けておるというのが実態でございます。  先生言われるように、早く決めろとおっしゃられる点につきましては、まことに私ども能力がございませんで申しわけないのでございますけれども、やはり十分に勉強した上で、はっきりした御回答を申し上げたい。私、今、五月二十一日と申しましたが、五月十二日の、先ほど申しましたように五月十二日の第四回協議会におきまして初めて内容の御説明を承ったわけでございます。何とか一日も早く数字も決めまして、早く御回答申し上げたいと思っておるところでございますので、関係漁協方々とは今までどおり緊密に事務的な折衝を続けるつもりでおります。  以上でございます。
  11. 田村良平

    田村(良)委員 それじゃ台風が来たり雨が降り出してから陳情したり、地元へ来て電発調査をしましたか。十九号台風はどんな雨でしたか、迷惑がかかるんじゃないだろうか、漁協にも行って聞いてみようと。わからぬじゃないですか、そこで生きておる人に聞かなければ。書類を送るといったって、出した方が四月十八日でしょう。それが二十五日に着いておるのですか。どこから送るのだ、これは一体。そのぐらいかかるのですか、それは。速達で送りなさい、速達で。電話だってかかるのじゃないですか、電話も。何をしておるのですか、あなた、ふんぞり返って。そんな大きな態度で折衝できますか。一皮むいたら人間は感情の動物ですよ、腹立ったら何するかわからぬよ。澄まし込んで、さようしかり、何ですか。どうしてくれますか、一体。時間があと十五分しかありませんから、議事進行に協力しているんだから、答弁もてきぱきやりなさい。そんなごそごそ、そんなへっぴりじゃだめですよ。電発責任を持ってやりますと言いなさい。責任がとれないならやめなさいよ。
  12. 神澤博

    神澤参考人 最終的にどうするかという問題につきましては、昨年の十二月に京都大学岩佐教授委員長といたします奈半利川濁水検討委員会というものを設置いたしまして、恒久的な対策を立てるためにはこれの起きた原因を徹底的に追求しなければいかぬということで御検討いただきまして、できるだけ早くこの結論を出して抜本的な対策を講じたい。そして、それに対して地元方々とも十分にお話し合いをして御納得のいくような対策を立てたい。この委員会には魚の関係専門家も入っておられますので、そういった専門家意見を十分聴したいと思っております。  それから、先生指摘のとおり電源開発会社発電事業者でありますので、その発電事業者としての責任はもちろん果たすつもりでおります。  以上でございます。
  13. 田村良平

    田村(良)委員 責任を果たしますと言うけれども、ちっとも果たしてもらっておらぬ。なぜもっと積極的に地元へ来て状況を聞かぬのですか。専門家漁師ばかりですよ、知っていますよ。水がどれだけ汚れておるか、濁度を計りましたか。何ppmありましたか。これだけの濁水だったら全部だめでしょう。やられてしまって、魚はなくなってしまっているのです。今、奈半利川高知県一の清流ですよ、魚がいっぱいおるのです。そんな無責任な話ないですよ。民間なら、済みますか、そんなことが。人の川を利用しておってから、魚が死んだって知るか、おれなんか電気売ったらいい。どうしてくれるのですか。私、郷里へ帰れぬわ。あなた質問して何か回答があったかと言われて、こんなこと言ったら、それじゃ答弁にならぬと言いますよ。だから、やむにやまれず来たんでしょう、去年の十月から何もせぬから。半年たったじゃないですか。これが電源開発株式会社ですか。専門家は何を使って議論しているのか。こんなに水が濁ったら、どうしていいかわからぬだろうが。京都のだれだか知らぬが、権威者がおったら説明してくれ。わかるようにしてくれ。
  14. 神澤博

    神澤参考人 地元濁水につきましては、もちろん当社四国支社並びに本店の専門の者が行って調べておるわけでございます。当初一番汚濁の高かったのが大体一〇〇ppm前後と聞いておりますが、三月ごろに大体おさまりまして、現在では一〇ppm以下になっておると聞いております。
  15. 田村良平

    田村(良)委員 そんなに簡単におさまっていますか。全く違う。見てきましたよ、私は上流へ行って。濁っていますね。あなたは調査現地へ行ったんですか。電発はだれが見たんだ。だれが現場を歩きましたか。電発調査に行った者をここに呼んでこい。いいかげんな答弁をしなさんな。
  16. 神澤博

    神澤参考人 お答え申し上げます。  池の水は三月になりまして台風五カ月後におさまったのでございますが、先生も御存じのとおり三月に台風とは別にあの付近はまた豪雨がございまして、そのために台風原因とは別に一時三月に濁っておった時期がございます。そういう意味だと存じます。  以上でございます。
  17. 田村良平

    田村(良)委員 それでは納得がいかぬのですが、この書いてあるのを見ると、「落差が激しく急流の奈半利川は、ダムの無いときはどんな洪水でも約一週間で清流となっていました。又、奈半利川の奥地では三ケ所の営林署がある宏大な国有林営林署赤字経営のため乱伐が行われ降雨量の多いヤナセ地帯には約八百箇所の崩壊地があり、」見てきたのですか。小さいから知らぬじゃろ。治水は知らぬでしょう。おたく利水でしょう。もうければいいのでしょう。これはどんなものですか。だれのおかげで電気をおこしていますか。これは協力したらむちゃくちゃになる。これを言ってください、どうするか。利水以外にやらぬのですか。治山治水がどうしてできぬのか。
  18. 神澤博

    神澤参考人 お答え申し上げます。  先生指摘の今の崩壊箇所につきましては、電発としては航空写真を撮るなどして実態現地へ参りました者が全部調査し終わっておりますが、その対策等につきましては若干の時間をいただきたいと思うのでございます。  以上でございます。
  19. 田村良平

    田村(良)委員 これはちっとも出会いませんな。  四十八年五月三十日にこういう念書があります。これは県庁とのもので、当時の高知県土木部長市原慎也さん、「高知県は、奈半利川水系における電発(株)のダムの管理等については、緊密な連絡をとり十分指導監督をいたします。」追って書きで「管理等とは同床低下防止工事をも含んでいる旨市原部長より補足説明あり」。  ここで「連絡」ということがあるでしょう。それで去年の十月から半年以上かかって、もっと何らか対応もないのですか。四月十八日ですから、今から見ると、検討していると言っても現地は知らぬじゃないですか、行ってはせぬじゃないですか。それなら、だれが来たんだ。台風で災害が発生してからだれが来たのですか。だれとだれが歩いた、連れて回った人は現地にはおらぬ。電発責任者に詳細に災害地を見てもらって対応策を話してもらった、聞いた者はおりませんよ。四漁協ではだれもそんなことを聞いていない。全部ナシのつぶてではないですか。無責任が過ぎるよ。半年以上たっていますよ、一体どうしたのだ。そんなの答弁になっているか。
  20. 神澤博

    神澤参考人 お答え申し上げます。  台風が発生いたしましてから責任ある者はだれが現場に行って調査したかという御質問だと思いますが、当社には四国支社という組織がございまして、したがって四国支社長並びにその以下でございますが、それから本店におきましては土木技術の担当でございます建設部長並びに担当次長、課長等が現地へ出向いて実際に見ております。また、調査も参加しております。  以上でございます。
  21. 田村良平

    田村(良)委員 時間がない。いや、それなら現地へ来て支社、本部から来た人は地元のだれを連れてどこどこを見てどういう対応をされましたか。だれですか、来た人は。来てはいないということです、地元では。勝手に回ったのではないかね、調べられたらうるさいから。だれが来た。電話で聞きなさい、本社はだれが行ったか、支社はだれが行ったか、何という人がどこを見たか、だれと話したかということを。いいかげんなことを言いなさんな。
  22. 神澤博

    神澤参考人 お答え申し上げます。  まず、十一月十六日に当社四国支社の幹部が参りましたときには、県土木部の方々はもちろんでございますが、奈半利川水利対策協議会の幹事長の方、それから奈半利川漁業協同組合の組合長様、加領郷漁業組合の組合長さん、以上の方々が――ちょっと日付を間違えましたが十一月の十六日から以降でございます。
  23. 田村良平

    田村(良)委員 はっきりしません。会った人と何を話しましたか、何を打ち合わせしましたか、災害復旧あるいは災害防災対策に対して。話したと言っておったが、どういう話をしましたか。私はおととい行ったけれども地元から聞いてない。御親切に回ってくれたと言うて、土木部長も河川課長も私の部屋に来ていませんよ。土木部長はあなたのところには来たのかね。  時間がたっておるがね、時間は延期してくださいな。具体的なこと言ってください、時間がたってしまいますが。
  24. 神澤博

    神澤参考人 お答え申し上げます。  県の土木部の方々につきましては、私どもそのたびごとにもちろん現場に御一緒したりあるいはいろいろ御報告を申し上げるということについては常に連絡をとっておるわけでございますが、電源開発会社といたしましては、先ほど先生の御質問にお答えいたしましたように、電発としては既にその調査の上御要望が出たものですから、それに基づきまして四漁協協議会方々と数次にわたって協議を重ねました結果、今至近の時期で申しますと五月十二日に初めて数字の入った御要求の件につきまして正式に御説明、御要求があったわけでございまして、したがって既に土俵に上がって協議を続けている最中でございます。したがって、先生指摘のように、もたもたせぬで早くやれということにつきましては、私どもも一生懸命これからやるつもりでおりますのでよろしくお願いします。(「よし」と呼ぶ者あり)
  25. 田村良平

    田村(良)委員 よしではない。聞いている本人が納得していないのに。  そうしますと、随分この文書は多くのことを書いてありますが、六十三年の二月四日、同じく一月二十二日、それから六十三年の一月二十八日、二十五日、六十二年の十一月二十六日、いっぱいあります。それから、今言ったように「赤い奈半利川」、これも六枚あります。これは全部新聞で出ています。これは一枚見てもわかりますよ。高知新聞という地元の記者が書いている。ありのままを繕うことなしに書いてますから。あんたら見ておらぬじゃないかね。聞きますよ、漁協の組合じゅう全部、だれが来て、いつどこを歩いたか、どんな話をしたか、納得したか。納得したならばこんなものは出てこぬでしょうが。六十三年四月一日に出てこぬでしょう、納得したならば。急ぐものと、とりあえずやるものと、三つ、四つの方法で、第一段階こうします、第二段階はこうします、第三段階は時間がかかりますからしばらく待ちなさい、とりあえずこういう処置をしますから、そんな応待してないんでしょうが。親切も何もあったものじゃない。また言うなら、電気さえ売ればいいですか。知らないのか、高知県のわしは承知できぬからね。高知県をばかにしなさんな、なめなさんな。なんぼ偉いか知らぬけれども。これ、委員長、困るわ。
  26. 中村喜四郎

    中村委員長 委員長から田村君に申し上げます。  予定の質疑時間、三十五分まででございますので、質疑時間が終了いたしました。  神澤参考人、最後に何か答弁をしていただいて、この質疑を終了していただきたいと思います。
  27. 神澤博

    神澤参考人 では、最後にお答え申し上げます。  先生から今いろいろおしかりを受けました。私ども深く反省するところでございますが、繰り返し申し上げますけれども、既に協議が開始されて鋭意詰め始めておる段階でございますので、ひとつ私どもとしては誠心誠意やるつもりでおりますので、それでお許し願いたいと思います。
  28. 田村良平

    田村(良)委員 今の、みずから最後と言うたが、最後の最後ではない。最後ではないんですよ、これは。まだ懸案中ですよ。だから念のため申し上げておきます。今までのものを全部コピーして送ってください。いつ、どこで、だれと会うたか、どういう処置をしたか、向こうは何という返事をされたか、それで結構と言うたか。あとは全部だめじゃないですか。これ、できておるでしょう。施設をつくっておると言うて、あんたら来ておるというのはありませんぜ。定置網の洗浄機、ヒラメ、エビ、アワビ等に対する要求、稚魚の中間育成、そういうことをしないままに魚死んでしまったから。  一分や二分答弁したからいいというものではないですよ。三十分の質問時間を読んでおって、二十八分何だかんだあって、最後だなんて、何言っておるのですか。済みやせぬ。質問した本人が納得しておらぬ。そんな勝手な答弁があるか、冗談じゃないですよ。お許しいただく、何を言っているのです。あなたに許したってしょうがないよ。  委員の皆さんの都合もあるようですから、質問時間が切れたようですから、委員長……
  29. 中村喜四郎

    中村委員長 田村君に申し上げます。  きょうは終日質疑者が時間帯を決めておりますので、以上をもって田村君の質疑を終了していただきたいと思います。
  30. 田村良平

    田村(良)委員 議事進行に協力いたします。
  31. 中村喜四郎

    中村委員長 遠藤武彦君。
  32. 遠藤武彦

    ○遠藤(武)委員 まず最初に、所属して間もないこの委員会で、私が質問の機会を与えられましたことに対して心から先輩各位に感謝を申し上げる次第であります。また、ふなれでございますから、大臣、何分よろしくお願い申し上げます。  さて、国土の均衡ある発展あるいは一極集中を排して多極分散型国土の形成というふうな理念のもとに四全総が策定され、また、財政の好転に伴いまして建設公共などは大幅な伸びを示しておるわけであります。こうした建設公共の伸びとともに考えなければならないことは、やはり国土の保全、自然環境の保護ということも決してないがしろにできないわけであります。  私は過日、ライン川のほとりのあるホテルで、地元の名産のものを食しながらひとときを過ごしたことがあるのですが、ホテルのレストランのその目の前を悠々とライン川が流れておるのですけれども、見渡してみても護岸はされておりませんで、すべて自然のままでありました。人家もそれからレストランもそのそばに建っておるわけです。一体どうするんだというのでマネジャーに聞きましたら、地下室なんか増水期に皆やられるそうであります。もうこれはしようがないのだ、こういうふうな考え方。やはり自然のあるがままの姿にしておくということが人類にとっては大切なことじゃないか、ホテルの、しかもレストランのマネジャーがそういう感覚でおるので、これはドイツの国民の一人ということですが、大変敬服をして帰ってきたのをまざまざと思い出すのであります。ですから、私は、建設工事が進めば進むほど、いわゆる開発と保全という問題は永久に続く問題じゃなかろうかととらえておるわけであります。  さて、ついこの間、月曜日でしたか、朝、食事中にテレビを何げなく見ましたら、思わず食事がのどを通らぬような光景がテレビにばあっと映ってきたわけですね。それは何かというと、大臣も既に御存じのとおり、九頭竜川河川敷内の中州の伐採工事によって無残にも破壊されたというか、荒らされたというか、サギの巣の模様が出ているのです。非常に残酷なあれで、心臓の強さでは相当人後に落ちないと思っておる私がぎょっとしたぐらいですから、食事どきにあれを見た一般の視聴者はどういうふうに感じたかと思うとそら恐ろしいような気がしたのであります。  五月十七日付で、財団法人日本野鳥の会福井支部長の方から建設省近畿地方建設局の方へ抗議の文書が届いておるはずであります。それによりますと、  サギ類他数種の巣、卵、雛、成鳥が木の伐採により破壊されており、現場には無残にも子育て中の親鳥がエサを口にくわえた姿で枝と枝に首をはさまれた状態で死亡しており、ふ化寸前の卵などが数百個、ほか伐採後の積木内には、えさや暖を求める、ふ化まもないヒナが雨にぬれ、又すでに息絶えている子供も多数確認されました。   県内では愛鳥週間を迎え各地で愛鳥教育に関する行事を展開し、子供達には自然の大切さ生物と人間のかかわり、優しい思いやりで接する気持など、普及啓蒙に務めている最中にこの様な行為が平然として実行された事は大変遺憾であり、強い怒りを感じる次第です。 というようなことを書いてあるのでありますね。私は、これが日本だからまかり通ったのかな、例えば、イギリスの地で、あるいは西ドイツで、他国の世界で起きた場合には、これは大変な社会問題になる問題ではなかろうかと感じておるのであります。  冒頭申し上げましたように、日本の国土の形成の上で建設公共工事は非常に大切なものでありますし、建設事業そのものが日本にとっては基幹産業の一つだと私は思っているのですが、さて、その場合の自然環境の保全あるいは保護というものとはやはり乖離するものがあろうかと思います。この辺についての大臣の所感と、また、この事件そのものについて何か所感をお持ちでしたら、ひとつ承っておきたいと思います。
  33. 越智伊平

    ○越智国務大臣 ただいま先生からライン川のほとりのお話を承りました。欧州ではその点のんびりしておる、こう思うのであります。我が国ではやはり、災害が忘れたころにやってくる、百年に一回でも二百年に一回でも洪水があって、地域住民に死傷を与えるとか財産に損害を与えることがあれば大変なことであります。少なくても人命、これだけについてはどうしても守っていかなければならない、これが我が日本であります。  特に最近、木の値段が下がったものですから、山が非常に荒れておる、その上に上流部も、農地あるいは農道、そういうところの改修が非常に進んできておる、水路も三方張りになって非常に水の流出が速い、こういうことであります。でございますから、より河川の改修あるいは河川の強化に努めていかなければならない、このことを痛感をいたしております。  もともと河川は、洪水の防止、百年に一回か二百年に一回かわからないけれども集中豪雨があっても決して堤防が切れたり、そういうことのないようにしていかなければならない、こういうことで強度を強めていく、こういうことに今努めておるような次第であります。そういう中にあって、自然環境との調和、これをどうとっていくか。やはり第一には、河川は河川の使命を果たすように努めていく、その中にあって自然環境との調和を図っていく、こういうことであります。  先般のテレビや新聞の問題は、そういう中にあって、サギが死んだとか卵が割れておったとかいろいろのことが出ておりまして、私も見ました。でございますが、要は河川内の樹木を伐採した、伐採するといいますのは、それを降雨期の前に伐採をしてその木を取りのける、こういう作業をしたわけであります。こういうことについては、今後、でき得れば産卵期とかそういうときをよけるようにした方がいいのではないかな、こう思いますけれども、鳥類の保護と河川の強化というと、河川の強化をやはり優先してもらわないと河川管理はやっていけない、こういうふうに思います。時期等については今後考慮もしていきたい、こういうふうに思いますけれども、要は河川を、外国では少し日本と違いますけれども、日本のようなところは、堤防が切れて冠水した、人が亡くなったなんかといったらなかなか許してもらえない、そういうことがないように第一番にしなければならない、この点だけはやはりきちっと進めていきたい、こういうふうに建設省の立場からいいますとやっていきたい、こう思います。  いろいろ自然環境との問題、今は鳥類の問題ですが、サギの話が出ましたが、周辺の農家の方からも逆に、どうもサギが悪いことをしている――サギというのは悪いのですかね。サギは農産物を荒らしていけないからということで逆な話もあったようでありますが、それはともかくとして、時期についてはまた今後も考慮していく。それから、先ほども田村先生からお話がございましたが、魚の方も、やはり産卵期等については配慮することがいいのではなかろうか。ただし、やはり第一義は河川の管理、河川の強化、これをやらしていただく。これは遠藤先生、ぜひそうしていただかないと、堤防が切れるようなことがあっては大変でございますから努力をしていきたいと思いますし、調和の問題については、今後よく考慮をしてやっていくように努めてまいりたい、こう思います。
  34. 遠藤武彦

    ○遠藤(武)委員 開発と保全あるいは保護という問題は、非常に間口が広いし奥が深いから、なかなか切りがないことであります。また、難しい問題でありますね。とはいえ、河川の管理者側の論理と、そうでない、また別の論理を持っておる者も世の中には大勢おるわけですから、やはりそうしたものに対する配慮というものは今後も工事を進めるに当たっては大切なことではないだろうかと、一言付言をしておきたいと思うのであります。  さて、先ごろテレビを見ておりましたら、瀬戸大橋の開通、それから今度来島大橋の着工ですか、大臣がテープカットなんかをされて、まことに晴れがましいお顔を拝見いたしまして、私も何となく心が和む思いをしたのですが、と同時に非常にうらやましいとも思って見ておったわけであります。  これは、実は日本列島の過疎地を黒く塗りつぶしたものです。人口減少率が〇・二以上のもの、平均財政力指数が〇・三七以下のもの。これを見ますと、北海道は当然ですが、東北地方は奥羽山脈の西側、それから山陰、九州と四国、紀伊半島、大体皆さんの頭の中にあるとおりに図面が塗りつぶされておるわけです。考えてみますと、今まで本州と四国との間は海が隔てておったわけです。本州で言うならば、峻険な山が太平洋側との間を隔てておったということも言えると思うのですね。  そうした中で、国土の均衡ある発展という大きな基本の理念に立って社会資本の整備を進めていく場合に、例えば緊急性というものがある、ここは何とかしなくちゃならぬというもの、交通渋滞であるとか土地対策であるとかそういう緊急性、あるいは公共性、あるいはまた投資の効率性というふうな、さまざまな面があるかと思うのですが、と同時に、これからの社会資本整備のあり方としては、どこで何が足りないのか、どの部分が欠けておるのかという、グローバルな視点から見まして経済効率は悪いかもしらぬがこの地方にはこれが必要だ、そういう視点が必要じゃないかと私は思うわけです。  高規格幹線道路網というのが昨年発表されまして、全体で一万四千キロ、国土開発幹線自動車道だけでも一万一千五百二十キロということで、従来のものに六千二百二十キロばかり追加されて認定をされたわけですね。今まで、そういう道路とか新幹線とかあるいは空港といった場合に、いかに東京に、中央に近づくか、時間的な距離を埋めるか、そういう物すごいエネルギーがあるのでありますね。そういうことから考えると、ベルト地帯を縦貫する高速自動車道あるいは新幹線もまた大切でありますが、先ほど地図でお見せしましたように、裏という言葉は使いたくないのですが、本州の表と裏を隔てておる山脈を貫いていく、言ってみれば肋骨的なものを整備していくことが非常に待ち望まれているのではなかろうかと私は思うのであります。また、そうすることによっていわゆる社会資本整備のおくれた部分に対して光が当たることになるのではなかろうかと思うのであります。高規格幹線道路網の整備をどう進めていくかも一つの問題でありましょう。財源をどうするかとかあるいは工事そのものをどういうふうに進めていくのか、いろいろなものがある。その整備の手法というか方法、促進の方法と同時に、肋骨線の整備ということがこれから均衡ある国土の発展を考えた場合に最重点課題にしなくちゃならないのじゃないかなと私は思っておるのですが、整備の手法とあわせて大臣にお答えをいただきたいと思うのであります。また、事務方で何か補足することがあればひとつよろしくお願いしたい。
  35. 越智伊平

    ○越智国務大臣 多極分散、国土の均衡ある発展、先生のお考えと全く同感であります。特に高速幹線自動車道、これは今まで非常に努力をしまして進めましたが、縦の線それから人口の密集地、ことが今まではどちらかといったら重点になっておった。確かに、縦の線が進んでくる、これに対しまして、肋骨と言われましたが、横の線が非常におくれておる、そのとおりであります。本州で言えば日本海側が大変おくれておる、また、この日本海側と連絡がとれる横断が大変おくれておる、こういう状態であります。本州と四国のお話も出ましたが、先般瀬戸大橋が開通いたしましたが、一番困っておるのは四国の中の道路網であります。四国じゅうで七十キロしか高速道がないわけでありますので、四国の島内に入った自動車が大変混雑をしておる、こういう姿であります。でございますから、今の日本海側、また日本海側と連絡がとれる横断、これにできるだけ重点を置いて進めていくようにいたしたい、こういう考え方であります。  十次五カ年計画をやっても県庁所在地に高速道路が入らないのが四県ぐらいあるようであります。その一つは島根県と鳥取県、一方は四国の愛媛県と高知県であります。四国の太平洋側と日本海側の四県であります。島根県は、竹下総理の出身県であります。ここもちょっと後になっておりますし、建設大臣のところの愛媛県も後になっておりますから我田引水ではないということは証明できるわけでありますけれども、そういうことよりも、それだけおくれておるということでありますから、日本海沿線、それから四国の端の方あるいは紀伊半島、九州も中央はさっき言った縦貫で大体進みつつございますが、東の方と西の方、こういうふうにちょっと開発のおくれておるところ、また活性化をしなければならないところ、こういうところを今後重点的にやっていきたい、かように考えておる次第であります。
  36. 三谷浩

    ○三谷政府委員 少し数字を申し上げます。  現在、高速道路は四千四百キロメートル完成しております。御指摘のように確かに縦貫道路を中心にして整備を進めてまいりました。第十次道路整備五カ年計画は昭和六十三年度から発足をいたしますが、この高規格幹線道路網、高速道路網の整備を最重点に進めたいというふうに考えておりまして、六千キロの水準にまで持ってまいりたいと考えております。その際に、肋骨道路であります横断道路に重点を置いて整備を進めてまいりたいと考えております。こういうような高規格幹線道路網の整備に当たりましても、地域の開発計画等との整合を図りつつ、地域の活性化に資するよう、その整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
  37. 遠藤武彦

    ○遠藤(武)委員 いわば肋骨線に重点を置いてという大臣のお言葉、大変ありがたくお聞きしたのですが、先ごろ大臣は、有料道路などの料金の値上げなども考えておるような、これは報道でございますが、ありましたし、整備に当たってはそうしたことも一つの方法であろうと思います。また、高規格幹線道路などでは、既存の国道に乗っけていけるかどうか、そういう活用なども考えてみたいというようなことも聞いておるのでありますが、そうなりますとちょっと一つ心配なことが、例えば、いわば日本海側なんというのは、有料化をしたところでその区間ではペイするようなことは全然あり得ないと私は思うわけですね、有料化によってそれが経済効果が出てくるというか、採算ということから考えればですね。それからもう一つは、既存の国道ですら整備がぐっとおくれておるものもあるわけですよ。そういうふうな現状ですから、やはり既存の道路のおくれも直さなければならないのだろうと思いますし、ただ単に有料化でペイするような感覚からではない、やはりそこには一つの政治的理念があって、なるほど肋骨線こそしなければこの過疎の地域の活性化につながらないという大きな理念を持ってやっていただきたい、これは要望でございます。  数字的なことが出ましたが、あれは六千キロメートルというのは六十七年まででしょうか。ことしは何か四千四百二十六キロとか何か言いましたけれども、大体百二十六キロぐらいであります。予算的に言うと九千八百億円でしょうか、私、単純計算して割りましたら、何か膨大な金額で、キロ当たり七十七億五千万ぐらいになるのですが、この数字は間違いないでしょうか。
  38. 三谷浩

    ○三谷政府委員 お答えいたします。  従来高速国道は、平均いたしますと年間二百キロぐらい整備をしてまいりました。ちょうど第九次道路整備五カ年計画の最終年度の六十二年度は大変整備延長が上がったわけでございますが、この新しい五カ年計画では、高規格幹線道路網として、全体として年間平均いたしますと三百五十キロぐらい整備をしたい、高速道路につきまして言えば、二百五十キロぐらいの整備水準に持ってまいりたいというふうに考えております。ただ、昭和六十三年度はその初年度でございますので、これはやはり用地買収であるとかいろいろな、単年度で完成するわけじゃございませんので、例えば先ほど御指摘のございました金額を延長で割って、それで単価、こういうわけではございません。現在供用中の延長が高速道路で六十二年度末でございますが四千二百八十キロ、それに本四等が加わりまして四千三百八十七キロ、通称言っておりますのは四千四百キロ、こう言っております。これを六千キロ、したがいまして、約千六百キロを五カ年で、三百数十キロまで何とか持っていきたい、こういう考えでございます。
  39. 遠藤武彦

