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1987-12-08 第111回国会 参議院 運輸委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十二年十二月八日(火曜日)    午前十一時五十二分開会     —————————————   委員氏名     委員長         中野 鉄造君     理 事         真鍋 賢二君     理 事         安恒 良一君     理 事         中野  明君                 伊江 朝雄君                 木村 睦男君                 坂元 親男君                 高平 公友君                 野沢 太三君                 二木 秀夫君                 松岡滿壽男君                 森田 重郎君                 山崎 竜男君                 吉川 芳男君                 吉村 真事君                 青木 薪次君                 穐山  篤君                 田渕 勲二君                 小笠原貞子君                 田渕 哲也君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         中野 鉄造君     理 事                 真鍋 賢二君                 松岡滿壽男君                 安恒 良一君                 中野  明君     委 員                 伊江 朝雄君                 坂元 親男君                 高平 公友君                 野沢 太三君                 二木 秀夫君                 森田 重郎君                 吉川 芳男君                 吉村 真事君                 青木 薪次君                 田渕 勲二君                 小笠原貞子君                 田渕 哲也君    国務大臣        運 輸 大 臣  石原慎太郎君    政府委員        運輸政務次官   久間 章生君        運輸大臣官房長  棚橋  泰君        運輸大臣官房国        有鉄道改革推進        総括審議官    丹羽  晟君        運輸省海上技術        安全局長     間野  忠君        運輸省航空局長  林  淳司君    事務局側        常任委員会専門        員        多田  稔君    説明員        大蔵省銀行局銀        行課長      高橋 厚男君    参考人        日本国有鉄道清        算事業団理事長  杉浦 喬也君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○国政調査に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○運輸事情等に関する調査  (下田船渠株式会社解散問題等に関する件)  (日本国有鉄道清算事業団職員の再就職問題に  関する件) ○継続調査要求に関する件     —————————————
  2. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) ただいまから運輸委員会開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十一月十九日、倉田寛之君が委員を辞任され、その補欠として松岡滿壽男君が選任されました。     —————————————
  3. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) まず、理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事松岡滿壽男君を指名いたします。     —————————————
  5. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) この際、石原運輸大臣及び久間運輸政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。石原運輸大臣
  6. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 私は、このたび竹下新内閣の発足に際して運輸大臣を拝命いたしました石原慎太郎でございます。  今国会におきまして、運輸委員会の開かれるこの機会一言就任のごあいさつを申し上げたいと存じます。  運輸行政に関しましては、おかげさまをもちまして、国鉄の分割・民営化日本航空の完全民営化という大きな改革をなし遂げることができました。各社とも新体制のもとで順調にスタートしたところでありますが、今後これら改革の成果を交通運輸発達改善に現実に生かしていくためにさらに努力をしてまいりたいと考えている次第でございます。  また、土地問題や多極分散型国土の形成、さらには交通の分野における快適性への指向など新たな時代要請への対応が求められる一方、厳しさを増す対外経済問題への対処などなお多くの重要な課題も残されております。  私としては、運輸行政の基本であります安全の確保に万全を期しつつ、これらの諸課題に積極的に取り組み、問題の解決に最大限の努力をいたす所存でございます。  どうか本委員会関係各位の絶大なる御支援と御指導を賜りますようお願い申し上げまして、私の就任のごあいさつといたします。よろしくお願いいたします。(拍手
  7. 中野鉄造

  8. 久間章生

    政府委員久間章生君) このたび運輸政務次官を拝命いたしました久間章生でございます。  ただいま運輸大臣からお話がありましたように、運輸行政には早急な解決を要する重要課題が山積しておりますが、このような時期に運輸行政に直接携わるという機会を得まして、その職責の重大さに心の引き締まる思いでございます。  私としては、これから大臣を補佐して懸案事項解決に全力を傾注してまいりたいと存じますので、どうか運輸委員皆様方の絶大なる御支援と 御指導をお願い申し上げる次第です。(拍手)     —————————————
  9. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、運輸事情等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  11. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会日本国有鉄道清算事業団理事長杉浦喬也君参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  13. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次発言を願います。
  14. 青木薪次

