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竹下内閣総理大臣 私、口幅ったいようでございますが、
世界に貢献する
日本などということを申しております。それの基本的な問題というのはやはり
経済――
我が国としてなし得ない分野が憲法上残っておる問題を意識しますと、特に
経済協力、文化交流あるいはいろいろな人的
協力とでも申しましょうか、そういうことになっていくんじゃないか、その
経済協力の柱が御指摘なさいましたODAであるというふうに思います。
そこで、私
自身も
反省しておりますのは、
大蔵大臣が長かったせいもございましょうけれども、今まだ
世界銀行からの借金が一億一千十万ドル残っております。それはやはり返す金であったから一生懸命みんなで働いてこれを返したんじゃないか。だから、やはり
原則はそういう返す金であるべきだという
考えに私
自身少しこびりついているという気が今いたします。
したがって、皆さん方の御
協力をいただいて国際
機関への出資とかそういうことはいつも全会一致で議決してもらっておったという背景から、少し長くなって申しわけありませんが、
自分なりに
反省してみると、かつて我々があの敗戦の中からたくましくも起き上がってまいりましたような気持ちを
世界全体にそれと同一視して押しつけるというのはやはり間違いじゃないかな。
したがって、そこに質的な
援助というものについていろいろな工夫をもたらしていかなきゃならぬというふうな
考え方に立ちまして、今日そういう基本的な
考え方を持って、今御指摘なさった、確かに国際
機関へ出資の方がよりいいなと思っておったことがございましたけれども、国際
機関よりも
日本の
政府関係機関の方が能率は上がるわけでございます。そうすると、じゃ、国際
機関は行革しなければならぬかなという議論も私いたしてみました。かれこれ
考えますと、やはり機構の問題にももう一遍触れ直してみなければいかぬな。
しかし基本法ということになりますと、それは法律というものには訓示規定を主とした基本法も存在することは承知しておりますが、まず、そういう今の私の
考え方の基本というものを、各、四省庁ございますが、それにあるいは留学生問題などもODAにカウントされる面もございますし、そういうものが知恵を出し合って、まずは現行の法規の中で整理整とんしてみまして、その上で寅さん、あ、どうも失礼いたしました、おっしゃった言葉を体しながら、私、検討してみたいものだ。
いきなり観念的に基本法あるべしということよりも、現行制度の中で、しかも今私が申し述べましたようなものを総合して、その上であるいはやはり高々と基本法というのが存在しておるがいいなということに到達すれば、これは
一つの
考え方だと思いますけれども、今それをやりましょうというところまでは行っておりません。
高沢さん、寅さんと言ったのはお許しください。