○木間
委員 引き続いて
土地区画整理法の一部
改正案について幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
区画整理法の制定以来今日までの流れを振り返ってみますと、従来の
区画整理事業は、災害復興なり戦災復興のために進められてきております。ところが、近年の
区画整理事業の手法を見ておりますと、今ほど大臣の方からも幾つかの局面でお述べになったんでございますが、公共用地を生み出すためにとかあるいは優良な
宅地を
供給するために、このように受容されておると言っても言い過ぎではないと思いますが、そのように
性格が変わってきておるのが特徴であろうと思います。
若干経過をたどって申し上げてみますと、明治五、六年に
東京で大火災がありまして、それを受けて
東京市は、
東京市区
改正事業を本格的に取り組んでおります。これが
区画整理事業の始まりだろうと私は思っておりますが、大正十二年の関東大震災、これを受けまして震災復興
区画整理事業を取り組んでおります。また第二次大戦後は、全国的に戦災に遭ったわけでございますから戦災復興
区画整理事業が取り組まれてきたのであります。
これらを要約いたしますと、大規模な災害で破壊された町を復興させよう、こういうことであったと思いますし、また昭和二十九年に本法が制定されたのでありますが、その第一条の目的にもこのことを明記をしております。「
土地区画整理事業に関し、その
施行者、施行方法、費用の負担等必要な事項を
規定することにより、健全な
市街地の造成を」図るんだ、こう実は言っております。当時の国会のやりとりを見てみましても、健全な
市街地の造成とは何ぞや。災害を防止すること、交通の安全を確保すること、さらに衛生上良好な環境を整備すること、このように実は議論の中でも明らかになっておるところでありまして、文字どおり制定の精神は、このような
市街地をつくることによって公共の福祉の増進を図るんだ、こうなっておるのがこの
事業の明記すべき特徴であろう、こう私は判断をするものであります。
ところが、近年各地で行われております
区画整理事業は、都市災害から国民の生命財産を守るということよりも、街路
事業あるいは公園
事業などに必要な公共用地を減歩方式で手に入れるという手法、あるいは
住宅不足、
宅地不足、それらを解消するために優良な
宅地供給の手法にしよう、こういうことになっておるのでありまして、私は極めて残念だと言わざるを得ませんし、
宅地をつくろうというのも、昨今の政治状況の中で極めて急を要するものでありますが、それらの手法は別の法立て、たくさんの立法がされておりますから、だから、あえてこの
区画整理事業法を利用すると言ってはちょっと言い過ぎかもしれませんけれ
ども、ちょっと違うんじゃなかろうか、こう思えてならぬのでありますけれ
ども、建設省のお
考えをまずお聞きしたいと思います。大臣のお
考えで結構です。