    ○遠藤(武)委員 第十次の道路に関する五カ年計画では五十三兆でしたか、これは一応の計画であります。でも、今局長から説明あったように、キロ当たり単価でも、用買が含まれるとしても相当膨大な金額を必要とするわけでありまして、五十三兆というのはあくまで計算であります。今後は財源確保のための猛烈な努力が必要だろうと私は思っておるのであります。また、現在のような好況が続くものとはだれも予断できないわけでありますし、毎年二〇%ずつ建設公共が上乗せされていくというような保証も何もないわけでありますから、これはよほどしっかりとやっていただかなくちゃならぬと思います。これは事務方の方に御要望を申し上げておきたいと思います。  それから、一般国道についてちょっと言及したいと思うのでありますが、直轄、補助ともに、例えば直轄で一次改築八百十八億で前年対比一・〇七倍、それから二次改築が七千八百七十四億円で前年度対比では一・二五倍、補助事業でいうと三千四百三十九億が計上されておりまして、一次、二次の割合は大体一次改築が六、二次が四といった、おおむね六対四の割合。事務方に聞きますと、二次の分を徐々にふやしていく方針であるかのごとき話も承っておるのであります。となると、先ほど私が冒頭に申し上げたように、おくれている、あるいは過疎的なそういう地域格差を埋めていくためには、二次の改築工事というのはどうしても都会周辺、都市周辺というものになりやすいわけでありますが、むしろ最も望まれているところでまだまだ一次改築をお願いしたいというところがたくさんあるわけでありまして、都市周辺のボトルネック解消対策ども非常に重要な要素ではありますけれども、過疎的な地方への傾斜的な事業の配分、予算の確保、そうしたことがなければ国土の均衡ある発展というのはまた言えないのじゃなかろうか。  同時に、ちょっとお聞きしましたところ、既に国道は四百一本認定してあるそうであります。何か七年とか五年という間隔をもって新しい国道を認定なさる。正確じゃないが、要望を承ったり要望が出てくるであろうと思われるものだけでも、本数で大体百本くらいあるということなんですね。特にその中でも、既存の四百一の国道、三けた台の国道で、ようやく一次改築に取りかかったところは二次改築なんというのはとてもとてもなんというようなところも結構多いわけですね。やはり均衡ある発展、地域格差の解消というふうなことを考えるならば、一般国道の直轄及び補助の事業においてもそういう理念が強く貫かれなければならぬ。どうも最近は格好のいい、都市周辺のバイパスであるとか、これも大切ですよ、大切だが、やはりまず国土全体の均衡を図るというところから出発しなければならぬと思っておるので、一般国道の改築の問題についても大臣から一言、あるいは事務方からお答えいただければありがたいと思います。
  40. 越智伊平

    ○越智国務大臣 数字的なものは事務当局から答弁させますが、考え方だけ申し上げたいと思います。  一番最初にありました高速自動車道の料金の問題でありますけれども、これは今三段階になっております。特に、一番安い段階が八トン以下の貨物あるいは二十九人以下のマイクロバスですね。それから普通車、単車まで同一料金になっております。マイクロでいいますと二十九人対一人で料金が同じ、これは単車の人は不合理でないか、こういうことでありますので、この区分を三つくらいに分けよう、そうして見直しをしたらどうか。しかも、今料金所で大変混雑をする関係もございますので、今の電電のような方法にする。これが五段階くらい入るようでございますから、こういうことについて審議会でいろいろ御論議をいただいておりますが、それに従って見直しをしていこう、こういうことであります。  それから今度、自動車専用道路、この分について基本計画に載っております分をできるだけ整備計画に上げるような手続を進めたいと思います。これは主としてどちらかといいますと日本海沿岸とかあるいは端々になっておりますものでございますから、やはり少し開発がおくれておるところになると思いますが、これを進めてまいりたい、こう思います。  それから、高規格道路の調査をいたしますが、これもなるべく全国的に、先ほど申し上げましたように横断部分を進めるように進めていきたい、こう思います。  その次が国道法でありますが、国道法の今のような手続をしておりますと国道がすぐというわけにもいきませんが、指定するのはまだちょっと先になると思いますが、お説の一般国道についてはできるだけ改修をしていく。そして、一次改築、二次改築の問題もございますけれども、これは何回も言っておりますように、開発がおくれておる地帯それから不況地帯、これを進めていきたいと思いますし、小さい都市でもどの都市でも皆バイパス、バイパスということで全部バイパスでありますから、三万か五万の都市でも皆バイパスがかかってきておるわけですから、大体全国的な問題になってくる、かように思う次第であります。  それでは、交通渋滞を起こしておるところはほかっておいてもいいということにもなりませんので、それのバランスをどうするかということでありますけれども、均衡ある発展のことを考えて、おくれておるところに重点、こういう考え方で進めてまいりたいと思います。  数字的なことは事務当局からお答えしたいと思います。
  41. 三谷浩

    ○三谷政府委員 若干数字紹介させていただきます。  国道は四万六千五百キロございます。総延長からいきますと約四%で乙ざいますけれども、全道路交通の三二%を受け持っておりまして、確かに今御指摘のありましたように都市活動の基幹あるいは地域内の主要幹線それから全国の高規格幹線道路網と一体となりまして交通の主要部分を受け持つ、こういう非常に幅広い機能を持っております。しかし一方、大変整備がおくれておりまして、四車線以上の区間というのはわずかに九%でございまして、また大型車が満足にすれ違えない車道幅が五・五メートルぐらいの道路も一四%ということで、非常に整備がおくれております。したがいまして、今度の五カ年計画では交通混雑解消のためのバイパス環状道路の整備であるとか四車線の拡幅整備、こういうものとあわせまして県際峠越えにおきます交通不能区間の解消、こういうことをバランスをとって国道の整備を進めてまいりたいと考えております。
  42. 遠藤武彦

    ○遠藤(武)委員 持ち時間の配分をちょっと間違えまして大変恐縮でございました。大臣には御懇篤なる御答弁をいただきまして、いわば地方等の定住ネットワーク的な御構想を聞かせていただきまして大変ありがたかったと思います。終わります。
  43. 中村喜四郎

  44. 坂上富男

    坂上委員 私に与えられた時間はわずかの四十分でございます。質問事項、極めてたくさんあります。大きい問題だけを取り上げましても四つ、五つあるわけであります。詳細な質問書を出してあります。でありまするから一問一答で、過程を論じている時間と余裕がありません、大綱だけを御質問申し上げまするから、全部含めて御答弁をいただきたい、こう思います。  まず、青森県の小川原湖の総合開発計画についてでございますが、まず第一に、青森県議会の三月の定例議会で社会党の議員がこれについて質問をいたしました。石油コンビナート計画は、計画としては存在するが、現状及び将来を考えてみるとこの実現はゼロである、どうもとういう県側の答弁があったようでございます。これは一体事実なのかどうか。  そこで、建設省は数年前に工業用水四十八万トンを取水する旨の念書を今度は県からとっているというようなお話も聞いておるわけでございます。一体これは事実なのかどうか。そして、そういうような状況から見てみますると、まかり間違いますると、むつ小川原湖総合開発計画は島根県の宍道湖の淡水計画のどうも二の舞に終わるおそれがあるんじゃないかと現地の諸君は大変心配をいたしておるわけでございます。  こういう部分について、きちっと今の問題点を踏まえまして建設省あるいは国土庁、また通産省はお見えになってませんが含めまして、基本的な認識とこれからの見通しをきちっとしていただきたいと思うのでありますが、ひとつ御答弁をいただきましょうか。
  45. 森繁一

    ○森(繁)政府委員 むつ小川原の地区につきましては、先生御承知のように既に国家石油備蓄基地が立地をいたしておりますし、核燃料サイクル施設の立地も予定されているところでございますけれども、石油精製等当初想定いたしておりました業種の立地につきましては、近年の社会経済情勢の変化によりまして当面は期待しがたい状況にある、こういうふうに考えております。ただ、むつ小川原地域は我が国でも大変数少ない貴重な大規模の工業地域でありますために、長期的視点に立ちまして今後有効利用を積極的に推進していくことが必要だろうと考えております。今後のエネルギー情勢とかあるいは技術開発の動向等を十分見きわめながら、企業の立地を一層促進していくことが必要だと考えております。
  46. 萩原浩

    萩原政府委員 お答えをいたします。  私どもは小川原総合開発事業ということで淡水化事業中心の事業を受け持っておりますが、建設省の方から数年前に県に念書を入れさせたという事実があるかという御質問でございました。念書を入れさせたというようなことはございませんが、その時期に青森県の方に実情はどうなっておるかということを伺いまして、具体的な水需要の発生にはなお流動的現状であるが、小川原湖総合開発事業の開発水量、日量約六十万トン、これは水道水が入っております、全量確保の方針は堅持したいという説明を受けたことはございます。  以上でございます。
  47. 坂上富男

    坂上委員 どっちでもいいですが、特に国土庁答弁、とてもじゃないが納得できません。今そういう抽象的な話を聞いているのじゃない。県側が青森県会でどういう答弁をしたのか、私が言ったのが事実かどうか、もしこれが事実であるとすれば、あなたたちのやっておることが全く宙に浮くじゃないか、こう言っているわけであります。端的にお答えなさい。
  48. 森繁一

    ○森(繁)政府委員 先ほど申しましたように、近年の社会経済情勢の変化によりまして石油精製等の事業につきましては当面は期待しがたい状況にある、こういうふうに判断をいたしております。  なお、青森県議会の発言につきましては、私、今承知をいたしておりませんので、後ほど確認させていただきました上でお答えをさせていただきます。
  49. 坂上富男

    坂上委員 建設省、わかりませんか。
  50. 萩原浩

    萩原政府委員 お答えをいたします。  確認というお話になりますと多少あれでございますが、三月議会で先生お話しなさいましたようなことを知事が答弁されておるということを私どもは仄聞をいたしております。  ただ、その後私どもも工業用水道事業者としての青森県の方に質問をいたしておりますが、石油コンビナートについては大変見通しが暗いという趣旨のことを確かに知事が言われたが、いわゆる多角的な利用、工業用水というのはいろいろなものに使えるという意味かと思いますが、そういうものも含めてなお現在計画しております四十八万六千トン、これは何とか使えるように考えていきたいというような返事をいただいております。
  51. 坂上富男

    坂上委員 いよいよ核心の答弁があったようであります。石油コンビナート計画が挫折をしてしまいますれば四十八万六千トンの工業用用水はこれはむだになる。だから、あなたたちが心配して、念書はとらぬけれどもそういう回答をいただいた。だけれども、知事がそういう答弁をしているところから見れば、後でまた別のことを考えましょうというお話でございます。これは見直しの時期に来ているのじゃないですか。それをしがみついていつまでもやっておりますと、私が今指摘したように島根県の宍道湖の二の舞になる、私はこう言っているわけであります。きちっとした見通し、そして見直し、きちっとしていただかぬといかぬ、こう思っておるわけであります。  国土庁長官には改めてごあいきつ申し上げますが、いかがですか、国土庁が窓口だそうです。
  52. 内海英男

    内海国務大臣 私もまだ就任間際でございまして具体的な問題については報告を受けておりませんので、御答弁を、よく検討しましてお答えをいたしたいと思っております。
  53. 坂上富男

    坂上委員 大臣にはまた別途別の問題でもお聞かせをいただきたいと思いますから後に譲りますが、どうぞひとつ国土庁、それから建設省、今私が指摘を申し上げましたことをよく踏まえていただきまして、これは本当は私はもう二時間ぐらい時間をいただいて真剣な一問一答でやりたいと思ってはいたのでございますが、何しろ今申し上げましたとおり私に与えられた時間はこの国会で質問時間わずかに一時間四十分なんです。大体こんな程度で建設の行政をやられることはいかがなものかと思いますから、どうぞひとつきちっと皆さんの方で見通しを把握をしなければ――これは青森県会の答弁じゃないんだよ。建設省、国土庁の重要な問題なんだよ。こういう見当違いのことを言うのもあるから、よくお気をつけて計画を練り直していただきたい、こう思っておるわけであります。  さてその次、今度はひとつ元請と下請の建設における適正化について質問を申し上げたい、こう思っておるわけであります。  これは新潟県の例を挙げて御質問を申し上げます。私たちの社会・県民連合県議団が建設業の元請、下請の関係実態調査を実施いたしました。そして次のようなことが大変な問題になって、ほとんど満足のいく実施がなされていないことが出ております。  まず一つは、下請契約で適正な契約書を交わしているかどうか、契約が行われているかどうか。それから二番目に、元請金額を下請が熟知をしている度合いがどんな程度か。また、元請金額に対する下請代金の割合、いわゆるピンはね状況はどうか。それから四番目に、手形支払い百二十日以内の件数はどれくらいか。前払い金の受け取り状況はどんなになっておるか。元請、下請関係適正化指導要綱を知っている割合はどうか。それから、右の状況について建設省はどのような指導を行っているのか。  こういう点について、関係の元請、下請について調査をいたしたわけであります。それは文書で発表されておるわけであります。このことについて建設省にも私の方で新聞、文書等をもって調査方の依頼をしておったわけでございますが、まずこの実態調査と、またこの県会等の答弁にも出ておるわけでございますが、どのように元請と下請の適正化について把握をなさっておるかお答えをいただきたい、こう思います。
  54. 望月薫雄

    ○望月政府委員 いわゆる建設業の元請、下請関係の合理化、適正化というのは、建設省としても大変な関心事、重要な課題と受けとめておる次第でございます。ただいま先生から新潟県下での社会党でお調べになった事柄についての御説明、御報告がございましたし、私どももあらかじめ新聞紙上あるいは先生からの資料で見させていただきました。これについて、お話しのように契約書を交わしていないという実態とか元請金額の熟知度が低いとか、さまざまな実情が社会党の調査団の結果で出ていることは承知いたしております。  これについて私ども率直に言って一々点検することは実はできませんけれども、別途建設省としましても毎年元請、下請の実態調査を行っておりまして、実は昨年の十二月に第十五回目の調査を、新潟県ばかりでございませんけれども広く全国的にやってみております。その結果を見ますると、項目は今先生のお示しになった、あるいは社会党等の調査団がお調べになった項目とは必ずしもぴたり合いませんけれども、主要な事項であります何らかの契約書の交換をしているかとか、手形期間がどうだとか、前払い金の受け取りがどうなっているかとか、あるいは指導要綱を周知しているかという事柄などにつきましては、ほぼ社会党さんのお調べになった調査の結果と相前後したというか、似たような数字が出ております。私ども、こういった状況についてはまことに残念なことである、こんなふうな感想を今持っておる次第でございます。
  55. 坂上富男

    坂上委員 率直な御答弁のようでございます。しかし、これはまた建設業者を指導監督する建設省の責任でもあろうと思うのであります。これは我が新潟県一県の問題でなくして、多分全国大なり小なり今御指摘を申し上げましたような状況だろうと思っておるのであります。皆さん方は、ここで「元請・下請関係の適正化について」という文書を出してあるわけであります。しかし、いざ末端にいきますと今言ったような実態でありまして、今度この六月にまた通達を出して、中央建設業審議会において元請、下請間の問題も含めて産業構造の改善を進めるための諸方策の検討を行っていて、六月ごろには答申をいただけるのだ、こう言っておるわけであります。答申をいただくことも結構でございますが、まず足場を固めてからきちっとしていただきませんとどうしようもないわけであります。  契約書を交わしたのはわずか二五%だというのですね。本当にどんぶり勘定だ。しかもあなた、百二十日以上の手形ががさがさ、これは調べたところの三七・九%。それから今度、前渡金の受け取りの状況を見ますと一四・七%だ。これでは下請はどうにもならぬと思っておるわけであります。公共事業は今回はもう物すごいたくさんの仕事があるものだから、皆さん方本当にてんてこ舞いをしておるようでございますが、末端に入ってみまするとこうやってつかみ勘定、そして前受金はほとんど渡さぬ、こんなような状況が出ていると私は思っておるわけであります。もう少しこういう数字に対して、そしてまた皆さん方、産業構造改善のための諸方策を持っているなんといってももうちょっとこういう足元を固めるということについてどのような対応をするつもりでございますか。これは全国的規模に徹底的な調査が必要だと私は思っているのですが、いかがですか。
  56. 望月薫雄

    ○望月政府委員 先ほど来お話しのように実態が必ずしも芳しくないということについては、私どももまことに残念だという基本的認識をまず持っております。これはもう申し上げるまでもなく、建設業の健全な発展あるいは建設事業を支える業としての今後のあり方というものを考えますと、元請、下請関係というものの健全化がいかに大事であるかということは私どもつとに厳しく認識しておるところでこざいまして、今先生指摘のように、私ども五十三年以来元請、下請合理化の指導要綱というものの徹底方に努めております。しかし、現実が先ほど来お話がありますような姿であり、私ども調査の結果でもそれに近い数字が出ているということについては、我々まさしく、本当にこれは今後の重要な課題である、こういうふうに改めて確認いたしている次第でございます。  お話のように、現在中央建設業審議会で建設業の構造改善対策というものを御審議いただいておりますが、その中で私どももこの元請、下請関係のあり万というものが大変キーポイントになるテーマである、こういうふうに受けとめていまして、御審議もその辺に重点を置いてやらせていただいております。単に、要綱等を周知徹底するということは当然必要ですが、それにとどまるものではなくて、新たなあり方というものを、これで御審議いただく中で私ども具体の指導をさらに強めてまいりたい、かように考えている次第でございます。
  57. 坂上富男

    坂上委員 いわゆる建設業者はいびつになっていると私は思っているのです。それはそれなりのまた理由もあるのだろうとは思いまするけれども、どうぞひとつ建設省の適正なる指導と監督を特に求めておきたいと思っておるわけでございます。  さてこの段階で、内海国土庁長官、御就任おめでとうございました。ただ、奥野さんがやめた後の就任だから何となく痛しかゆし、面映ゆいような御感じもあるんだろうと、私は率直な話お察し申し上げておるわけであります。しかし何はともあれ、内海大臣個人といたしましては非常におめでたいことでありまするし、また改まった国土庁長官でございまするから、私らも大変いいことだ、こう思っておるわけでございます。  さっきごあいさつをいただいたんだそうでございますが、ちょっと私は用事があってお聞きもいたさなかったわけであります。ひとつ、いわば国土行政に対する抱負、それからまた国務大臣として奥野発言に関する反省等について、新大臣は直接の、また引き継ぎ当事者でもあられるわけでございまするから、きちっとひとつお答えをいただきたい、こう思っておるわけであります。
  58. 内海英男

    内海国務大臣 せっかくのお尋ねでございますから、前長官の信念で言われていることだと思いますので私の関知するところではございませんけれども、私自身の考え方からいたしますと、私も戦争体験者の一人でございます。したがいまして、同期の者で多数戦死をいたしておる者もございます。そういったとうとい、国の犠牲になった同期の者の霊を慰め、今日の日本の平和がそういった同僚、同期の者たちの犠牲において得られたとうとい平和である、こういった観念で、参拝は私はいたしております。  ただ、諸外国に与える影響ということを考えますと、奥野長官の信念で言われた言葉であるかもしれませんけれども、当該責任のある閣僚としての発言としては多少不適切なところがあって、近隣諸国に感情を損なう問題があったというふうに私は判断をいたしておるものでございます。  私はあくまでも、昭和五十三年に締結をいたしました日中平和友好条約、この精神に基づきまして、日中間は経済、文化、人的交流というものをますます深めて善隣友好の実を上げていかなければならない現状にあり、現在もその方針に従って国と国との友好関係を深めつつあるときである、さらにその関係は深めていかなければならない関係にある、間違った、誤解を生ずるような発言は厳に慎むべきものである、そう考えております。それが先生の御質問に対する前段の私のお答えとさせていただきます。  また、国土行政につきましては、私もかつて建設大臣を務めさせていただいておりますので、関連の役所という立場から多少の点につきましては考え方も持っておりますが、就任早々で毎日毎日委員会や猛勉強をやらせられておりまして、余り具体的なことを言っても一夜漬けの勉強だということにとられる節もあると思いますが、基本的には国土庁という役所は、御案内のとおり豊かで住みよい国づくり地域づくりを推進する役所である、こういうふうに考えております。また国の開発計画というものを立案いたしましてこれを推進し、各省庁間の企画、調整を図っていく調整官庁でもある、こういうことでございます。したがいまして、今回国会に提出をいたしております多極分散型国土の形成法案につきましては衆議院の段階で土地委員会の御審議をいただいて通過させていただきまして、今参議院で御審議をいただいておるところでございますが、四全総の具体的な精神を生かした立法として、一日も早く一極集中の、過度に東京に集中しておるものを多極分散型に、国土の均衡のとれた発展を図るためにもこの法案の成立を願って現在努力をいたしておるわけであります。  その一環といたしまして政府機関の一部移転の問題につきましても、これは原則といたしまして、各省庁によりましてはいろいろ御意見もあり、なかなか調整ということにつきましては難しい点もあるかと思いますが、内閣を中心といたしまして、七月中に各省庁から原則政府機関の移転に御協力を願うという国の基本方針に従いまして強力に分散できるものを出していただく、そしてこれを推進して地方分散を図り、一極集中から多極分散型の国土の形成、国土の均衡のある発展ということを考えまして、この政策を推進していくのが私の担当しておる国土庁の仕事である、こう認識をいたしておるわけでございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
  59. 坂上富男

    坂上委員 大臣の任務について申し上げますが、一つは国土庁長官としての任務があるわけであります。一つは国務大臣としての任務があるわけであります。だから、確かにこの場所は建設委員会ですが、建設のことだけ、国土のことだけ質問しているのじゃないのです。やはりそういう国土建設に対する質問と同時に、国務大臣として出席をいただいておるわけでございますから、そういうような二つのことを今後とも私らが質問させていただかなければならないし、二つのことをきちっとやらなければならないと思っているのですが、いかがです。
  60. 内海英男

    内海国務大臣 二点につきましてただいまお答えをいたしました。これが私の閣僚としての責任を持った政治姿勢の一端であるということを御理解いただきたいと思います。
  61. 坂上富男

    坂上委員 ひとつ今後とも明確な御答弁を期待いたしますし、任務といたしましても、私から申し上げるのはいささか恐縮でございますが、重要なことでございまするから、ひとつきちっとした御処置の仕方と国会における答弁を期待いたしておりまするから、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。  さて今度は公害問題について、運輸省と建設省が来ておられまするのでお聞きをいたしたいと思います。  さっき四国と本州の開通によるところのお話があったわけでありまするが、私はこの橋のことに関連をいたしましてお聞きをしたいのであります。きのう、おとといあたりのテレビを見ておりますと、大変な騒音であるわけでございます。これについて住民の人たちが命がけで抗議をしているのを見ておるわけでございます。環境評価というのがあるわけでございますが、どうも環境評価というものに著しく違反をしておるという状況が出ておるわけであります。アメリカあたりでは、環境評価に違反がありますと取り消しになるわけでございます。これは運輸省、そういう点はどういうふうにお考えになってこの対応をなさるつもりなのか。  また、あるいは公団の方がどういう対応をなさるのかわかりませんけれども、これは早急に対応していただかぬと、住民の人は真夜中に寝れないというような声が聞こえるわけであります。これと関連をいたしまして、私たちの上越新幹線の問題、これももう八十五ホンというようなことが沿線の中に出ているわけであります。まさに四国と上越新幹線の地域の皆様方と同じような環境にあるわけでございます。  それから、これは建設省になるのでございましょうか、私たちの関越道の沿線の騒音公害で住民が決起大会を開いているわけでございます。こういうような騒音問題について一体どういうふうな対応をこれからなさろうとするのか。ひとつ両省からきちっとした御答弁をいただき、今後の方針についてお聞きをいたしたい、こう思っておるわけでございます。
  62. 澤田諄

    ○澤田説明員 御答弁申し上げます。  御質問の前段の瀬戸大橋関連の鉄道騒音につきましては、建設当初環境影響評価を行いまして、環境保全目標といいますのを八十五ホン、さらに努力目標といたしまして五ホン低下するということで、地元住民、地域公共団体等との協定を結びまして建設に至ったわけでございますが、残念ながら御指摘のとおり、開通前、そのようにすべく技術の粋を集めまして防音関係の工事をしてきたわけでございますが、開通後、住民の皆様方からの苦情があるということでございますので、現在鋭意音源対策によりまして音を低下すべく工事を行いますと同時に、さらに今後の対応策について現在検討中でございます。  それから御指摘の上越新幹線の騒音対策でございますが、上越新幹線につきましては、大宮開業いたしまして五年ということで、環境基準に言う達成目標期間を昨年の十一月に迎えております。先般環境庁より沿線の騒音測定結果が公表されておりまして、測定結果を見ると、沿線の軌道中心から十二・五メーター、あるいは二十五メーター離れた地点の平均値では七十五ホンを切る水準に達して、二年前の測定結果よりも改善の跡が、若干でありますが見られております。これまでの対策の成果と考えております。しかしながら環境基準の達成率という点では、御指摘のとおり低いことは事実でございます。したがいまして、さらに一層の環境対策を進めるべく、JR東日本を引き続き指導してまいりたい、かように考えております。  以上でございます。
  63. 三谷浩

    ○三谷政府委員 道路の騒音等の公害対策、こういうものにつきましては、道路をつくる場合とそれから供用中の場合とおのおの施策が分かれると思いますが、今御指摘のお話がありましたのは、供用中の高速道路の騒音対策についてだと思っておりますので、それについてお答えしますと、まず騒音の測定をいたしまして、沿線の住宅の密集度合い、こういうものを考慮して関係自治体との連絡調整をしながら逐次遮音壁の設置等対策を講ずることとなると思っております。  御案内のございました小千谷の地区につきましても、これは関越道全体にやはり箇所を決めておりまして、新潟県あるいは市ともいろいろ騒音の測定をやっております。こういうことを踏まえまして、六十三年度から、騒音等の実情に応じて逐次遮音壁を設置していく考えでございます。
  64. 坂上富男

    坂上委員 運輸省、建設省どういうふうにお考えですか。まず環境評価について。環境評価に達しない部分、これはもうアメリカあたりでは裁判で差しとめ命令が出ていること御存じですか。ただ我々はこれをやるといったら容易じゃないし、与える影響も大きいものだから、まあ長崎とか青森あたりはうちへ持ってきてくれやなんという話もあるわけでありますけれども、それはそれで欲しいところはどうぞ大いにやってもらわぬと困るわけだ。しかし環境評価というのは、これまた今言ったような重要な問題があるので、何とかします、何とかしますと言ったってもうこれは早急にしなければ、そういう対応になっておるのですか。そういうことを知った上でやっているのですか。二省、ひとつもう一遍お答えいただきたいと思います。  もう一つは、関越道の問題は特に小千谷がひどいわけでございまして、住民の諸君が総決起までするというような状況にあるわけでございまして、もうちょっと具体的にお答えいただきたいと思います。
  65. 澤田諄

    ○澤田説明員 御答弁申し上げます。  鉄道の整備に際しまして環境影響評価を行うということにつきましては、私ども鉄道関係につきましても、新幹線につきましては昭和五十三年以来環境影響評価を行い、整備新幹線の環境影響評価ということで影響評価を行った上で、地元意見を聞きつつ現在建設問題について検討中でございますが、建設を進めるという制度上のものをとっております。  また在来線につきましては、いわゆる新線建設等の工事施行と工事の認可の際に環境への影響について十分配慮した計画というものについて指導しているところでありまして、今後とも、鉄道整備の際にできる限り環境状況を緩和すべく行政指導に努めていきたいというふうに考えております。
  66. 三谷浩

    ○三谷政府委員 先ほど申し上げましたが、もう少し詳しく御説明をいたしますと、道路環境保全対策というものは、一つには自動車構造の改善であるとかあるいは環境改善に資するバイパス等の整備、あるいは道路構造の改善とか適切な沿道土地利用への誘導あるいは交通規制、こういう総合的な対策が必要だと思っております。建設省におきましては、従来より道路整備に当たりまして、例えば計画面では沿道環境の改善に資しますバイパスあるいは環状道路、さらには環境保全に資する維持修繕、環境施設帯及び遮音壁等の整備、緑化対策の推進、こういうものをいろいろ組み合わしてやることになろうかと思っております。したがいまして、そういう観点で現実の、例えば御指摘のありました関越道の沿線につきまして、新潟―湯沢間で沿道騒音レベルを新潟県とそれから関係市で昭和五十五年からずっと調査をしております。この数字を踏まえまして環境対策というものがまず考えられるわけでございます。そこで、その結果を踏まえまして、小千谷地区につきまして昭和六十三年度から騒音等の実情に応じまして遮音壁を逐次つくってまいりたい、こういうことでございます。
  67. 坂上富男

