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薮仲委員 私は、
公団家賃の
改定に関しまして、
大臣並びに
建設省、
公団総裁初め
公団の
方々に何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
先般も
大臣とは
住宅の問題で少し論議をさせていただきました。きょう重ねてまた
大臣の見解をお伺いさせていただきたいわけでございますが、重ねては申し上げませんけれども、きょうは
公団総裁がお見えでございますから、そのことを思い起こしながらお話をさせていただきます。
あのとき私は、
東京の二十キロ圏では一戸建ての供給はもうゼロになってしまった、サラリーマンは遠距離しか買えない、
東京ではもう住むところがなくなっちゃったのかな、五十キロ圏まで行かなきゃならない、戸建ては断念しなきゃならない、こういう実態であると。さらに、これを解決するために、土地臨調であるとか
東京都としてはいろいろ心を砕かれている。
東京都知事は、
東京副都心構想の中で、良好な
住宅を建てよう、その
目的は何かというと、いわゆる公的なものはすべて賃貸にする、こう言っているわけですね。
そこで私は、今の
建設省の
手法の中で、これはもう総裁は御存じだと思うのですが、公営、
公団、民賃とあるわけでございますけれども、今の公営の法律でいきますと、一種、二種で
所得制限がかかってまいります。十万から十六万五千円です。そうしますと、先ほど来お話のある五分位の中の第一、第二分位、この辺を目指したのが公営でございます。きょう論議をする
公団は第三分位の中位でねらっているところでございますけれども、今申し上げたように、
東京都では総裁も御存じのように、勤労者の
所得からいって十六万五千円という
所得で公営に入れる方はほとんどいらっしゃらない。じゃ戸建てを建てようと思ったら建てられない。じゃ今度は
公団にという問題になっておるわけでございます。
大臣、さっき私は総裁にもお話ししたし、
参考人の方にも言ったのです。かつて数年前、私がここでこの
公団の
質問をしたことがあるのです。そのときの新聞とそのころのいろいろな書かれたものを読んでみたら、何と
公団に対しては、高い、遠い、狭い、高遠狭という批判が出ている。当時は、
公団は高過ぎるとたたかれたのです。きょうここで論議するのは、
公団は安過ぎるという話なんですね。
これは、私は先ほど
参考人に申し上げたのです。確かに安いかもしれないけれども、変わったのは、
建設行政は変わったわけじゃない、これは少なくとも法律に基づいてやってきた、変わったのは地価が急騰したんだ。私も地方でございますから地方の実感で言いますと、私は静岡ですけれども、
大臣は愛媛ですね。私のところで
公団がまだ安いという実感はわかないのですね。
公団も並みぐらいかなという感じを我々受けているのです。余り上げない方がいいよ、こう思うのです。しかし、
東京へ来ると、先ほどもお話があったように、
赤羽台の
団地の話が出てきまして、かくかくしかじかだ、安過ぎるという
参考人の方の御
意見でした。それは、この
公団の
家賃をお決めになる専門
部会のお二人の御認識だったわけです。私も振り返りますと、確かに何年か前は
公団は高過ぎるということであった。しかし今自分の地元へ帰って——私はこの
質問をするために地元の
公団へ行ってまいりました。我々反対ですけれども、今自民党は税制改正をやろうというときに、税調の方は
全国回られておられます。あなた方
参考人は、
公団の
家賃を変えるのだったらば、少なくとも
公団の方の住んでいらっしゃるところへ行ってみて、そこからこの
家賃はどうすべきかと思いをいたすべきだと私は思うのです。私も
大臣も政治の場におりますから、私はやはり現場に行って、御婦人の方の
意見を聞きました。そして、ああ、なるほどなと思って、きょうここに
質問に立たさしていただきました。後ほどそのことは具体的に申し上げますけれども。
こういう高遠狭という時代が、今は安過ぎると言われておる。しかし、国の行政は立派にニュートラルで来たわけです。
東京の土地の値上がりが異常であったのです。ですから、今度竹下内閣の最も大事な
建設大臣は、地価を下げるという土地臨調の答申を六月ごろ受けられると思うのです。土地を下げろというのですよ。今までよりも下げろ、
住宅ももっと安くしろ。だったらば、今ここで論じなきゃならないのは、そのためにどうするか、むしろ公営や
公団が、周りが変わったことによって安過ぎると言われている面がないかどうか、クールに
見直ししてみることも非常に大事かなと私は思うのです。
と同時に、これは総裁、私が考えていただきたいのは、公営という法律の中では
東京都民が入れない。
公団も、今これから出てくる新築の
公団には入りにくいのです。これは後ほど具体的に数字で申し上げます。そうしますと、戸建てはできない。
東京都民は一体どこへ住めというのか。
