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薮仲委員 私は
公営住宅法とか
公営住宅の
家賃の設定とか、そんなのはわかっている。わかっているとは申し上げませんけれ
ども、何回も論議したわけです。だから、それじゃ入れないでしょうと言っているのです。さっきちょっと
数字を間違えましたけれ
ども、
建設省の
資料でやった方がいいのですが、第一種
公営住宅は「十万円以上十六万二千円以下」「十九平米以上八十平米以下」、これは六人以上ですからね、ここに書いてある。ここに書いてあるとおり読みます。第二種は「第一種
公営住宅の
家賃を支払うことのできない
程度の低額所得者」となっているわけです。さらに、ここは明け渡しの金額が出ているわけですが、それはさておいて、ここで
建設省は三人を標準
世帯としているわけですね、普通大蔵省なんかは四人のところを標準
世帯というわけですけれ
ども、四人の
世帯で見ますと、一種の
年収は四百六十九万九千九百九十九円、いわゆる割り増し料率を掛けても五百三十三万一千九百九十九円、これは
建設省の
資料ですから、さっき労働省の
資料で言ったように三十五—三十九歳の人は五百五十九万一千九百円ですから追い出されるのですよ。出ていきなさいと言われるのです。ですからこの辺のところは、今おっしゃったことはわかっているのですけれ
ども、
公営住宅の中で少し検討を加えていかないと、都民のために、さっき言った
住宅金融公庫のお金も使えません、
公営住宅も入れません、その次私は
土地担保
賃貸の話へこれから進めますが、それも使えないのですよ。すると、
建設省の目玉となるような
住宅政策が、公庫
融資はだめですよ、
公営はだめですよ、土賃もだめですよ、こうなってきたら、
東京都の人は勝手に自力でやっていけということになりますよ、ですから
住宅政策を本当に根っこのところから洗い直さないといけないのじゃないですかと私は論議しているわけです。
それで、どんどん時間がたってしまいますから、この次はどうしたらいいかという話をしておかなければいけません。ここに建設経済研究所の提言があるわけですが、これは非常にいいことが書いてあるのです。ここの中で
住宅局長にお願いしたいことがあるのです。この提言の中で、
住宅及び
住宅環境については抽象的な
目標ではだめです、こう言っているのです。じゃどういうのかというと、
住宅は入れます、安くなります、こうなりますというようにはっきり言いなさい。
供給対策として信頼に足る
供給体制が必要です。第一番目には、これはちょっと記憶しておいてください、
価格と場所と量を明確にして
土地の
供給プログラムを
国民に示しなさい、これが大事です。それから、
供給の可能性が需要を上回ることを明確にしなさい。これは
国土庁の方がいらっしゃってて、きょうはやめますけれ
ども、白書やいろいろな報告書の中にちらっと書くとオフィスビルがぐっとふえたというほど
国民はこういうのを見ているのです。ですから、
供給の可能性が需要を上回ります、これは非常に重要なんです。足りないというと
値上がりするのです。それから、
東京都などが臨海部を業務用じゃなくてむしろ極力
土地を原価に近い、ここには二—三万と書いてありますけれ
ども、大量に
住宅を
供給する、むしろこれからは自治体が
住宅市場をコントロールできるぐらい家を持った方がいい。この
供給量は四LDKで三十万戸
供給可能ですよ。それで、もしも三千ヘクタールをすべて
住宅にすれば、
土地代は埋立費でゼロに近い。坪二、三万、高く見積もっても一戸当たり二千五百万で
取得が可能ですよ。こういうことをずばっと出されますと、これしかも場所はここです、こうです、こうやりますというプロセスをきちっとしておけば
国民は納得できるし、なるほどなと思うのですよ。
しかもこの提言の中には、
東京臨海だけじゃなくて、あるいは問題になっている市街化
区域の農地についてはこれぐらい出てきますよ、あるいは都市の再開発でこうやって出しますよ、これは
建設省なら私はできることだと思うのです。この提言に本気になって取り組まれて、本当に
住宅の
供給ができないのか、
東京に
土地がないのかどうか、調べてみる必要があるんじゃないか。本当にできないのか。
建設省がギブアップは絶対しないと思うのですよ。中途半端にやっているから
国民が苦しむのであって、ドラスチックにやるぞと決めて、本気になって
住宅政策にここで取り組まれて、来年の施策の中に盛り込んでいただきたい。