    坂上委員 あと五分しかありませんので、取り急ぎひとつまた要領よくお答えいただきたい。  その次は、建設業法の特に二級建築士の問題についてでございますが、さきの国会で建設業法が改正になったわけでございます。そこで、二級建築士それから二級技能士が管理技士資格から除外されるということになる際、国会では、不利にならないように附帯決議をつけたわけでございます。  そこで、その後、具体的にこれについてどのような措置が今講じられているのか、お聞きをしたいわけであります。  私の知る限りにおきましては、改正前の建設業の特定業というのは、工事額二千万以上の工事には特定業の許可を要したわけでありますが、その特定業には所定の監理技術者の設置が義務づけられておりました。しかし、その監理技術者には一、二級建築士、一、二級技能士が有資格者であったわけであります。それがこの改正で二級建築士、二級技能士が除外されて職を失う、こうなるわけでございまして、そういうようなことから附帯決議がつけるれているわけであります。  そこで、これは関係業者の考えでもあるのでありますが、こういう状態を救うには、特定業者の工事最低額を引き上げる以外に方法がないのじゃなかろうか、こういうような率直な意見が出ておるわけであります。でありまして、こういう点について建設業者で二千万円しかできないということは余りにも不当なんでありまして、省案では三千万ぐらいにしか引き上げない、こう聞いておるわけであります。私は今のような問題を解決するには、どうしても最小限度五千万以上の工事について特定業の許可範囲とされなければ大変な問題が起きてくるのじゃなかろうか、こう思いますが、今どんなような状況になっておるのですか。
  68. 望月薫雄

    ○望月政府委員 改正建設業法、いよいよことしの六月六日を期して施行という運びに準備させていただいております。  今お話しのように、昨年五月二十二日に当建設委員会で法案の御採決をいただくときに附帯決議をいただいているわけでございまして、私どももこの辺の趣旨は十二分に踏まえて、施行体制を現在整備中でございます。  今お話しの特定建設業についてのいわゆる建築士あるいは技術士のあり方等の点でございますけれども、まず第一点としましては、今回の建設業法施行令、これを改正いたしまして、特定建設業の許可を要するいわゆる下請代金の金額を、建築工事については従前の二千万というのを三千万に引き上げるということにいたしているところでございます。こういったことは、言いかえれば一般建設業の請負ができる金額の幅を広げるということになるわけでございまして、率直に言いまして、おおむね建築工事では平均下請比率が大体六、七割、こういうふうに言われているわけでございますので、一般建設業でも四千万ないし五千万円程度の工事を元請として請け負うことができるという道が開かれるものと考えております。その意味で、二級建築士の活動分野というものは十分に確保できるのではないか、こういうふうに私ども考えている次第でございます。  それから第二点目には、施行令の附則によりまして、既に特定建設業の許可を受けている建設業者については、今後二年間、これは施行から二年間は技術者の一級の国家資格検定を行わないという経過措置を設けることといたしております。この間に一級の国家資格を取得していただくということをぜひ促進したいと考えている次第でございまして、昨年十一月に指定建設業に係る一級技術検定の受験資格の緩和措置も講じて受けやすくしている、こういう点でございます。  内容がちょっと詳しくなりますけれども、従前は一級技術検定の受験資格は、大卒、短大卒あるいは二級合格者以上で一定の経験年数を持っている者に限られているわけでございますが、六十三年度、四年度、この二年間の特例措置として高卒あるいは中卒の方についても一定の経験年数を持っている方については受験の資格を与えたい、こういうものでございます。  それからもう一点でございますけれども、その経過期間内に一級の国家資格が試験を受けても取得できなかったという方が十分考えられます。しかし、片方でそういった方が現に特定業の主任技術者あるいは監理技術者という格好で従事していて実務経験が豊かである、こういう人については一級国家資格と同等のものとして建設大臣が認定を行うという道を開きたい、こういうふうに考えている次第でございまして、総じまして附帯決議の御趣旨、精神は十分そんたくして準備いたしているつもりでございます。
  69. 坂上富男

    坂上委員 最後でございます。  三千万ぐらいということでございますが、やはりもう少し実情を調べて、五千万以上ぐらいの工事にしていただかなければいかぬと私は思っておるわけでございますが、もう少し御調査方を要請いたしたいと思います。  そこで最後に、浄化槽の処理対象人員の算定基準についてでございますが、ホテル、旅館、改正前は居室の床面積一平米当たり〇・一人でありましたが、改正後は延べ床面積当たり、結婚式場または宴会場を有する場合は〇・一五、上記を有しない場合は〇・〇七五に変わりましたが、実際この居室面積は建物全体の三割か多くて四割ぐらいのところに上記のような算定方法でいくと浄化槽が非常に大きくなるわけであります。また、地域によっては季節的な営業しかできないところも多くあるわけでありまして、営業期間以外の維持管理面が大変でございます。施設では、大都市のように宿泊室以外ロビー等の利用者はいないので、算定方法も従来どおり、もしくは、日本工業規格浄化槽算定基準にある「実情に添わないと考えられる場合は、この算定人員を増減できる。」というようなことに沿って、規模または地域によって決めていただきたい、こういうふうな要請が実際の雪国あたりから出ておるわけでございまして、増築工事が小規模で、改正前の算定でいくと現在使用中の浄化槽で可能であるのにかかわらず、改正後では合併処理槽になりまして、工事を中止する人が出ておるわけでございますので、これに対する対応をひとつ御意見を聞かせていただきたいと思います。これは、制限時間が参っておるようでございますから、ポイントだけでよろしゅうございます。
  70. 片山正夫

    ○片山(正)政府委員 今回の浄化槽の基準の改正につきましては、排水対策のうち生活雑排水の問題が大きく取り上げられるようになってきておりまして、これに対処いたしますために厨房の排水対策の基準を強化した、こういうことでございます。あわせまして、対象人員の算定の方法を簡素化、合理化した、こういうことでございます。  ちなみに飲食店について見ますと、従来は一平方メートル当たり営業部分に関して〇・三という数字を使っておりましたけれども、今回、飲食店につきましては延べ面積という対象方法に変えた上で、さらに数字を〇・五六から一番大きいもので二・九四と大幅に基準強化をいたしたわけであります。この趣旨をホテルにつきましても適用することといたしまして、ホテルのうち宴会場部分を持ちますものにつきましては同様の趣旨から基準を強化したわけでございまして、御指摘にもありましたように、従来は居室一平方メートル当たり〇・一人を〇・一五としまして、かつ対象は延べ面積を掛ける、こういうふうに直したわけであります。しかし、宴会場部分を持たないものにつきましては、従来と同程度の水準を維持させるために、逆に〇・一の数字を〇・〇七五に落としまして、そのかわり算定の方式としては延べ面積を使う、こういう措置にいたしたところでございます。したがいまして、この関連におきまして、宴会場部分を持ちますホテルにつきましては、従来の基準よりは浄化槽が大型のものになるということもやむを得ないと考えているところであります。  次に、季節の話でありますけれども、浄化槽としましては、通常使用しております場合に必要最小限の面積のものを基準とすることでございますので、季節の利用変動によりまして利用頻度が少ない時期もあるかもしれませんけれども、通常使われます時期におきましてこれがピークオーバーになるとこれは大問題でございますので、そういう点で、通年利用を考えまして数字を平均的に基準として下げることは困難なことでございますので、やむを得ない措置と考えております。  次に、増改築の問題でございまして、遡及適用の問題でありますけれども、建築基準法の体系としましては、既存の建築物につきましてその後におきまして基準が強化されたために法律上基準に適合してない状況になる、こういう場合がございます。これは既存不適格と称しておりますけれども、これにつきましては、基準には適合しておりませんが法律上はこれを改善する義務はないわけでございますけれども、これを増築あるいは改築いたしますときにつきましては、この際建物全部につきまして新しい基準に適用させていただく、こういうことで従来からやっておりますので、増築、改築に当たりまして浄化槽が大きくなり、場合によりまして合併浄化槽を使わざるを得ないということもやむを得ないと考えております。  なお、弾力運用の条項は、ただし書きにこれはございます。使用状況に応じまして、算定人員を増減することができる仕組みになっておりますので、これにつきましては、各地方公共団体建築主事におきまして適切な運用がなされるよう指導してまいりたいと考えております。
  71. 坂上富男

    坂上委員 ありがとうございました。
  72. 中村喜四郎

  73. 山花貞夫

    山花委員 一般質問の時間をいただいて、ありがとうございました。  三つの問題について伺いたいと思っています。一つは、町田市内における建築基準法違反の問題であります。第二番目は、多摩中流部の架橋の問題であります。第三番目は、有料道路をめぐる幾つかの問題についてであります。  まず初めに、町田市内における建築基準法違反の事件が新聞でもさまざま報道をされておりまして、五月四日の朝日新聞ですと、「力ずくで違反建築」、こうしたテーマで経過がかなり詳細に報道されているところであります。  ある不動産業者が、工事着工前に町田市に建築確認申請書を出して確認を受けなければならないのに、会員用クラブハウス、テニスクラブのハウスでありますが、れんがづくり、地上二階地下一階、延べ千六百七十八平方メートルと附属する鉄筋平屋建ての倉庫の工事を始め、また、都知事への建築工事届も出されておらず、現地が第一種住宅専用地域で本来はクラブハウスの建築ができないのに、用途地域変更の手続もしなかった、こういう事件でありまして、私も現地調査いたしましたけれども、一見大変立派な建物、こうした建物の建築について、大手の業者が建てているところでありますけれども、一切の法的手続を無視しているということについて、大変びっくりしたところであります。  建設省にこうした基準法違反事件についての対応について伺いたいと思うわけですが、先立ちまして、この事件については書類送検をされたと伺っておりますので、警察庁の方に事件の概要と経過について簡単に御説明をいただきたいと思います。
  74. 泉幸伸

    ○泉説明員 お尋ねの件につきましては、御質問にもございましたように、クラブハウスに係る建築基準法違反といたしまして、本年三月、町田市から建築基準法違反で町田署に告発がなされましたので、所要の捜査を遂げ、五月四日に送付いたしております。  その中身につきましては、六十二年二月ごろから町田市内の第一種住宅専用地域内において、用途地域違反の建物であるテニス場、クラブハウスなどの建物を建築確認申請、建築工事届などをせずに建築し、さらに、これら違反事実に対する工事停止命令に従わず建物を完成させた上、使用禁止命令に従わないで使用したというものでございます。
  75. 山花貞夫

    山花委員 この間、市役所が担当の職員を派遣して立ち入りの検査を行おうとした。これに対して、身分証明書を取り上げる等、市の職員に暴力を振るった、あるいは脅迫をしたりしたということで公務執行妨害についても書類送検されているのではなかろうかと思いますけれども、いつ、どのような内容の送検がなされたのかということについて御説明をいただきたいと思います。
  76. 泉幸伸

    ○泉説明員 公務執行妨害事件につきましては、昨年九月二十四日、告発を受けまして、本年三月七日、送付をいたしております。捜査いたしましたのは町田警察署でございます。罪名は、公務執行妨害罪と建築基準法違反の立入検査拒否に関する罪でございます。事案の概要は、昨年六月八日、テニスクラブ建築工事現場前において町田市職員が該工事について質問いたしました際、身分証明書を取り上げるなどして立入検査を拒否、暴行を加えて公務の執行を妨害したというものでございます。
  77. 山花貞夫

    山花委員 念のために、公団の建築基準法違反の送検につきましても、告訴の受理の時期と送検の時期及びその概要について伺いたいと思います。
  78. 泉幸伸

    ○泉説明員 公務執行妨害罪に絡みます建築基準法違反、すなわち立入検査拒否に関しましては、ただいま申し上げましたように九月二十四日に告発を受理いたしまして、本年三月七日、送付いたしております。先ほど申し上げましたクラブハウスに係ります建築基準法違反事件につきましては、本年三月八日、告発を受理いたしまして、本年五月九日――先ほど五月四日と言い違えて大変失礼いたしました。五月九日、送付をいたしております。
  79. 山花貞夫

    山花委員 お話によりますと、告発の受理の時期について、三月と伺いましたけれども、実はそこに若干の経過、問題があるわけでありまして、町田の市役所におきましては、昨年の十一月十三日に告発状を町田警察署に届けております。以来、幾度か受理をお願いしたわけでありますけれども、なかなか受理していただけることなく、年明けてことしの三月にやっと初めて受理していただいた。一体なぜだろうということが疑問として出ておったわけでありまして、この事件におきましては、捜査の中であらわれていると思いますけれども、右翼団体が絡んでいる、こうした問題があります。  実は、私も市長のところに面会に行って事情聴取をした。その時期には、右翼団体の車が十台前後、市役所を取り巻いていわゆる街宣、この問題について宣伝をしておりました。連日そうした右翼の行動が町田市内において展開されてきたわけでして、多いとき、少ないときありますけれども、せんだっての日曜日の午後も駅頭に十数台の右翼の車が連なってこの問題についての街頭宣伝をやっておった。市民の疑問としては、これだけ右翼が騒いでいるから警察は受理しなかったのではないか、そうした率直な疑問もありますけれども、そうしたことはなかったでしょうか。この点について御説明いただきたいと思います。
  80. 泉幸伸

    ○泉説明員 町田市からの告発の受理の経過につきましては、昨年十一月十三日に町田市から町田署に対しまして告発の相談がございましたことは事実でございます。そのときの相談内容検討いたしまして、告発に関しまして処罰の意思及び告発の内容等についてなお明確にしていただく必要がある点がございましたので、その点を指導して、本年三月八日、受理いたしたという経緯でございます。御質問にありましたように、右翼団体等が関連するからこの告発の受理に逡巡したのではないかというようなことはないというふうに聞いております。
  81. 山花貞夫

    山花委員 事件受理の経過については議論がありますけれども、質問を先に進めさせていただきます。  今お話し申し上げましたとおり、書類送検後もなおこの右翼の宣伝等が続いているわけであります。こうした問題については市当局としても地元警察署に相談に行っていると思いますが、国会周辺でも私たちはそうした経験をしているわけでありますけれども、かなり大規模な本格的な宣伝がある。こうした右翼の動向に対して地元の署としてどのように対応していただいているか、あるいは皆さんの方からどのような指導等があるかについて御説明をいただきたいと思います。
  82. 田口朔

    ○田口説明員 お答えいたします。  町田市におきまして松魂塾なる団体等がクラブハウス等の建設問題をめぐって各種の街頭宣伝活動を行っておりますが、これに対しまして警察としては違法行為は看過しないという基本方針で対処してきているところでございます。  なお、相当の車両が集まりまして宣伝等の騒音で皆様方に御迷惑をかけるという御指摘は、私ども確かに承知をしております。  それで、現在このような騒音を直接規制する法律といたしましては軽犯罪法がございますが、これは御承知のように、公務員の制止があったのにこれを聞かずに、しかも大きな音を連続して出して静穏を害し近隣に迷惑を及ぼしたというような要件がございます。また、逮捕の制約もございまして、右翼の騒音というものを事前に全部規制するということは困難でございます。しかしながら、私ども警察といたしましては、軽犯罪法を初めといたしまして街頭宣伝活動に関係する法規、例えば道路交通法というものを積極的に活用する、さらには警告、制止等の措置を継続徹底するという方法によって国民生活の安全を確保するように指導し、また努力しているところでございます。  また、今回の町田の御指摘の街頭宣伝につきましては、比較的に街頭宣伝を行うところが定まっておりますので、町田警察署といたしましてはその街頭宣伝が主として行われるところへ警察官を増強配置いたしまして、また、さらに右翼の街宣車を発見した場合にはこの動向監視に当たるというような方法を講じまして厳正に対処しております。本年に入りましてから昨日までに暴力行為等処罰に関する法律違反、道交法等で四件四人を検挙しております。今後とも違法行為は看過しないという基本方針を堅持して厳正に対処してまいりたい、かように思っております。
  83. 山花貞夫

    山花委員 市役所の事務の執行に支障を与えないために、そしてまた市民の不安解消のために一層の御努力のほどをお願い申し上げる次第でございます。  以下、建設省に伺いたいと思うのです。  今お聞きになりましたとおり、公務執行妨害を除きますと建築基準法違反のケースであります。大きく分けますと手続の規定の違反と行政命令についての違反があります。手続規定違反につきましては建築確認申請義務並びに確認前着工違反、建築工事届け出違反、用途地域違反、行政命令違反に関しましては工事停止命令違反、使用禁止命令違反があるわけでありますけれども、建設省としては行政の立場でこのような違反行為をどのように把握しておられるか、どのような経緯で、どのように事案について認識しておられるかについて、まず伺いたいと思います。
  84. 片山正夫

    ○片山(正)政府委員 建築基準法におきまして違反建築物がありまして、それに対する行政命令等を行いましたときにつきましては、基準法の第九条の三の規定に基づきまして、違反建築物の設計者等につきまして、それぞれの免許を与えております監督大臣等に通知をする義務がございます。したがいまして、本年三月三日、町田市から東京都を経由いたしましてその九条の三に基づきます通知がございました。これ以後町田市あるいは東京都から事情を聴取いたしまして、この事件の内容を承知しているところでございます。
  85. 山花貞夫

    山花委員 行政指導あるいは行政処分の対象でありますから、警察、検察庁当局の事案についての把握の仕方とは全く別の観点になってくると思います。どのような対応が今後考えられるだろうか。今事情聴取を行ったと言いましたが、担当の部署も幾つかに分かれるのではなかろうかと思いますけれども、今後どう進行するのかといった問題について、見通しについてはお差し支えある点もあると思いますけれども、まず流れということについてお話をいただきたいと思います。
  86. 片山正夫

    ○片山(正)政府委員 まず、行政処分につきましては、本件の建築主が無確認でありますとか用途違反ということで、さらにまたは行政命令に従わなかったということで刑事責任が問われている段階でありますので、その状況を見守る必要がございますけれども、当該設計者等がどのように建築主の違反行為に関与したかということを現在行政庁の立場としまして調査をしているところでございます。  この後におきまして、事情によっていろいろ違ってまいりますけれども、まず設計者の立場について見ますると、一級建築士が建築確認申請、用途地域制限の例外許可申請、工事監理等の業務を行うことを建築主から依頼されていたような場合には、当該建築主が建築基準法第六条第一項及び第四十八条第一項違反の建築基準法違反行為を行ったこととなります。また、これらの違反行為を承知の上で工事監理を行ったことがありますればこれは業務に関する不誠実行為ということになりまして、建築士法上第十条第一項の行政処分の対象、戒告、業務停止、免許の取り消し等ということにつながってまいることになります。     〔委員長退席、野呂田委員長代理着席〕
  87. 山花貞夫

    山花委員 先ほど警察庁の方からも、右翼がかんでおったけれども厳正な措置をとった、これからもとるとお話がありました。この事件につきましては大手の業者がかんでいるわけでありまして、大手の業者が担当して何でこんなことになったのかということを私たちは大変疑問に思っているわけであります。大手の業者が絡んでいるからということで甘く見るのではなく、手続については厳正に進めていただきたいということをこの際強く要望しておきたいと思います。  これまで建設省の担当の方の事情聴取等の御苦労については幾度かお伺いをいたしましたけれども、捜査権がないからということでの困難性についても御説明を伺ったりしておりますが、警察での捜査の進展等を通じてまた新しい事象についても明らかになると思いますし、大手の業者の絡みということについてもはっきりしてくるのではなかろうかと思っております。この点についても、建築行政上余り例のない、まさに驚くべき違反事実の連続でありますから、ぜひしっかりと今後、行政上の指導と処分をお願いしたいというように思います。この点、最後に一言お伺いしたいと思います。
  88. 片山正夫

    ○片山(正)政府委員 三月三日に九条の三に基づきます通知を受けまして以後、関係者につきまして、例えば町田市につきましては三回、それから東京都につきましては一回、事情聴取を進めておりますとともに、設計者などにつきましても事情聴取を行い、今後も行う予定にしております。また、告発の結果も見守りつつ、適切な対処をしてまいりたいと考えております。
  89. 山花貞夫

    山花委員 今後の対応に大きな期待をかけたいと思っております。  次の質問に移らしていただきます。多摩川中流部につきましての架橋の問題について伺いたいと思います。  多摩地域は人口三百五十万に達しまして大変な交通問題、市民の関心の的でありますけれども、そこでの問題点は、多摩川等河川に対する架橋がないということについてであります。ちょっと資料をいただいたものを見てみますと、東京都内にある荒川の場合には平均二キロに一本の橋がかかっておる、隅田川については一・一キロに一本である、多摩川の上流部については二キロに一本である、そして下流部については二・二キロに一本である、こう橋があるわけであります。人口が大変密集している、関係する調布、狛江、府中、日野、多摩、稲城、立川、国立等々の中流部におきましては四・三キロに一本ということで、荒川、隅田あるいは多摩川上流、下流に比べると三分の一あるいは二分の一という状態でありますから、毎日のように渋滞問題が起こったりしておりまして、建設省でもこの問題についてはかねてから大変努力をしていただいているところであることは十分承知しております。  そこで、多摩川中流部における現在の架橋の状況と、この橋梁整備計画の概要及び計画の進捗の程度等について一括してお伺いしておきたいと思います。
  90. 三谷浩

    ○三谷政府委員 まず多摩川中流部、これは立川から狛江の間と考えておりますけれども、この間には下流側の多摩水道橋から上流の日野橋まで合計六橋の道路橋があります。高速自動車国道の中央自動車道の橋梁が一橋ございますが、これを除きますと五橋、今先生の御指摘がございましたような間隔でございまして、一般国道二十号線の橋梁が一橋、それに都道の橋梁が四橋でございます。この五橋のうち、関戸橋が四車線である以外はすべて二車線でございまして、架設の年次が非常に古いという老朽対策あるいは周辺開発等による交通量の増大に対処いたします交通混雑対策として、新規の橋梁の架設あるいは現在の橋梁のかけかえあるいは拡幅の事業というものを実施しております。  そこで、橋梁の整備計画の内容でございますが、現在、多摩川原橋の上流側に新規の橋梁として第二多摩川原橋、延長は四百メーターでございますが、この架設が計画されております。この橋梁につきましては、六十三年度から東京都の道路公社で有料橋として事業化をすることとしております。それからもう一つ、関戸橋の上流側に新規の橋梁として第二関戸橋、それから日野橋の上流側に新規の橋梁として立日橋、こういうものがそれぞれ東京都の都市計画事業として現在事業中でございます。  さらに、日野橋の下流側には一般国道の二十号線日野バイパスの一環として、新日野橋と言っておりますが、新規の橋梁を建設省でも計画をしております。下流側の四橋、すなわち多摩水道橋、多摩川原橋、是政橋それから関戸橋につきましては、先ほど申し上げましたようにいずれも交通混雑対応それから老朽橋対応として架橋拡幅等の構想がございまして、道路管理者である東京都において今調査中でございます。仮にこれらの橋梁の整備計画が実現をして完了いたせば、現在五橋十二車線でございますが、九橋三十四車線ということで、車線数でいくと二・八倍ぐらいにしたい、こういうことを考えております。  あと、整備の進捗状況等については先ほど申しましたが、本年度で事業中の橋梁は第二関戸橋それから立日橋等でございます。また詳しくあれでございましたら御説明させていただきます。
  91. 山花貞夫

    山花委員 全部の計画が終わればおっしゃったとおり大変交通問題は解決すると思うのですが、あとどれだけかかるのかというのが従来から心配だったわけでありまして、この計画についての事業費は大体どのくらいに見込んでおられるのでしょうか。そして、例えばことしの予算でついている部分、実績を含めてどのくらいになっているでしょうか。その辺から大体将来の見通しもわかるのじゃないかと思いますので、その点を御説明いただきたいと思います。
  92. 三谷浩

    ○三谷政府委員 現在事業中は第二関戸橋と立日橋、こう申し上げましたが、昭和六十二年度までに約五十億円の事業を実施しております。昭和六十三年度については第二多摩川原橋を今度始めますので、それを含めて約二十五億円で三橋の事業を実施していきたいと考えております。
  93. 山花貞夫

    山花委員 私ども、全体で一千億近く、八百三十六億ぐらいかかるのではなかろうかと伺っているわけでありまして、今のお話ではその十分の一以下、かつこれは橋梁だけではなく道路整備の関係が絡んでまいります。御承知のとおりの地価の高騰におきまして、多摩地域において公共事業、土地の取得が極めて困難である。そうした橋の取りつけ道路、これは東京、神奈川にまたがるわけでありますけれども、そこまで考えますと、一体全体としては今後十年かかるのか二十年かかるのか、あるいはもっとかかるかということが見当がつかないところでありますが、できる範囲で大体どのくらいのめどで考えておられるのか、事業の計画の目標はこのくらいだということについて最後にお話しいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  94. 三谷浩

    ○三谷政府委員 既に着手しております第二関戸橋、立日橋、それから六十三年度から着手することを予定しております第二多摩川原橋、これらはいずれも早期供用ということで、例えば第二多摩川原橋は六十九年ぐらいまでに何とかつくりたいと考えております。なお、立日橋でございますが、これは本年度中に暫定ではございますが二車線で供用を開始いたしまして、六十五年度には四車線で完成をしたい。それから新日野橋、国道二十号線日野バイパスの一環として建設省が計画しておりますバイパス事業の進捗、こういうものは先ほど御指摘がございましたように前後の道路計画と合わせて橋梁の着工の時期を決めていくことになろうかと思っております。区画整理事業との関係もございますが、例えば六十三年度から発足いたします五カ年計画にでも何とか着手をしたいと考えております。  それら以外の橋、多摩水道橋あるいは多摩川原橋、是政橋、関戸橋、こういうものについては、東京都が事業主体でございますが、事業化の要望が出た時点で建設省としてもその対応を検討してまいりたいと思っております。確かに金が非常にかかる事業でございますが、何とか七十年代半ばにでも全部終わりたいと考えております。
  95. 山花貞夫

    山花委員 地元各市町村の強い要望であり、建設省及び東京都に歴年この要請を繰り返しているテーマでありますので、また機会を改めてお伺いをしたいと思います。  三番目の有料道路の料金をめぐる問題について伺いたいと思います。  過日、大臣が記者会見で有料道路の料金問題についてお話しになりまして、その中で、全体について伺うのはまだ時期が早いかもしれませんけれども、二輪車、オートバイの料金の問題についてお触れになりました。これはかねてから私たちが期待しておったところでございます。  実は私たちが党内で毎週、土曜協議会と申しまして、土曜日に市民の皆さん、市民団体の皆さん、大勢集まっていただいて、役所の皆さんにも集まっていただいて、そこで直接意見の交換をするということを長年続けているわけでありますが、かつてこの問題について私も担当して、八六年三月二十九日の開催のときでしたから古くなりますけれども、問題提起がございました。一昨年の四月十一日、建設委員会においてこの問題について、当時は江藤建設大臣だったのですけれども、私はお願いをいたしました。具体的な問題としてはたくさんあったのですが、きょうお伺いしたいのは二つに絞りたいと思います。  一つは、自動二輪車についての、不平等問題ということでこれは裁判にもなったりしたわけでありますけれども、この問題について、大臣は記者会見で解決の見通しということについてお話しいただいたわけでありますので、この見通しを伺いたいということ。  同時に、実はなお未解決の問題として、身体障害者の介護者についての割引の問題であります。これは、身障者でも軽度の方ならば自分で車を運転することができる、そして割引があります。ところが、重度の皆さんの場合には必ず介助者がなければ車に乗って東京に出てくることもできません。過日の土曜協議会でも問題になりましたけれども、町田から一回出てまいりますと往復有料道路で二千四百円かかる。それはほかの雑費を別にしてであります。身体障害者の皆さんが厚生省、その他役所に陳情に行くということになりましても、生活保護その他の大変低いレベルでの生活をしている中で、せめて有料道路について何とかならぬかという問題提起がありました。この問題につきまして実は当時の国鉄、今のJRですが、国鉄を初めといたしましてほとんどの交通機関が介護者については大体半額にしているわけであります。国鉄も、大手十四社初め私鉄も、それから営団地下鉄もあるいはバス、航空機あるいは船舶につきましても、重度身障者の介護者について五〇%の割引、飛行機は二五%ですけれどもしているわけでありますが、有料道路は相変わらず一〇〇%取っているということから、ほかと比べても何とかならぬか、こういう問題提起がありました。  このたび、一つの問題であったオートバイの関係につきましては減額という方向が打ち出されたようでありますけれども、我々が期待しておりました重度身障者の介護者についてのほかの一般交通機関並みのせめて五〇%の割引という問題については、実は大臣の記者会見の中にはなかったものですから、一体どうなっているんだろう、この問題について何とかしてもらえないだろうかという声があの記者会見の新聞記事を見て私のところにもたくさん来たものですから、この機会に、まだこれから答申が出るところだとは思いますから、何とかなりませんかということについて、これは直接大臣にお伺いをいたしたい、こういうことでございます。
  96. 越智伊平