    青木薪次君 短い時間でございますけれども、深刻化しております造船不況対策について質問をいたしたいと思います。  去る十一月二十七日に、下田船渠が突如臨時株主総会を開きまして、一瞬のうちに会社解散決議したのであります。百四十五人の従業員はもとより、創業以来九十年も地域中核企業として地域の発展に寄与し、いわば地域下田市民の財産とも言うべきこの会社解散し、消滅してしまうことの地域に与える不安ははかり知れないものがあるのでありますが、まず大臣から事実関係説明をしていただきたいと思います。
  15. 間野忠

    政府委員間野忠君) 事実関係についてお答え申し上げます。  下田船渠は、従来大洋漁業系列下にございましたけれども、経営が悪化いたしまして六十年の秋に来島グループに入りまして、新造船を一時中断し、最近では修繕船工事中心操業体制となっておりました。ことしの五月になりまして、組合に対しまして修繕船専業会社として企業存続を図りたいというための合理化案の提示がございましたが、組合はこれを拒否いたしました。十月二十六日になりまして、会社組合の了解が得られないままに希望退職者を募集いたしましたが応募者はございませんでした。十一月十日になりまして、資金のめどが立たないということで再建を断念いたしまして会社解散することを臨時取締役会で決定いたしまして、その旨を組合あるいは地元の市に通告したということでございます。その後も労使間で話し合いが行われましたが、主張は平行線のままでありまして、会社側は、ただいま先生おっしゃいましたように、十一月二十七日に臨時株主総会を開き、解散決議いたしました。十一月三十日に会社解散の登記を行ったということでございます。
  16. 青木薪次

    青木薪次君 今の間野局長の話は、これは表面的にはそういう話が伝わっている。ただし内容は全く違うのでありまして、私の知り得ている情報では、十一月十日の取締役会では会社解散するかあるいはまた破産申し立てをするか、あるいはまたその他の方法があるかという三つの点を考えて、その話し合いをするために臨時株主総会を招集したい、こういうことを内々話があったわけであります。それから、二十七日に臨時株主総会を開くということになっておるけれども、しかし、この会場にいたところの個人株主の話では、会場に入ったときにはもう解散して、既に終わっていたということなのであります。今、間野局長の報告と全く天と地の違いがあるのであります。清算人の名前を読み上げられたということはちょっと気がついておったけれども、このために非合法な総会であったということであります。  しかも従業員に対して、今あなたは組合に対しては会社合理化について話し合いをしてきたけれども、応じられなかったというような指摘があったわけでありますが、もう言語道断。まさに二年前に会社を半分にしたそのときの前提条件としては、船台一つ、七千八百トンですか残しているけれども、この船台については来島グループに入ってくれればこれはもう必ず新造船を持ってきて、そして憂いなきにするから、ひとつ今の人員の半分だけ減らしてくれ。いろいろと地元でも心配したし、組合でもいろいろ心配いたしまして、そしてどうするかということでもってそれこそ徹夜の討議を重ねてまいったけれども、まあ下田から造船のともしびを消さないためにこの際ひとつ我慢しようという、涙で明け暮れた討論の結果決めたわけであります。  その結果どうなったかといえば、船台に新造船一つも来ない。来島どっくは結局は下田に対してうそを言ったという結果しか残らなかったのであります。そのあげく、百四十数人に対して七十五人やめてくれ、こういうことがあったけれども、その前に半分やめた百七、八十人の人は下田のいわゆる観光業界で、ホテルへ行ってホテルの布団敷きをやったんですな。あるいは出前持ちをやった。あるいはまた山へ行ってきこりをやった。そういうことまでやって自分たち生活をしのいだ。しかし、それだってなかなか思うようにいきません。そこで追跡調査をいたしまして、大変困っている状態にあるということを知っているから、下田のまた船台のともしびを消さないために七十五人やめてくれ、半分やめてくれといっても、今度はそうはいきません。オオカミ少年じゃありません。そう二度三度だまされるわけにいきませんから、これに対してはひとつこの際、退職募集については応じる人がなかったということでありまして、組合との協議が調わなかったなんというようなことは、それは局長言い過ぎですよ、あなたは。ですから、そういう建前に立って、いわゆる非合法的な総会であったということを指摘せざるを得ないのであります。  従業員に対しては、臨時株主総会の後、先月の三十日に解雇通知を一人一人送り届けている。そして、このような非民主的なやり方というものが現下にあるわけでありますが、この点大臣どういうようにお考えになっていますか。このことについて法律までつくり、附帯決議もつくって、そして造船合理化対応いたしました国会決議政府対応というものについて、このことは許されるべきでないというように私は考えますけれども、いかがお考えになりますか。
  17. 間野忠

