○森田(景)
委員 電力料金、それから
ガス料金の値下げが決まりまして、
円高差益還元という立場、それから物価の安定という立場、こういう点から考えますと結構なことでございまして、
関係当局の御努力に対しては敬意を表しますが、なお一層の
円高差益還元に努力されるよう要望しておきたいと思います。
この
電力料金に関連しまして、値下げが行われたわけでございますけれ
ども、一方では、小型変圧器というものを使いまして
電力を不正に使用している、こういう事実がございますので、きょうはその点について質問をさせていただきたいと思っております。
その前に、今
家庭用の
電力は百ボルトの電圧で供給されておるわけでございますが、二百ボルトの電圧で供給しよう、こういうことが検討されているようでございます。これにはメリット、デメリットがあると思いますが、私細かいごとはわかりませんけれ
ども、今の
家庭用の電化製品というのは全部百ボルトで対応されているはずでございまして、これが二百ボルトになるということになりますと、
一般の
家庭の電化製品全部買いかえなければいけないんじゃないか、こういう心配もあるわけでございます。冷蔵庫にしましても、あるいはテレビもラジオもほとんどが百ボルト対応になっておりますから、それが全部買いかえをしなければならないということになりますと、これは
国民生活にとっても大きな問題であろうと思いますので、そういう点についても十分な検討をされるように、これは要望でございます、要望しておきたいと思うわけでございます。
本論に入りますけれ
ども、これから百ボルト電圧を二百ボルトにしようというときに、逆に二百ボルトの電圧を使って百ボルトの
家庭用の電灯に使用する、こういうことが実は行われているわけでございまして、これは
電力会社との契約に違反する不正利用だというふうに考えられるわけでございます。
この間
改定になりました
料金表を拝見しますと、
家庭用の百ボルトの
料金と工作機械などの電源に使われている二百ボルトの
料金では、季節によって差があるわけでございますけれ
ども、
料金が大体半分ぐらい、工作機械等の二百ボルト電圧と比較しますと、百ボルト電圧の方は大体倍ぐらい高くなっているわけでございます。この
改定の前は、これがもう少し格差があったわけでございまして、実はこの
電力料金の格差に目をつけて不正使用が行われているということでございまして、実はパンフレットを持ってまいりました。こういう小型変圧器があります。こういうものがあるわけでございます。
この小型変圧器は、
一般家庭でも大型の
電気冷蔵庫、こういうものには
申請をすれば今三相二百ボルトの使用が許可されるようになっておりまして、この二百ボルトの電圧を小型変圧器を使いまして百ボルトに逆に下げるわけです。そうしてコンセントがありまして、このコンセントは両方とも雄の差し込みになっております。ですから、変圧器に差し込む、また一方では
家庭用の電灯線のコンセントに差し込む。このままでは
電力使用できませんから、その前にブレーカーというのがあります。ブレーカーを落としますと、百ボルトでは家の中に入ってきません。ですから、ブレーカーを切って二百ボルトの
電力を使用する、そうすると
料金が半分で済む、こういうことになるわけです。
電気事業法では、
国民に公平な
電力の供給ということが掲げられているようでございますけれ
ども、これは非常に不公平なやり方だ、不正なやり方だ、こういうことになるわけでございます。
この小型変圧器は、現在でもスーパーや工作物機械店で大量に販売されているわけでございます。
電気用品取締法の対象外で、取り締まる方法がないと言われておるわけでございます。東京
電力では、小型変圧器による
電力不正使用を発見し、契約違反で告発しているということでございますけれ
ども、それもわずかに数件にすぎない。小型変圧器は全国で数十万台は売られていると推定されておりますけれ
ども、摘発は困難である、こういう
状況です。こうした
状況を
通産省としては各
電力会社から報告を受けているのかどうか、受けていたとするならばどんな対策を考えておられるのか、お答えいただきたいと思うわけでございます。
それで、時間の
関係で引き続いて進ませていただきますが、私の地元の千葉県市川市の
電気業者らでつくっております市民団体がありまして、これは
電気安全推進グループ、代表が谷川寿光さんという方でございますが、この方の話では、この小型変圧器には危険性があると
指摘をしまして、
通産省に申し入れをしておりますが、全然
通産省では取り上げようとしない、こういうふうに訴えておるわけでございます。
電気用品に対する監督官庁である
通産省は、以上述べてきたような事柄に対しましてどのように対処をしようとしていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。