    ○越智国務大臣 高速道路の通行料の問題につきましては、今先生お話しのように、単車と二十九人以下のマイクロバスが同じであります。でございますから、二十九人と一人が同じ、これは余りにも国民から考えてもどうかな、こういうことから、今の普通車の部分を三段階ぐらいに分けていかがなものか、こういう考え方であります。でございますから、これは道路審議会で今御審議をいただいておりますが、その答申を待って進めてまいりたい。三段階ぐらいに、軽と普通車、そして普通車の中でも今のマイクロとかトラックの八トンというのは少し高くというようなことで検討が進められておりますので、この答申を待って処置をしていきたい、こういうふうに考えております。  さて、身体障害者の問題ですが、これはなかなか率直に言って難しい問題であります。といいますのは、今度高速自動車道を出口、入り口で大変混雑いたしますのでカード式にしようということで、いろいろ検討が進められております。カード式になった場合、五段階ぐらいまでしか技術的に今できないそうであります。さて、今身体障害者の方々の割引はいたしておりますが、介護者の問題、これは検討はいたしますが、なかなか複雑な、こういう問題もあるのです。バスで身体障害者が旅行する場合に借り上げバスで通行する、そうすると四十人ないし五十人乗って身体障害者だけが通行する、これは普通の、今割引はいたしておりませんので、そういう絡みもありますので、今の制度を後退さすという意味はございませんけれども、前進さすのはさあどうかな、どの程度、何ができるのかなということで検討はしてみますけれども、なかなか介護者ということになりますと難しい。今の出入り口の混雑の問題もこれあり、簡単にできる方法がないと非常に一般の国民に迷惑をかける。迷惑をかけるといいますのは、時間的に長く、それを確認するとかいろいろの方法をやっておりますと大変時間をとられるという問題もございますので、なおよく検討をしてみたい、こういうふうに思います。  前段の部分につきましては、以前から御意見もございましてそのような方向で進めたいと思いますが、後段の身体障害者の方は、決して福祉が後退するという意味でなしに、実際の通行する場合の混雑の面と両方考え合わせて検討しなければならない、こういうふうに考えておる次第であります。
  97. 山花貞夫

    山花委員 前段が、道路審議会の答申を得て大体いつごろ実現するということなんでしょうか。
  98. 越智伊平

    ○越智国務大臣 答申は夏ごろいただいて、カード式にある程度、全区間ができないわけでありますけれども、幹線等をやりますのがことしの年末ごろかな、こういうふうに一応のめどを立てておりますけれども、多少ずれ込むか、あるいは余り早くもならないと思いますけれども今年中には何とかしたい、こういうふうに考えております。
  99. 山花貞夫

    山花委員 後段の問題につきましても、大臣の御説明わからなくはないわけですけれども、実はこの問題、現在でも身障者の皆さんが割引を受ける、そのこと自体で大変手数がかかるわけであります。これは通達によるわけでありますけれども、規定によりまして、対象身障者は身体障害者手帳に押印を受けた福祉事務所において、割引証交付申請書に必要事項を記入し、押印手帳を提示して割引証の交付を受ける。こうして受けた後、年月日、申請者氏名、住所、身体障害者手帳番号、運転免許証番号、自動車登録番号、自動車所有者氏名、続柄、割引証交付申請枚数等々、こういうものを全部書き込んだ上で、かつゲートを通るときに手続をする、こういうことになっているわけであります。したがって、今度磁気カードでスムーズに通すということになるならば、実はこの手続についてももっと簡便な形での方向について御検討いただきたいという要請があるわけですけれども、従来でもこうした手続をとっているわけでありますから、この手続問題だけであるとするならばいろいろ方法が考えられるのではなかろうか。この道路問題だけではなく、国鉄でも私鉄でも営団地下鉄でも航空でもバスでも全部やっているんだからこの身障者の介護者についての割引問題、実は江藤建設大臣のときにもよく検討する、こういう御返事だったわけですけれども、きょうは若干説明が加わりましてよく検討するというお話だったわけですが、長年かかっている問題ですので、ぜひ大臣、この問題はひとつそれぞれの担当の皆さんに知恵を絞っていただきまして、ぜひほかの鉄道機関並みに、鉄道機関じゃありませんけれども鉄道機関並みに、介護者について五割の割引をするということによって重度身障者に対する割引の実あるように強く要請いたしまして、時間も参りましたので質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  100. 野呂田芳成

    ○野呂田委員長代理 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十八分休憩      ────◇─────     午後一時三分開議
  101. 野呂田芳成

    ○野呂田委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。沢藤礼次郎君。
  102. 沢藤礼次郎

    ○沢藤委員 お許しをいただきまして若干質問さしていただきます。  私の質問は、終始一貫と申しますか、一つの柱といたしまして公共事業をめぐる諸問題、特に私の住んでおります東北地方、積雪寒冷地帯、その立場からの公共事業の問題、及び、午前中の同僚坂上委員の質問とダブる部分があるわけでありますけれども、中小下請企業の立場から公共事業をめぐる諸問題ということで、一つのテーマと申しますか、性格を持たせながら質問を申し上げたいと存じます。  まず最初に、最も基本的なことで恐縮でありますけれども、国の予算における公共事業の果たしてきた役割は一体どういう役割があっただろうか、あるいは本来果たすべき役割をどう考えるか、このことについて大臣の所見をお伺いしたいのであります。  言うまでもなく、公共事業は公共基盤の整備、国民生活の質の向上のための基盤の整備充実という本来的な目的があるわけでありますし、同時に、多くの機会に、景気が悪くなりますと公共事業による景気のてこ入れ、景気対策として、景気対策のエースとも言われながら大きな役割を果たしてきたという側面があろうかと思います。そのほかに、これは私の考えでありますけれども、地方に住んでおりますと、今日本はいろいろな分野で産業構造が変化を見せている、そういった時期に対応して、産業基盤の整備という一つの新しい役割と申しますか、そういったものがあるのではないかという考え方を持っておるわけでありますが、非常に多くの場合、大きな期待を集め、多くの関心を集めながら展開されてまいりました公共事業の役割、果たすべき役割についての御所見をまず最初にお伺いいたしたいと存じます。
  103. 中嶋計廣

    ○中嶋(計)政府委員 先生指摘のとおり、公共事業を実施いたしますと幾つかの効果が期待できるかと思います。一つは、国民の生活基盤の充実向上を図っていくためのかなめとなるという役割でございまして、現在我が国の経済力は世界第二位と言われるような経済大国になっておりますが、それにふさわしい豊かさを実感できる国土づくりを進めていく上で公共事業が極めて貴重な政策手段となっているということが言えるかと思います。また、産業基盤の整備についても同じく重要な政策手段になるということが言えようかと思います。同時にまた、公共事業を拡充いたしますことによりまして、現下の急務であるところの内需拡大にも極めて有効な役割を果たし得るものと考えております。こうした観点から、今後とも建設省といたしましては、住宅・社会資本整備のための所管事業の計画的かつ着実な推進に努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
  104. 沢藤礼次郎

    ○沢藤委員 景気対策としての公共事業の波及効果ということになりますと、ある雑誌を引用すれば、建設省サイドの見方と大蔵省サイドの見方とでは若干ずれがあるというふうな指摘がされておるわけですが、この問題に触れますと時間が長くなりますのでこれは割愛しまして、私は、今お答えありましたように、地方におりますと景気の循環と申しますか動向がどうしても中央から時間的にずれてまいる、そういったこともありまして、公共事業による景気のてこ入れということに対する期待度が非常に大きいわけであります。そういった点を申し上げながら、今お話ありましたように二面あるいは三面の果たすべき役割がある、その重要性というものの共通認識に立ちながら、次の質問に移らせていただきたいと存じます。  さてそこで、公共事業の予算、限られた一定の枠の予算をどのように行使するか、配分するかという問題になるわけでありますが、配分の重点をどこに置くかということに問題を移してまいりたいと存じます。  結論から申し上げますと、私は今お答えありましたお言葉を裏返しにして、生活基盤の整備のおくれている場所、あるいは景気対策が十分じゃない場所、あるいは産業構造の転換になかなか追いついていけない、産業基盤の整備充実を必要とする場所、地域、そういったところに公共事業を厚く配分するというのが、今の論からすれば当然の帰結であろうというふうに考えるわけであります。  若干補足させていただきますと、例えば、最近民間資本の活用あるいは民間活力の活用というふうな、民活という言葉が多くの場で、あるいはまた事業展開の場で使われるわけでありますけれども、これはいかに考えても私の住んでいるような東北地方あるいは人口過疎地帯には民間資本が進出してくるということはまず考えられない。どうしても民間というのは利潤追求というのが一つ基本にありますから、福祉事業をやるために地方に出てくるということはあり得ない、考えられないわけであります。したがって、民活の主役、主なる舞台は大都市であろう、あるいはビッグプロジェクトであろうというふうに考えるのが至当であろうと思うわけであります。  それから、公共の生活基盤の整備充実ということから申しますと、例を引かせていただきますが、最も調査しやすいということで私の住んでいる岩手県の例を、数字を取り寄せたわけでありますが、生活基盤というのはいろいろな問題があると思いますけれども、例えば道路の舗装率、これを見ますと我が岩手県は全国で四十七番目であります。それからごみ処理実施率というのがありまして、これも全国で四十七番目であります。それから都市公園等の面積、これを見ますとやや中位ということですか、全国で二十六位という数字が出ております。ただ、今度は上水道、下水道の普及率でまいりますと、上水道の普及率は全国四十六位、公共下水道の普及率は全国で三十位、こういう状態になってございます。特に悪い数字だけを選んだというわけではないのですけれども、そういった生活基盤あるいは公共基盤というものが、岩手とは申しませんが、東北あるいは九州あるいは北海道という地域地域によってかなり全国平均との差があるわけであります。  そういった意味で、また先ほどの結論に戻るわけでありますけれども、公共事業の配分ということにつきましては生活基盤、公共基盤の整備のおくれている箇所に厚くするというのが本来のあり方ではないだろうかというふうに考えます。  以上、三、四点申し上げたことを含めまして、御所見を賜りたいと思います。
  105. 牧野徹

    ○牧野(徹)政府委員 私どもが担当させていただいております建設行政の目標というものは、言うまでもなく住宅あるいは社会資本整備を通じて国土の均衡ある発展を促進する、それによって活力ある経済社会と安全で快適な国民生活を実現するということが基本命題だと認識しております。  そういう点を踏まえて先生御質問の点についてお答えしますと、六十三年度、これは一番最近行った予算の箇所づけでございますが、この公共事業配分に当たりましては、今申し上げましたような目標を念頭に置きながら、地方公共団体からの要望等も勘案しつつ、地域活性化に資するよう不況地域を含めた地方へ重点的に配慮したつもりでございます。  なお、先生は民活プロジェクトとたしかおっしゃったようでございますが、私どもは地域活性化プロジェクトというのでそれぞれ、大都市にももちろんございますが、地方にもあるというふうに考えております。地域活性化プロジェクトというのは北海道、沖縄除きで全国で二百三十カ所弱選んでおりますが、そういうもので、例えば先生の御関係の深い岩手につきましてもいろいろ幾つかのプロジェクトを選ばしていただいておりますが、そういうものにも重点的に配慮しながら先ほど申し上げたような予算配分を行った、そういう次第でございます。
  106. 沢藤礼次郎

    ○沢藤委員 これはある新聞の社説の引用ということになるわけですが、「景気対策は地方に重点を」という表題での社説であります。その中の指摘に、いわゆる大都市と地方とを比べてみた場合に、大都市圏、首都圏と申し上げてよろしいと思いますが、財テクで潤っている金融あるいは証券業あるいは好調の軽薄短小型産業が比較的首都圏に多い。一方、地方では構造不況である重厚長大型産業と減反、米価引き下げなどで展望の暗い農村を抱えている。こういう違いが一層格差を広げているんじゃないかという指摘をした上で、「多くの地方が景気の上昇気流に乗り切れないでいるのは、単に循環的な遅れだけではなく、日本の産業構造の転換の日陰に回っているからではあるまいか。」という指摘をしているわけであります。  そういった意味で、先ほどちょっと触れましたように単なる景気対策ということばかりではなくて、あるいはまた生活基盤の整備ということにとどまらずに、いわゆる産業構造の転換に資するような方向で公共事業の予算執行に当たっていただきたいという要望を申し上げたいわけであります。このことについて一言お答えをいただきながら、次の質問に移っていきたいと思います。
  107. 牧野徹

    ○牧野(徹)政府委員 公共事業の必要性につきましては先生指摘のとおりだと思います。私どもが住宅・社会資本整備を進めているのは、それがまだまだ必要とする水準に達していないから、鋭意二十一世紀までの間に全力投球をしてその整備を進めたいというのがまず基本でございます。と同時に、やはり現在の景気情勢等にも配慮する。これは公共事業に期待されるところが非常に多いものがございまして、特に所得水準の低い地域ほどその地域経済で占める公共投資の比重が高いわけで、その地域の地域経済の下支えをして地域間格差の是正にも大きく寄与していると自負しております。と同時に、ただいま先生が最後におっしゃいましたような日本の経済構造の変換という大問題に対しても的確に対処していくということは、これまた必要かと思います。ということで、つづめて言うと大体先生と同じようなことを考えながら私どもも日夜努力しておるということでございます。
  108. 沢藤礼次郎

    ○沢藤委員 ありがとうございます。蛇足と申しますかだめ押しみたいになって恐縮なんですが、公共投資は仕事としての土木事業を持ってくるというだけではなくて、その地域の将来像を踏まえた産業基盤の整備ということを一つの新しい旨として進めていただきたいということを申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。  次は、私ども地方に住んでおりますと、中央の方からやってまいります大手企業と地方企業、地場産業との関係という問題に多くの場面で遭遇するわけであります。例えば大手建設業者が地方に来て仕事をなさる場合に、地元の商業、産業の関係をどう維持発展させるかということに非常に大きな注目を払うことが多いわけであります。労働力の確保、これは大抵その地域の労働力を使うということは間違いないわけでありますけれども、資材の調達とかあるいは修理あるいは製造委託、これは建設業者の中には余り多くないとは思うのですけれども、地場産業との関連、そういった意味で当該地域でなされることが地域では望まれているわけですが、そういった資材調達等についての地場との関連について、何か事実関係を示すデータがあればお示し願いたいと思うわけです。
  109. 望月薫雄

    ○望月政府委員 先生の御質問のことに素直にお答えできるような調査データ、実は私ども持ち合わせておらないところでございまして、一般的にお答えするしかないという感じを否めません。その際に労働力の確保あるいは資材調達、先生が今おっしゃったように地元地域からすると大変関心のあるところということは、私どもも当然のように認識しておるところでございます。  それで、建設業というものの特性を考えてみますると、一般的なことでございますけれども、やはり現地調達、現地生産ということを大変大きな特色としておる産業である、こういったことを考え合わせますと、一般に労働力につきましては、特殊な技能工あるいは専門工、こういったものはちょっと別としまして、地元の労働力の活用というのがかなり広く行われておるところじゃないか、このように認識いたしております。  それから資材の点でございますが、これについては、基本的には企業の資材調達の方針といいましょうか経営の方針というものがあるわけでございますので、私どもそれについて具体にどうこうしろということをなかなか言いにくい部分がございますが、おおむねの傾向としては、種類によって異なりますけれども、資材も砂利、生コンなどのようなものについてはこれは地元調達が非常に多い、こういうふうな現状にあると認識しております。  あるいはまた、今先生おっしゃったように修理の問題などもありますが、こういったことを総合いたしまして私どもダムだとか長大トンネルというふうな特殊な技術、技能を必要とする工事はいささか違った様相もあるかもしれませんけれども、大宗としましては、現地生産という特性からしまして労働力、資材あるいは機材、こういったものについて可能なものは極力地元から調達されている、こんなふうな傾向にあるというふうに認識している次第でございます。
  110. 沢藤礼次郎

    ○沢藤委員 確かに企業にはそれぞれの方針なり事情があるわけですから、例えば建設省の方から一律に指導するとか規制するというのはなかなか難しいとは思います。ただ、国土の均衡ある発展とか産業の均衡ある発展ということを一つの大きな目標として政策あるいは行政が展開されるという場合には、可能な範囲でガイドするという姿勢も必要だろうと思うわけです。  その中で、これは「建設業界」という業界誌の中に出ている問題では、資材業者との取引実績では県内調達が、比較的多いと解釈していいでしょうか、少ないと解釈していいでしょうかちょっとわかりませんが、七〇%ぐらいじゃないかというふうな指摘があったり、それから、私の住んでおります北上市というのは誘致企業、工業誘致の非常に盛んな土地でございまして、建設業だけとは限りません、一般の工場でありますけれども、製造委託、修理委託の外注の実態を見ますと、地元が三分の一で県外が三分の二という実態がかなり長く続いているわけであります。結局は、対応し切れない地場産業の体質という問題もあるかもしれませんけれども、できるだけ共存共栄と申しましょうか、地域との調和ある発展ということを一つのお考えとして事あることに御指導をお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。  また、銀行筋から聞いたのですけれども、先ごろまでは大手の建設業者、大手企業の方々は、ある一定の期間といいますか、余裕のある金を地元の銀行に預金しておるというケースが非常に多かった。これは地場の銀行からすればありがたい話でありますが、最近、ここ一、二年、一斉にそれが引き揚げられている傾向がある。もうほとんど地元の銀行は相手にせず、系統の銀行の方に引き揚げている傾向がある。人の悪い、意地の悪い見方をすれば、財テクの方に動員をかけているんじゃないかといううわさも地元にはなきにしもあらず。これはどうこうしろということはちょっと言いにくいのですけれども、トータルとして申し上げたいことは、大手の方が地方でいろいろな仕事をなさる場合に、地場の企業、地場の産業と悪い意味で競合することなしに、いい意味で力をつけ合うということを、ちょっと抽象的な言い方になって恐縮ですけれども、今後ひとつ御指導をお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。  次に、午前中の坂上委員の質問とかなりダブるのですが、私も私なりの数字を準備しましたので、御容赦をいただいて質問させていただきたいと思います。  下請代金の支払いの問題でありますけれども、これは建設関係で言えば建設業法の第二十四条の五というあたりから非常に関係の深い問題が発生してくるのではないかと思うわけでありますけれども、この第二十四条の五におきましては下請代金の支払い期日を定めてあるわけですね。工事が完成したことを下請から元請に通知をする、二十日以内のできるだけ早い時期に検査を完了する、そして引き渡しの申し出があったらそれを直ちに引き受けて、五十日以内に支払いをする、これが一つの大筋の流れだろうというふうにこの条文は読めるわけであります。  としますと、少なくとも下請から元請に工事が引き渡しになった日から五十日以内に支払われるべきであるという一つの枠が出てくるわけでありますが、この支払いという行為をどう解釈するか。いろいろな解説書を読んでみたのですけれども、法解釈上は下請代金の支払いというのは原則として現金による、これが原則だ。しかし、一般の商慣行において手形支払いが非常に多いことは多いわけで、それを一律に禁止するということは無理があろう。したがって手形の交付については、現金による支払いとほぼ同等の効果を期待しながら手形支払いを認めていこう、支払いを受けたのと同等の効果を生じない手形の交付だけを禁止する、こういうふうな解釈で、私も当然この解釈によるべきだろうと思うわけです。現金払いと同じ効力を持たない手形の支払いはこれを禁止する。とすれば、五十日以内に現金支払いを受けたのと同等の効果を生ずるような手形は許されるが、それ以上の長い手形というのは原則としてこれは問題がある、こういうふうに私は理解をしたいのです。他の法律との関係もあると思いますけれども、この問題についての建設省のお考えをお聞きしたいと思います。
  111. 望月薫雄

    ○望月政府委員 基本的に、今先生おっしゃったように下請代金の支払いのあり方というのは、元請、下請関係を合理化するというのみならず、地元地域の中小企業の振興育成ということも含めて、あるいは経済の活性化という意味も含めて我々大変関心を持っているところでございます。  それで、私ども支払いの実態はどうなっているかということを毎年実態調査は行っているわけでございますが、率直に言いまして、最近の調査では、下請代金の現金比率、いわば現金でお払いしている下請代金が七割を超えるというのが五三%というふうな数字でございまして、これが五割を超えるものでも八〇%というふうな状況になっております。言うなればそのほかは手形で、こういうことになっているわけでございまして、この手形も、その期限が長い短いいろいろございますけれども、中には百二十日を超えるようなものも結構ある、こういうふうな状況になっております。このこと自体、私ども元請、下請関係の合理化という観点からも非常に重要視して今後も引き続き指導してまいりたい、こう思っているわけでございますが、今先生おっしゃったように五十日を超えた手形は一切いけないかということにつきましては、やはり経済原理の中での話という側面も否定できませんので、今申しましたように、いたずらに長期にわたるような手形というものについてはできるだけ是正していきたいという従来の姿勢をさらに強めて指導していきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  112. 沢藤礼次郎

    ○沢藤委員 確かに、一律にしゃくし定規に五十日という区切り方は無理があるとは思います。ただ、銀行で相手にする限度は四カ月というふうに理解してよろしいんじゃないかと思うのです。したがって百二十日ということになるわけですね。午前中もあるいはやりとりがあったと思いますが、調査になられた手形のサイトの問題ですけれども、手形の期間別構成比という表を拝見しますと、百二十一日以上というのが四一・三%もある。これはやはり下請に対する支払いのあり方としては不十分だと思わざるを得ません。このことについてはいかがでしょう。
  113. 望月薫雄

    ○望月政府委員 お示しのように、確かに百二十日をかなり超えるような手形がまだ相当あるということは、私どももこれは必ずしも望ましいことではないというふうに認識しております。そういった意味で、この辺も含めまして、私ども元請、下請関係の合理化ということはさらに指導を強めたい、あるいはまた、先般も御答弁申し上げましたけれども、現在こういったことも頭に置きながらの下請、元請関係の合理化ということを改めて再検討している、こういう状況でございます。
  114. 沢藤礼次郎

    ○沢藤委員 私が調べた範囲内で、いい例、悪い例いろいろあるわけです。同じ大手の企業でも比較的、平均的に地元で好感をもって迎えられている実態としては三カ月以内の手形でもって支払いがなされているし、人夫賃は毎月支払っている、労務賃だけは。それから資材費関係は三カ月ぐらいの手形、こういう実態があるわけですが、残念ながら七カ月、八カ月というのがあった。後ほど触れます前払い金なし、中間払いなし、それで七カ月、八カ月の手形でもって支払いをしている例がある。  結局、下請というのはどなたも御存じのように弱い立場にありますから、下手に反抗しますと、おまえは次から用がないと言われる、それっきりだという、大変生活にかかわる弱みがあるものですからなかなか実態を明らかにしてくれない。絶対固有名詞を出さないということでお聞きした中で、今申し上げた七カ月、八カ月があったわけであります。しかも中間払いもしない、前払いもしていない。これでは下請はよっぽどの資金力なかったらつぶれるのは当然ですよ。こういう例がまだあるということを私は指摘せざるを得ないのです。  さてそこで、では次の問題として前払い金の問題ですね。これも多分午前中出たと思うのですが、前払い金が、特に公共事業の場合は元請に対して出ているわけですね。出ているにかかわらず、下請にそれが必要部分渡っていないという実態がかなりある。何%でしたか、前払い金の支払い状況ですが、若干調査の上からお聞きしたいと思います。
  115. 望月薫雄

    ○望月政府委員 先般来たびたび引用させていただきます昨年の実態調査、これに基づいて御答弁させていただきますが、この実態調査というのは実は都道府県知事免許の業者を対象にしているものでございますが、そういったもので見たときに、公共工事の発注の場合に前払い金を現金で下請に支払っているというものが四二・八%でございました。それから現金または手形で、いわば一部現金、一部手形、こういうような格好で払っているとするものが一五%ということで、両方合わせましても五八%ぐらい、こういうふうな状況でございます。  今おっしゃったように、公共事業の場合にはほとんど一〇〇%前払いというもので実施されているわけでございまして、そういった中で、ただいま申しましたようにまだ下請に及んでいないということについては、これは私どもも注意を今後引き続き払って指導してまいりたいと考えておる次第でございます。
  116. 沢藤礼次郎

    ○沢藤委員 私は、前払い金とそれから支払い方法、手形の問題、二つを申し上げたのですが、事実の指摘だけでは建設的な論議になりません。ではしからば、これを改善する方法は何があるかということを私は次にお聞きしたいわけなんです。  私の考えを先に申し上げれば、これはやはり建設省から出されております標準下請契約約款ですね、これをきちんと結ばせるということ、そしてそれを少なくとも写しを出させるということ、そして工事が終わったならば、悉皆調査じゃなくても結構ですが、それが果たして実行されているかどうかという点検をすること、そしてそれが余りにも破られている実態があったら、次から指名の業者から外すということ、このくらいの措置をしないと、長年のあしき習慣というのはなかなか脱し切れないと思うのです。しかも民間の工事にそれを期待するというのは、私は現段階では無理だと思います。この突破口を築くのは公共事業だと思うのですよ。公共事業がやろうと思えばこれはできるのです。どうですか、この問題について、ポイントは私はここだと思うのですけれども、お考えをお聞きしたいと思います。
  117. 望月薫雄

    ○望月政府委員 本件をより徹底するためのいろんな御提案をただいま先生から伺いましたが、私どもも基本的にはただ指導するというだけでは済まない実態がある、こういうふうに考えております。  ただ、ここでぜひ我々が注意し今後強めてまいりたいと考えておりますのは、もろもろのこういったことの根源には、契約書を交わさないでの元請、下請関係、こういうものも率直に言って現実にかなりある。こういったふうないわば根っこのところからのルールづくり、一つの秩序ある対応というものを元請のみならず下請も含めてしっかりやっていかなければならないし、やっていただきたい、こういったことから説き起こしましての指導というものを強めたいと考えております。  先ほどちょっと申し上げましたけれども、現在、中央建設業審議会で構造改善対策を御審議いただいております。その中で最重点に取り上げておりますのが実はこの元請、下請関係の合理化という点でございまして、ただいま先生おっしゃったこと一々すべてとは申し上げにくいのですけれども、かなりそういった意識も踏まえながらの御検討を現在精力的に賜っている次第でございます。これを受けて、私どもも行政の場で指導を強めてまいりたいと考えております。
  118. 沢藤礼次郎

    ○沢藤委員 この問題はこれで終わりたいと思いますが、標準下請契約約款締結については再三通達も出しておられますよね。県段階でも業者に対していろいろ文書も流しておりますし、指導はしている。しかし実態は必ずしもそのとおりいっていないということもあるわけですから、くどいようですけれども、やはり事前の指導のほかに事後点検ということに今度重点を置いていただきたいと思いますが、そのこと一言だけお答え願いたいと思います。
  119. 望月薫雄

    ○望月政府委員 事後点検、即何らかのペナルティーといいましょうか、そういったことで結びつけての事後点検というものを考えるかどうか、ちょっと私もにわかにお答えしにくい段階でございますが、ともかくただ指導だけでなくて、この実効あらしめるための一つの仕組みというものについては真剣に考えさせていただきたいと思っております。
  120. 沢藤礼次郎

    ○沢藤委員 これは、再三出てきている問題の、私の考え方からすれば締めくくりの部分だと思うのです。大臣どうですか。
  121. 越智伊平

    ○越智国務大臣 元請、下請の問題は大変複雑な長い慣習で、率直に言って余りいい慣習ではないと思います。でありますから、今局長からお答えをいたしましたが、今後十分指導をしてまいりたい、こういうふうに考えます。それで実効あらしめるように努力をしてまいりたい、かように思う次第であります。
  122. 沢藤礼次郎

