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説明員(
羽毛田信吾君) 厚生省でございます。
今、
先生の御
指摘ございましたように、現在国保制度につきまして国保問題懇談会におきまして御議論を賜っておるところでございます。それは国保制度、大変
財政的にも脆弱な体質を持っておりますので、この国保制度のあり方について学識者の御見解を賜るということで、御案内の経緯の中で検討をさせていただいておるのでございますが、今回十月二十八日に厚生省の試案として、今後の審議を賜りますときの
一つの厚生省の基本的な考え方をお示しをしましたのが今御
指摘の試案でございます。
この問題意識は二つございまして、やはり国保の制度を長期的に安定をさせるためには、現在
一つは国保がやはり市町村、産業構造等の
関係からどうしても低所得層を多く抱えるという形の中で、保険料が十分賄えなくて、給付は同じようにかかりますから、そのことによって保険体質を非常に脆弱にもし、またそのほかの人たちに対する保険料の負担が過大になってくるというような問題が
一つございます。
それからもう
一つは、これは御案内のとおり、医療費の地域差というものが非常にございまして、これが国保運営の上に暗く影を落としておる、こういう問題がございます。こういうことを
解決をして、やはり今後に向けて高齢化社会を乗り切っていけるような医療保険制度を守っていくという観点からいたしますと、そこに
一つの改革というものが必要であろうということからお示しをいたしましたのが今回の改革案でございます。
一つは、今申し上げました低所得層がおられるということでの問題につきましては、その低所得層の人たち、十分に保険料が払えない人たちの部分につきましては、保険料で貯えない部分については公費が持っていくという考え方で経理をしていく。その際に、やはり今申し上げた低所得者の方々の対応ということになりますと、一面保険という側面と同時に、やはり地域における住民の福祉あるいは健康という問題と非常に密接にかかわりのある問題という対応になってまいりますので、その際には国とともに都道府県、市町村もこの人たちを支えていくという分野で御参画を願いたいということでの御提案を申し上げておるわけです。そういう形で
地方の御負担をひとつ賜りたい。
あるいはもう
一つの地域差の調整ということにつきましても、やはり地域ごとに特有のいろいろ医療費の格差事情もございます。そういう
意味ではそれぞれにおける地域の医療をどうしていくかという面と非常にかかわりの深い部分もございますので、そういった側面については、これまた
地方もそこに役割を果たしてもらいたいという
意味合いから御負担を賜りたいということで、今回の案でそういう
意味で
地方のお果たしをいただけるような役割にふさわしい部分についてはひとつ都道府県、市町村もお加わりをいただいて、国保制度をしっかりしたものにしていくということでやっていっていただきたいという御提案を申し上げたわけでございます。
もちろんその際に、今回の改革によりまして最終的に生じまするところの国なり
地方の間の負担のあり方というようなことにつきましては、できるだけ
地方財政に悪い影響を及ぼさないようにということで、これは国の
財政なり
地方財政の全体の枠組みのお話もございましょうから、厚生省としましてもその点についてできるだけ悪い影響が及ばないようにという
努力はこれからも続けていきたいということで
一つの試案をお示しをしたということでございまして、これからこの試案を
一つのたたき台としていただきまして国保問題懇談会を中心に御議論を賜る、こんなふうなことに現在なっておるわけでございます。