    政府委員間野忠君) ただいま先生おっしゃいましたように、この下田船渠というのは六十年にも同じような人員削減の措置を講じておりますし、その後親会社来島どっくを初め仕事をとるべく努力はしたと思うんですけれども、御承知のような海運造船界構造不況とそれから韓国のような新興造船国の追い上げ、あるいは円高というようなことがございまして、恐らく経営側としてもこれほどの造船不況というものを予測できなかった面もあるかと思います。  そういったことで仕事確保ができなくて修繕船で何とか生きられるかというようなことを考え、またそれも難しいということで今日の事態になったことだと思いますし、また株主総会の件につきましても、我々も新聞紙上で先生おっしゃったようなことも見ておるわけでございますが、いずれにしましても、その現場にもおりませんでしたし、この株主総会が有効に開かれたかどうかというようなことをコメントする立場にはないと考えております。
  18. 青木薪次

    青木薪次君 海運不況だということは私もよく知っているわけであります。ところが、新造船がそれじゃないのかというと、あるんですね。だから、結局グループ化を進めてきたこの来島どっくとしては下田へやるような新造船はなかったということでしょう。やりたくなかったということを言った方がいいかもしれません。そういうよう な状態で二年間推移をしてきた。結局地元に残っているのは、これは組合従業員もそうでありますけれども、地元の皆さんもだまされただまされたということだけがまかり通っている現状で二年間を来たわけであります。  ですから、その問題について、今回の株主総会の無効、すなわち会社解散を認めないという立場で、これ地元が望んでいるということだと思うのでありますが、さらに組合側としては、会社経営権放棄を認める、決めたというならば、工場施設使用をさせるよう工場使用協定の締結を求めているわけでありますが、工場資産持ち出し等については一応の合意を見たということは私ども聞いておりましたけれども、ほかの問題については実は平行線のままになっているわけであります。  そして、けさの情報を聞きますと、前の市長でありましたある会社社長青木義男という人でありますが、この人は臨時株主総会の無効の申し立て並びに総会招集の請求についてという訴えを起こすと同時に、下田船渠株式会社代表取締役社長の沖さんに対して申し入れをしておるわけであります。  それから現下田市長も、そんなことが許されていいものかということを言っておりまするし、とにかくいずれにしても九十年間続いたこの下田船渠の灯を消すということについては絶対了解できないということを主張いたしているわけであります。  ちなみに青木義男さんという下田の前の市長で、ある会社社長は、出席株主を代表いたしまして、臨時株主総会開会に当たって、開会宣言もありません。それから二番目に、定款の定めるところにより議長社長が本日の議長になりますとの説明もありません。議長就任あいさつもありません。出席株主数についての発表もありません。出席株主多数により、総会は成立したとの説明もなされておりません。議長による議案説明もなされません。質疑応答機会も与えられません。社長議長に対し、十一月二十七日の臨時株主総会総会としての形をなしておらず、認めるわけにはいかないと延々五時間にわたっての申し入れを実はしておるのでありまして、議長である社長は、総会が適法であり、成立したとのことで出席株主と交渉いたしましたが、平行線のまま合意できず、地元株主として日を改めて臨時株主総会開会するよう申し入れます。こういう強引な、理不尽なやり方臨時株主総会が開かれたことについて、大臣、どういうようにお考えになりますか。
  19. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 就任早々でこの経過についてつまびらかにいたしませんが、やや私事になりますけど、私、実は三十年以上前から小さな船で下田によく出入りしまして、そのころから下田船渠が栄枯盛衰ありまして今日に至ってくるのを眺めてまいりました。それが突然といいましょうか、この構造不況の中でこういう事態に立ち至ったということを聞きまして、単に下田船渠だけではなくて日本造船界全体に非常に大きな同情と危惧を抱いておりますけれども、私にとってある意味で非常に身近な造船所にこういう非常に異常な事態が起こったということで大変心を痛めております。  今、局長ともちょっと私語いたしましたけれども、運輸省も非公式にといいましょうか、公式にはこういうものに介入していく資格もございませんので、いろいろ陰で努力もし、してきた様子でございますけれども、なかなかやはり会社には会社事情があって、平行線といいましょうか妙案がないというのが現況のようでございますが、なお直接介入する立場にはございませんけれども、何かいい知恵がないものかスタッフと一緒にいろいろできるだけの努力はしてみたいと思います。
  20. 青木薪次