    ○沢藤委員 あと五分間ということですので、項目的に三つほど質問申し上げますので、お答えをいただいて終わりたいと思います。  一つは、積雪寒冷地域の建設土木関係の仕事の悩みは、仕事が十二月、一月、二月、こうなりますとすごく寒くて、雪が降って雪かきだけで一日の仕事のかなりの部分やってしまう、使ってしまう。実質労働時間は六時間以下、それからコンクリートの養生にも時間がかかる。労務災害にもかかわってくる。何とか、前倒しということは御努力いただいているのですが、積雪寒冷地帯の工事は十日早まっただけでも助かると言うのですよ。せめて十月から十一月ごろにスタートできるように工事の着工時期についての御努力、御配慮をお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか、それが一つ。  それから道路の凍上災害の問題ですけれども、地域によっては、私のところは完全に凍上災害なんだが地域から除外されているという不満があるわけですが、これの正式というのですか、積雪量ではなくて恐らく温度だと思うのですけれども、これは雪の降ったところは割合に少ないのですよ、保温されているのですから。裸になって寒いところがやられている。そういう実態も踏まえて、やはり実情に応じた手直しも必要ではないかと思うので、そのことをお伺いしたい。  三つ目、最後になりますが、建設業の退職金共済制度がありますけれども、これは大変普及がおくれていますね。しかも公共事業の場合は掛金分を見て工事費を計算しているわけでしょう。ところが元請はそれについて掛金を共済の方に納めもしない。労務者に手形と申しますか、切手を渡しもしないという例が非常に多いのです。そうするとこれはただ懐に入れているということになるわけでしょう。この実態についてはやっぱりえぐっていただきまして、身分の不安定な建設業労務者の退職金共済制度というものの普及を図っていただきたいと思うのですが、以上三点についてひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
  123. 牧野徹

    ○牧野(徹)政府委員 便宜私から第一点と第三点についてお答え申し上げます。  第一点の積雪寒冷地域への早期発注ですが、これはもう先生のおっしゃるとおりでございます。私ども毎年度予算成立時に事務次官から関係方々に執行通達を出しますが、その際の1の(1)という一番最初のところに積寒地域の事業については早期実施に努めろということを御通知申し上げております。  それから実績を見ましても、一般の地域に比べて雪寒地域の発注ははるかに割合高く発注していることも事実でございます。今後とも先生指摘のとおり、雪寒地域についてはその地域特性を踏まえて早期発注に励みたいと考えます。  それから第三点の建設業退職金共済制度でございますが、これは私が自信を持って言えるのは、私どもの直轄工事ですからそれについて申し上げますと、御承知かもしれませんが、私どもが発注する際に現場説明いたしますが、その際に文書で、建設業退職金共済組合に加入すること、それからその対象となる労働者については証紙を購入して労働者の共済手帳にその証紙を貼付することということを毎回御指導をしておりまして、私どもは私どもの直轄工事についてはかなりやっていると思いますが、今後とも御趣旨を踏まえまして徹底するように努めたいと考えております。
  124. 萩原浩

    萩原政府委員 第二点の凍上災についてお答えさせていただきます。  御指摘のように、いわゆる凍上災害といいますのは、現状はアスファルト舗装要綱等に示されております最大凍結指数、この凍結指数と申しますのは、日平均気温がマイナスである日数のその元均気温を足したものでございますが、これの十カ年当たりの最大をさらに超えます年にいわゆる凍上災をとるというような基準にしてきておるわけでございます。先生指摘のように、気温さらには道路表面の積雪深、いろいろファクターがあろうかと思いますが、現実にいわゆる凍上災をとり始めましたのが昭和五十九年から、大変新しいということでございまして、私ども何を基準とすべきかということについてはいろいろ検討しておるわけでございますが、ある程度の期間はこの現行基準をこのまま使わしていただかざるを得ないかと考えておるところでございます。
  125. 沢藤礼次郎

    ○沢藤委員 終わります。
  126. 野呂田芳成

    ○野呂田委員長代理 薮仲義彦君。
  127. 薮仲義彦

    薮仲委員 私はきょう大臣がずっとこの委員会においでになれば大臣とじっくり質疑を展開したかったのでありますが、大臣が参議院の土地特の方へ行かれるということで、冒頭に大臣に二点ほどお伺いしたいわけでございます。  いきなり大臣に結論に近い質問をするのはいかがかと思うのでございますが、今度大臣地元の四国と本州とが夢の大橋でつながった。これは四国の方々にとっては大変喜ばしいことであり、また本州にとってもすばらしいことです。日本の四つの島が一本の道路で結ばれた、これは夢に描いたようなことが現実の問題となって、大臣の愛媛にしてもこれからの大きな夢を抱いていらっしゃると思うのです。  しかし、その光の影に大臣御承知の、今問題になっております騒音で悩んでいらっしゃる千数百名の方がいらっしゃるわけです。やはりあれだけの大事業をやったんですからこのくらいの犠牲は当然だということは絶対あってはいけないことだと私は思うのです。やはりあの方々の環境を守ってあげ生活を守ってあげる、これは大臣としても最も心を砕かれることじゃないかと思うのです。  きょうはそのことで、運輸省あるいは本四公団、もちろん建設省でございますけれども、環境庁の御意見を伺いながら、最後に私は大臣に、あの騒音で非常に困ってらっしゃる方々の生活環境を守ってほしいということを申し上げたいのでございます。  きょうは論議なくしていきなりこの問題について質問をするわけでございますが、私はきょうの論議を詰めた上で最後はどうあるべきかというと、やはりあの方々の生活環境を守ってあげなければならない。政府が閣議決定した環境基準ですら居住環境のところは大体六十ホン以下です。それを八十ないしは八十五ホン、今八十ホンを超えておる程度であるかもしれませんけれども、これは大変な騒音なわけですから、大臣が御承知のように、浜辺に打ち寄せる波の音、カモメの音あるいは出て行く小舟の音等が生活の中の大きな音であった方々にとって、あの列車騒音というのは耐えられないと思うのです。そうしますと、やはりその発生源に対するきちんとした対策がさしあたっては必要だと私は思うのです。今あれだけの長大橋についての技術はまだ確立しておらない、これは一応理論としては納得できます。しかし、住んでらっしゃる方の苦しみはそれを決して理解はしないと思うのです。やはり発生源としての列車はどうだ、走っている自動車は発生源としてどういうことができるか、できる限りの対策をやはり監督官庁の大臣として本四公団あるいは関係の運輸省等と協議をなさって、最大限の対策をしてくださることが住民が最も望んでらっしゃることだと私は思うのです。  今じゃ何ができるかといえば、これは大臣の所管ではございませんけれども協議をしていただきたいという項目の一つに、あの列車で渡ればわずか十分そこそこです。私も四国は香川県に何回も行くのです。これは家族の関係で行きますけれども。字高連絡船一時間、あのうどんを食べながら景色を眺めて、ゆったりとした思いに浸りながら本当にいいなと思います。あれが今十分間で渡ってしまう。じゃあ仮にこれが騒音を防ぐために十分間が三十分になったとしたって、経済効果がそれだけマイナスになったとは私は言えないと思うのです。  今四国へ渡っても、大臣御承知のように、四国に高速道を8の字に引こうといってもこれは三十年かかる遠大な建設省の道路計画だと思うのです。そうしますと、あそこを急いで渡ったからといって、四国がにわかに――私はきょう、あすの問題ではないと思います。さしあたって今私は大臣に四国に住んでらっしゃるお一人として考えていただきたいのは、スピードダウンができないだろうか、あるいは夜間、早朝、早暁ですね、列車のダイヤの変更はできないだろうか、あるいは住民の方に遮音性を何とかよくしてあげることができないだろうか。これは発生源と同時に、住んでらっしゃる方の遮音性も考えなければいかぬ。あるいは大臣も新幹線で、東北・上越がいろいろ問題になりますけれども、鉄道では閣議決定しておるたった一つの新幹線の騒音の基準があります。七十ホン、七十五ホンです。しかしあれも、金をかければかけるほど、例えば十ホンなり二十ホンなり下がるかといえばこれは下がらないですね。限界があると思うのです。そうしますと、それ以上のところは転居していってください、これもやむを得ざる生活環境保全のぎりぎりの選択であるかもしれませんが、これはやはり住んでいらっしゃる方のお気持ちがありますから、どうのこうのと私が言える問題ではありません。やはりそういうことも非常に重要な課題じゃないか。こういうことを踏まえまして、これは大臣の所掌する問題を超えておりますが、しかし、本四公団を監督なさる主務大臣として運輸省ともまた御協議いただいて、四国の将来のためにこの問題は何とか解決していただきたい、これが一つです。     〔野呂田委員長代理退席、委員長着席〕  もう一つ、これも非常に残念な思いで私は新聞を読んでおったのですが、福井県の九頭竜川の中州の伐採をしたところが、サギが無残にも殺されたとか卵が全滅したとかということが書いてございます。建設省として、当然河川管理者として出水期までに河川管理をしっかりしよう、河道も改修しておこう、これは当然河川局としておとりになる判断であり、私はその判断は間違ってはいないと思うのです。しかし、ここで自然保護団体であるとか動物愛護をなさる方から、建設省のやり方は残酷だという表現をされることは私はある面では残念だなと思うのです。  これはどうすればいいか。自然保護の方とか環境保護あるいは関係の皆さんと話し合って、では、出水期が例えば六月、七月、八月であればぎりぎりいつごろまで、卵がふ化するのはいつごろだろう、ではどうすればいいだろうかということを協議をなさって、例えば卵がふ化した後ではこれをどうすればいいかということもよく御意見を聞いて治水対策を講じられれば、私はこんなひどい書き方はされなかったと思うのですね。そういう意味で、こういう問題について、余りあってほしくありませんし、今後建設行政の中でやむを得ざる判断を求められるときもあるかもしれませんけれども、今回の場合に限って言えば、ある程度時期をずらすことができなかったのかなという残念な思いが心をよぎるわけでございますけれども、お時間の関係もあると思いますから、冒頭から結論を求めて恐縮なんですが、以上二点について大臣の御答弁を冒頭にいただきたいと思います。
  128. 越智伊平

    ○越智国務大臣 前段の瀬戸大橋の騒音の問題でありますけれども、これは大変なことだと思います。もともと静かなところに住んでおった方でありますから、その上に非常に騒音が出たということですから、地域の方々は耐えられないのであろう。  そこで、私の立場からいいますと、いろいろの手法があると思いますが、あらゆる手法を使って騒音防止に努力をしてもらいたい。先生の御指摘のスピードダウンも一つの方法でありましょうし、また、夜間、早朝のダイヤの改正等もあるかもわかりません。また、防音壁とかあるいは飛行場周辺にやっておりますように各家に防音の扉、窓ですか、これは二重扉ですか、こういうこともいろいろな手法を考えて、いずれにしても地域の方々と十分話し合って解決をしてもらいたい。今のままでよろしい、こういうことではございませんので、よく連絡をとって努力をいたしたい、かように思います。  さて、第二番目の例のサギの問題でありますけれども、河川というのは、百年に一回、二百年に一回やってきます洪水につきましても、やはり生命、財産を守る立場からより強度を強くしていく、この責任がございます。でございますから、もちろんいろいろの連絡等はよくとってやりたい、こう思いますが、今回は梅雨どきを前に早く伐採をしよう、こういう乙とでやったようでありますが、第一番には何といっても河川の安全、特に最近は山が荒れておりますし、上流の農地も農道の舗装をし、水路はコンクリートできちっとしておりますから、豪雨の場合水が急に出てまいりますので、そういう点も考えてやっていかなければいけない。ただ、時期につきましては、先生からもお話しのように今後よく連絡をとって進めてまいりたい、こういうふうに指導をしてまいりたい、かように思う次第であります。
  129. 薮仲義彦

    薮仲委員 大臣、どうもありがとうございました。お時間の許す限りで参議院の方に行かれることを私は了といたしますので、よろしくお願いいたします。  それではいよいよ本論に入りたいと思うのでありますけれども、私は騒音というのは余り専門に勉強したことがないものですから、にわかに古めかしい本を引っ張り出して読まさせていただきました。音の専門家に聞きましたら、音は古い文献であっても現在に生きます、こういう前提で、少し文献を読まさせていただいたわけでございますが、私は、この騒音の問題を論議するときに、やはり運輸省あるいは本四公団、環境庁もそうでありますけれども、法治国家でありますから、公害対策というものに対する基本的な認識について同じ土俵の上で論じたいと思います。  私は改めて公害対策基本法を読んでみました。この第一条にこう書いてありました。「この法律は、国民の健康で文化的な生活を確保するうえにおいて公害の防止がきわめて重要であることにかんがみ、事業者、国及び地方公共団体の公害の防止に関する責務を明らかにし、並びに公害の防止に関する施策の基本となる事項を定めることにより、公害対策の総合的推進を図り、もって国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的とする。」一条で明確にうたってあるのですね。二条で「この法律において「公害」とは、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、」云々から始まりまして、騒音あるいは振動、地盤の沈下等々入っておるわけです。騒音がきっちりこの公害対策基本法の対策上の問題として出ているわけです。第四条には、「国は、国民の健康を保護し、及び生活環境を保全する使命を有することにかんがみ、公害の防止に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。」明らかに、国に騒音に対する責任がある。これをまず私は、運輸省並びに本四公団、環境庁、もちろんこの当該の建設省にも御理解いただいた上で質問したいわけでございますが、私はこの素朴な認識から、環境庁、きょうは決算委員会と重なっているそうで担当の課長がお見えでございますが、ちょっと御苦労なさると思うのですけれども、私にもちょっと言いたいことがございますので御了承ください。  簡単に環境庁にお伺いしたいわけでございますけれども、環境庁さんが認識していらっしゃる中で、我々は八十とか八十五ホンという言葉を使います。これは生活実感で言うとどの程度の音なんでしょうか、御説明ください。
  130. 濱中裕徳

    ○濱中説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生お尋ねの六十ホンとか八十ホンという音のレベルでございますが、日常生活の実感で申し上げますと、六十ホンという音につきましては、普通の会話がなされているというような状態の場合の音であるというふうにされております。八十ホンということになりますと、これは地下鉄の車内あるいは国電の車内というところの騒音のレベルであろうかというふうにされているところでございます。
  131. 薮仲義彦

    薮仲委員 私は八十から八十五と聞いたのですよ。  では二番目にお伺いしますけれども、環境庁としては、住宅地域の環境基準として騒音はどの程度であるべきと認識していますか。
  132. 濱中裕徳

    ○濱中説明員 お答え申し上げます。  私ども環境庁といたしましては、騒音に係る環境基準というものを定めてございまして、住宅地域につきましての一般の騒音の環境基準については、特に静穏を要する地域については昼間が四十五ホン以下、朝夕の二つの時間帯が四十ホン以下、夜間につきましては三十五ホン以下。それからもう一つ、主として住居の用に供される地域というカテゴリーがございまして、これにつきましては昼間は五十ホン以下、朝夕につきましては四十五ホン以下、夜間については四十ホン以下、こういう環境基準が定められているところでございます。
  133. 薮仲義彦

    薮仲委員 同じく、人間が安眠できる騒音は何ホン以下と認識していますか。
  134. 濱中裕徳

    ○濱中説明員 私ども、騒音のさまざまな影響というものを考慮いたしまして環境基準を決めておるわけでございまして、そのさまざまな影響の中に睡眠などの日常生活に及ぼす影響も考慮しているところでございます。  そういった観点から、先ほど夜間の環境基準を申し上げましたけれども、そういった睡眠への影響を考慮して、睡眠に及ぼす影響が生じないようにという意味で、望ましい基準として先ほど申し上げました環境基準を設定しておるところでございますが、一言つけ加えさせていただきたいと思いますが、私ども先生お尋ねの鉄道騒音につきましては……(薮仲委員「睡眠のことを言ってください。それは後から聞きますから」と呼ぶ)はい。ただ、騒音の特性が、間欠的に繰り返して発生する、こういう音でございまして、これにつきましては昭和五十年に別途新幹線騒音に係る環境基準を設定してございまして、この中では睡眠への影響を防止するという点も含めまして環境基準を設定しておるところでございまして、これにつきましては御案内のとおり、住宅地域につきましては七十ホンという環境基準を設定しているところでございます。
  135. 薮仲義彦

    薮仲委員 私の質問したことだけ答えてください。いろんなことは次にちゃんと出てきますから。  昭和五十二年に本四公団から提出されました環境影響評価書に対して、環境庁長官も意見を具申できることになっておりますね。これで、本四公団から提出されましたのは、陸上部と海上部に分けまして、長大橋という技術的な問題もあるので海上部は八十五ホン、陸上部で八十ホンというような環境影響評価が出たわけです。それに対して環境庁は、これから将来完成するまで年月があるんだから技術的にそれが前進するだろう、それを少なくとも五ホン程度下げたらどうかという意見を具申しておるわけでございます。  しかも、それだけのことですから、今御答弁にありましたけれども、環境基準を設定するときは朝、昼、夜間とわざわざ環境庁はきちっと分けて、私が質問しないことまで丁寧に答弁しております。この八十とか八十五ホンというのは、昼夜を通してぶっ通しということは、まず地下鉄の電車の中あるいは国電の中の音が八十ホン、こう言われています。鉄橋の直下は百ホンというのが我々の生活の実感でございますが、これは相当な激しい音だと思うのです。しかも、五十二年当時技術的に困難であったとしても、私は環境庁としてとるべき態度は、環境基準として望ましいのは、例えば六十ホンなり、夜間は四十ホンなりにできないでしょうか。これだけの長大橋の技術をにわかに前進させることが困難であるならば、暫定的にそれは認めるけれども、やはり地元との協議をして、少なくとも地元の方もよし、結構ですよと――しかし今度の場合は、後で質問しますけれども、そんなこととても言えるようなことじゃないのですよ。もっともっと、この八十なり八十五ホンとしたこと、私は根本的にここに環境庁の問題があるんじゃないか。八十ホンなり八十五ホンでよしといったところに一番の問題があると思うのですが、五ホン程度下げればいいとした理由は何ですか。
  136. 櫻井正昭

    ○櫻井説明員 お答えをいたします。  当時、環境保全目標を設定されたのは事業者でございまして、環境庁は環境庁意見を述べるに当たり、事業者が設定をされました環境保全目標はやはりかなり高いのではないかという認識を持っておりましたけれども、当時の技術からしまして、環境保全目標、つまり八十五、八十からさらに騒音の低減を図ることは技術的に極めて困難であるというふうに説明を受けたわけでございます。環境庁としては、やはりそれでも高過ぎるというようなこともありまして、技術的な困難はあるとしましても、営業開始までにまだ約十年の期間があることを考慮しまして、技術開発による発生源対策としてさらに少なくとも五ホン程度は軽減をするようにという意見を申し述べたわけでございます。
  137. 薮仲義彦

    薮仲委員 私は、そこにまず、今申し上げたように根本的な判断といいますか、努力目標といいますか、きちんと環境基準の設定をすべきだと思うのです。八十ホンというのは、さっきも大臣にちょっと言いましたけれども、あの静かな田之浦の方々あるいは与島とか岩黒島だとか櫃石島の方々にとっては、私は受忍限度を超えておると思うのです、あれは。波の打ち寄せる音、カモメの声を知っておるような方が、八十ホンなんかでガーと通られたらびっくりするのは当たり前であって、私はこれはテレビの映像しか見ておりませんし、現地へ行っておりませんからじくじたるものがあって専門書を読ませてもらったのですが、私は、やはり耐えられないと思うのですね。受忍限度を超えておると思うのですよ。環境庁はあれを受忍限度以内だと思うのかどうか、それが一つ。  もう一つは、科学技術がどうであったって、環境庁という省庁のやるべきことは、先ほどの公害対策基本法の中での、国民の健康と良質な環境を守るということが環境庁の主たる任務だと思うのです。その環境庁が、技術がまだそこまでいっていないからといって単に技術のおくれを追認するような形にこれはなっていると思うのです、極論するならば。もしも環境庁が、それじゃだめだ、今の科学技術はこうだけれども、やはり国の環境基準は――閣議決定しているのですからね、これは。これは当然、建設省だって運輸省だって本四公団だって縛られるのです。確かにこの環境基準は技術的には無理だけれども、将来はこうすべきであるということをきちっと設定してやるべきじゃなかったか。極論するならば、私は、環境庁は環境破壊を追認したんじゃないか、こう思うのです。今の、受忍限度を超えているか、超えていないか、環境庁が環境破壊を追認したという私の極論に対して、何とお答えになるか。  しかも、私はこれを読んでみました。「騒音と騒音防止」というものです。ここにこう書いてありますよ、「対策の必要性の限界」。ここにはいろいろなことがありますけれども、要点だけ言います。  騒音が常時八十ホンとしよう。そこである工場の音が七十ホンになつたものとすれば、特別な音でない限りは一応十分な対策であつたといえる。 いいですか、常時八十ホンのものを七十ホンにすれば大したものだ。しかし、  常時五十ホン以下である場所においては七十ホンの工場音ははなはだ大きく、少なくとも四十ホン以下にしたい。 こうあるのです。  「常時五十ホン以下」、静かなところですよ、あそこは。その環境であるならば、この専門書の中でも、四十ホンにすべきである。常時地下鉄の中にいるようなところで十ホン下がれば大したものだ、でも静かなところだったら七十ホンは――これは七十ホンですよ。環境庁が認めたのは八十五ホン、八十ホン。まあ八十五ホンではないですけれども八十ホン以下ですよ。ということは、環境庁の環境設定自体が環境庁として環境破壊を追認したんじゃないか。  きょうは、本当は課長ではなくて責任ある方に出てきてほしかった。あなたには余り言いたくないのですけれども、帰ったら言ってください、こう言っておったと。これについてどうお答えになりますか。
  138. 濱中裕徳

    ○濱中説明員 お答え申し上げます。  前段の受忍限度についてでございますが、私ども、その受忍限度につきましてただいまこの場で明確に判断し得るところではございませんけれども、先ほど私が申し上げましたのは多少舌足らずの点もございましたので、補足しつつ、お尋ねの点に関連してお答え申し上げたいと思います。  それは、先ほど私、一般の住宅地における環境基準ということで申し上げたわけでございますが、この騒音の環境基準につきましては、環境庁の告示において「本環境基準は、航空機騒音、鉄道騒音および建設作業騒音には適用しないものとする。」という定めがございます。そこで、私先ほど申し上げましたように、鉄道騒音につきましては、現在のところ、新幹線鉄道騒音に関する環境基準があるわけでございますが、この環境基準を設定するに当たりまして中央公害対策審議会の専門委員会が住民に及ぼす騒音の影響について調査をいたしました結果に基づきまして、これを住民反応調査というふうに呼んでおりますが、その中で、騒音をうるさいと感ずるかどうかというような訴え率、こういうような調査をしております。また、騒音エネルギー量というような面についても、騒音の特性を踏まえまして鉄道騒音と例えば道路交通騒音のような他の騒音との比較を行っているわけでございます。  新幹線鉄道騒音につきましては、間欠的に繰り返して発生する騒音でございますので、ピークレベルで評価をするということになっておるわけでございますが、これに対しまして道路交通騒音は、定常的に発生しながら個々の自動車交通の状況に応じまして変動していくという騒音の性格を持っておりますので、これは中央値というもので評価しているわけでございます。先ほど申し上げました一般の地域の環境基準の特例という形で道路に面する地域の環境基準というものを設けておりますが、こうした環境基準につきましてはすべて中央値で評価をしているところでございます。  このため、例えば新幹線鉄道のピークレベルで申しますところの七十五ホンというものにつきましては、同じ道路交通騒音の中央値で見ますと、この住民の訴え率が同じになるレベルというのは、道路交通騒音の場合は五十八ないし六十八ホンというものに相当しております。また、エネルギー量で比較いたしますと、新幹線鉄道のピークレベル七十五ホンといいますのは道路交通騒音の中央値五十ないし五十五ホンに相当しているということでございますので、お言葉ではございますけれども、鉄道騒音と道路交通騒音を、このように訴えの率でございますとかエネルギー量に基づき比較するということはできるわけでございますけれども、そのピークレベルの値そのものと道路交通騒音の中央値の値そのものとを直接比較することは必ずしも適当ではないのではないかというふうに考えておりますので、御理解を賜ればと思います。
  139. 薮仲義彦

    薮仲委員 私は全然理解しません。  あなたが余計なことを言うから、じゃ、言いますよ。そんなのはわかっているのです。「騒音に係る環境基準について」、閣議決定、昭和四十六年五月二十五日、ここにこう書いてあるのです。「本環境基準は、航空機騒音、鉄道騒音および建設作業騒音には適用しないものとする。」そんなのは知っているのです。だからといってそれが免れるか。免れっこないですよ。今、鉄道騒音、在来線について国は環境基準を持っていないのですよ、あなたはそんなことを言うけれども。新幹線、新幹線と言うけれども、まだ本四架橋を走ってないじゃないですか、併用橋だけれども。あれは何十年も先ですよ。在来線の環境基準すら国は持っていないじゃないですか。環境庁は持っているのですか、そんな偉そうにここで説明するのだったら。私の言っていることに答えなさいと言うのです。  私は、八十五ホンは住民の受忍限度かどうか、学問的にやれと言うのです。しかも、科学技術が及ばないからといって、それを追認するようなことを環境庁がやったらどうする。我々だって建設とか運輸とか商工とかの官庁を委員として回ってきました。その官庁は、少なくとも環境を守ろうというよりも、それを何とか乗り越えようという動きが出てくるのです。でも、環境庁が住民の健康あるいは生活環境を守るためにこの環境は崩せませんときちっと踏ん張らなかったら、一体どうするのですか。私だって建設委員を長年やっていますから、環境庁のうるさいのは取っ払おうあるいは文化庁の言いたいのは取っ払おう、古墳の問題なんか何とかならないかという思いはありますよ。でも、それがきちっとあるから、我々は、そうだとはやる心を抑えて思いとどまるのです。あなたの方に在来線の環境基準はないじゃないですか。確かに鉄道騒音については除いてあるのです。だからといって、自動車騒音だって六十五ホンなのですよ。あなたがごたごた言うから読んであげますよ。ここにはこうあるのです。「B地域のうち二車線を越える車線を有する道路に面する地域」において自動車は、昼間は六十五ホン以下、朝夕は六十五ホン以下、夜間は六十ホン以下。道路に面するところでも六十五ホン以下にしなさいと環境基準を閣議決定で決めた。道路ですらこうなのですよ。だから田之浦の人が八十ホンを超えてもいいのだと言えますかと私は言うのですよ。言えっこないですよ。道路でこれだけ、新幹線で七十ホン。私だって新幹線の裏に住んでいるのですよ。在来線と新幹線と比べたら、我が家に振動を及ぼすのは上りの新幹線ですよ。「ひかり」ですよ。その上で私は申し上げているのです。  しかも、あなたはそう言うけれども、じゃ、私はこれを余り読みたくなかったけれども読んであげますよ。これは、あなた方が本四公団に対して日本音響学会の音響測定の方法によりなさいと書いてあるから、音響学会の専門誌を読んであげます。よく聞いていらっしゃい。いいですか。夜間における作業について調査した結果があるのです。あなたの言うこととは全然違いますよ。  「病気の時に騒がしい音で困る、騒音のためにおちつきがない、腹が立ちやすい、御飯がまずい」、こういう訴え、いわゆる情緒的な影響は四十から四十五ホンと書いてあるのです。「会話がさまたげられる、新聞が読めない、勉強ができない」、これは四十五から五十ホンなのです。「頭が痛む、耳痛がする、顔色が変り、心臓がどきどきする」、こういう身体的影響は五十から五十五ホン以上である。「睡眠又は昼寝がさまたげられる」のは四十から四十五ホンである。さらには、「昼寝に関する被害は四十ホン以上から過半数の被害があり、五十ホン以上は一〇〇%に近い」、これは個人差があるのですよ。でも、五十ホンを超えると一〇〇%の人がもう眠れないと言い出すのです。五十ホンですよ。あなたが田之浦でおやりになった八十ホンよりはるかに低いのですよ。そして「騒音の心身におよぼす影響中、もつとも、客観的と思われる身体的騒響がはつきりあらわれるのは六十ホン以上である。日常生活におよぼす影響は身体的影響より低い騒音のレベルであらわれ、情緒的影響はさらに低いレベルですでにあらわれている。情緒的ならびに日常生活的影響に対する回答には主観的要素が入るおそれがあるが、一方からいえば静かな所で暮したいという欲望がある」「以上を総合して考えると住居内の騒音はいかなる場合にも六十ホン以上あつてはいけない。」と書いてあるのですよ。六十ホン以上あっては住居地域にあってはいかぬと書いてあるのですよ。それを国でもちゃんと取り入れて環境基準で六十ホンになっているじゃないですか。あなたはそうおっしゃるけれども、じゃ、あなたがあそこにプレハブを建てて住んでごらんなさいよ。そうしたらあの住民の心の痛みが、悲しみがわかると思うのですよ。私は専門家じゃないけれども、こういうものを読んでみて、本当に遺憾だと思うのです。  ここにもう一つある。「労働の科学」。   身体的影響は、これらに比較すれば客観的と考えられる。そして、これがはっきり現われるのは、六十ホン以上である。これらの事実から、住宅内の騒音は、いかなる場合にも六十ホン以上あってはならないし、また住宅地域の住宅居室内では、夜間は四十ホン以下であることなどが結論として出てくる。専門家はみんなこう言っているじゃないですか。国の環境基準もこれにおさまっているじゃないですか。あなたは、新幹線がどうの、自動車がどうの、そんなことは私は知った上で質問しているのです。  この環境基準の設定が環境破壊を追認したことになってこういうことになっているのです。もしも環境庁が、少なくともこれだけの環境を守ってほしいということを指針として出しておけば、住民の方は八十ホンが何たるものか八十五ホンが何たるものかわかりませんよ。カモメの声しかわからないような人に言ったって無理ですよ。我々だって、静岡県ですから、地震の震度階なんか聞いたってわかりません。あの地震を体験する車に乗っかってみて本当にこれは怖いんだとわかるのです。この方々も初めて体験してわかっているのです。だから、環境庁の今の答えは私は納得できないのですよ。環境庁が本当にこの公害対策基本法にのっとってやるならば、今の騒音で何とかしようというのじゃなくて、もっと静穏度の高い環境にすべきであるというのが当然じゃないですか、どうでしょう。
  140. 櫻井正昭