どうやったらできるか、これは提言は全部出ているのです。今さらここで私が言うまでもないのです。ただ、何点か、行革審の
答申の中にもあるのですけれ
ども、国公有地の問題が出てくるわけです。清算事業団の持っている
土地も上がっております。あるいは老朽官舎あるいは公務員の
皆さんがなぜあんな劣悪な
住宅にいなければならないのかという場所もあるわけです。思い切って建てかえた方がいいと思うのです。
でも、そのときに一番根っこにあるのは建築
基準法なんです。一種住専を二種にしろなんてよく叫ばれた方もいますけれ
ども、したって無理なんです。建築
基準法という
法律が根っこにある。前面の道路の制限がかかってきます、北側の斜線制限がかかってくる、
商業地以外は日照権四時間がかかってくる、高さを上げようとしても上げられないのです。やはり
首都圏において、規制緩和という言葉ではなくて、根っこにある建策
基準法をどうするか、そこもしっかりにらんでいただいて、容積率をただ上げるといえば、地上げ屋さんは容積率が倍になれば地代を二倍にしてくるのです。そうではなくて、建築
基準法そのものをどうすれば
東京都で高層の
住宅が建つか、また住民の納得などができるか、その辺のところも考えなきゃならぬ。
国公有地も、国有地の信託法も通っているわけですから、信託に対してどうするか、これも本当に
建設省が
中心になって、信託して
住宅に提供できるのはこのぐらいありますよ、ずばっと言った方がいいと思うのです。清算事業団の持っているのはこれだけです、これは国としてやります、国公有地はこれだけあります、これもやるようになります、こういうことを
建設省がおやりになれると私は思うのですね。これが一つだと思うのです。
それから、
土地担保
賃貸の話にこれはしたいと思うのですけれ
ども、
土地担保
賃貸というのが、非常に
建設省というのは今度の
法案も、後ほどお伺いしますけれ
ども、規制緩和じゃなくて規制がお好きなんですね。どうしてこうお好きな官庁かと思って不思議でならない。あれは親孝行ローンじゃないですよ。私は後で大臣に聞きますけれ
ども、なぜあんな規制をつけなければだめなんですか。本当に親不孝ローンじゃないけれ
ども、余り賛成してないのです、これは別ですけれ
ども。
土賃の問題で、例えば面積要件が五百平米というのですよ。
東京で五百平米以上持っている地主さんの分布図、
建設省に調べておいてくれと言いましたから調べてくださっていると思うのですけれ
ども、また
答弁を求めると長く言われるとかなわないから、私の方で
建設省の
資料を読み上げます、わかっていますから。
東京都の中で地主さんが一体どれだけ持っているか、五百平米という土賃のきく地主さんが何人いるか調べたことあるのですか。調べてみると、これはきかないのです。
まず百平米未満、一番いるのは百平米未満ですよ。五十万五千七百五名です。それから百平米から二百平米、四十五万一千八百七十五人です。二百平米から三百平米、十七万四千四百三十三なんです。五百平米未満、十一万二千四百二十五、ここまでが十万台なんですよ。
局長が土賃で何とかしようという五百平米以上は一けた違うのです。五百平米から一千平米だと六万三千、その上が二万九千、二万四千と下がってくるのです。大宗はどこにあるかというと五百平米じゃないのですよ。百平米とか五百平米未満の人が
東京都の地主なんですよ。そこにこの
土地担保
賃貸がきかないじゃないですか。
公庫
融資はきかない、
土地担保
賃貸はきかない、
公営住宅は入れてくれない、
局長、これじゃ
建設省は
東京都に何をやっているんだということになってしまう。だから
公営住宅ももう少しフレキシブルに——
局長、
法律を読まなくたっていいのです。ここにいる先生方みんなわかっているのだから、何十年とやっているのだから、この建設
委員会は。そんなことよりも、次にどうしましょうかということをやろうと言っているのですよ。我々だって国
会議員として同罪なんだから。決して
局長一人の責任で名
答弁を期待してなんて、そんな考えは大臣も持っていないし我々も持っていないのです。みんなでこの
住宅問題解決しよう、知恵を出そう。土賃をきかせようと思ったら、五百平米というのはだめですよ。しかもお年寄りは百六十五平米でいいというのですよ。お年寄りはよくてなぜ若いのがだめなんですか。
例えば私がお父さんから六十坪の
土地を受けました。百六十五平米ぐらいだと思う。ここに公庫いらっしゃるから、済みません、土賃でやってください、だめです、おおむね五百平米です。では
住宅・
