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志苫裕君 ですから、今言う五十五年の数字を私も持ってきましたけれども、五十五年を一〇〇としますと実質成長で一一〇ですから一割です。それから、全国はだめですから六
大都市を見ますと、
地価の方は一九〇だから倍です。だけれども、卸売物価
指数は九〇ですからちょっと下がっています、あべこべに下がる。等々、五十五年でもいいんですよ、五十年でもいいんですが、どこか合理的なところに基点を置けばいいのでして、あとどういうファクターを使うかということはそれぞれ衆知を集めればいい。だけれども、それを実現する手段は誘導政策か規制がということになってくるわけです。誘導政策は
歴代政府が四十年やってだめだった。だから私は、宅地については規制価格を考えなければいかぬ、規制価格という考え方は
国土法の中にもある、あるいは合理的に改良する方法だってあるということを主張しておきたいと思います。
幾つか用意をしましたが、あと一、二問に絞ります。住宅その他のことは小川
委員に関連でやってもらいますから、国
公有地の利用の方法について私はもう一度だけ言わしてもらいます。
今度は
国有地を十年とめるとか、JRの方もしばらくとめるとか、いろいろやっています。だけれども、そもそも売っ払うということに問題があるという意味で問題を提起しますが、
総理、覚えておられるんじゃないでしょうか。
昭和六十年四月四日の参議院予算
委員会で、
総理大臣は中曽根さんでした、あなたは
大蔵大臣。折しも民活がもてはやされて、その列車に乗りおくれぬようにみんなわあわあ騒いでいるころでした。私は、国
公有地の
払い下げは国家百年の計を誤る、今銭があるとかないとか、そんな問題じゃないということを主張しました。私は民活が悪いと言っているんじゃないんですが、都市
計画に
民間活力を導入する場合には官民の役割をはっきりさせておいての都市
計画、官の
計画、リードでいかないとだめになるということを前提にしまして、それで都市
計画を成功させるには
公有地がかぎになる。ヨーロッパの都市の歴史というのは
公有地拡大の歴史だった、だからあれだけの都市が今完成をしているんじゃなかったかということを主張しました。
だけれども、どうも民活シンドロームの最中でしたから、中曽根さんに至っては、それはあなたと私との思想の違いです、ヨーロッパの都市は
社会主義の思想でできたんじゃないですよと私は退けられたけれども、しかし、私の主張はちっとも間違っていなかったと思っています。何人かの閣僚からも、なかなか閣議では言いにくいけれどもいいことを言ってくれたという
お話も伺いましたよ、本当に。当時の新聞だって、閣僚の中でも半分以上は財産の売っ払いには反対だということが出たぐらいでしたからね。あなたは別のことを褒めたのかもしらぬけれども、あなたも私をちょっと褒めてくれた、本当のことを言うと。
しかし、
公有地の扱いはこれを基本にしましょうよ。自治体に先買権を与える
公有地拡大推進法ができたけれども、銭があるとかないとか言っていてさっぱり広げてもいないしね。これからの
土地対策というのは
公有地をふやすことだ。市街化農地のことが問題になっていますけれども、いろいろ意見があるでしょう。しかし、意思を確認して手放すのであれば、あれは公有にすべきです。そして貸し出して有効利用を図るべきです。
土地が事実上ただであれば、その上に上屋に幾らでも投資できるんですから、銀行はそれにどんどん融資したらいい。五階でも十階でもいいでしょう。そういうことによって、
土地にかける経費がない分だけ
経済が
活発化しますよ。
そういう意味で、
公有地の利用についてこの点だけは確認してください。売るとかなんとかじゃなくて、できるだけふやして、それを貸すなり有効利用をしてもいい、直接使ってもいいです。公営住宅も必要でしょう。しかし売っちゃいかぬ、ふやすことだ。ヨーロッパでは七割、八割がいわば都市の所有なんですから。西ドイツあたりのBプランなんかを見ますと、その辺の人が高い
値段で
土地を売りたい、公定
値段以上であればそれは自治体が買い上げるわけです。そうやって町をつくっているんですから
土地対策なんか問題がないわけですよ。
総理、どうですか。
国土庁長官も、
大蔵大臣も
公有地の問題は答えてくださいよ。