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月原委員 今心強い
大臣の意見が述べられましたので私も安心をいたしましたが、この二カ月、来年の二月ということを考えた場合に、
国内の農民も
関係者も注目しておるとともに、諸外国からもただ単に
日本は延ばしただけだと言われないように、この時間というものを大切に送っていただきたい、このことを、今のお話で十分わかりましたが、
我が国のためにお願いしたい、このように思うわけであります。
私、一つお願いをしておきたいのは、
農業問題そのものは、ただ貿易の問題というほかに食糧の安定供給という問題とそれから安全性と申しますか、
国内で農薬を使ういろいろな問題があると思いますが、そういう
観点からも国民が
国内に対しては非常に安心しておる、しかし諸外国については安心してないと言うとちょっと語弊があると私思うのですが、そういうふうな
観点からもよく対処していただきたい。安定性とそれから安全性というような点もお願いしたいと思います。
さて、そこで、この前私は
アメリカの方に
農業の視察で行かしていただきました。そして、その時期たまたまこの問題で
眞木局長も
アメリカでおられたわけでございますが、大変大きな
交渉の最中であったわけであります。そのときに私が考えたのは、
農業の問題だけを取り上げて、そして、
日本は今まで
自由貿易を享受してきた国じゃないか、だから自分の都合のいいところ、
自由貿易というものを余り主張するのは好ましくないなというような感じを向こうは持っておるわけであります。今お話しのように
ウエーバーの問題それからECにおけるいろいろな補助の問題、そういうようなことも十分農水省の方も主張された。しかし、私は、その狭い場ではなかなか難しいんじゃないか。特に、今までの
日本としてよく使った手として、二国間貿易、自由になったらどうするんですか、あなたのところの商品がたくさん入るわけではないですよ、あなたのところにとって必ずしもメリットがあるわけではないですよ。これは実利的な方法としては大いに
意味があるとは私は思うのですが、今回の場合は金額そのものが向こうにとってそう大きくないものだけに、この
自由貿易というにしきの御旗をとりたい。現にリン長官あるいは向こうの
スミス大使、こういう方々が同じように言われていることは、そういうふうな自分の国が得する損する話ではないんだ、この自由陣営が発展するための制度の議論を我々はしておるんだという立場に立っていたと私は思います。そういう
意味において、農水省の方、なかなか厳しいところで、狭いところの、与えられた手段がほとんどないところで
我が国のためにやられておるなという感を私は深くしたわけであります。
そこで、全体にこういう
交渉をする場合に、なぜこういうものの背景が出てきたんだということをまずトップクラスの人間には、
交渉しておる個個の方は別として、
大臣とかあるいは向こうの代表とかそういう
アメリカの方々にそういうことを十分
説明しておるのかどうか、そこに問題があるのではないかと私は思うわけであります。確かに
日本の今日の繁栄というのは、
自由貿易を享受した、そして
米国を初めとする自由陣営の非常に大きな
努力の上で我々は経済の発展のためにあらゆる力を尽くす己とができた非常に恵まれた環境にあったわけであります。これで今のところ大変大きな黒字になっておる。しかし、よくよく考えてみたら、黒字というのは自動車であり鉄であり家庭電化製品でありまた半導体である。これが
米国との
関係において言えばほとんど
日本の黒字の
部分を占めているわけであります。そうならば、この原因は一つはもちろん
自由貿易という大きな背景があるにしても、しかしそれ以上に大きなのは黒字という問題がある、だからこの黒字をどういうふうにして減らしていくかということが一つの大きなことである。
そして私は今思うのですが、私の周辺においても造船が大変大きな構造改善のための犠牲を強いられておる、これは経済の趨勢としてやむを得ないのかもしれない。しかし、
日本は為替によって
日米関係あるいは世界の
関係をよくしなければならないということで、あれだけ急激な円高というものにあえて踏み切っているわけであります。そしてまた、これは
政府としてはなかなか言えないのかもしれませんが、いろいろなものについての自主規制もある程度してきた、そしてまた資金の還流もやろうとしておる。金融についてもまた言えます。これも
政府の方もまた言えないことかもしれませんが、
米国の証券の問題あるいは株の問題、そういうことについて目に見えないところで
日本がいろいろな
努力をしておる。
日本は今や甘ったれた国ではなくて、竹下総理の、世界に貢献する
日本をつくるんだ、こういう
姿勢に立って大いなる
努力をしているわけであります。各省が個個のところで勝負するのではなくて、一応は今までの総決算、我々は世界の
責任を負う国としてこういう
考え方で立ち向かっておるんだ、そして今ここまで物事をやっておるんだ、もうしばらくたてばこういうふうな方向に持っていこうとしているんだ、こういうような基本的なものをまずたたき込んで、ホワイトハウスなり、いろいろなところへたたき込んで、そしてその後でこういういろいろな各論の議論がされるという
姿勢がなければ、今後ますます一つ一つの物品をとらえて
自由貿易というにしきの御旗で議論されたときに——軟着陸させんといかぬわけです。急激な変化というのは困るわけであります。
特に、我々政治に携わるものとしては、みんなが朝から晩まで本当に力いっぱい仕事ができる、仕事をしなくて金をもらうんじゃなくて仕事をして自分が社会に貢献しているんだ、そしてそのお金で家庭が成り立っておるんだ、これが私は生きがいだと思うんです。何ぼ理論的に正しいものであっても、あしたに急に切りかえてしまって、おまえらちょっと遊んでおけ、こういうようなのは
政治家のやることではない。これは
政府の方に余り強く言うのはいかがかと私は思うのですが、そういうふうなことを考えた場合に、外務省の方に来ていただいておるわけですが、外務省だけに答えていただくには事が大きなことかもしれませんが、現在どういうふうな
努力をしているのか、今私が申し上げたようなことを
米国及びEC、そういうところにトータルとして
日本の
姿勢を
説明しておるのかどうか。ただ単なる前川レポートを持っていってやりますよという話じゃなくて、現に多くの企業が円高で大変な犠牲を強いながらこの中を生き抜いておるわけでありますから、そういうふうな
説明もしながら対処すべきだと私は思いますが、そういう
努力をしておるのかどうか、それを
説明していただきたいと思います。