建設省というこれだけしっかりした行政機関がありながら、都民のために
東京都が何にもやってくれないのか。都知事はこうやって公的な賃貸を建てると言うけれども、国の根っこにある公営あるいは
公団という法律の中で、公営の方は非常にやりにくい問題も出てくると思うのです。
公団の方はいいですよ。そうしますと、私はやはり先般も
住宅局長に言ったのです、公営法を
見直して、公営あるいは
公団がどう働くかをここで最も考えるときじゃないか。
さっき総裁が同僚
委員への御答弁の中で、土地が高過ぎて
公団がおうちをつくれない、こうおっしゃった。私は聞き違いだろうと思っておるわけでございます。そんなことはない。できないはずがない。総裁初め
公団には練達の、また本当に
住宅政策に詳しい
方々がたくさんいらっしゃる。我々よりもはるかにプロです。私、あのとき申し上げた。
東京都にうちが建てられないと言うけれども、なぜなんだ。例えば土地担保賃貸をやろうとしますと、御承知のように
建設省の五百平米というところにひっかかって土地担保賃貸を使えないのです。荒川だ、江東だ、墨田だ、ああいう木造の連檐しているおうちが建て直そうとするとき、
住宅金融公庫の貸し出しは減っているのです。高過ぎて建てかえできない。そこで、そういう土地を持っていらっしゃる方が公庫融資なりなんなり使おうとしたときに、五百平米というあれで使えないのです。今度
公団さんに
お願いしようというときに、
公団さんはおおむね千平米です。もう
一つ条件がついているのです、十二戸とついているのです。こうなってくると、では都民の人が快適なうちを建てようと思うときに、国の施策は何の恩恵もないわけですよ。できないのです、やろうと思っても。ですから、この問題、私は後で総裁に聞きますけれども、考えていただきたい。
ならば、公営、
公団が、今こそ我が世の春だ、今までは冬だった、でも今こそ——さっき
参考人の方の御
意見が、余り安過ぎる、安過ぎると言うものですから、私はもう一回
公団法を持ってこさせて、帰って自分の
会議録を読んでみた。やはり高遠狭だったのです。この
公団法にはこう書いてあるのです。「健康で文化的な
生活を営むに足りる良好な
居住性能及び居住環境を有する集団
住宅及び宅地」の提供が書いてあるのですね。最後の方に「
国民生活の安定と福祉の増進に寄与することを
目的とする。」私は、総裁は、今こそ
公団が出る幕が来たぞ、あの都知事もああ言っている、土地臨調もああ言っているんだ、今こそやるのは公営、
公団だ、今我々が出ずしてだれがやるかと言って、今こそ
東京都の問題は一手に引き受けるようなお気持ちでいいと思うのです。
やりようはあると思うのです。例えば、今言った面積要件は切っていただく。例えば、お年をとられた方には優遇
措置がありますが、でも、実際は若くたって、三十代、四十代だってお父さん、お母さんからもらった土地を持っている方もいるんです。その方が大きな
団地を建てれば——
公団さんだって、今
家賃の
値上げで困っているんですよ。嫌になってしまう、こんなことを毎回やられたのじゃ。たな子さんも困るけれども、家主も困る。それと同じように、全然借家の管理能力の経験のない方が五十戸、六十戸なんといううちを、あるいは十戸でも持って、変な方が入ってきたらおじいさん、おばあさんにとってはたまりません。そこで、一戸、二戸でもいいですよと言えば、おじいさん、おばあさんの老後のためにできると思うのです。
我々公明党は、前からセミパブリック、土地を持っている方が小さい土地でも有効に使えるように何とかしてあげたらどうですかと。これは総裁もう御承知ですからあえて言うまでもありませんけれども、
東京都の都民の土地持ちが一番持っているのはどこなんだ。
建設省の言う五百平米以上の土地を持っている方は本当にごくわずかです。一けた違うのです。一番持っているのは百平米未満、百から二百平米でほとんど五割なんですよ。だから、その百平米、二百平米あるいは三百平米のところに有効適切にきくような施策をやれば、黙っていてもそこにノーハウを知っている
公団さんが建てかえをやりましょう、セミパブリックで公的な資金を入れたのですから
家賃は上げないようにしてください、そのかわり、あなたの住まいの部分と、お貸しするのは一居住区、二居住区でもいいです、そして、知り合って気が合った人を入れても結構です、安くしてくださいよ、こう言えば、都民の方も快的な住環境に住めないわけはない。
また、御承知のように、今国有財産も信託ができるのです。
公団は信託のノーハウも持っていらっしゃるし、いろいろとできるわけです。私が
お願いしたいのは、今こそ総裁が今まで蓄積したノーハウを生かして、この
東京都の難局は
公団に任しておけという時代が来たのじゃないかと思うわけですね。そういうことを含めて
大臣と総裁に今最も公営を先行させて
国民が望んでいるような
東京都を活性化させるというふうにしていただきたいと私は思うのでございますが、
大臣と総裁の御決意を最初に……。