○中島(武)
委員 それは違うと思いますよ。保有
面積が別にあるのじゃないですか。
私、これもまたいろいろ調べたのです。そうしますと、何とこれは、同じく神奈川県ですけれ
ども、茅ケ崎市の香川というところですが、相模鉄道が持っているのです。それで保有
面積は八ヘ
クタールなんです。ところが、二十五ヘ
クタール開発するという
計画なんです。それから、同じくさっきちょっと言いましたけれ
ども野比ですね。ここは京浜電鉄ですけれ
ども、五十六・二ヘ
クタール持っているのですが、
開発計画面積は八十二・七ヘ
クタール。それから、長沢
地域というのがあるのです。これも調べてみると四十九・六ヘ
クタールしか保有していないのですけれ
ども、
計画面積は七十八・七ヘ
クタールなんです。それから、池上というところがあります。西武鉄道が保有しているのですけれ
ども、九十八ヘ
クタール持っているのだけれ
ども百二十三ヘ
クタール開発するというのですね。その他その他等々なんです。
それで、私はこれは重大な問題だ、なるほどここに
計画面積というふうに書いてあるのは、理由があるのだということを思いました。
それで、これは保有
面積と
計画面積、保有しているよりも
計画面積が少ないというならば常識的にはわかるのですけれ
ども、そうじゃなくて、保有しているものより
計画面積の方が大きいわけです。つまり、これは
周辺を買い取って一体に
開発しようという
計画だということがわかります。これはもうしばしばやられていることですから別に驚くことはないのですけれ
ども、しかし、こうなりますと、
周辺にどんどん買いに入るということになって、これがまた地価の高騰を招く、それははね返って保有しているところもまた高くなる、造成すればさらに高くなる、こういう問題が起きてくるのではないかということなんです。
それで、先ほ
ども言いましたけれ
ども、
優良宅地開発を行ったら非常に高いものになるという例を申しましたが、今私が例を上げた中で言いますと、これは神奈川県茅ケ崎の香川、下寺尾地区の
調整区域の
土地です。現在保有している企業は、さっき申しましたけれ
ども相模鉄道です。それで、購入に着手したのはいつかというと
昭和四十五年の一月ごろです。このときに幾らで買ったか、一平米当たり七千円です。ですから、坪で言いますと二万三千百円なんです。ところが、この
土地に隣接する市街化
区域の
土地は一体幾らか。これはことしの公示価格です。発表された公示価格によりますと、中通で一平方メートル当たり二十四万円、原という
地域で一平方メートル当たり二十五万円。そうすると、もうすぐ隣接しているところですから、坪当たり七十九万円とか八十二万五千円とか、こうなるのです。そうすると、当初の買い取り価格の三十四倍、三十五倍ということになるのですよ。
こういうことからいうと、
宅地提供をしようと思っても非常に高いものになるし、それから、
調整区域に
土地をたくさん持っていてなかなか動かなくて非常に困っていた、陳情に相努めて何とか動かしてください、大企業の諸君が言ったではないですか。そうすると、動かないで困っている
土地を今度動かしてやる。それも、今申し上げたように、取得価格と比べてみたらとてつもないものになってしまう。しかも、それが非常識だとは言えないのです。なぜならば、そのすぐ隣接している市街化
区域の、これは公示価格ですよ、実勢価格ではないですよ、公示価格なんです。それから、まだ
宅地造成をやってないのです。やったらもっと上がることは明瞭ではありませんか。
こういう点でいうと、これは
宅地供給と言うけれ
ども、勤労者のための
宅地供給になるのだろうか。それから、これを持っている大きな企業のもうけを保障するものと言われても抗弁のしようがないのではないかと思うのです。