    青木薪次君 従業員地元も非常に深刻であるということで、この東京の空から地元を眺めるというような感触の中には、やはりこの地元実情がなかなかっかみにくい点がありますので、大臣ひとつぜひこれをいろんな、例えば臨時株主総会決議がこうである、やれ結果としてはこうなったというようなことを単に形式的にうのみにされることなく、実情というものについてひとつぜひ調べいただきたい。  大臣もこのことについてはいろいろ調べて対応してくれるようなお話もありましたけれども、団交の中で組合側は、組合との協議も十分なされていないからこれは一方的なものだ、これはもう組合協力を得る、従業員協力を得るということが大前提になっていた合理化推移だと思うのでありまして、そこで総会の議決も当然認められないという考えに立って経営権放棄が、今申し上げたように、工場使用をさせてもらいたいという要望をしておるわけです。  例えば、地元キンメダイの漁場がございまして、四十隻から五十隻ほどの小型船舶が実はすぐさま修理をしてもらいたいという一つ要望、それから地元小型船舶の需要が非常に多いわけであります。それから、救難船といいますか、そういった面でこの下田港の与える、また下田船渠の与えている今日的役割というのは非常に大きい。それからもう一つは、やっぱり来島グループに入っておる会社が、例えば金指造船といったような大型の造船所がある、ここは非常に活況を呈している。もちろんここは愛知県豊橋等工場を持っているけれども、それらの関係もある。いろいろありまして、今これを七十五人ひとつ希望退職させれば何とか乗り切れるからということをついせんだって言ったようなわけでして、なかなか本人の希望退職の、希望がないからといってこれをすぐさま解散に追い込むというような無謀なやり方というものについては地元は非常に怒っているわけだ。こういうことでやられていけば、もう大手の工場だけ残って中小企業は全部これは解散に追いやられるということになってしまうだろうということを私は恐れているわけでございますが、この点について組合が、とにかくキンメダイの船の修理を初めとする小型船舶修理に対する要請やその他に対してもこたえたいし、当面自分たち生活も困ってしまうから、ひとつ何とか工場の当面使用という点については了解してもらいたい、こういうような申し入れについて、一時は了解したけれども一時はなかなかこれは難しい問題だというようなことも言っているやに聞こえておりますけれども、これらの関係等について運輸省として、ひとつ双方に対してサゼスチョンをするような気持ちがあるかどうかお伺いいたしたいと思います。
  21. 間野忠

    政府委員間野忠君) ただいま先生おっしゃった点で造船所施設とか土地が別の会社に渡っておるという点が、現在の社長といいますか経営陣を相手にそういった話し合いをするのが非常に難しい事態になっておるんではないかという気がいたしますし、まあその辺が今後何か仕事をやるということになっても非常に難しい問題として残るんじゃなかろうかという気がいたします。
  22. 青木薪次

