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宇野国務大臣 一応、
我が国の
外交的
立場はあくまで西側にあって、アジア・太平洋
諸国の一員である、これが
一つの基本路線でございます。したがいまして、竹下・レーガン
会談も終わり、また
アメリカとの間の諸問題もそのときに縮小均衡ではなく拡大均衡でやっていきましょう、そして
一つ一つ着実に解決しましょうということで、言うならば牛肉並びにオレンジが現在二国間の問題として残っておりますが、一応そうしたことでOECD等々を通じ、あるいはガットを通じまして先進国との
外交はさらに強力に展開していくべきであると
考えますが、まず足元のアジアということを忘れてはなりません。
したがいまして、この連休を利用いたしまして
中国を
訪問いたしますが、そのときに、既に、韓国はアジアでございますが最近NICSという分類の中に入ってまいりましたので、同じNICSである香港並びにシンガポールをまず
訪問いたしたい。同時に、ASEANのインドネシア、さらにはブルネイ、
タイ国、こうしたところも、やがてASEANの拡大外相
会議があるとき等に十二分にそうした六カ国を回ってみたい、これがまず私の足場固めでございます。
そうした中において、OECDにおきましては東西の問題に対しまして十二分な理解をさらに深めるような仕事をしておかなければなりません。さらに南米に対しましても、国会が終了いたしました時点において私みずからぜひとも出かけたいものである、かように思っておる次第でございます。
そこで、残るのは
ソ連でございますが、
ソ連に対しましては
関係改善は進んでおると私は
考えております。しかし、そのためにはやはり
ゴルバチョフ書記長が来てほしい。
我が国の総理は御
承知のようにもう行かれたが、
ゴルバチョフさん、あなたの番ですよ、
日本にお越しになるのは。やはり口で私も日ソ国交親善を叫び、さらには
ソ連もそう言っていらっしゃるのだったら、ぜひともまずあなたの方が今度は来てくださいよ、これが一番私たちの主張しなければならない点ではなかろうか。
そのために外相
会談、そうしたところでいろいろな問題もまたこなしておく必要があるのではなかろうか、そういうことでございますから、今度は外相
会談が東京の番だという認識に立ちまして、ぜひとも早く来てください。ところが、今までは東京で行うということは十分知っております、しかし、米ソ
会談がありますから、ちょっとその間時間をかしてくださいというようなお話もございますが、その点は了解いたしますけれども、ことしの前半に外相
会談を開くための事務次官レベルの折衝を始めよう、こういうふうに
考えておる。これが、今申し上げました私の
外交の一応の段取りでございます。
そうした中において、やはり経済摩擦、それが先進国からないように、開かれた
日本にしていく。ただし、あくまでも
我が国の産業を守ることは忘れてはなりません。このことは我々もしつこく言っておるような次第でございます。
さらに、
途上国に対しまして、ことしも国会の御
承認を得て、既に
予算は七千億の
ODAが
承認されたわけでございますから、なお一層充実した
ODA等々のきめ細かな配慮をなさなければならぬ、そのためにはやはり
日本は、じっとしていて帳面だけつけておるという格好ではいけませんので、何かもうちょっと汗をかきたいと思うのです。汗をかくというのは、
世界に貢献する中においても、平和に貢献する
日本という
一つの大きな柱を立てなくてはならぬ。それがアフガンであり、それがカンボジアであり、あるいはガザ、西岸の問題である、こういうことにも私たちは
協力できる分野で積極的に出かけていこう、かように思っております。