○武村
委員 ありがとうございます。御
指摘のとおりでございますが、人口密度、中学校のときに習った数字なんかを思い出しますと、同じように
国土との対比ではイギリスやオランダやベルギーなんかも大変日本に近いという意味では狭い国だなあと思っておりましたが、今
大臣御
指摘のとおり、可住地面積といいますか、人間が都市的に活用可能な
国土の面積が非常にゆったりしている。この差が大変大きいと私も思うわけであります。
ただ、それにしましても日本は三分の二が山であるというふうに習ってきたわけでありますし、事実そうでありますが、可住地面積をとりましても、今
建設省の、これは公式見解かどうか知りませんが、監修の書物には二一という数字が上がっておりますが、
国土庁が片方、傾斜度八%というふうな物差しから傾斜度八%以下の
国土を一応可住地面積としてとったものは二八・六だそうでございますし、朝日新聞の「民力」という書物を見ますと、これは全
国土から森林と原野と湖沼を差っ引いているわけです。
建設省もそうなんですが、森林のとり方が平地林等と傾斜度の低い森林は省いているというとり方で見ると三二%という数字がございまして、どちらかというとこの数字が一番実態に合っているのかなと私は思っているわけでありますが、この三二という数字を前提にしますと、我が
国土、狭いと言われる
国土の約三分の一弱の面積が可住地面積である、いわゆる
開発可能といいますか、山林以外の目的で
利用が可能な
国土であるというふうに理解ができるわけであります。
片方、一体我々は今
国土のどのくらいを活用しているんだろうかという数字も調べますと、さまざまな数字がありまして、これはなかなか決まった数字を申し上げるわけにいきませんが、例えば市街化区域の面積は一万四千数百平方キロという数字でございます。ここからいわゆる市街化区域に入っている平地林、農地なんかを引きますと一万一千数百平方キロ。三十七万か八万平方キロ、これは北方領土が入るか入らぬかで差があるようでありますが、三十七万としましても、この広い全体の
国土面積の中で市街化区域も一万四千でありますし、実際に既成の市街地というのは一万一千数百だということになりますと、まあ三%弱という数字になるわけでございます。言ってみれば全
国土の三十分の一、三%弱ぐらいしか我々は都市的には活用してない。先ほどの可住地面積三二という数字からいきましてもその一割前後しか我々は活用していないということになるわけでございます。
そういう数字の理解でいきますと、まだまだ
開発可能といいますか都市的な
土地利用可能な
国土というのは非常に広い。今の十倍ぐらいあるんだという理解もできるわけでありまして、今日までの
国土政策とか都市
政策を振り返りますときに、我々は少し
国土の使い方が下手なんじゃないか、狭いからしようがないんじゃなしに、非常に日本という国は広いんだ、ゆとりがあるんだ、
土地はたっぷりあるという認識をむしろ持って、その上で一体どういうふうにこの可住地面積を
中心にした
国土を活用していったらいいんだろうか。もちろん
北海道とか
地域によって随分ばらばらでございますから、関東平野はかなり可住地面積を使い果たしておりますし、
北海道のようにまだ大変余っているところもあるわけですから、いきなり人口をたくさんそこへ移動するわけにもいきませんから、そう極端にはいきませんが、全体でとらえたときに、もう少し
国土利用、特に都市的な
土地利用の面積を思い切って拡大するという
政策を打ち出すことができないだろうか。
従来、我々はどうしても極端なことはできませんし、
現状の中で可能な道を求めてきたわけであります。しかし、結果としてみると、戦後の灰じんの中から出発をして、バラックを建て、モルタルを建て、鉄筋を建て、そして超高層を建てというふうに
努力をしてきたわけではありますけれども、何となく継ぎはぎといいますか対症療法的な
政策を続けてきた嫌いがございます。この辺でこの三十七万平方キロの我が
国土全体を隅々までにらみつけて、そこから一億二千万の
国民がもう少し広々と、空間的な意味ですが、生きていくためにはどういうふうな
国土政策なり
土地利用なりあるいは都市
政策、ひいては人口や産業の再配置とか
国土のインフラストラクチャーの
整備の問題に絡まってくるわけでありますが、そういう何か一遍御破算で願いましてはというようなことはちょっと極端でありますが、そこから何か発想し直して、そして
現実を踏まえた、しかし超
長期の視点に立った新しい
国土政策なり都市
政策を打ち出していく必要があるのではないかということを感じているわけでございますが、この点についていかがでございましょうか。