    青木薪次君 行政はやっぱり全体としてこの造船合理化には対応してきたわけでありますから、ひとつこのことはくどいようだけれども、昭和六十年にまだ調子のよかった来島とっくの傘下に入って、人員も三百五十名から百六十名に減らした。それから、このことは新造船事業を継続することを来島の責任で約束した、これが実施されなかった。これが第一にけちのついた点です。  それから、昨年の四月に新造船の建造の約束を来島が守らないという理由から静岡銀行が融資の打ち切りをした、これが第二の危機。  それから、六十一年の六月には来島とっくの経営危機が表面化して、そして坪内さんがおやめになった。  六十一年の十二月には、来島とっくに対して債務棚上げ二千六百億円と協調融資六百億円をこれ面倒見たんですよ国として、政治決着、大変な金だと思う。そして、ことし十月には新来島どっくが発足した。で、下田船渠に対して設備の七千八百トンの廃棄を提案し、それから新造船事業の撤退を白々しくこれは言われた。それからさらに、人員削減七十五名を提案してきた。  こういう経緯でありまして、まさに会社をつぶすための来島グループ入り来島グループ親会社が生存するためにいけにえに下田船渠を使ったということを言っても過言ではないと思う。この点について大臣どう考えますか。
  23. 間野忠

  24. 青木薪次

    青木薪次君 あなた大臣になぜしゃべらせないんだ。
  25. 間野忠

    政府委員間野忠君) 一点だけ、一つ事務的な問題だと思いますので、先生が御指摘になった点で、国の支援で二千六百億円の債務を棚上げし、六百億円のまた運転資金融資があったようにちょっと例えたんですが、これは日本債券信用銀行を中心とする来島とっくの主取引銀行中心になってやりましたことで、コマーシャルベースあるいは金融ベースでやられたものと聞いております。
  26. 青木薪次

    青木薪次君 大臣、しゃべってください。
  27. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) この席で下田船渠の受難の歴史を詳しくお聞きいたしましても、私も同情を禁じ得ませんが、まあやはり弱肉強食というんでしょうか、そういう自由主義経済のメカニズムの中で、片方にはまた構造不況という深刻な状況があって、本当に大変苦しいお立場にあることは非常によく理解はできますが、ただ、繰り返して申しますけれども、運輸省としてこれに直接介入するという立場にはございませんで、何か期待を持ってこられた方々にも余りいい打開策をここで暗示してお帰りになっていただくこともできないんじゃないかという気がします。  ただ問題は、決してすりかえるわけではございませんけれども、私就任してうたた今昔の感がありますのは、私自身が外洋帆走協会という大きなヨットの協会の会長をしておりまして運輸省の管轄を受けておったんですけれども、このごろ運輸省の大きな行政の眼目の中にマリーナというような海洋レジャーというものが非常に比重を占めてきまして、まあ随分時代が変わってきたなという感じがいたします。  特に、下田というところはこれからのそういうレジャー産業にとっては格好の地でございまして、それに比してほとんど施設がありません。例えば、ニューポートビーチでありますとか、まあ今は海軍の基地になりましたけれども、アメリカのサンジエゴとかそういう有名なリゾートなどもかつては造船とか外洋漁業で栄えた町でありまして、それが非常に大きくそういう設備を使い直すことで転身をしておりますけれども、私は下田船渠施設の主権者が今どなたになっているか詳しくわかりませんが、しかしやはり下田船渠を含めて下田の町そのものがこれからの生き方を変える時代に来ているんではないかという感じがちょっといたしました。今下田船渠の中で苦労していらっしゃる方々にとってみるとそれどころの話じゃないということになるかもしれませんけれども、しかし、これからやはり中長期の将来を考えますと、そういう意味で新しい発想を加えて努力されることも一つの打開の策ではないかという気がいたします。
  28. 青木薪次