    ○櫻井説明員 先生に御納得いただける答弁になるかどうかでございますけれども、お答えをいたします。  当時の話でございますが、事業者が設定した環境保全目標は環境庁といたしましてもいかにも高過ぎるというふうに考えておりまして、さらに騒音の低減を図るよう協議、調整を行ったわけでございますけれども、技術的には八十―八十五でも極めて困難であるというふうに説明を受けたわけでございます。したがいまして、先ほどの五ホンよりもさらに低い数値を努力目標とすることは、五ホンよりもさらに下げさせることは事実上困難であったというふうに聞いております。  しかしながら、環境庁といたしましては、やはりこのままでは望ましくないと考えまして、営業開始までに約十年の期間があることも考慮しまして、先ほど申し上げましたように実現可能性のある発生源対策として技術開発を進めて、その成果を効果的に活用して極力低減を図るようにという意味であの意見を申し述べたものでございます。
  141. 薮仲義彦

    薮仲委員 ここで環境庁の課長さんに余り言ってもあれですから、質問はたくさん残りましたけれども、時間が来ましたから最後に建設省、運輸省、本四公団にお願いをしておきます。  私は、八十ホンであったということは地元にとっては驚天動地のことだと思うのです。ですから、冒頭に申し上げた公害対策基本法は、当然建設省も運輸省も本四公団もこのことを重要な国の施策として御理解いただきたいし、閣議決定した環境基準も私は十分御承知だと思うのです。しかし科学技術が及ばない、私は十分わかるのです。でも何とかしていこうという努力と、住民のその苦しみに対して何とかしてあげようという最大限の努力を住民の方は望んでいると思うのです。  私、お会いしたことはありませんが、下津井田之浦の一九東町内会総代さんのお願いがございます。「昼間でも漁民の方々が仮眠している地区なので、アセスメント基準の八十ホーンというのは、地元の実情に合いません。十年前に決められた数値であり、技術の進歩により八十ホーン以下の数値には出来るはずです。又、昼夜同一の数値は、生活の上からも納得出来ません。よって、通常の生活は出来ず、環境保全に関する基本協定での適切な数値ではないと思います。」こう訴えておりますけれども、これだけ言うにしてもこの方々にとっては精いっぱいだと思うのです。  私だって騒音のことはさっぱりわからないから古い本を読んでみて、ああなるほど、こういうことなんだな。まだ言いたいことは山ほどあるのです、この中にも入っているのです。でも私はやめておきますけれども、では、こういう住民の方の苦しみをどうすればいいのか。さっき大臣に言ったように、運輸省としてできることは、JRに言ってスピードをダウンさせればいいのです。あれが今まで一時間かかったのです。私はあの宇高連絡船がなくなる寸前に乗りました。讃岐うどんを食べながら思いました。景観を眺めて、いいな。でも道路ができてさらによくなった。でも、列車が少しおくれたからといって私はいいと思うのですよ。景色をゆっくり眺めて帰っていいと思うのです。また、夜間や早暁のダイヤの変更だってできない相談じゃない。これはそんなに急いだからといって、あるいは早く送って本州側へ滞留しておいても別にどうということはないかもしれない。知恵を出せば解決できるのではないか。移転補償とか発生源の対策とか、住民のその切なる願いに対して関係省庁がまじめにこたえていただきたい。これをもう一度お願いいたします。環境庁さんには大変嫌なことばかり言って恐縮なんですが、どうかこの問題については関係省庁で知恵を出し、研究し、この住民の方が安心できるような生活環境を守ってあげていただきたいと思うのですが、建設省、運輸省、本四公団に順次お答えをいただきたいと思います。
  142. 井山嗣夫

    ○井山政府委員 お答え申し上げます。  先生からただいまいろいろ御指摘いただきましたように、私どもも鉄道の騒音と住民の方々の問題は非常に深刻な問題だと考えております。とりあえず今音源対策を一生懸命やろうということで、本四公団、関係省庁とよく相談いたしまして努力させていただきます。
  143. 薮仲義彦

    薮仲委員 ダイヤ改正も考えてくれるのですね。
  144. 井山嗣夫

    ○井山政府委員 ダイヤの問題につきましては、先生御承知のように今日本の鉄道はいろいろと過密ダイヤになっておりまして、ちょっと簡単にここを動かすと、全国に波及するという技術的な問題もあるものでございます。一方、なるべく早く確実に行きたいという要請もあるものですから、その辺の調整が大変難しゅうございます。とにかく私どもは努力させていただきます。
  145. 三谷浩

    ○三谷政府委員 道路騒音につきましては、つり橋等の特殊な継ぎ手の一部から発生する局所的な騒音がございまして、それについて調査を行って対策工事を今やりつつあります。先ほど大臣がお話しされましたように、建設省におきましても運輸省と積極的に協議して、できるだけその低減に協力してまいりたいと考えております。
  146. 萩原浩

    萩原参考人 去る四月十日に開通いたしました瀬戸大橋、先生指摘のように騒音の問題が起き上がっております。私どもとしては大変残念でございまして、できるだけ早く発生源対策をさらに進めてまいりたい。また、先生おっしゃいますいろいろな地元の方の御要請、御希望、これは私どもとしても十分認識をいたしておりまして、今後とも努力いたしたいと存ずる次第でございます。
  147. 薮仲義彦

    薮仲委員 終わります。ありがとうございました。
  148. 中村喜四郎

    中村委員長 柴田弘君。
  149. 柴田弘

    柴田(弘)委員 私は、地元の問題で恐縮でございますが、大臣もお見えになりませんので、一番最後に十五分間だけ大臣に御質問する機会をいただいておりますので、二十五分間当局にいろいろと質問していきたいと思います。  まず道路局長さん、現行の名古屋空港までのアクセスの問題、国道四十一号線を新川中橋を越えていくわけでありますけれども、これは普通で行けば、例えば名古屋駅から行く場合に三十分ぐらいで行けるのです。ところが、交通渋滞がありまして、普通の昼間でも一時間、もう最悪のときには二時間ぐらいかかるわけであります。だから、アクセスタイムについて何とかしていただきたいというのが皆さん方の要望であります。御案内かと思いますが、名古屋空港は年々と乗降客が多くなってまいりまして、利用者も非常に多いわけでありますので、これはしっかりと対応策を続けていかなければならない、このように思っております。  それについて、一つは名古屋市の都市高速道路の二号線でございますが、これの建設推進という問題があります。楠―萩野通の供用開始の問題も、今工事中で間もなくだと聞いておりますが、その辺と、それから二つ目には、一般国道三百二号から名神高速道路小牧インターチェンジまでのいわゆる拡幅事業の推進、これは第十次五カ年計画の中でぜひとも完成していくべきだと思います。それから第三点は、専用高架道路建設のための調査実施と事業着手でありますが、これも第十次の五計の中で何とかしかるべき対応をしていただいて交通渋滞を解消すべきだと考えておりますが、どのような方針であるのか、まずお伺いをしたいと思います。
  150. 三谷浩

    ○三谷政府委員 今お話がございましたように、国道四十一号の新川中橋は四車線のところを一日七万四千台の交通がありまして、大変混雑が著しくて、朝夕のピーク時には一、二キロの渋滞が生じております。名古屋市内の北部におきまして庄内川を渡る部分の橋梁が全体として不足していることが原因と考えております。これらを踏まえまして国道四十一号線の新川中橋に並行いたします名古屋高速道路高速二号線、これは楠―萩野通二・二キロでございますが、この区間につきまして六十三年度内完成を目途に鋭意今工事を進めております。それから高速二号の残区間であります萩野通―東新町の間、四・三キロございますが、これは六十年代の後半の完成を目途に今事業を推進しております。  二つ目の問題といたしまして、国道四十一号線の名古屋の北、国道三百二号から小牧市の村中、北尾張中央道に至る区間でございます。八・七キロございますが、これは名古屋市側から拡幅事業を進めておりまして、現在まで国道三百二号線から主要地方道の春日井稲沢線、これは名古屋空港に接続するわけでございますが、これに至る一・七キロを八車線で供用開始しております。今お話がございましたように引き続き第十次道路整備五カ年計画期間内に、これは六十七年まででございますが、東名高速道路付近の北尾張中央道、国道百五十五号バイパスでございますが、これに至る区間七キロの整備、全体の幅員を四十メートルと考えておりますが、図ることとしております。  あと、三番目の問題でございますが、第十次道路整備五カ年計画におきまして、大都市圏におきます自動車専用道路の構想を取りまとめておりますが、名古屋都市圏の自動車専用道路網に位置づけられました名古屋市から美濃加茂方面へ向かっております名濃道路の構想、この考え方につきまして、国道四十一号線の整備状況、交通需要の動向等を勘案して路線、構造等の調査を推進する必要がありまして、今年度より中部地建並びに関係機関と調整をして調査に着手していきたいというふうに考えております。
  151. 柴田弘

    柴田(弘)委員 一番最後の三つの問題は、ひとつ要望ですが、調査をもうしていただいて、できるだけ早く事業実施をお願いをしたい、このように思います。  それからついでに、この高速道路におけるインターチェンジの新設問題ですね。ちょっとお伺いをしたいわけです。  それで、この輸送交通あるいはリゾート開発の拠点として地域振興の起爆剤にしたいという沿道の自治体の新しいインターチェンジをつくってくれという要望があちらこちらから建設省の方にあると思いますね。日本道路公団の調査では何か申請件数が百六あるというのですが、この辺はどうですか。それから今年度から地元が約半分、四七・五%ということですが、負担をして、残りは二十年間で無利子で返還すればよいといういわゆる開発インターチェンジ制度を創設し、建設を促進をしていく、この辺はどうかという問題が一点。  それから二つ目は、具体的に、今、東名高速道路の名古屋インターチェンジはもうパンク寸前なんです。だからやはりこの豊田インターチェンジと名古屋インターチェンジの間に、愛知県鈴木知事の発言によれば名古屋―豊田間のうち名古屋寄りの地点を候補地としたい、このようにおっしゃっているわけです。それで開発インターチェンジ制度を適用せざるを得ないじゃないか、こんなことも言っているわけです。候補地と目される三好町とか日進町とか東郷町の三町に促進期成同盟の動きがあることを知事も非常に歓迎をしている、こういうことでございますが、具体的に愛知県の方から建設省の方へそういう要望はあったのかどうか、あればどう対応するのか、ない場合は今後そういう要望があれば建設省としてはどのように対応していかれるのか、局長さんの御答弁をいただきたい。
  152. 三谷浩

    ○三谷政府委員 東名高速道路の名古屋インターチェンジ、それから豊田インターチェンジの三好町付近に愛知県から追加インターチェンジの要望がこの春出されておりまして、県では開発利益の吸収によります開発インターチェンジ制度の活用ということで、この方式での設置を要望しております。  追加インターチェンジでございますが、今お話がございましたように全国各地から多数の設置要望が出ておりまして、またその整備につきましては開発インターチェンジ方式ということを積極的に活用することによって整備を促進したい、こういうふうに考えております。  これらは地元での開発計画の具体性とかあるいは周辺道路の整備状況等、こういうものを勘案して設置の可能性について検討してまいるわけでございますけれども、追加インターチェンジの決定につきましては、国土開発幹線自動車道建設審議会の議を経る必要がありますし、それを経て決まることとなります。
  153. 柴田弘

    柴田(弘)委員 では、今の具体的な問題はどうするんですか、名古屋寄りにつくれという。要望が来ているのでしょう。
  154. 三谷浩

    ○三谷政府委員 具体的には全国から今百六出ております。実は、ちょうど二年半ほど前に行いました国土開発幹線自動車道審議会でもやはり追加インターチェンジの審議がなされております。そのときには実は六個の設置がそこで決まっております。今回まだ数はもちろん決まっておりませんが、新しく開発インターチェンジ方式というものも適用して積極的にしたいということでございますので、先ほど申し上げましたように実際の開発計画の具体性とか周辺道路の整備状況、こういうものをいろいろ御相談をしながら検討してまいることになろうかと思っております。
  155. 柴田弘

    柴田(弘)委員 では、くどいようですが、局長さん、今の愛知県の問題もきちっと検討対象の中に入れていただいて取り組んでいただけるでしょうな、この辺をひとつ。
  156. 三谷浩

    ○三谷政府委員 当然、いろいろ全国から出されますインターチェンジと同様検討いたします。
  157. 柴田弘

    柴田(弘)委員 ぜひひとつ前向きに検討していただいて、いい回答をよろしくお願い申し上げます。  それで、きょうの一番の本命の質問は、これは大臣が見えてからいろいろ質問したいと思っておりますが、名古屋市を流れる堀川へのいわゆる木曽川導水事業についてであります。  河川局長さん、来ていらっしゃいますね。この事業は、国の直轄事業です。そして昭和四十七年にたしか国が事業の採択をいたしております。そして昭和五十八年から六十九年までの十二年間でこれを完成することになっておりました。ところが、現在はどうなっておるか。全然事業に着手されておりません。そうですね。それで、そのおくれておる理由は、私なりにいろいろ聞き取り調査をしてまいりました。河川法七十条の二によって関係機関との協議が必要である。農水省とかあるいは自治省とか厚生省、通産省、大蔵省、関係各省、一番問題は農水省である。つまり農水省が言っているのは、木曽川の犬山頭首工からの農業用水を引いている三つの改良区があるわけであります。宮田用水、木津用水、羽島用水。そして下流の馬飼頭首工から水を引いている海部土地改良区、これはいわゆる木曽川総合用水であります。その改良区の同意が得られていないために農水省もなかなかうんと言わないということです。  そこで、私は具体的にお尋ねをしていきたいと思うわけでありますが、中部地建あるいは東海農政局、いろいろ私も聞き、現地調査もいろいろいたしました。どう言っておるかということです。これは恐らく農水省、建設省の御意見だと思いますが、東海農政局としては昭和六十一年の三月六日以降、というのは、これは私は実はこの日に当時の江藤建設大臣に質問をいたしまして、堀川浄化を初めとしてこの木曽川導水事業は積極的にやっていくんだ、当時の廣瀬河川局長も、六十一年度、この事業計画を策定し即計画実施です、こういうような意味の答弁もいただいているわけであります。  それから二年たった。それから東海農政局と中部地建は七、八回ぐらい協議をしました。そして、中部地建に対して東海農政局としては、一つは、管理をどういう形でやるのか、頭首工は農水省がつくって管理をしている、これを建設省が使うとすればどういうふうにやっていくのか、建設省が管理するのか、農水省が今までどおりにやるのか、管理の方法、これについていろいろ聞いているが、中部地建、建設省の方からは何の御返事もない。二つ目は、その管理の方法についての費用負担はどうするんだ。三つ目は、現在の水利権というのは一体どうなっていくのか。この三点について、これはあくまで基本的な事項であります、建設省と何回話をしてもうんともすんとも返ってこないので、改良区に対して説明もできない、本来ならば直轄事業の事業主体者である建設省がこういったことはやるべきですよ、こういう回答だった。  では中部地建の方はどう言っておるかというと、いやいや、これは河川法十七条に規定をされた治水上の河川管理施設と別の目的、いわゆる利水上でありますが、この治水上と利水上の両方の機能を持つ兼用工作物という形でやっていく、まあ費用負担は建設省も応分の負担をしますよ、こう言っているわけですが、これを両方聞くと、私の間違いかもわからないが、農水省の言っている方が理論的に正しい。こういった三点の基本事項がまだ正式にきちっと出されていない、こういうことだというふうに聞いておりますが、農水省、来ていらっしゃいますか、いかがですか。
  158. 東諄

    ○東説明員 御指摘の点はそのとおりでございます。
  159. 柴田弘

    柴田(弘)委員 建設省に聞きます。  建設省の中部地建が発行したこの木曽川導水事業についてのパンフレットにこう書いてあります。「木曽川からの導水は、木曽川の成戸地点の流量が、木曽川の維持流量毎秒五十立方メートルより多いときに、その上回る水量(余剰水)の範囲内で、必要に応じて行いますので、濃尾用水及び木曽川総合用水等の利水や、木曽川の河川機能に、支障となることはありません。」と、堂々と刷ったわけです。これは見てみえますか。支障がないというなら、一体建設省は農水省との協議の中でどういうデータを出して、間違いありませんよと出したのか。また農水省に聞きたいのは、そのデータを見てどういうふうにあなたの方は思っていらっしゃるのか。十分なデータであるかどうか、この辺を両省から聞きたい。
  160. 萩原浩

    萩原政府委員 お答えをいたします。  木曽川導水の計画調整につきまして大変克明な御指摘をいただいたわけでございますが、御指摘のとおり、私どもの出先の中部地建と東海農政局あるいは愛知県の農務部関係と現在計画を調整させていただいております。お互いに見せ合っておりますデータにつきまして出先でいろいろな議論はあろうかと思いますが……(柴田(弘)委員「いや、そういうことを聞いているのじゃないですよ、どういうデータを出したかということを聞いているのです」と呼ぶ)木曽川の流況に関しますデータあるいは現に取水されておりますもの等につきまして、私どもとしてお渡しすることが必要と思われるものはお渡しをして協議をしておろうかと思います。
  161. 柴田弘

    柴田(弘)委員 では農水省、満足なデータかどうか。
  162. 東諄

    ○東説明員 先生指摘の建設省からいただいています資料は二つございまして、一つは、成戸地点の豊水流量、渇水流量などの概括的な流量でございます。それから、河川維持用水として取水します導水の日数でございます。この二点でございまして、これだけでは率直に言いますと不十分でございますということで、今御指摘のような東海農政局と中部地方建設局で協議されている。  それで、どういう点が不十分かと申しますと、一点は、基本的には河川流量というのは非常に変化するものでございますので、まず、どのように既得水利を見込んでいるのか、それから二点目が、余剰水がどう出るのか、三点目が、木曽川導水がどういうときにどう取水するかなどがわかりません。したがいまして、農業用水への影響がどうなるのかという判断ができなくて進んでいないというふうに聞いてございます。
  163. 柴田弘

    柴田(弘)委員 今くしくも農水省の方から、今まで出された建設省のデータは不足している、三点にわたって。私も農水省の方から資料をいただいているが、もう昭和六十年の五月からこれは何回となく話し合っているそうですよ。そうしたデータを建設省、局長さん、なぜ――基本的なデータなんですよ、今農水省の方がおっしゃったのは。あなたの方の出したデータは、確かにこの五十トンを超える日数を二十年間各年度別に、二百何十日あります、三百何十日ありますとある。しかし、そのデータを出す基礎データが、今農水省が言われた三点のデータだと思います。その今までの話し合いの中でそういう要求があって、なぜそういうデータを出さないのですか。出したら問題が起こるから出さないのですか。どうなんですか。
  164. 萩原浩

    萩原政府委員 お答えをいたします。  私どもと農政局それぞれの出先で、いわば、いろいろ考え方の差が一番出ておりますのは、木曽川導水事業の中に浄化用水というものを含んでいる点かと思います。私どもは、浄化用水を新設水路、これは流況調整河川と称して、私どもは河川と思っているわけでございますが、そういうものを通して水を流しますものは河川の工事そのものだという考えがあるわけでございます。  これは推測でございますが、恐らく農政局の一部の方といいますか農政局のお考えとしては、これは事実上利水と同じではないかという観点からの御議論があるのではないかと思います。その辺で多少すり合わない部分があろうかと思いますが、本来私どもは、自分が所持しております流況資料その他をひとり占めにいたしまして何もかにも見せないということでお話をしておるわけでは決してないと思いますし、何より、木曽川導水事業を進めなければいけないと一番深刻に考えておりますのは私ども事業主体そのものでございますので、多少時間がかかっておりますが、お話を続けさせていただこうと思っております。
  165. 柴田弘

    柴田(弘)委員 答弁になっていませんよ。私の言うのは、今は時間がないからもう詳しく説明しませんが、今から農水委員会へ行って同じ質問をしてきますけれども局長さん、答弁になっていませんよ。なぜこの三つの基礎データが出ませんか、出したら問題があるのですかと、これを聞いているのです。
  166. 萩原浩

    萩原政府委員 私どももお出しをしているわけでございますが、それを十分と農政局の方が判断をされるかどうかの話で、十分と判断をされなければ不十分であるということになるのかどうかの論点の差がどこにあるかと申しますと、その浄化用水というものに対する、水の性質に対する考え方、これが私ども河川管理者と、利水事業者として長年仕事をしてこられました農政局さんと多少食い違うところがあろうかと――これは推量でございます。相手様のお考えまで言ってしまいますのは失礼でございますが、それを申し上げておるわけでございまして、決して答弁をそらしておるわけではないと私は思っておるのでございます。
  167. 柴田弘

    柴田(弘)委員 今いろいろ局長から答弁がありましたが、私は、農水省のおっしゃる三つのデータ、そのとおりだと思うのですね。だから、こんな簡単なデータがなぜ話し合いの中で出せないのか、私はそう思います。  今から農水委員会に行きますけれども、農水省、もう一回はっきりと、このデータが必要です、こういう理由で必要です、そしてそのデータを出していただければ改良区の同意を得るように努力をします、こういうことだと私は思いますが、時間があと一分しかないのでこれを答弁してもらいたい。  建設省は、また帰ってきて大臣に質問さしてもらいます。
  168. 東諄

    ○東説明員 御指摘のデータが提出されて農業用水の取水に悪影響を与えないということが地元の方の土地改良区で理解が得られるということになりますと、話の進展が見られるのじゃないかというふうに思います。
  169. 柴田弘

    柴田(弘)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、農水省、くどいようですが、もう一問。  さきに行いました、あなたの方が要求していらっしゃるデータは、佐賀県の佐賀導水事業あるいは今まさに行われようとしている霞導水事業等々には、こういった要求データは、これと同じものでないにしても、農水省のおっしゃるとおり建設省の方がちゃんと出した例があるでしょう。どうですか。
  170. 東諄

    ○東説明員 ほかの例は十分存じませんが、本件につきましては、先生のおっしゃるようなデータがございましたら土地改良区の理解が得られるのではないか、少なくとも早期着工に向けまして、私どもとしても協議が成立しますよう努力できるのではないかというふうに思います。
  171. 柴田弘

    柴田(弘)委員 お聞きのとおりであります。  また十六時三分からやりますので、よろしくお願いします。
  172. 中村喜四郎

    中村委員長 柴田弘君の建設大臣に対する質疑は、後刻行うことといたします。  滝沢幸助君。
  173. 滝沢幸助

    滝沢委員 委員長御苦労さま、政府の皆さん御苦労さまです。  初めに、これは五十九年の三月九日に民社党の小沢委員から指摘をしまして、検討していただくことになっていた課題でありますが、これは総務庁と建設省と双方にまたがることでありますから、御答弁は双方で適宜お願いをしたいと思います。  いわゆる競争契約に参加する資格審査の手続、この調査等をなさるというようにお約束をしていただいているわけでありますが、その後どのような進展を見たものであるかひとつ伺いたい。
  174. 大橋豊彦

    ○大橋説明員 お答えいたします。  建設工事等の競争契約に関する資格審査の事務手続につきましては、従来から業者の方から簡素化していただきたいという要請がいろいろあったわけでございます。そこで、私ども総務庁の方では、まず第一回の調査ということで昭和五十一年に調査をいたしまして、これをもとに、各省庁の方々にお願いいたしまして、申し合わせというのをしていただいております。  申し合わせの中身は、先生ご存じのように、申請窓口を一元化するとかあるいは各省全体の統一的な様式を制定するとかあるいは申請手続の簡素化を図るというようないろいろな点について申し合わせをし、簡素化を進めたわけでございますが、遺憾ながらその後もいろいろの業者の方から簡素化の要請がございましたので、そういう要請を踏まえまして、私ども昨年の一月から、実地調査ということで各省庁の資格審査の手続について調査いたしまして、今月の十一日にまとめまして、私ども局長からそれぞれの官房長に改善通知を出したところでございます。  調査結果については、いろいろのことを言っておりますが、整理して申し上げますと四点になります。  第一の柱は、建設業法に経営事項審査結果という制度がございますが、その審査結果の通知書を利用することによって資格審査の事務を簡素化するということでございます。第二の柱は、いろいろの資格審査実施機関がございますが、その資格審査実施機関ごとに行っております審査というものを、一つの省庁であれば実質的に一回で済まそう、これは通常単一資格審査制と言っておりますが、これを推進するということでございます。第三の柱は、先ほど言いました第一回の申し合わせよ、もう十年近くたっておりますので少し見直ししていただいて、新しいものを入れ込んだりあるいは不要になっているものをカットしたり、そういう新しい申し合わせをつくっていただきまして、それを徹底するということでございます。第四の柱は、資格の有効期間、大体二年でございますが、中には一年のところもございますので、こういうところについては二年以上としていただくというような申請手続の簡素化を推進していただく、こういうような調査結果を今月の十一日に私ども局長から官房長に出したところでございます。
  175. 牧野徹

