○藤原(房)
委員 これは対策本部長という立場からいたしますと、
地元の方々の士気を鼓舞するということや、
北方領土の日を設けられて回を重ねてまいりまして、いろいろな
配慮をしておることはよく存じております。また基金をつくりまして、
地元の
振興のためにというそういう手だても進めておることは十分存じておりますが、今、
北海道全体が産業
構造転換といいますか、特に漁業につきましてはアメリカ、
ソ連の二百海里水域での漁獲割り当てがだんだん削減をされて苦境に立たされております。
根室は何といいましても漁業で栄えたところでございますし、さらにまた一市四町もそれぞれ酪農を中心としまして農業、漁業を中心にして栄えた土地でもございますから、そういうことの
振興策、さらにまた先ほ
どもいろいろ議論がございましたが、日米共同演習ということで、これは何も
根室だけのことではなくて、
北海道全体として感情を刺激するようなことが起きますと世論に非常に大きな影響があるのではないか、そういう総合的な、多角的な
問題等について総務長官には心を配って地道にこれを積み上げていくということで非常に御苦労いただくわけでございますが、それらのことについてはまた後ほど申し上げたいと思います。
外務省の方がいらっしゃっておるようでございますので、外務省の方に最初にお伺いしておきますが、きょうも
お話がございましたが、墓参の問題につきましては五十数カ所のところをまだ十一カ所しか行っていない、それから、かつては
国後には行ったこともあるわけでありますが、最近はもう全然門戸が開かれていないということ。これは
交渉事ですから、こっちの主張と、受け入れる方と、両方の話がつかなければならぬわけで、
外務大臣がお帰りになってからですか、その前ですか、墓参のことについては
ソ連に
交渉なさったようであります。
外交
ルートを通じていろいろな
お話をすることはこれからもできるのかもしれませんが、直接責任者にお会いして
お話しする機会ということになりますと、国連総会においてのシュワルナゼ
外務大臣との接触、さらにまた秋の本年の日ソ定期協議ですか、こういうところは我々にも今までの外交日程や何かを見まして思いつくところでありますが、外交
ルートを通じての
交渉、さらにまた直接お会いするそういう機会を最大限に生かして、墓参だけじゃございませんけれ
ども、墓参のことについては何としても厚い壁を一歩二歩打ち破るためにやはり直接
交渉ということが非常に大事なことになってくるんじゃないかと思います。きょうの午前中からこの墓参のことにつきましていろいろな御意見もございましたし、また総務長官の強い御
決意もございますが、外務省としてこれをどのように外交
ルートにのせてお進めになろうとしていらっしゃるのか、その辺のいきさつ、また今後の問題処理に対しての方向性といいますか、そういうこともあわせてお伺いしておきたいと思います。