    青木薪次君 特定船舶製造業経営安定臨時措置法、特安法と言われているものは、実施中の基数の単位の二割の設備削減は今下田船渠で見たような会社つぶしを目的としたものではないはずでありますけれども、この点と、下田船渠が仮に会社解散したとすれば、来島グループとしての二割削減にカウントされるということはこれは絶対ないと思うんでありまするけれども、そういう点についてひとつ説明をしていただきたいというように考えます。  それから大蔵省に、ひとつこの二千六百億の元利の返済の延期だとか、あるいはまた六百億の協調融資とかいろんなことをやって何とか造船が生き残ろう、特に中小企業関係、そこに働く従業員の雇用の問題を考えてやってきたわけでありますけれども、これらの点について、率直に言って新しい造船を一隻も与えなかった、約束を破った、それから今回の臨時株主総会関係等についても非常に問題が多かった、非民主的で精通してなかったというようなことや、得に日債銀のやり方というものについても、現在も各地にグループ化したところの会社社長とかその他重要職全部日債銀が入れているわけでありまするけれども、これらの点について大蔵省としても何としてもこの際ひとつ臨時に調査をするというぐらいの気持ちを持って対応をしないと大変なことになってしまうと思うんでありますけれども、その点についてお伺いいたします。
  29. 間野忠

    政府委員間野忠君) 特定船舶製造業経営安定臨時措置法の趣旨でございますが、これは先生御承知のとおり、最近の造船不況に対しまして、造船能力の規模や産業体制を早急に適正化する必要があるということで、過剰設備の買い上げでありますとか能力縮小のための債務保証などの金融税制上の支援措置を講ずる、こういったことによって設備の処理や事業提携を計画的にやっていこうという趣旨のものでございます。したがいまして、この法律が会社をつぶすのを目的としているというようなものではございません。  それから、解散した会社は実施計画を申請する立場にはないと思います。
  30. 高橋厚男

    説明員(高橋厚男君) 造船業界でございますとか、あるいは地元事情につきまして種々お述べになりました先生のお気持ちというものにつきまして私ども心情的に大変よくわかるわけでございますが、企業が金融機関に対しましてどのような支援要請するかというようなことにつきましては、当該企業が自主的に判断をされるものというふうに思います。  金融機関は取引先の企業から再建策等につきまして支援を求められた場合には、個々の金融機関の自主的判断に基づきまして可能な範囲での支援を行うということが一般的であるというふうに承知をいたしております。下田船渠の労使間におかれまして円満にお話し合いがされまして問題解決が図られるということが望ましいというふうに私ども考えている次第でございます。
  31. 青木薪次

    青木薪次君 一言だけ。  最後に、三菱重工のグループに入っている三保造船というのがありますね。この三保造船は既に六月十日の段階で局長は、これは現行設備は残すという方針を明確にしているわけでありまして、この点については、これは今のお話とも関連いたしますけれども、グループ化の中で問題はなかろうと思いますけれども、この点の確認は求めておきます。  それから、労使協議や慣行無視の介入等の行為が盛んに行われているわけでありますけれども、これらの点についても、ただ現場の第一線の仕事には我々かかわりはないんだということだけを言っておったのでは、これはもう大変会社の再建やその他雇用問題等についても全然なすところないということに、しないということになってしまいますので、その点については十分ひとつ今後とも我々も重大な関心を持ってこれに対応していきますけれども、政府としてもやはり業界の発展と、そしてまた雇用問題等については格段の注意を払って見守っていただくように要請して、私の質問を終わります。
  32. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 承知いたしました。
  33. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 国鉄の分割・民営化によって一人も路頭に迷わすようなことをしない、国会において何度もこのことは約束されました。私は、年末がいよいよ近づいてくる、日を重ねるにつれてこの言葉を今さらのようにはっきりと思い出さざるを得ないわけです。北海道では就職未定者は現在二千八百七十三人もまだいるわけでございます。法律でも承継法人の優先雇用ということがうたわれ、努力をお願いしているわけですけれども、特に私は今日強調したいのは公的部門での雇用の状態です。時間がございませんので資料として御提出いただきたい。北海道で公的部門として採用した各市町村名と、そしてその各市町村名で合計何人であったかというそういう資料、時間がありませんからお届けいただきたいと思います。よろしゅうございますか。一言で。
  34. 杉浦喬也

