○松尾官平君 問題は、先ほど
参考人触れましたように、会社の経営状態その他をストレートに葉たばこ生産者にしわ寄せしないつもりだと、そういう覚悟で進むということに全幅の期待をかけているわけでありまして、ぜひひとつよろしく
お願い申し上げたいと思います。
なお、
新聞を見ておりますと、今度会社で、子会社でしょうか、ジェイティ不動産という会社をつくって不動産経営といいますか、多角経営に乗り出すということが出ておりましたが、どういうスタッフでこれを経営なさるのかわかりませんけれ
ども、お役人を前に置いて大変恐縮ですが、役人の商法というのはなかなかうまくいかないというのが通説でありまして、せっかく多角経営に乗り出すのであったら立派な経営をしていただきたいものだ。まして、たばこが苦しいからといって本業を忘れるようなことになっても、これも困るわけでありますし、私なんか素人ですから、会社の定款だけを見ますと、何か不動産会社をやるのは定款違反じゃないかなというような
感じさえ受けるわけでありまして、しかもこういうのをやるのだったら、もう少し早くおやりになった方がよかったんじゃないか。それが原因で東京の地価が上がったと言われているわけですから、マンションや貸し事務所をどんどん提供するのだったら、もっと先見性を持ってやるべきじゃなかったかなという
感じさえ持つわけであります。
そういうことで、たばこ会社はNTTやJRと違いまして、葉たばこ耕作者というものを抱えての大変重要な任務を持った会社、財政物資としてのたばこを製造販売する一方では、その中に葉たばこ生産者というものを抱えておるということで、
国民経済上大変重要な地位にある会社だと思うわけでありまして、社長以下、皆様の今後の一層の御
努力を御要望申し上げて、社長に対する質問は終わりたいと思います。どうぞお急ぎのようですから御退席なさって結構であります。
次に、葉たばこ関係でちょっとお伺いするわけでありますが、私は実は生まれが酒屋の生まれでありまして、酒屋というものは
大蔵省の管轄下にある国税庁、その下の国税局、その下の税務署、その中の間税課というものに対しては、もう恨み骨髄に徹していると言っては言葉が悪いんですけれ
ども、生まれたときから税務署というものは一番おっかないものだという中で育ってきたわけであります。そういうことですから、うちのおやじも、おまえは官を平らげろと、官平という名前をつけたと思うんですが、その同じ立場がたばこ会社と葉たばこ生産者との間にも言えると思うのであります。
私、ことしの収納に当たって、もう二回ばかり取扱所の実態を見てまいりましたけれ
ども、神わざのような鑑定人のスピード、ちょっとさわっただけで本葉のAとかBとか、こういうのがもう機械的のように出ていくわけですね。そのときの鑑定人の気分によって大分違ってくるのじゃないかなということを、私は現場を見て
感じたわけです。だとすれば、そういう耕作者は会社の方々に対してどういう
気持ちで接しているか。会社はよく、何でもたばこ耕作組合の
皆さんと相談をして事を進めていると言いますけれ
ども、果たして弱い生産者が本当のことを会社に言っているのだろうか。本当の
気持ちをくみ上げる
努力が会社の立場として要求されるのではないかということをいつも思っております。
酒屋の話はさておくとしまして、今の会社と耕作組合との関係といいますか、置かれている立場を考えますときに、いつも言いたいことも言えないで、会社は怖いものだ、気分悪くするとすぐ等級に響くというような
気持ちで接しているのじゃないかという
心配を持つわけであります。
例えば去年の買い入れのときの
新聞でありますけれ
ども、あるところで「葉タバコ返品相次ぐ」、「乾燥不足で不合格」、
記事の方へくれば、「三十四キロこん包を七十個持ち込んだAさんは、やはり半分以上戻され「こんなことはかつてなかった。これまで通りちゃんと乾燥したはずなのに…。こん包を解いて乾燥し直すとなると、人手から時間のロスから大変だ」と深刻な表情。」と、こういう
新聞が出るわけであります。そうすると、かわいそうだなと思って済む問題じゃ実はこれはないのでありまして、その地域において、実は耕作組合と会社の間にその前にトラブルがあった。そうすると、そのトラブルがあってこういう事態になると生産者は組合の幹部を信用しなくなるわけです。つまらぬトラブルをやったから乾燥不足だなんと戻された、等級が下がったと、こういうことにもなりかねないわけでありまして、私は、このたばこ会社の第一線の職員の諸君は、一層慎重に厳正な態度で仕事に当たってもらいたい、こういうことを言いたいわけであります。
一々の事例については今申し上げませんが、たばこ耕作組合、そして生産者に対して原料本部長はどういう態度で
指導に当たり、どういう態度でこれから生産者を守るために――まさか会社側にだけ立って、幾らでも安く買い上げろなんということは言わないと思うんですが、何か聞くところによりますとPSMですか、いわゆる色損系の葉たばこは、今度買ってくれと持ってくるものを自主的に辞退させる
指導をしていると聞いているわけであります。製造独占の立場にあって、全量買い上げの立場にある会社が色損系の葉は買わないと言えないから、耕作者が自粛するように
指導をした。そこに私は、妙な昔の私の例のようなことがないのか、お上の言うことには勝てないというようなことで当たるのであれば問題だと思うんですが、ひとつ原料本部長の立場で御答弁願いたいと思います。