    ○牧野(徹)政府委員 ただいまの先生の最初の御質問は、四年前の三月九日に小沢委員の御質問が確かにございまして、それに対して建設省はどのような改善策を講じたのかというおただしでございますから、その点からお答えしますが、そのときの小沢委員の御質問は、例えば建設省の中でも八つの地建ごとあるいは建設省関係の各公団それぞれが資格審査等を行っている、何とか統一できないのかということがポイントだったかと思います。  それが四年前ですが、その一年後、今から三年前の六十年三月六日に、同じく小沢委員から、ところで研究するということであったがどうなったかというおただしがございました。このときに政府委員から、「関係公団等についていろいろ検討してもらったわけでございますが、それぞれの磯関どとに事業の内容も違う、そして事業量も違う、地域性も非常に異なっておるといったことがございますので、それぞれの公団に最もふさわしい方法を現在とっておるということでございますので、この点については完全に統一一元化ということは難しいのじゃなかろうかと考えております。」という御答弁をいたしました。それは、建設省と関係公団全部を統一することは難しいということを六十年三月に御答弁申し上げた。  ただ、その前に、建設省の中でせめて合理化できないのか、八つの地建が全部ばらばらあるいは書類の様式も違うのはおかしいじゃないかというおただしに対して御返事を申し上げております。これは実はその後もかなり事態が進展をいたしておりまして、今現在におきましては、まず一つは、申請書類の様式、これは小沢委員の御指摘を踏まえて六十年度に統一をいたしました。さらに六十二年度におきまして、今度は受け付けでございますが、全部で受け付けるのではなくて、一つの地建でお出しいただければ、他の地方建設局への申請書もそこで一緒に受け付けるというふうに建設省の中は統一してまいったわけでございます。  なお、必要があれば、ただいま総務庁の方からの新しい御発表といいますか通知がございましたが、それに対する改善状況もあわせてお答えいたしましょうか。――今総務庁の方からたしか四点というふうにお話があったかと思いますが、この点につきまして、私どもはただいま御説明のあったことのうちほとんどのことは建設省は実はやっております。ただ、残念ながらやっていないことも二つありまして、一つは、いわゆる経営事項審査制度の結果をストレートに利用するという点でございますが、これは総務庁のこの今回の改善意見におきましても、改善方向として経営事項審査を所管している建設省において所要の措置を講じて、その経営事項審査結果を直接利用することが可能になった場合にはこの結果を利用して事務簡素化をしろ、こういう改善方向になっております。私どもはそれはそのとおりだと思いまして、これは実は今まで一番使い勝手が悪かったのは、こちらのチェックと経営事項審査制度の受け付けが同じ一月ぐらいに行われますと、こっちの欲しいときに結果がまだ出ていない、こういうことでございましたが、これは建設省と言うのはおかしいのですが、私どもの他の部局におきましてこの経営事項審査制度についていろいろ改善措置を今講じつつあって、基準日を例えば十月一日にするということで、この辺はかなり早く、使い勝手がよく結果が出ますから、それは利用しようと思います。ということで、これにつきましてもこの改善方向の趣旨に沿ってやりたいと思います。  それから、もう一つは書式のことでございますが、これは従来からほとんど同じにしておりましたが、今回は全く同じにしようということで検討を進めておる状況にございます。
  176. 滝沢幸助

    滝沢委員 大変にいい方向に進めていていただいて、多とするところであります。そこで、大体このようなものが各省庁違うところにそもそも役所の縄張りといいますか、指摘されるものがあるわけでありますから、今総務庁の指摘のとおり、これが完全に実施されるように努力されるように要望するものであります。  もう一つ、県あるいは市町村など、いわば地方自治体と申しますか、これもそれぞれの発注をいたすわけでございますが、これはやはり本庁といいますか政府のつくったデータがそのまま使えることが一番望ましいわけで、それぞれの公共団体にそれぞれの手続をして、それぞれの審査を受けるというようなことでなくできないものか。たまたまありまする案件の中には大変うまくない仕事があった、しかし、それは実はよそで相当うまくなかったものであったというようなこともありまして、また後で要望しようと思ったのですが、ついでに要望しておきます。  公共事業等の発注、施工をめぐるいろいろと不祥事と申しまするか、余りにも多い。それで、結局政治家や役所もいろいろと痛手を受けている例が多いわけでございます。実は今川柳の勉強会に行ってきましたが、そこでは出ませんが、私がつき合った川柳の中に、談合のない入札があったとさというので、もしもそういうのがあったらこれは本当に珍しいということであります。そういう意味で、実態と建前はまことに違う。これはすべてのことにそのようでありますが、殊にこの公共事業の発注、受注、そして施工という面においてそのようなものがあろうと存じますので、このようなことについて一層適正に、厳正にする手だては一体何かということをもう少し掘り下げて研究していただきたい。その中に、さっき申し上げたとおり各末端の自治体等がそれぞれにいわば受け付けをし、審査をし、発注するということではなくて、それらの全国版的資格要件のデータが整備されていることの方がよろしい、こう思うのでありますが、いかがなものでしょうか。     〔委員長退席、野呂田委員長代理着席〕
  177. 牧野徹

    ○牧野(徹)政府委員 個別の発注者がそれぞれに審査をしているというのは、私はそれはそれなりに理由のあることだと思います。建設省一つとっても、各公団それぞれダムなり道路なりいろいろ違ったものをやっております。住宅もありますし、それから、私どもの直轄と県あるいは市町村レベルというのは、それぞれ対象とする工事、同じ道路といい河川工事といっても、規模から地域から何からいろいろ違いますから、それぞれの発注主体が貴重な税金を財源として適正な工事執行をするためにそれぞれの資格審査をするということは、これは私はやむを得ない面があると思います。  ただ、その際に、いろいろやるからおかしなことがあるということは、私はないと思いますが、もし共通して使用できるようなものができてきたらみんなでだんだん使っていく、それは大事なことだと思います。これは一方において、建設省は発注行政だけをやっておるのではなくて、受注者といいますか、建設業界の指導も担当さしていただいているわけですから、建設業界の健全な発達という面から見ても、経営事項審査制度についてなるべく汎用性のあるものにだんだんなっていく。だから、そのためには建設業法の改正も昨年行いましたが、それに基づいて経営事項審査制度が本当に各発注者にとって使い勝手のいいものにだんだんなっていく。そういう場合にはそれぞれの発注主体も、同じものなのに自分が勝手に計算するということではなしに、それぞれ共通のものをだんだん使っていくという方向に行くことがいいかと思います。  それから、いわゆる不祥事件についてのおただしでございますが、これは言うまでもなく貴重な税金を財源とする公共工事でございますから、そういうことは絶対にあってはならぬことだと私どももかたく肝に銘じております。そのために何をやるかということですが、もちろん、これはやる方法というのはもう既に確立されておるわけでございまして、御案内と思いますが、ただいま議論になっております的確な資格審査をやるとか、あるいは指名基準の厳正化を図るとか、あるいは適正な数の業者を選んで競争をしていただくとか、それぞれいろいろなことがあろうかと思います。要は、やはりこの決められたことを厳正に的確にまず実行していくということが何よりも大事かと考えております。
  178. 滝沢幸助

    滝沢委員 大臣が見えてからお尋ねした方がいい課題もありますが、一つ、これはそう難しいことでもないと思いますので、宅地造成ですね、なさる場合に、何千坪、何万坪というものを業者が買収をしまして、そしていわゆる役所の許可をいただいてこれを開発して、お客さんにこれを譲って、そして入居していただくわけです。そのときに、道路、緑地そのほかの公共用施設のために大体三〇%から四〇%ぐらいは使われる。そうしたときに、これらの土地代ですね、そしてまた施工費等が入居者にかぶさっていく。つまり、百坪の土地をここで取得する者は百三十坪、百四十坪の土地を買わせられ、しかも、三十坪、四十坪についての施工費も負担しているということになる。しかし一方、先祖伝来その土地に住んでいる者が、公共事業等がありますときは随分とこれは難しい折衝の結果、安からぬ補償を支払わなくてはならぬということになるわけです。地球上に本当に初めて百坪の土地を取得する者が、公共に属する部分まで負担させられていいかどうか。しかも、さきに申し上げました在来の方ですと、非常に難しい。頭を下げて、金を払って、足を運んで、こちらはもう許可した瞬間に土地が、道路も何もちゃんと取得できるわけですから、考えればこれについて公共は何らかの形でこれを補償されることが当然であると思うのでありますが、いかがでしょうか。
  179. 望月薫雄

    ○望月政府委員 先生から宅地開発に関連しての公共施設の負担のあり方、こういった点での御質問でございますが、おっしゃるように一般的に宅地開発を行う場合には、全体面積に対して三割前後のものが公共施設用地として確保されている、またそれが一応の望ましい水準である、私どもはそういう認識を持って行政を進めているわけでございます。そういった中で、この負担をだれがどうすべきか、こういう御議論と思います。  基本的には私どもは、宅地開発に関連して当然こういう道路などが必要になる、これは当たり前のことだと認識しておりますが、この費用負担としては根幹的なもの、公益的効用を果たすもの、これはやはり公共団体などの公が負担するということが基本的に姿勢としては必要だろうと思っております。ところで、一方また区画街路のようなもの、あるいは小公園のようなもの、言ってしまえば足元的な公共施設、こういったものについては開発者の負担で整備するということもそれなりの合理性があるのじゃないか、こういうふうに考えている次第でございます。  ただ、現実はどうかといいますと、先生がおっしゃっている背景もあろうかと思いますけれども、現在関係公共団体の多くはいわゆる指導要綱というものを持っておりまして、そのために非常に行き過ぎた公共の負担をデベロッパーに求める、このことがエンドユーザーに負担になってはね返る、こういったことが現実に一つの大きな問題でございます。これは私ども、宅地供給政策を考える上でも大変に大きな問題でございまして、この是正というものについては大いに指導もし、今後ともますます改善の方向に持っていきたいというふうに鋭意努力しているところでございます。  そういった中でございますが、やはり公で負担すべきものを公がやるということについても一つの制度的裏づけ、推進体制というものがぜひ必要であろうと思っております。そういった中で、建設省におきましても関連公共施設整備費、いわゆる関公と言っていますが、特別な予算を計上し、現在こういった事業を促進するとか、あるいはまた何も関公事業費ばかりでなくて、いわゆる通常予算におきましても宅地開発関連の事業は重点的に面倒を見る、こういった構えでやっておりまして、申し上げたいことは、全部が全部公というわけにもいかない、ある意味ではデベロッパー負担という面でも合理性があるものもある、しかし行き過ぎてはいけない、こういった関係の中で、私どもも公の適正な負担というものを進めてまいっているところでございます。
  180. 滝沢幸助

    滝沢委員 時間がないから議論をやめますが、公が負担していただくことになれば、その公の機関に予算がありませんがために、この開発はあなたがそれをやっても公共事業費がありませんからその道路は買うことができませんからということで開発事業が認可にならぬということもあり得るわけで、そこら辺の配慮をひとつよろしきを得て、しかし今申し上げましたいやしくも公共に属する施設については公共が負担するというのは今日以後の常識になるべきだと私は思いますので、ひとつ賢明な方策を編み出していただきますように要望いたします。  そこで、高速自動車道についてでありますが、一つには、これは小さい話でありますが、あそこに上りと下りとを間違って入るのです。これは後で時間があったらお伺いしたいのですが、標識が大体いけない。日本じゅう至るところの道路の案内標識、この書き方はまことに下手だ。藩制時代の右どこどこを経てどこどこに至る、左云々どこどこに至る、これが一番うまい。ところが、近来非常に下手なのです。そして、国道、高速道、町道、林道、産業道路それぞれの各システムも違うというあたりが多々ございます。  それにしても間違って入った場合に料金を取るのですね。そうしますと、間違って入った者はまた五百円負担して戻ってきて、ようやくもとのところへ来るということですね。これは運転手が自分で自分の場合もありますが、運送業者が抱えている運転手さんとかいろいろありまして、時間もロス、その負担も自分がするというので非常に苦情が多い。私自身もそういう経験がありました。ところが、JRといいますかいわゆる鉄道旅客、バスもそうですが、誤乗というのは無料ですよ。もとのところへ帰っていくまでは無料です。ここら辺のところにもう少し温かい配慮があってよろしいと思うのですが、いかがですか。
  181. 市川一朗

    ○市川説明員 ただいまの件でございますが、間違って入ることのないように案内標識をしっかりしたものをつくるというのがまず基本だと思いますが、万一誤って入った場合にどうなるかという御指摘の問題でございますけれども、JRの場合ですと乗る前に行き先までの切符を買って乗るというのが基本でございますが、私どもの高速道路の場合は、これから改善の余地等研究しなければいけない部面があろうかと思いますが、基本的に、乗る段階では行き先を決めませんで発券いたしまして、それでおりる際に払うということでございますので、誤って乗ったのかどうかという確認が非常に難しいという問題が一つございますのと、それから交通安全上の問題からも、できるだけそういったような誤って入るということをとめませんと、例えば途中で転回されたりなんかした場合の問題もございますので、私どもとしては今まではそういった問題についてJRのように対応することはいかがかなと思っておった状況でございます。
  182. 滝沢幸助

    滝沢委員 大体国民は主権者なんですから、いやしくも主権者ともあらせられるお方が間違ったことを装って、インターチェンジをおりもしないのにそのままUターンして向こうに行ってまたUターンしてまたなんというようなことをやっていなさるとは思えないというところから発想しなければ、これは解決しませんから、そうそうあることでもありませんし、あったら、これは本当に標識が悪いのですから、この点は温かい施策を要望しまして、ひとつ検討をちょうだいするようにお願いしたいと思います。  そして、同じ高速インターの中で、大臣が見えられてから一言だけ所信を承りたいのでもありますが、実は東北高速自動車道にインターチェンジをもっとふやしてくれという要望が非常に多いのであります。今具体的に動いているのが三カ所ぐらいあるようであります。これは仮称でございますが、白河中央インターというものが欲しい。これは期成同盟会の集まりなんかにも顔を出してきたのでありますが、承ればなるほどこれはなかなか切実な願いのようであります。ここには国道二百九十四号が控えておりまして、その後に今度、会津フレッシュリゾートというようなことで、六月の許可を持っている広大な地域が控えておりまするし、それに福島空港あるいはまた郡山の周辺の開発計画と数々ありまするが、こういうことで許可を持っているといいますか、具体的に申請してきたときは前向きに検討してほしいという要望でありますが、いかがなものでありましょうか。
  183. 市川一朗

    ○市川説明員 追加インターチェンジの要望は、現在、全国から百カ所以上ございまして、前回追加いたしました際は六カ所でございました。通常のやり方でいきますと御要望にこたえるのは大変難しい状況でございますが、幸いといいますか、NTTの株式売却益を活用いたしました開発インターチェンジ方式といったようなものも導入されておりますので、何とかそういったものを積極的に活用してできるだけ御要望にこたえるようにしてまいりたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。
  184. 滝沢幸助

    滝沢委員 第一ラウンドの方の時間が切迫してきましたが、先ほどの標識のことですが、これは関係機関にやはりしっかり勉強していただいて、もっとわかりやすい、あれは疑問を持つ困っている人が見るのでありますから、ただ東京と書かれて次に行ってみると今度は宇都宮と書いてあるようなことではなくて、やはり大きな目標は大きく書いて小さいのも書いておくと、あっこれもいいんだな。日本じゅうの地図を暗記した者しか車に乗って歩けないのじゃ困るということであります。  さらには、これは建設省の所管ではない、いわゆる市町村の段階かもしれませんが、ここは何という町で何という町内だということがもっともっとあった方がいい。そしてまた、これは観光かどうか知りませんけれども、これは何川、これは何の山という案内がもっとあった方がいいというような点で、私は、どこかの省がそれこそ音頭をとって関係省庁、市町村等に至るまで、標識を親切にしてあげる。ところどころには一メートル四方ぐらいの略図のようなものもあっていいでしょう。例えば、ここで分かれる、右どこどこ、左どこどこみたいなものだけでしょう。しかし、これは最後にまた合いますよということが書いてないのですよ。合うのならばそっちに行くんだったというのもあるでしょう。そういうあたりですが、いかがですか。
  185. 市川一朗

    ○市川説明員 案内標識につきましていろいろ御指摘がございましたが、車で利用する側が、国民みんなの立場でございますが、できるだけわかりやすい標識にするということ、ごもっともでございまして、私どもの研究をさらに進めてまいりたい。それから、関係都道府県あるいは市町村ともいろいろな機会を持ちまして、現在も研究会等を進めておる段階でございます。日ごとによくなっていくことを御期待いただきたいと思う次第でございます。
  186. 滝沢幸助

    滝沢委員 以上、お伺いしておきまして、あと大臣が見えられてからひとつ二、三の所見を承りたいと思います。委員長、ありがとうございました。
  187. 野呂田芳成

    ○野呂田委員長代理 滝沢幸助君の建設大臣に対する質疑は、後刻行うことといたします。  辻第一君。
  188. 辻第一

    ○辻(第)委員 きょうはいろいろお尋ねしたいわけでありますが、まず最初に下水道の問題でお尋ねをいたします。  生活環境の整備の問題あるいは水質保全の問題、処理水の再利用の問題など、下水道というのは非常に多方面にわたって重要な役割を示しております。国民が健康で安全で、かつ快適な生活をするのに不可欠の施設になっているわけでございます。都市を初め、農山村を問わず、その整備が要請されているということでございます。しかし、欧米先進国に比べますと、我が国の下水道の整備は非常におくれているというのが実態ですね。  そういう状況の中で、政府も六十一年度より第六次下水道整備五カ年計画をやっていただいております。処理人口普及率四四%を目標に御努力をいただいておるわけであります。奈良県も県や市町村に大変な御努力をいただいて、六十一生度の普及率は二二%、全国十位ということでございます。生活環境の改善というのは当然でありますが、この間、私質問させていただいたのでありますが、奈良県も河川の汚染、これは残念ながら汚染河川ベストテンに三つも入っているというのが現状であります。こういう観点からも、下水道の整備というのは奈良県民の強い要望であります。  そういう状況の中、奈良県は六十三年度では県の流域下水道では三〇%の伸び、市町村公共下水道では四六%の伸び、これは予算でありますが、そういう努力をされているわけでございます。私も県あるいは幾つかの市にその実情をお尋ねをいたしました。そういう計画を本当に達成するために問題点はありませんか、こういうふうなお尋ねもしたわけであります。いろいろお尋ねをしたわけであります。それと去年の六月、日本下水道協会関西支部総会、これは奈良の大和郡山市で行われたそうでありますが、その中で何点かの問題点が明らかにされました。これが共通した問題だろうと思うのです。それで、そのことで建設省初め関係省庁にお尋ねをしたいと思います。  まず最初に、建設省にお尋ねいたしますが、国の財政も大変でありますが、地方の財政も大変ですね。そういう状況の中で六十年度からいわゆる太い管渠ですか、これの補助金が十分の六が十分の五に削減されましたね。また終末処理場の補助金ももちろん削減をされている、こういうことでありますが、これをぜひ十分の六に戻していただきたい、早く戻していただきたいというのが一つの要望であります。  また、国庫補助の対象範囲を拡大していただきたい。現在市部では幹線管渠だけですね。そして町村部では末端管渠まで一括補助ということだそうであります。その市部も幹線管渠だけではなしに末端管渠まで含めて一括補助に範囲を拡大していただきたい、こういう要望であります。この点についてお答えをいただきたいと思います。
  189. 木内良明

    木内政府委員 最初の方の補助率のカットの問題でございますけれども、これは先生に御説明するまでもなく国の財政の関係がございましてそういう措置をしたわけでございます。下水道に限ることはないのでございますので下水道だけで申すのも何かと思いますけれども、下水道担当の方から見ますれば、それは事業費の拡大も大事でございますし、また国の助成というものも常日ごろ下水道の重要性にかんがみてできるだけ手厚くなるような対応を考えておることでございますので、全体の成り行きの一環ではございますけれども、我々の要望としてはそういった先生のお考えと同じでございます。  それから末端管渠の問題といいますか、これは国の補助のやり方だと思います。先生御承知のように、例えばいろいろな施設で補助対象をどこまで限定するかという問題は当然出てまいります。そういうことで、現在下水道の場合は主要な管渠であるかどうかということでそこを補助対象にして、それに対して補助率等が決まって、一連のものでございます。例えば極端な話、末端管渠まで全部入れると補助率を下げなければならぬということになると実質的には余り変わらない。できるだけ地方の実情あるいは公共下水道の整備の状況に合わせて負担をうまく公平にとろうということでこういうことをやっているわけでございますけれども、しかしながら、六十一年におきましてもできるだけ管渠の、端的に言いまして小さい方まで補助対象に入れるという改正もしましたし、これからもいろいろそういう方向でも努力は続けてまいりたいと思います。
  190. 辻第一

    ○辻(第)委員 ぜひ積極的に御努力をいただきたいというふうに思います。  次に、自治省にお尋ねをいたします。  補助金以外の事業費については起債が認められておりますね。また末端管渠は単独事業でありますから、これはもっと割合が大きいと思います。いずれにいたしましても、起債ということになりますと、後年度に負担が来るわけであります。市町村財政を圧迫することは言うまでもありません。政府は六十、六十一、六十二、六十三年度と臨時財政特例債を発行しております。しかし、六十四年度以降はどうなるのかということを心配しておられるわけであります。こういうことも含めまして起債の条件を改善していただきたいということであります。  具体的には、下水道施設の耐用年数に見合った償還期間に延長されたいということですね。政府債は三十年、公庫債は二十八年返還だそうでありますが、これを耐用年数に見合った償還期間にしていただきたいということです。  それからもう一つは、政府や公庫の資金をもっとふやして良質な起債をふやしていただきたいということですね。縁故債は十年で更新、これはやはり金利が高くて変動があるというようなことでありますので、政府や公庫の資金をもっとふやして政府債や公庫債をふやしていただきたい、こういうことだと思うのですが、いかがでございますか。
  191. 大屋正男

    ○大屋説明員 下水道事業債の起債条件の問題でございますが、償還期限につきましては私どもといたしまして過去その改善に努めてまいりまして、現在では政府資金、公庫資金とも、地方債の償還条件といたしましては、下水道事業債はそれぞれ最長のものとなっておるところでございます。したがいまして、さらに延長するということは容易ではないというふうに思いますが、他の事業との関連等も見きわめながら、今後とも関係省と引き続き協議をしてまいりたいというふうに考えております。  また、下水道事業債に充当される資金の問題でございますが、これまでも極力良質なものを確保するよう努力してきておるところでございまして、今年度の地方債計画におきましては、政府資金及び公庫資金の構成比率を前年度の七七・六%から八一・三%に引き上げたところでございますが、今後とも良質な資金の確保に一層努力をしてまいりたいと思います。
  192. 辻第一

    ○辻(第)委員 ぜひひとつ御努力をいただきたいと思います。  次に、通産省にお尋ねをしたいと思います。  下水道電力料金の軽減の問題でありますが、下水道事業を行っていく経費の中で、電力料金の占める割合というのはかなり大きいようでございます。そういうことで下水道電力料金を軽減をしてほしいという強い要望がございます。本年の一月にかなり全般的な軽減があったわけでありますけれども、しかし一層軽減をしてほしいという強い要望がございます。その点でお答えをいただきたいと思います。     〔野呂田委員長代理退席、委員長着席〕
  193. 稲川泰弘

    ○稲川説明員 お答え申し上げます。  電力料金につきましては、円高の進展や原油価格等の下落に即応いたしまして、昭和六十一年六月以降、二度にわたる暫定的な引き下げ措置が実施され、さらには先生今御指摘のとおり、本年一月から料金水準の一層の引き下げと料金制度の改正を内容といたします正規の料金改定が実施されたところでございます。  今回の改定による料金の引き下げ率は、九電力平均で旧規程料金に比べ約一八%となってございます。電気料金につきましては電気事業法に基づきまして原価主義、需要者間の公平の原則といった原則にのっとって設定されることになっておりまして、特定の需要家の料金を特別に安くするということはできない仕組みになってございます。  ただ、先生お話のございました下水道の処理は基本的にはいわゆる大口電力を使用していると承知しておりまして、大口電力の料金というのは、供給コストの実態から一般家庭用の電灯料金よりも相対的に安い水準になってございます。  それからさらに、今回の料金改定におきまして電力需要の負荷平準化の観点から新たに導入をいたしました季節別、時間帯別料金制度、これは相対的に夜間の電気の使用量の多い下水道処理分野などに十分メリットを持っているものではないかというふうに考えてございます。  このように原価主義、需要者間の負担の公平の原則といった電気料金の基本的枠組みの中で、需要家における電気の使い方の工夫というところで、この工夫を料金的に評価される制度というのを整備充実されてございますので、需要家においてこのような制度を一層活用していただくことを期待しておる次第でございます。
  194. 辻第一

    ○辻(第)委員 次に、いわゆる臭気、におい、この問題でお尋ねをいたします。  下水処理場を建設されるときに地域といろいろ問題があると思うのですね。その中で一番大きな問題の一つはやはりにおい、臭気対策ではないか。そんな臭いの来るのはかなわぬということになるのです。これが解決をすれば、かなり処理場建設の問題点は解決するのではないかというような気もするわけでございます。  それぞれの地方自治体でも、この臭気対策、いろいろ検討・研究をされております。私も奈良県の浄化センターで臭気対策の問題、聞かせていただいたのです。五十四年からこの第一浄化センターができたわけでありますが、いろいろ検討、研究をされて相当の効果を上げておられるということであります。しかし相当の効果を上げておられるんだけれども、まだ周辺の地域の方から見れば、時々もうたまらぬにおいがするんだというお話も出てきます。しかし、こういうような地方自治体の臭気に対する対策、研究、こういうものに対して国が支援をする必要があるのではないか。具体的に言えば、そういうものの研究に補助ができないものだろうか、こういうことが一点ですね。  それからもう一つ、国が、臭気対策を見ましても、バイオ云々といろいろ努力をされている。総合的にやられる中でこの臭気の問題も解決されていくというような側面もあろうかと思いますけれども、国の臭気に対する対策について、これはもう簡単で結構です。長う言うてもらったら困るのですが、ひとつお願いします。
  195. 木内良明

    木内政府委員 簡単にお答え申し上げます。  臭気につきまして地方公共団体が処理場でいろいろな施設をする。そういう施設につきましては補助がありますけれども、その研究につきましては、測量試験費等で賄えるものは別といたしまして、特に補助はございません。しかし臭気に対する日本の施策あるいは研究というのは何か世界一くらいということでございまして、一番臭くない方の処理のようでございます。それで国も地方公共団体もいろいろ研究しまして、土木研究所あるいは先生のおっしゃった地方ともども研究しまして、なお一層の努力をしたいと思います。  臭気を取るということはかなり難しいようなことでございますので、研究費そのものを補助するというのはどうもいかがかと思いますけれども施設に対しては補助してまいりたいと思います。
  196. 辻第一

    ○辻(第)委員 このような補助金の問題でありますとかあるいは電力料金の問題でありますとか起債の問題でありますとか、あるいは今申し上げました臭気の対策ですね、こういうような私が今御要望申し上げた点その他、ひとつ十分御対応いただいて、下水道事業の整備促進について一層の御努力をいただきたい。重ねて要望申し上げておきます。  次に河川の問題、ダムの問題についてお尋ねをいたします。  まず最初に、大阪府と和歌山県が昨年の十二月二十一日、紀ノ川の大阪への分水に同意をする調印が行われました。その内容は、分水時は十三年後の二〇〇〇年に、分水量は毎秒四トンを上限とし、当分は毎秒三・〇九トンなどとなっております。  これを受けて、ことしの二月一日に大阪府と奈良県は「紀の川利水に関する覚書」を調印いたしました。この分水計画は、紀ノ川下流の紀ノ川大ぜきの建設を前提といたしておりますが、将来上流における入之波ダムを建設することがもう一つの重要な前提となっている、このように考えるわけでございます。現に、二月一日のこの調印式に近畿地建の局長さんが出席をされている。国土庁さんも出席をされたようでありますが、新聞には、この調印式の立会人として建設省近畿地建局長国土庁長官官房水資源部担当審議官出席、調印終了後それぞれ覚書調印の意義、今後の展開について考えを述べた。「建設省、国土庁側からも、今回の調印を「近畿圏発展に寄与するもの」と評価。なかでも建設省は「大滝ダム建設はもちろん、さらに紀の川上流ダム群建設に取り組む」と入之波ダム建設に積極的な姿勢をみせた。」こういうふうに翌日の奈良新聞は報道いたしております。これはそのとおりだと思うのです。  で、このように入之波ダムの建設が紀ノ川の大阪への分水計画の重要な一環である、そういうふうに考えるのですね。これまで入之波ダムについては一切の資料が公表されていないのですが、二十年前に策定された第二次奈良県新総合開発計画には、この入之波ダムの諸元について次のように記載をされているようです。所在地は川上村、型式はアーチ式、堤頂長三百六十メートル、堤高百十メートル、堤体積、これは二十五万九千立方メートルですね。それから有効貯水量は五千三百万トン。二十年前そういうことであります。で、ことしの二月六日の奈良新聞には、入之波ダムについて、去る三十八年以来約三億円をかけて地質、試掘、横坑、ボーリング調査などを行ってきた、このように報道しているのですが、そのような調査をやられたのですか、そういう事実はいかがですか。
  197. 萩原浩

