○村山(喜)
委員 私は、
原子力をめぐる問題につきまして、国民的な関心の高い問題を
中心にしながら長官の御意見をいただきたい、そして問題をただしてまいりたいと考えているところでございます。
まず長官にお尋ねいたしますが、
一つの種類のエネルギーというものが全体のエネルギーの何割ぐらいを占めたらエネルギーの安定的な供給としていいのだろうか。あなたは
原子力委員会の
委員長でいらっしゃいますから、長期エネルギー計画というものを見てまいりますと、
原子力による発電の割合が四〇%から六〇%というところを
年次計画に基づいて長期のプランをつくって、
原子力発電が基軸エネルギーだ、こういう位置づけをされておりますね。
日本の場合は九電力を
中心にして発電がなされているわけでございますが、私たちは最近の動きを見ておりますと、どうも
原子力エネルギー、これに発電が余りにも頼り過ぎているのじゃないか。六割もやがて頼らなきゃならないというような状態になってくると、伊方の場合の二号炉の
調整がこの前ございまして、私も高松まで行ってまいりましたが、三号炉が建設をされたらもう本格的に
原子力の出力
調整をやらなきゃならないような
時代になる。六〇%にもなったら
フランス並みに出力
調整を年がら年じゅうやるような格好に持っていくことになるであろう。私たちもそう思わざるを得ません。
向こうの
原子力の責任者に聞いてみましたら、第二回目の試験が済んだら当分はやらないのです。やらないような試験をなぜやったんだというようなことで意見を出して、相手の言い分も聞いたのでございますが、
一つのエネルギーで六〇%も賄う。
日本という国は今三十五基が動いているわけでございますが、もしチェルノブイリのような大事故が起こった場合には、核分裂によるエネルギーを取り出すことに対して国民の中から拒絶反応が出てくるということで、大変供給上不安定な状態になるのじゃないかというのが第一点でございます。
したがいまして、長期計画というのは、やはりベースロード方式の発電になっております
原子力の場合と、それから、負荷追随が大変難しいわけでございますから、その負荷追随がしやすい電力、それは火力等がしやすいわけでございますから、そういうような
調整用の電力というものとうまくかみ合わせなければならないのじゃないか。大体
原子力によって
調整をするということは、既に過剰な電力が存在をするから
調整をせざるを得ないのであって、一〇〇%稼働していく姿の中でエネルギーの原価が下がっていく。それを五〇%に下げたりすることによりまして電力の単価が上がってくるわけでございますから、出力
調整ということは経営的に見たら効率的なやり方じゃないわけです。経済的にはロスになる。そういう点を考えると、電源構成のあり方という問題で、あなたは
原子力委員会の
委員長として、二〇〇〇年には四〇%、その後二〇三〇年には六〇%、こういうような計画をおつくりになることが果たして
日本の場合には実情に合うことになるのだろうか。その点についてやはり長官ももう就任なさって大分過ぎておいでになりますし、前にも防衛庁長官もなさった方でございますから、そういうような
意味では、基本的なあり方の問題としてどうあるべきかということをまず第一にしっかりと踏まえておかなくてはならぬのじゃなかろうか、こういうふうに思いますので、
大臣の御所見をお聞きをしたい。