    参考人杉浦喬也君) ただいま先生の御要求の 資料は早速提出させていただきます。
  35. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 提出していただくと同時に、公的部門での採用ということに引き続いての御努力をいただきたいということをお願いしたいと思います。  そういう中で清算事業団にいる方たちは一生懸命に自分たちの就職、どこかいいところないかというふうに探しているんです。私なんかもついこの間も行っていろいろ調べてみましたけれども、大体賃金で言いますと、北海道の場合十万から十五万、全国的にそうだろうと思いますけれども、そしてこれが六〇%、年齢で言うと二十歳代というのが五〇%ということになっておりました。そうしますと、今までの国鉄労働者としての収入が大体二十万か二十五万はいっている。そうすると、半分ないし半分以下になる。そして年齢も二十歳代なんというのは通り越しちゃっているわけですから、かなりの制約がそこであるということは事実で認識されていると思うんです。  そこで、私はいろいろどういう仕事があるかというのをずっと具体的に調べてみましたらちょっとびっくりしたんですけれども、例えばこれは九州でも北海道でもそうなんですけれども、サラ金の取り立て屋さんです、もう何度も何度も電話をかけて、本当にもう世間的にも問題になっている、そういうサラ金の取り立て屋というのに求人があるわけです。それはどういう名前になっているかというと、業務内容はショピングクレジットなどの部門の未収債権回収業務と、こういうふうになっているわけです。それだと何ともないんだけれども、実はこれは電話やなんかで督促をして、そしていわゆるサラ金のもう本当に督促というような仕事ということも求人の中に入っておりました。  またもう一つ驚いたことは、ちょっとここ条件よさそうだ、行ってもいいなということで、だけれどもどんな会社だろうというので見に行ったら普通の企業ではない。それで自分たちだけではなくて、労働者と清算事業団と一緒になりましてそのいわゆる企業を見に行った。そうしたら、入るところに金看板がかかっていた、そして玄関を入りますと神棚があって、そしてそこに組長以下組員の名札がずらっと並んでいる、いわば暴力団ですよね。それは入った途端に、金看板というのから始まって、神棚、組長、何とかというのがずらっと並びますと、これはもう異様な光景になってくるわけです。  それで、いやこんなんじゃとんでもないというので、両方が見たからこんなところには行けないよということになったんですけれども、私がここで問題にしたいのは、いろいろ御努力いただいていると、何百件紹介したとか何千件紹介したというその紹介の中身なんです。何ですか、サラ余情報誌とか新聞広告なんかというものも全部これあるものを合わせて、そしてこれだけあるよというので紹介されるから、そういうサラ金の取り立て屋さんだとか、それから暴力団まがいといいましょうか、今の言葉で言えば暴力団もどきの企業というのまで紹介されてくる。こういうことでは、私はほかのいろんな職場に対してもそれと同じことではないかという、一つは信頼関係ですね。そういう、もう紹介してくれるものはこんなもんだよということになると、私はちょっとこれはひとつ問題にしなければいけないのではないかと。やっぱり賃金が低いとか年齢制限いろいろな悪条件あるけれども、こういう職場ででも一生懸命働こうという気を起こして初めてできることでございますので、そういうサラ金の取り立て屋に行けとか暴力団もどきのところにまで行かせるような、そういうことについては、私は全国にあることでございますので十分御配慮いただいて、今後そういうことがないようにまともな御紹介をしていただきたいということをお願いしたいと思うのでございます。よろしゅうございますか。
  36. 杉浦喬也