    萩原政府委員 お答えをいたします。  御指摘の入之波ダムでございますが、私ども調査の段階で申しますと、予備調査というのと実施計画調査という段階がございまして、予備調査というのはダムができるかどうかの可能性についてやる段階、実施計画調査といいますのは実施を前提といたしましてやる段階の調査でございますが、入之波ダムは現在その予備調査の段階、可能性を探る段階でございまして、御指摘のように三十八年ごろから話が出ておりまして、おっしゃいますような物理探査ですとかボーリングですとか横坑、こういうものの調査を六十二年まで続けてまいっております。相当量の調査をやっております。調査費も、御指摘がございましたように、ほぼ三億円前後のものをただいままで費やしております。
  198. 辻第一

    ○辻(第)委員 この紀ノ川の大阪への分水に当たりましては当然和歌山県民の方、奈良県民の方の合意を前提とすべきである、そういうことは当然だと考えているわけでありますが、この入之波ダムの建設が大阪への分水の一つの重要な前提、しかし、入之波ダムの建設が可能かどうか、本当に必要なのかどうか、こういうことも含めまして当然科学的な民主的なアセスメントを実施した後に判断すべきではないか、このようにも考えているわけでございます。  さて、入之波ダムの建設計画について、三十八年来最近までも調査をされているということでありますが、これまでの資料をすべて公表していただきたいと思うのですが、いかがですか。  それからこのダム建設計画の中で必要なすべての項目について、先ほど申しました民主的な科学的なアセスメントをやっていただきたいということであります。  それから、水源地であります川上村の再建計画、今は予備計画というのですか予備調査というのですか、建設計画がもっと具体化する段階ということになりましょうか、そういう段階で水源地である川上村の再建計画をきっちりと示していただきたいということです。  それから、下流域でのダム群との関連ですね、大滝ダム、大迫ダムなどを含めましてダム災害の危険の防止策も示していただきたいということです。昭和五十七年の大水のときに大迫ダムからの放水で下流に大変な被害があった、そういう経験があるんですね。そういうこともありますので、ダム災害の危険の防止策を示していただきたい、こういうふうに考えているわけでありますが、これらの点について御答弁をいただきたい。
  199. 萩原浩

    萩原政府委員 お答えをいたします。  まず第一点の、私ども調査をして現に所有しております調査成果の公表の問題でございますが、調査がそういうダムができるかできないかという可能性を探っている段階でございますので、すべての調査資料を公表しろということについては多少私どもも考えがあるわけでございますが、具体的にいろいろ個々のものにつきましてその都度御相談ということになろうかと思います。  それから、実際にもし建設を前提としたことになれば関係します町村の再建計画について十分にというお話でございますが、先生御存じのように、私どもダムの建設をいたします場合は、水没される方の合意が大前提でございますので、十分にお話し合いをいたしまして、個々の方はもう当然でございますが、村落単位でもそのような再建対策等十二分に行っていかなければいけないと考えております。  また安全性の問題でございますが、ダムの安全性と申しましても、ダムそのものが壊れてしまうかという不安から、地震があったときどうかということから、先ほどおっしゃいましたように洪水が来たときのゲート操作によって波が起こることによる不安からいろいろあるわけでございますが、いずれにいたしましても、新しいダムをつくりますときには上下流に住んでおられます方に十二分にその辺の説明をいたしまして、御了解をいただいた上で仕事を進めさしていただいておるところでございます。
  200. 辻第一

    ○辻(第)委員 局長は近畿地建の局長も前にしておられたですね。よう御存じだと思うのですが、ぜひひとつ私の今要望した点について御努力をいただきたい。お願いをいたします。  次に河川の改編問題というのですか、お尋ねをしたいと思います。  さきに環境庁が行われた自然環境保全調査の結果が新聞でも報道され、魚がさかのぼれない川がふえているということが問題になっております。調査によりますと、河口から上流、うんと上流ですね、上流端まで全く横断工作物がないのは北海道の三つの河川ということですね。で、魚類の遡上を妨げる工作物がないのがこの三つの河川を含んで十三河川ですか、調査区間の中で。それから、遡上可能区間の割合が一〇%未満が調査区間の中で六つの河川というふうに認識をしているわけでありますが、環境庁、間違いがありませんか。いかがですか。
  201. 小原豊明

    ○小原説明員 環境庁では全国の自然環境の現状を把握するという観点から、おおむね五年置きに自然環境保全基礎調査を実施しております。第三回自然環境保全基礎調査の一環としまして河川調査も行いました。この調査は全国の一級河川等百十三河川を対象にいたしまして、河川の自然性とか人工化といったものを対象に調査したものでございます。  このうち、先生指摘ございましたけれども、魚の遡上できるようなものはどうかというような観点から、河川のダムとか堰堤とか横断工作物の設置状況についても調べました。先生先ほど御指摘なさいましたように、全く横断工作物のない河川は、北海道と沖縄とで三河川でございます。それから、横断工作物がありましても上の方まで完全に上れるものが十河川ということで、九〇%まではさらに九河川というようになってございますけれども、一〇%未満しか行けないというのは六河川。全体の平均でいきますと、大体六〇%まで遡上可能だというような調査結果が出ております。
  202. 辻第一

    ○辻(第)委員 そういう状態でございます。  建設省にお伺いいたしますが、私は、河川は、利水治水の面からダムなんかの工作物を設置することについて否定するものではありませんが、魚がさかのぼれる河川ですね、このことは国民にとって極めて望ましいことであります。結局、河川にこういう横断工作物を設置するときは、できる限り魚の遡上を妨げない構造にしていただく、また、魚道を確保していただく、こういう対応をしていただきたいというふうに考えるわけでありますが、御所見を伺いたい。
  203. 萩原浩

    萩原政府委員 お答えをいたします。  先生指摘のように、河川の利用が治水も含めまして大変高度化してまいりまして、河川に横断工作物がたくさんできておる実態にあることは御説のとおりでございます。私どもも、せきやゲート構造の比較的堤高の低いダム等、横断構造物をつくりますときには、できるだけ魚の遡上に有効なような魚道設置に努めてきているところでございます。  ただ、山間部の非常に堤高の高いダム等につきましては、魚道の設置が現在のところ技術的になかなか困難でございますので、そういう場所については漁業補償等で対応しているところもありますが、私どもとしましては、高いダムにつきましてもできるだけ魚道の設置が可能になることが必要なことと考えておりますので、技術的な検討を続けていこうと思っております。
  204. 辻第一

    ○辻(第)委員 次に、東京駅の駅舎保存の問題でお尋ねをしたいと思うのですが、これは主に大臣にお尋ねをする予定でありましたので、もう今ごろはお越しになっていただいているということだったわけでありますが、いかがしたものか。無理なようですね。――時間がありませんので続けます。  国土庁にお尋ねをいたします。  赤れんがの東京駅の保存、復元をと幅広い人々が集まって「赤レンガの東京駅を愛する市民の会」が結成されました。既に国会でも、自民党から我が共産党までこの問題を取り上げておりますが、私もこの問題をお尋ねをするわけでございます。  国土、運輸、郵政、建設の四省庁が共同して実施をした東京周辺地区総合整備基礎調査というのがございますね。この調査は、八十島義之助氏を委員長とする東京周辺地区開発調査委員会、これは関係省庁や学識経験者、JR、清算事業団などで構成されたようでありますが、ここでの検討を経てまとめられたこの調査報告で、東京駅の取り扱いについてはどのようになっているのか、恐縮ですが簡明にお答えをいただきたい。
  205. 荒木寛

    ○荒木政府委員 東京周辺地区開発調査委員会におきます報告の中で、東京駅舎、いわゆる丸の内口の駅舎の取り扱いにつきましては、この駅舎が国民に愛着を持たれる記念碑的建物である、こういうふうな認識に立っておりまして、現在地において形態保全を図るということを基本方針としてございます。  今後、その具体化に当たりましては、建物自体の耐力診断あるいは土地の高度利用との調和、そういうものを勘案いたしまして検討する、こういうふうになってございます。
  206. 辻第一

    ○辻(第)委員 今お答えいただいたことを要約しますと、現在地において形態保存を図るということだと思うのですね。我が党の上田耕一郎参議院議員が三月三十一日に参議院の建設委員会でこの問題を取り上げました。その中で、三月九日の予算委員会でも中島文部大臣は、ぜひ戦前の建築当時の姿に戻して保存したい、こういうこと。さらに三月十一日、自民党の林議員に対して、大正三年の威容に戻し保存されれば好ましい、このように明快にお答えになっております。石原運輸大臣も、多くの人に喜んでもらえ、納得してもらえる処理をと答えておられます。竹下総理も、中島文部大臣や石原運輸大臣答弁を踏まえて、そういう考えをよく聞かねばならないという思いを新たにした、このような答弁をされているわけでございます。また、上田議員は、東大名誉教授の村松貞次郎さんの意見、日本建築学会の要望にも触れつつ、東京駅について単なる保存を検討するのか、あるいは要望の強い復元、ここまで含めて考えられるのかとただしたのに対して、建設大臣は、調査委員会の結論を待って今後検討してまいりたい、こういう意味の答弁をされております。  その調査委員会の結論、そして調査報告書が出たわけでございます。そこで、調査結果が出た時点で改めてお答えをいただきたいということでありますが、次官からお答えをいただけますか。
  207. 古賀誠

    ○古賀政府委員 ただいま御議論いただいております東京駅舎の問題でございますが、国土庁の方からも御答弁ありましたように、この駅舎につきましては、東京都民というよりむしろ国民的な記念碑的建造物ということで大変親しまれているものでございます。また、御案内のとおり、都市景観上重要なランドマークであるということも、一方では大変高い評価があるわけであります。  そういう中で、復元をして現在地に保存をする、こういった要望の強いこともよく認識をいたしておりますが、調査委員会の方からの御意見等も踏まえまして、建設省といたしましても、駅舎の所有者でありますJR東日本を中心といたしまして、今後復元をして保存すべきかどうか十分検討させていただきたい、このように考えております。
  208. 辻第一

    ○辻(第)委員 まだこれから復元も含めて検討いただく、こういうことですか。
  209. 古賀誠

    ○古賀政府委員 そのように御理解をいただいておきたいと思います。
  210. 辻第一

    ○辻(第)委員 調査の報告は、建物自体の耐力診断を踏まえ、形態保存の具体的な方法を検討する、こういうふうになっているわけでございます。そういうことを進められるということになりますと、今後の作業手順はどのようになるのか、お尋ねをしたいと思います。
  211. 木内良明

    木内政府委員 委員会協議会で一応方向が出ましたので、これはJRが所有者でございますから、政務次官もお答えになりましたように、JRを中心に具体化の方向で方針に従って検討していくということになります。
  212. 辻第一

    ○辻(第)委員 東京駅というのは東京の顔といいますか、日本の顔といいますか、そういうものの一つだと思います。多くの国民があれを復元をし、保存をしていただきたいと要望をされておりますので、ぜひそのように事が進むように御決断をいただきたい。重ねて要望をして、質問を終わます。御苦労さんでした。
  213. 中村喜四郎

    中村委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕
  214. 中村喜四郎

    中村委員長 それじゃ速記を始めてください。  質疑を続けます。滝沢幸助君。
  215. 滝沢幸助

    滝沢委員 大臣、御苦労さまです。そのようにお忙しい大臣を煩わすほどに重要な課題があるわけではありませんが、せっかくこの委員会に参りまして、大臣のお顔を見ずに帰るのも残念と存じまして……。  ところで、あと十分しかないのですけれども、四問お尋ねしたいと思いますので、ひとつこれは禅問答のようにぱっぱっぱっと、こういうふうにお願いしたいと思います。  一つは、大臣、一極集中排除というようなことを言われまして、まことにそのとおり、日本人口の一割以上も東京に集中していることは、甚だこれは危険都市と言わなくてはなりません。それで地方分散、大いに結構であります。  そこで、私はかねがね、これはもう政治の世界にありまして三十年間私の温めている夢なんですが、大体これは自治大臣おいでになっておりませんからなにでありますが、都市というものはどの程度の人口が適切であるか。私は、そういう意味では政令指定都市なんというのは、総身に知恵が回りかね、まことにいかぬと思っておるのですよ。そこで私は、やはり十万以下でも市というものはいかがなものかと思いまして、十万から三十万までだろう、こういうことが、自分がこういう世界に足を踏み入れて三十年間のいろいろと考えてきました結論であります。  ところで、平安京、平城京、広漠たる原野にあれをつくった、まず町をつくったんですね。ローマに行きましたらニューローマ、そして古いローマは歴史的にちゃんと保存して、狭い道路はそのままにしておくということをしているわけですね。そこで私は、全国に十カ所か二十カ所か、それはいろいろとあるでしょうが、何カ所かの十万都市の見本はこれだ、二十万都市の見本はこれだ、三十万都市の見本はこれだというものを、しかも設計を全国民から公募して、碁盤の目もよろしいでしょう、あるいは丸く展開していくのもよろしいでしょうというようなことで、富士山ろくか知りませんし、我々の方の、何といいますか、熊襲の子孫の、それこそ東北でも結構でありますが、こういう荒野に新しい都市づくりをされてはいかがなものか。そして、ここに何年か後に十万人までひとつ入ってください。二十万で何万世帯というようにして、入ってこられる者に対してはそれぞれの措置があってもよろしいと思うのでありますが、これはいかがなものでしょうかな。
  216. 越智伊平

    ○越智国務大臣 まことに貴重な御意見である、かように思います。  しかし、今、人口何万の市が適当であるか、こう言われると、それぞれ特色のある市がそれなりに形成をしておるわけでありますから、政令指定都市から人口三万そこそこの市まであるわけでありますから、それぞれの特色を生かした町づくりをしていかなければならない。ただ、一極集中で東京一極に集中されたことについては、これは何としてでも分散をさせなければいけない。また、各県でいいますと、県庁所在地に、規模は小さいけれども、ほぼ同じような現象が起こっておるのではなかろうか。また、一つの地方についてもそういうことが起こっているのではなかろうか。これを分散させてやっていく。  それから、十万都市の構想をということでありますが、まことに結構なことですけれども、これはやはり企業といいますか、都市の機能がないと形成ができないのではなかろうか、こういうふうに思います。  いずれにしても、今私どもが抱えております問題は、過疎過密を解消して地方分散をし、均衡ある発展をしなければならない、このことについて全力を尽くしておるような次第であります。
  217. 滝沢幸助

    滝沢委員 大臣、アメリカは当然ワシントンの名を記念して首都ワシントン、体制は違いますが、ソ連ではスターリングラードというようなことです。新大宮市も結構でありますが、ひとつ越智市でもつくってちょうだいしますように、全く新しい都市づくりというものもひとつ研究をしてちょうだいできればありがたいと存じます。  そこで、今度は随分と具体的なことでありますが、高速自動車道、我々福島県、新潟県ともども東北横断自動車道というものを大変に要望しておりまして、着々と進めてちょうだいしているのはありがたいことでありますが、この進捗の見通しを簡単に。そして、要はもっと速度を速めてちょうだいしたい。しかも、暫定供用というのではなくて四車線で立派なものを早くという、これは福島県民挙げての声、新潟県も含めての叫びでありますが、ひとつ。
  218. 越智伊平

    ○越智国務大臣 今までの交通網がどうも縦が非常に早くて横がおくれていた。その関係で日本海側がおくれてきている、こういうことになっておるのであります。でございますから、今の横断関係に力を入れて、それから少しおくれております日本海側、これを進めてまいりたい。  それから、今までは大体年間二百キロをやっておりましたが、高速道では二百五十キロに進めていきたい、かように思います。  それから、具体的なことは道路局の次長が参っておりますので御説明をさせますが、できるだけ早く進めるように力を入れていきたい、かように思います。
  219. 市川一朗

    ○市川説明員 私から具体的な進捗状況につきましてお話し申し上げます。  東北横断自動車道いわき新潟線でございますが、いわき市から新潟市に至る延長二百十二キロでございまして、全線にわたりまして整備計画が策定されております。  このうち、順番に申し上げますと、常磐自動車道いわきジャンクションから東北縦貫自動車道郡山のところまで七十二キロにつきましては、現在、設計協議を行っております。それから、郡山から磐梯熱海八キロにつきましては工事を行っておりまして、昭和六十五年度の供用を予定しております。それから、磐梯熱海から会津坂下までの五十三キロにつきましては用地買収及び工事中でございまして、十次五カ年計画終了時の六十七年度までには供用を予定しております。それから、会津坂下から津川までの三十三キロにつきましてはこの一月に施行命令を出しておりまして、三月に路線発表を行ったところでございまして、現在鋭意事業を進めようとしているところでございます。それから、津川から新潟までの四十六キロにつきましては六十年代後半の供用を予定している、以上でございます。  以上、あわせまして、今後とも事業の推進に全力を挙げていきたいと思っております。
  220. 滝沢幸助

    滝沢委員 大臣、詳しいことは抜きにしまして、水の利用こそ今後の大きなる政治課題でありますが、尾瀬分水などという愚かなる計画は、もはや二度と再び言わぬでほしいということであります。これを一言だけお答え願いたい。  あわせまして、私の先輩の校長先生を長く勤めました者が、息子から電話が来た、マンションを買うから金を手伝えというのだけれども、五階、六階なんというところで子供を育ててろくな子供が育つはずがあるか、やはり大地の上に木造の建物に入ってこそ初めて立派な日本人が育つということで、おれは一戸建ての家を建てることにさせたというのであります。それこそ山の中の都市まで最近は高層の公共住宅になり、鉄筋コンクリートになるのだけれども、これを一戸建ての、しかも木造ということに、いわゆる木と土の原点に文化は帰るべきだということであります。この二つ、簡単にひとつお願いします。
  221. 中村喜四郎

    中村委員長 時間が来ておりますので、簡単に答弁をお願いします。
  222. 萩原浩

    萩原政府委員 尾瀬分水計画につきましては、一方で水利用の点で非常に価値があるとおっしゃる方がおられ、また自然保護その他で大変問題だとおっしゃる方がおられ、やはり私ども建設省としては慎重に対応していかなければいけない、そのように考えております。
  223. 越智伊平

    ○越智国務大臣 今河川局長からお答えいたしましたように、十分検討をして、協議をしてまいりたい、かように思います。  それから、住宅の問題ですが、東京都中心の、ここは一戸建ての木造というものが大変難しい、これは御了承いただきたい。将来は地価を下げて進めていきたいと思いますけれども、ただいまでは率直に言って難しいと思いますが、過疎地といいますか、ちょっと離れたところではやはり一戸建ての木造ということで木造住宅を奨励いたしております。でございますから、建築士でも木造建築士というような制度もつくりましてあらゆる方法で木造を進めておる次第であります。これは、木材の需要が非常に減ったという点も含めまして、また日本には、木造でしかも一戸建て、でき得れば平家、こういうことを非常に望まれておる方も多くありますので、そういうことに努力をしてまいりたい、かように思う次第であります。
  224. 滝沢幸助

    滝沢委員 大変賢明な御所信、ありがとうございました。こういうきちんとしたことをおっしゃっていただかなければ、国民はおちおち眠れもしないということでございますから、どうかひとつよろしく御検討いただきたい。  委員長、どうも御苦労さまでした。ありがとうございました。
  225. 中村喜四郎

    中村委員長 柴田弘君。
  226. 柴田弘

    柴田(弘)委員 大臣地元のことで恐縮ですが、堀川の再生の問題。堀川を再生するには三つあると思います。  一つは、民間活力を投入して、そして再開発事業を行う、堀川の納屋橋付近に。これは先日の地方行政委員会で、約七百億のお金がかかる、その大体一割から二割ぐらいが建設省の補助対象事業である、だから積極的に支援をしてまいります、こういうふうなお話がありました。その点が一つ。  二つ目は、名古屋市が堀川懇談会の提言を受けまして――堀川はヘドロが多いわけです。護岸もしっかりしておりませんので、護岸整備あるいはヘドロの除去、いわゆる浄化をしていかなければならない。その提言を受けまして堀川総合整備計画を昭和六十四年から八十五年まで、来年名古屋市は百周年記念になりますので記念事業としてスタートしよう、これが二つ目です。  三つ目は、問題の流況調整河川木曽川導水事業、木曽川から堀川へ水を導水する事業。  この三点が堀川再生には必要であると思います。大臣の取り組まれる姿勢、御決意、まず簡潔に御答弁をいただきたいと思います。
  227. 越智伊平

    ○越智国務大臣 今先生のお話の堀川納屋橋ですか、この問題につきましてはかねてから非常に強い要望もありますし、御意見をいろいろ伺っております。近々、この国会が終わりましたら現地を一回見せていただいて、積極的に進めてまいりたい、かように思う次第であります。  都市の再開発とかこういった問題、できるだけ国の負担も多く見て助成をして、よりよい町づくりに努めてまいりたい、かように思う次第であります。
  228. 柴田弘

    柴田(弘)委員 そうすると、今私が申しました三点を積極的にやっていただける、こういう判断でよろしいですか。
  229. 越智伊平

    ○越智国務大臣 積極的にやってまいります。
  230. 柴田弘

    柴田(弘)委員 ところで問題は、これは農水省からもう一回大臣にわかりやすく答弁していただきたいと思いますが、木曽川の導水事業は河川法七十条の二によって、要するに関係機関と協議をしなければならない。ところが、農水省、愛知県の農林部そしてその関係団体である利水団体といいますか土地改良区がまだ同意をしてない、だからなかなか進捗できない。これはもう既に昭和四十七年に国の直轄事業として採択され、五十八年から六十九年にかけて事業を実施するということになっておるわけであります。現在、あれから何年かたちましたが、まだその木曽川導水事業は着手されていないわけであります。  そこで、いろいろ農水省はデータを要求していらっしゃると思います。今まで建設省の方は局長が出していますよとおっしゃったが、その二つのデータではだめだ、あと三つ必要なんだ。そこら辺のところを具体的にわかりやすく。そしてもう一つは、そのデータを出していただければ改良区との話はうまくいきますよといった点をひとつここで説明していただきたいと思います。簡潔にお願いします。
  231. 東諄

    ○東説明員 御指摘の点でございますが、先ほど申し上げましたけれどもさらに詳しく申しますと、そのデータは、木曽川の流況データ、それからその流況との関連におきましての既存及び計画中の水利用、それから木曽川導水事業としてどの時期にどれだけの取水をしようとしているのかわかるデータでございまして、その資料の提出がございますれば地元土地改良区の理解が得られます。先生の御指摘の早期着工に向けて協議が成立しますよう、今後とも私ども努力いたしたいと考えております。
  232. 柴田弘

    柴田(弘)委員 もう一つ、今までもらった二点のデータについて。
  233. 東諄

    ○東説明員 従前いただいてございますデータにつきましては、一点が、木曽川成戸地点の豊水流量、渇水流量などの概括的な流量、それから二点目が、河川維持用水として取水します導水の日数だけでございます。
  234. 柴田弘

    柴田(弘)委員 そこで、大臣がお見えにならぬときに河川局長とやりとりしました。データは出したとおっしゃいましたが、今お聞きのように、出たデータは木曽川の成戸地点の流量、これは昭和二十三年から四十三年までの十九カ年の平均流況です。豊水流量から平水流量いろいろあります。それからもう一つは、木曽川導水事業というのは余剰水が毎秒五十トン以上あるときに五・三トン導水するということですから、その日数が昭和二十三年から四十三年まで十九年間にわたって出されているわけだ。この二点のデータだけしか建設省は出していない。ところが今お聞きのように、一番問題の改良区を説得するには三つのデータがいると農水省がおっしゃった。ところが、私が河川局長に出しなさいと答弁を求めたら、それは見解の相違です、だから出しません、こうおっしゃった。大臣、どうですか、出しませんか。
  235. 越智伊平

    ○越智国務大臣 やりとりのあったのは私聞いておりませんけれども、出す、出さないの問題、あるいは必要である、ないの問題いろいろございましょうけれども、建設省と農林省の関係でございますから、日本国政府は一つでございますから調整を図りまして進めていくようにいたしたい、かように思います。必要があれば出すし、また両万が話し合って、この点でどうかということを進めてまいりたいと思います。水利権の問題等が絡みますと大変難しい問題がございますから、そこらの両方が協力し合って前を向いて進んでいくようにやっていきたい、かように思います。
  236. 柴田弘

    柴田(弘)委員 本当にありがたい答弁、河川局長よりはちょっと前進をしました。  建設省から出されたデータは、先ほど言いましたように、五十トン以上の余剰水のある日数は、例えば昭和二十三年は二百六十四日、これは四月一日から十二月三十一日までですから、一月、二月、三月が入っていませんから少ない。それから、例えば昭和四十二年は二百九十七日間ある。その前年の四十一年は三百三十九日、こういうデータが出ているわけです。そのデータを出す基礎資料というのはあるはずなのだ。それが今農水省がおっしゃった三つのデータなのです。農水省、どうですか。
  237. 東諄

    ○東説明員 御指摘のとおりでございます。
  238. 柴田弘

    柴田(弘)委員 私は、何も公表しなさいとまでは言っていない。なぜそのようなデータが出せないのか。この話し合いは昭和六十年からやっているのですよ。そして私が、忘れもしませんが昭和六十一年三月六日、予算委員会の分科会で時の建設大臣江藤隆美氏に対して質問をいたしました。柴田さん、魚が堀川を泳ぐようになればすばらしいことです、もう一日も早くやりますよ。そして、今どうされたか知りませんが当時の河川局長である廣瀬さんが、六十一年度で計画即実施だということまでおっしゃった。あれから二年たっておる。なぜにできないのだろう。一度ごらんになられるそうでありますが、北区の上の方へ来てもらいますと、堀川はどうなっているかというと、草がぼうぼうに生えている、そして水の流れはほとんどない。下流の納屋橋、そして来年名古屋市が百周年記念でデザイン博をやる予定地の白鳥地区はヘドロと臭いにおいで何ともならない。そういう状況です。見ていただくとわかります。  だから、私はここできちっと大臣に確約をしていただきたいのですが、この基礎資料になる日数のデータ、何も世間に公表しなさい、新聞に発表しなさい、あるいは私に見せてくださいと言うわけじゃない。それは簡単なのです。あるはずなのです。それを農水省に出していただいて、そして今大臣がおっしゃったように一日も早く調整してやっていただきたい。でき得れば、この年度内に通産省、農林省が話を調整していただいて、来年の名古屋市百周年記念に、今の総合整備事業も六十四年度にスタートいたしますから、木曽川導水事業に着手できるように私は心からお願いしたいと思いますが、いかがですか。
  239. 越智伊平

    ○越智国務大臣 よく調べて調整をいたします。えてしてお役所同士でこういういろいろ意見がある場合もあります。これがどちらがいいとか悪いということではなしに、事業そのものが前を向いて進むように努力をいたします。話がつかない場合には大臣に話をしまして大臣同士で話をいたしますから、どういう資料がどうなっておるのかは別としまして、調整をしていくように努めてまいりたい、かように思う次第であります。
  240. 柴田弘

    柴田(弘)委員 六十四年度から事業実施ができるようにやっていただけますか。
  241. 越智伊平

    ○越智国務大臣 六十四年度から事業が実施できるかできないか、それは今ここで、もうちょっと検討させていただかないといけませんが、前進させるように努力をいたしたいと思います。前進するように、ここでお約束したらお約束したことだけは絶対間違いなくやらなければなりませんので、総体的に検討をさせていただきたい、かように思う次第であります。
  242. 柴田弘

    柴田(弘)委員 あと五分になりましたので、大臣に重ねてくどいようですが、農水大臣ともお話を調整をして前向きにこの事業が進むようにこれから対応したい、六十四年度という時限は切れない、こういうことですね。私も六十四年度からやりなさい、やるべきだ、やらなきゃけしからぬぞとそこまでは申しませんが、せっかくそういった前向きな調整をするなりあるいは前進をさせたいというお話があれば、何とか、お願いでございますが、六十四年度を目途に最大限の努力だけはひとつしていただきたい、これをお願いをしたいと思います。大臣答弁を伺って質問を終わります。どうでしょう。
  243. 越智伊平

    ○越智国務大臣 努力をいたしたいと思います。
  244. 柴田弘

    柴田(弘)委員 以上です。ありがとうございました。
  245. 中村喜四郎

    中村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十一分散会