都市整備公団へいらっしゃい、十二戸で、おおむね千平米以上と書いてあるのです。でも小さいのもやってくれるかもしれない、こうなってくる。そうでしょう、間違いないですけれ
どもね。これではとても使い道が、やりたくても再開発をできないのですよ。
今大型の都営
住宅を建てろとかいうよりも、公明党は前々からセミパブリックということを言っておるのです。小さな、百平米でもあるいは二百平米でも三百平米でも、その人が自分の住む良質な
住宅と同時に、
賃貸で一部屋でも二部屋でも建てましょう、それには
融資してあげましょう。今大きな
マンションやったらだれが入ってくるかわからないのですから、ぜひいい友達や何か入れてあげたい、あるいはこういう人を入れてあげたい。例えば一軒とか二軒なら管理できますけれ
ども、
公団さんが管理できなくて今困っているじゃないですか。今度の
委員会で、
公団家賃でやられるんじゃないですか。あれだけ持ってきたら大変なんですよ。素人が借家をするときに借地・借家法だ区分所有法だ、出ていけ出ていかないとやられたらたまらないから、やはり気の合った人を入れましょうといったら、一軒か二軒から始めてみようかな。今
住宅金融公庫に行って貸してくださいと言ったって、いろんな要件が重なっていまして、できないのですよ。
ですから、どうのこうのじゃなくてセミパブリック方式であるとか
土地担保
賃貸をもう少し、都市の再開発や良質な
住宅の提供のために使えるようにしたらどうか。しかも、あの市街化
区域の農地に対して偽装農地だとかなんとかというのは、もう少し、これも
局長、私問題があると思うのですよ。もっと実態を本当に聞いてあげて、知ってあげて解決しなければいかぬと思うのです。
私がきょうの質問のために、一体市街化
区域農地というのは一人頭どれだけ持っているのか、どういう
状態なのか、どこの省庁に聞いたって、的確な報告は入ってきませんよ。農地だから農水省、いやあれは市街化農地でございますから、我我から申しわけないけれ
ども切り離れている。自治省に聞けば
数字の上では出てきますけれ
ども、実態について本当に御存じであるかどうか。
建設省に聞いても、私は
建設省の
資料を持っておりますけれ
ども、本当に農家の身になって、どうすれば家を建てられるか。あれは今度の建設
委員会で、緩和していると思うのですよ、面積要件や何かの。それにしても五百平米です。今農家の方が始めて、
土地担保
賃貸で大きな家を建てて管理できるか考え込むと思うのですよ。
例えば、農家の方が
戸建ての借家を建てるのも
建設省が考えてあげましょう。例えば広大な敷地にあんな
マンション建てないけれ
ども、良質で多少は高額だけれ
ども地代はただですよ、六LDKぐらい建てて六軒ぐらいとか、五軒でも農家の方が良質な
戸建ての
賃貸住宅を提供するんだったらば
融資の方を考えましょう。地代が安いと建築費だけだったら大したことないのです。それを、公的資金が入っておりますから、スタートの
家賃から、傾斜は何%で固定資産税の
上昇率とも見合っておやりになれますよというようなことになれば、農家の方だって、あんなでっかい
マンションよりも普通の和風の小じんまりした
戸建てを建てられるのか、ではやってみようか。そうすれば、そういう
戸建てにサラリーマンの方が入れるじゃないですか。
首都圏のそういう
東京都の地主さんの問題、あるいは市街化農地の農家の
皆さんの、その
土地をどうやったら使えるか。もう少し根っこの実態を私は何か、これは大臣にお願いしたいのですが、専門のプロジェクトチームをつくって、実態はどうなんだろう、地方からも来ていただく、
建設省も自治省も農水省も集まって、本当にこれは
宅地化できないのか、どうなんだろう。できるところに、じゃあどういう資金を使ったら良質な
戸建ての
賃貸ができるのか。あるいは都内はどうだろう。私はよく
建設省の
皆さんと懇談するときに、荒川か墨田区の町の真ん中へ行って、お握り持っていって一日ベンチに座って考えてみろ。ここにいる人をどうやって住みやすくするかというところから発想したらお互いに
意見が合うかもしれないよ。恐らく政治家である建設大臣は現場に行っていらっしゃるからいろいろな問題をわかっていらっしゃる。
皆さんもわかっていらっしゃる。でも、本当のところをもっともっと調べないと、
国民が納得できる
住宅政策は進まないと思うのですよ。そういう
意味でこの土賃とか
公営住宅とかいろいろな市街化農地の提供の問題をこれから少し研究してもらいたいと思うのですけれ
ども、
局長が言うと通り一遍になるから、大臣、少し研究していただきたいと思いますが、いかがですか。