    参考人杉浦喬也君) 北海道につきましては、地域的に見まして非常に雇用対策の必要の人と、それからそれに対する就職の道が狭いという非常にアンバランスなところであります。したがいまして、事業団としまして最も雇用対策の面での力点、力を入れて懸命にやってきたつもりであるわけでございますが、その求人と求職とのマッチングの点におきましては、基本的にはやはり北海道の情勢としまして求人が非常に少ない、その中で懸命に探してきた……
  37. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 済みません、時間が足りないんです、きょうは。だから、そういったサラ金だの暴力団なども突っ込んで紹介するなんという不見識なことは今後やめていただきたいというようなことを私ども、それをやってください。
  38. 杉浦喬也

    参考人杉浦喬也君) 十分内容を詰めまして、しっかりしたところを推薦をし、指導をしていきたい、こう思います。
  39. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 大臣もこういう話、具体的な話聞いておいていただきたいと思うんです。  それからもう一つ大臣にも聞いておいていただきたい一つのことは、清算事業団で東京の学校へ来ているという人たちがいますよね。例えば北海道ではビル管理科なんというところがないから、例えば武蔵野高等職業技術専門校というところに来ております。これ半年間なんです。そうすると暮れから正月というのは真ん中になるわけですよね、三月まで。そうすると、この寮なんですね、調べてみたら、その寮は十二月二十六日より正月五日までは冬期休業に入ります、年末ですから、当然。そうすると、そこに来ている人たちはどういうことになるかといったら、寮の食堂はもちろん、入浴はなし、それから暖房はなし、そして十二月三十日から正月三日までは休業しちゃうわけですわ。そうすると、そこは火気厳禁なわけです。そして寮に入って生活しているから食器もないということになって、年末年始もう暖房もない、食堂もない、食器もない、火も使えないよというところで男一人がわびしく年末年始、私はもうたまらないのね、そういうの。やっぱりそうすれば大変だけれども頑張っている人たちなんだから、ぜひ交通費を持って、例えば北海道なんというのはJRの割引券でも出していただいて、家庭で年末年始を過ごせるようにという温かい配慮、人間としての温かい配慮を何とか考えていただきたい、お願いしたいというのが私の清算事業団に対するお願いでございます。そういう願いも大臣も聞いていただいて、切り離せないですから、清算事業団と運輸省というのは、お心にとめていただきたいと思います。  そして大臣に特別私は一つお伺いしたいと思うんですけれども、航空運賃の問題、東京−札幌が高いというので、これは私は八四年の四月から、当時細田さんだったと思いますよ、そのときから問題を提起いたしまして、どの歴代大臣もみんな札幌−東京は高いと認めていらっしゃるわけなんですね。石原大臣も認めていらっしゃるわけですよね。それで認められるんだけれども、さっぱり改善されてないわけなので、ぜひ改善をしたいと、そう思うわけなんです。  時間がありませんから私が申し上げますけれども、もうおわかりだと思いますけれども、東京−札幌は距離が短くなりました。五十キロ短くなった。五十キロ短くなった分はそれだけ安くていいわけだから、いろいろな条件があろうかと思いますけれども、そういう条件があって釧路も千歳経由のこのコースが短くなったから減らしたんだから、札幌も短くなった分当然減らすべきだというのが私の長年の主張、そのことは大臣ももう就任早々のごあいさつでおっしゃったんだから、ぜひそのことについて具体的に御努力をいただきたいということをお願いして終わりとします。お二人からお答え具体的にお願いします。
  40. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) いろいろ問題ございますけれども、全般の運賃改定の機をとらえて、おっしゃるように不満を解消するよう努力をいたします。
  41. 杉浦喬也

    参考人杉浦喬也君) 今までもそうでございますが、これからも職員一人一人本当に親身になりまして、愛情を持って職業指導していきたいと思います。
  42. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 旅費援助してあける、愛情持っ たらするはずだ。
  43. 杉浦喬也

    参考人杉浦喬也君) 厳しい内規もございますが、内規の範囲内で一生懸命やりたいと思います。
  44. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 男一人年末寒いところで、食べるものもないところで置くなんということしないでよ。
  45. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 本件に対する本日の調査はこの程度といたします。     —————————————
  46. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  運輸事情等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十分散会