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石原国務大臣 機会を与えていただきまして、ありがとうございました。申し上げたいことがたくさんございます。
私は、常に
自分の
哲学にのっとって物を言っておるつもりでございますが、ただ、
委員が御
質問の中に引かれた文句というものは、どうも
余り世間が評価していない
週刊誌のたぐいでありますとか、時には非常に報道の公正を欠く一部の
新聞の引用であるとかがございまして、そういうものに立脚して物を判断されるとお互いに迷惑でありますので、幸い
質問をいただきましたから、詳しく時間をかけて答弁させていただきます。
ネクタイに関しましては、
大分昔のことでございますけれども、私は、これは
哲学と言うにはほど遠いことでございますが、男と女の
平均寿命を比べて、どうも女の方が長生きし男が早死にするのはいろいろわけがありそうでありますけれども、ある有名な社会党のシンパの
女性評論家が、私は男の
ネクタイを見ていると本当に気の毒だ、多分あれをしているから男の人は若死にするのだろうし、私はああいうことがあるから男になりたくないと言っておりまして、まことに
感覚的に妥当な表現だなと思って、私もできれば
ネクタイをせずに
国会に登院したいのですけれども、どういうわけか、いろいろ慣習がございましてやむなく首を締めておりますが、できるだけ緩い
ネクタイをするように心がけております。
それから、
公害基本法のあの
条項の
削除はテレビで申しましたとおりでございまして、私はこれを取り消した覚えはございません。これは、あのときややヒステリックな
公害現象がございまして、ここで話しますと長くなりますけれども、佐藤さんも、
高度成長というその余勢を駆って、この
条項を
削除しても差し支えあるまいという形であれを
削除されましたが、あそこで
大分理論闘争を
皆さんいたしましたけれども、私も所信があって言ったことでありまして、むしろあれが構えられてあった方が、
公害基本法は健全に運用されるのではないかと思っております。
それから、昨年の
豚小屋発言も、私は確かに、前回にはNHKにも映っておりましたけれども、
養豚場と
養鶏場の間を通っていて、しかも、そこで
世界一の高度の
技術が
開発されているのは実に
日本的な風景だと言いました。それから、
ドイツを視察して帰ってまいりまして、余りにも
実験場の
印象が格差があるのでショックも受けましたし、ちょっと
時差ぼけもありましたので、つい、
日本の
実験線はああいう
小屋の間を走っているという
発言をいたしました。ただ、これは誓って申しますけれども、私も、私の
発言を逐一活字で起こしてみましたが、ゆえに
宮崎がふさわしくないとはどこにも言っておりません。
ただ、それを
印象としてとられるような
発言でございましたことは認めますし、遺憾でございますけれども、大事なことは、明らかに
ドイツを抜いている
世界一の
日本の
技術、しかも、再来年には
直線、
平地では
実用に供することのできる
技術が、アメリカが目をつけましたのに、カナダの
調査団が来まして、どういうわけか西
ドイツに軍配を上げました。これは、
耐震構造あるいは
スピードの
加速、それから浮上する
クリアランスが向こうは一センチ、こっちは十センチ、それから
加速に要する
スピードが、
日本は二キロで四百キロに達しますし、
ドイツは八キロ走らぬと四百キロに達しない。その他この他ありまして、はるかに
日本の方がすぐれておりますし、第一、
技術的にも理論的にも進んだ超電導を活用しておりまして、
ドイツはこれをあきらめましたが、
ドイツがあきらめた理由を
日本は三つとも完全にクリアいたしました。
そういう
世界一の
技術が、どうも聞いてみますと、
実験場の
印象だけで判断されて、
日本の方が
実験がおくれているから
ドイツの方が早かろうということで
ドイツが採択されたというのは、非常に無念でありまして、これは与党、野党を超えて
日本人全体が夢と思っている
リニアを、できるだけ早く国際的な
商品価値を持たせるためにも、
宮崎で視察をいただくよりもどこか違うところですぐ
実用に供して、数百万の人を運ぶことの方がショールームとしてはふさわしかろう。ただ、これから先、
トンネルその他
長距離に使用するための
実験は、
宮崎なりまた
場所を選んで
トンネルも掘りしなくてはいけませんから、そのために二億近い予算をつけましたけれども、そういう
本意で申しました。
ただ、言葉が足らずに、
新聞にもふさわしくないという締めくくられ方をしましたけれども、私はどこでもふさわしくないということは言っておりません。ですから、これは
宮崎の方に非常に御迷惑をかけましたけれども、この間知事さん以下、
本意を説明して御了解をいただきました。私も糟糠の妻は堂より下すべからずという人の道ぐらい心得ているつもりでございますので、
宮崎を
云々するとは別に、速やかに、民間の
お金を使ってでも、四、五十キロの、人がたくさん乗る
リニアの
実用線をつくりたいということを私は申したわけでございます。
それから何でしたかな、もう
一つは。(
新盛委員「小
網代、あなたの
ヨットハーバー」と呼ぶ)これは、
週刊誌には
暴言云々と書いておりますけれども、言ってみると、
お金を払い、
政府の督励に乗って、余暇を楽しめということで海へ出ていっている多くの
ヨットマン、
モーターボートマンの悲痛な
叫びであります。現に人命にかかわる
事故が次々に起こっております。昨年の暮れも、六人の人を乗せた
モーターボートが小
網代の沖でひっくり返りまして、あの冬のあらしの中を三人が泳いで助かりましたが、そういう事件が頻発しております。
確かに、
漁民は
レジャーボートよりも先に海を使ってある
意味で
仕事をし、
既得権があるかもしれませんが、といって、海は
漁民のためだけではなくて、
国民のために開かれたものであり、そこで
運輸省の
行政の眼目にものっとって新しいウオーターフロントをつくり、
レジャーを
開発し、そして
内需拡大でとにかく
日本人の新しいライフスタイルをつくろうということを
前川リポートも言っておるわけでありまして、それで海へ出ていって、海へ出ていくのは結構だけれども、そこで勝手に死ねみたいな
行政では、これはもう片手落ちと言わざるを得ない。現に
事故が頻発しております。
これは死者が出てからでは遅いので、私は、以前から再三、
最低限海の
障害物に明かりをつけるように申しましたが、ほかの県はどういうわけか
条例でそれを徹底しているのでありますけれども、
海上レジャーのメッカであります神奈川県がそれを怠っているというのは、私はいかにも不
本意で、これはひとつこの
運輸委員会なりあるいは
交通安全委員会で御検討いただきまして、
時代に沿った、要するに海のルールというものをつくってもらいませんと、一般の
市民は海へ出ていってこれからばたばた死にますよ、これは本当に。
そういう現状をひとつ
委員の
皆さんにも御理解いただきたいし、また
海上保安庁にも御理解いただきたいということで、
モーターボートの
協会あるいは
ヨットの
協会の選ばれた
委員と
海上保安庁の方々とこういう問題の解決のために合議をする、そういう会合を発足いたしまして、必ず近いうちによき結果が得られて、
漁民と
プレジャーボートの
人たちが海で共存共栄することができるようになると確信しておりますし、また、そのための存分の御尽力を賜りますようお願いする次第でございます。