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矢追委員 それでは、
都市再
開発法でございますが、この第一条には「この
法律は、
市街地の
計画的な再
開発に関し必要な事項を定めることにより、
都市における
土地の合理的かつ健全な
高度利用と
都市機能の
更新とを図り、もって公共の福祉に寄与することを目的とする。」非常に立派な文章が出ておりますが、昭和四十四年にできて今日まで何回か
改正がされ、今回また
改正ということになっておりますが、この再
開発法ができてもう十九年になるわけです。これがこの十九年間でどれくらい効果があったのかどうか、この点をまずお伺いしたいと思います。
〔野呂田
委員長代理退席、
委員長着席〕
と申しますのは、私の地元でございますが、阿倍野区というところがございまして、阿倍野
地区の再
開発がずっと進んでおりまして、昨年B棟というのが完成をいたしました。その裏の方の
住宅も大変ごちゃごちゃした
環境の悪いところでございましたが、今でいう立派なマンションが建ちまして、もう
一つは下が商店街、上が
住宅というのができまして、そごうさんという百貨店も入っておるわけですが、残念ながら、昭和五十一年から七十年までの
計画でございますけれども、まだ全体は完成を見ておりません。あと七年しかないわけです。ところが、肝心の阿倍野の天王寺駅に近い方のAという
地区の
部分の方が全然今のところ動いていないわけですね。現在できたところでいろいろな問題を私も聞いておりますけれども、
一つの問題は、せっかくきれいになったのですけれども、最初はお客さんがいっぱい来ましたけれども、今のところお店が余り繁盛していないのです。それからすぐ出ていかれる方もあるという
状況で、できたところについてはまだまだ大変。これは全部完成しないとだめですし、仮に完成したとしても阿倍野そのものの人の流れというのが昔とは大分変わってきております。そういう問題。
それから、住居と店舗を一緒にした場合、これはいいか悪いか議論の分かれるところだと思います。ある
程度は必要だと思いますが、特に百貨店なんかが入った場合は上に
住宅があると困るというのですね。何で困るかといったら、バーゲンセールをやるとか大売り出しやるときにはでかい垂れ幕が出せぬらしいですよ、上の住民が反対して。だから困る。そんなこともありますし、そういう一階、二階あるいは地下に店舗があって上に
住宅があるというところ、必ずしもいい面ばかりではない、悪い面もある、そういった面をどう克服していくのか。それからもう
一つは、やはり交通網。ここは地下鉄の駅があるからまだいいですけれども、交通網が整備されないと問題が出てくるのではないか。
それと、私は最初に大阪市の方にも言ったのですけれども、阿倍野区というのは人口が全体的に減っておるわけです。ところが、その
地区は全然人口をふやさないわけですよ。せっかくすばらしい
住宅に切りかえるのなら、全部平家だったわけですが高層になるのだからふやしたらどうだと言ったら、どうもぐあい悪いのですとかなんとか言って、結局その
地区は大体人口は同じなんです。建てかわった分と入る人と大体一緒なんです。ふやしたらいかぬという——先ほど言われたようにだんだん
周辺へ行くわけですから、駅から二、三分のところで非常に便利だから私は入る人はいっぱいあると思うのですね。ところがふえなかった。そういう問題もありますし、あとの
地区が進まないのは地主さんが非常に頑張っておられまして、そうやっているうちにどんどん
地価も上がってくるわけですね。これは余計非常に問題が起こっております。
こういう再
開発、まだまだ問題はいろいろあろうかと思います。特にきょう議論されているのはどちらかというと
工場なんかを
対象とされたようなところですが、今私が問題にしているのはもう本当の
中心の、いわゆる玄関どころの再
開発です。大阪の梅田の方も裁判ざたになるような問題がありまして、住民との話し合いといいますか、そのことと、それから私先ほども言った、全国的にもそうですけれども、その
地域のそこだけ見ているとちょっと失敗するような面があるのではないか。もうちょっと広い
範囲での問題、交通のこととかそういうことも
考えていかなければいかぬのじゃないかと思うのです。この再
開発の哲学といいますか、過去十九年間の実績を踏まえた上で今後どう反省しどう持っていくのか、建設
大臣の大まかな所信をお伺いしたいと思います。