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伊藤(茂)
委員 総理がこれからどういうふうに二十八日とか言われている来年度
予算の中で評議をなさいますか。
国会は休会中になっておりますが、一月訪米をなさいます。非常に心配です、私どもは。そういう
意味で、実は繰り返し御質問を申し上げているわけでありまして、私の気持ちは、また私どもの気持ちはおわかりだろうと思います。やはり十分にその点を踏まえて対応していただきたいということだけ、答弁がそういう段階ですから申し上げておきたい。これも成り行きによりましてはアメリカの方もさまざまな注文があると思いますよ、これは。そういう中で、やはり我が
日本の
国民の代表としての
姿勢を示される、心からそのことを願っておきたいと思います。その成り行きは、また次の
国会の重大な論議の焦点であろうと思います。
外交問題に時間をとっておりますので、あと一、二だけ簡単にお伺いしたいと思いますが、
国会が終わりまして
総理はASEANに旅行されます。首相として最初の訪問になるわけでありますが、一つだけこの点でお伺いしておきたいと思います。
さまざま経済的な協力あるいは文化協力などを含めまして中身が練られているということも私伺っておりまして、結構なことだと思います。ただ今までの首相の場合ですと、ASEANに参りましてさまざまな経済援助をする、お金を上げます、お金を協力しますという時代があったと思います。しかし、今状況は変わっていると思います。例えばASEAN諸国外相
会議、毎年開かれているようでありますけれども、やはり非同盟、中立、非核のアジアという方向が出されております。あるいはまた、御承知のように最近カンボジア問題についてのパリでの協議がございました。報道を見ておりまして、六十五歳のシアヌークさん、私も何遍かお会いしたことがございますけれども、そしてまたフン・セン首相ですね、三十六歳、
世界最年少の首相だそうですが、何か立場を超えて親子の再会のように喜んで会って話をしたということが報じられております。
この間、私ども土井
委員長のもとで訪中しましたときにも、鄧小平さんがカンボジア問題を解決をしてゴルバチョフさんと会いたいとございました。ゴルバチョフさんからも即反応がある。すぐ実現はしませんが、非常にアジアが大きく動こうとしている。要するに今までの首相の東南アジア訪問と違って、アジアを我が
日本はこういう方向に持っていきたい、アジア構想、さらには
世界観、これを語らなければならないときではないだろうか、どうお考えですかというのが第一点であります。
重ねて時間の
関係で恐縮でございますが、二つ目には日中
関係の問題であります。
中国に参りまして、鄧小平さんも趙紫陽さんも非常にざっくばらんに話をされましたが、日中
関係は国交回復以来おおむね順調にいっております。しかし、共同声明、平和友好条約の原則を守るかどうかという問題としての光華寮問題、
竹下さんの決断です。中曽根さんははっきりしませんでしたので、
竹下首相決断してくださいということを率直に言われておりました。
竹下総理も訪中をなさるという御予定になっているわけであります。私はそういう中でも、例えば一つは経済問題、今経済建設に全力を挙げて取り組んでいる。何とかやはり長い目で見て、大規模な日中経済構想、これはアジア全体にもつながることだと思います。あるいはまた、
日本自身のためにも必要だろうというふうに思っております。
今、
日本は対米貿易が四割近いですね。三八、三九、これは異常ですね。それがジャパン・バッシングはあってもドイツ・パッシングはないという構造の違いです。昔は二五%でした、対米ですね。やはり貿易構造を変える、そしてアジアに、中国に我が
日本が大きく貢献をしていく、そこでいい商売もやってもらうということが大事であろう、そういう
意味で基本的な考え方をお伺いをしておきたい。
もう一つは、朝鮮の問題でございますが、いろいろ状況の変化がございますし、
総理も恐らく南北合意でオリンピックが成功するように、あるいはまた韓国におけるところの民主化、この成り行きを見ながら私ども土井
委員長の訪韓ということも考えているわけでございますけれども、民主化が一層進むように、あるいはまた北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国の方からも兵力削減構想とか出されております。これがうまく進むように
期待したいと思います。
ところが大韓航空という
事件が起こりまして、これはミステリーみたいな話でありますが、真由美さんという人を韓国の方に持っていく。それをどうぞというふうに
日本は対応する。私は予断を持った対応をしてはならないと思います。こういう非常にデリケートな問題ですから、予断を持った対応ではなくて、念には念を入れて、きちんと我が
日本のルールを主張するということが必要ではないだろうかと思いますし、それ以上に大事なことは、今、アジアも朝鮮半島、
日本との
関係が非常にデリケートな時期でございます。我々は、朝鮮がお互いに南北交流が進み、統一が将来に向かって進み、そして我が
日本といい
関係ができる、アジアにも非常に大きな影響力を及ぼすであろう、そういう状態を心から念願をしておるわけでありまして、これは
国民の願いであろうと思います。そういう朝鮮問題についての基本的な線を毅然として踏まえてこれらの問題に対応する、何か突然大変なまずいことになったということがまさかないように対応されることが必要ではないだろうかと思うわけでございまして、三つ一緒で恐縮でございますけれども、簡潔に御答弁をいただきたいと思います。