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1987-09-16 第109回国会 参議院 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
六十二年九月十六日(水曜日) 午後一時一分開会 —————————————
出席者
は左のとおり。 会 長
大木
正吾
君 理 事 沢田 一精君
添田増太郎
君 宮島 滉君
及川
一夫
君 馬場 富君
神谷信之助
君
橋本孝一郎
君 委 員 遠藤 政夫君
亀長
友義君 工藤万
砂美
君 沓掛 哲男君
熊谷太三郎
君 田沢 智治君 田辺 哲夫君 福田 幸弘君 森山 眞弓君 小野 明君 対馬
孝且君
小笠原貞子
君 国務大臣
通商産業大臣
田村 元君 労 働 大 臣 平井 卓志君
政府委員
資源エネルギー
庁長官
浜岡
平一
君
資源エネルギー
庁石油部長
内藤 正久君
資源エネルギー
庁石炭部長
鈴木 英夫君
労働大臣官房審
議官
野崎 和昭君
事務局側
第三
特別調査室
長 高橋 利彰君
説明員
科学技術庁研究
開発局総合研究
課長
中野昭二郎
君
環境庁長官官房
国際課長
黒川 雄爾君
通商産業大臣官
房審議官
安藤
勝良
君
工業技術院総務
部長
山本 貞一君
労働省職業安定
局高齢者対策部
長 甘粕 啓介君 ————————————— 本日の会議に付した案件 ○
産業
・
資源エネルギー
に関する
調査
(
資源
問題に関する件) (
石炭
問題に関する件) ○
継続調査要求
に関する件 ○
委員派遣
に関する件 —————————————
大木正吾
1
○
会長
(
大木正吾
君) ただいまから
産業
・
資源エネルギー
に関する
調査会
を開会いたします。
産業
・
資源エネルギー
に関する
調査
のうち、
資源
問題に関する件を議題といたします。 まず、
政府
から
説明
を聴取いたします。
資源エネルギー庁長官浜岡
君。
浜岡平一
2
○
政府委員
(
浜岡平一
君)
資源
問題を
中心
にいたしまして、最近の
資源
・
エネルギー情勢
につきまして御
報告
を申し上げます。お手元の資料に即しまして
説明
を進めさせていただきたいと存じます。 現在、
日本
の非鉄金属製錬業の
売上高
は五千億円台でございます。これに対しまして
国内
の
非鉄金属鉱山
の
売上高
が五百億円台と推定されるわけでございまして、
国内非鉄金属鉱山
が全体の約一〇%を支えているというような
存在意義
を持っているわけでございます。
安定供給源
といたしまして、また
技術
の涵養の源といたしまして、さらには
地域経済
への寄与という
観点
からいたしまして重要な
存在意義
を持っていると考えているわけでございますが、近年の
国際相場
の低迷に加えまして、急激かつ大幅な
円高
によりまして地金の
製品価格
は非常に低い
水準
で
推移
をいたしております。何とかどん底というような
状況
は脱したかとも思われるわけでございますけれども、従来の
レベル
に比較いたしますと大変低いわけでございます。その結果、
国内鉱山
は
閉山
、
人員削減等
を余儀なくされているわけでございます。
鉱山数
を見ましても、六十年四月には五十九あったわけでございますけれども、ことしの四月には三十四にまで減っているわけでございます。同じ期間に
従業員数
は約九千から三千六百弱まで減少しているというような
状況
でございます。 製錬業につきましても大幅な
合理化
を余儀なくされているというような
状況
でございます。未曾有の危機に直面しているというような声も聞かれるような
状況
でございます。 こうした
状況
に対しまして、昨年来
政府
といたしましても積極的に取り組んできたわけでございまして、六十一
年度
中、四月、五月、九月、さらにはことしの二月と、数度にわたりまして
金属鉱業経営安定化融資制度
につきまして、その
融資金利
あるいは
融資条件
、
融資対象等
につきまして
拡充強化
に努めてきたわけでございます。現在一%という
政策金利
といたしましては非常に低
水準
の
金利
で
融資
を行っているわけでございまして、本年五月の
緊急経済対策
におきましても一段の
充実
を図った次第でございます。 これと並行いたしまして、
国内
の
探鉱
につきましてはいわゆる三
段階システム
を活用いたしまして、また
海外
の
探鉱
につきましては主として
金属鉱業事業団
の機能を活用いたしまして積極的に取り組んでいる次第でございます。六十三
年度
におきましては、現在相当の余裕が出てまいりました
マンパワー
を
中心
といたします
経営資源
を
国際協力等
の面で有効に活用するための
施策等
にも取り組んでまいりたいというぐあいに考えているわけでございます。 こうした不況にございます
資源産業
の中で、いわば
ニューフロンティア
として
注目
をされておりますのが
レアメタル
の領域でございます。御高承のとおり、
備蓄
、
探鉱開発
、さらには
技術開発
、これを三本柱にいたしまして従来から積極的に取り組んできたところでございますが、去る八月、
鉱業審議会
の
鉱山部会
から新しい御
提案
をいただいておりまして、この御
提案
といいますか御提言に沿いまして、さらに
レアメタル対策
を
拡充
、
充実
をしてまいりたいというぐあいに考えているわけでございます。
国内
の
賦存量
が大変乏しいわけでございまして、
供給
のほとんどを輸入に頼っているというのが現状でございますので、何といいましても緊急時に備えまして
備蓄
を持つことが
基本
でございます。
昭和
六十一年を
基準
にいたしまして
昭和
六十六
年度
末までに六十日分の
備蓄
を持とうというのが新しい目標になっているわけでございます。六十二
年度
中に達成できる
備蓄量
が四十四日分と考えておりまして、残りが十六日分ということにな るわけでございます。六十三
年度
から六十六
年度
までの四
年度
間、できましたら毎
年度
四日分ぐらいずつを積み増してまいりたいと考えております。 現在の
対象鉱種
は七
鉱種
でございますけれども、今後
状況
によりましては
超電導
の
関係
で
注目
をされております
レアアース
あるいは
白金類等
も
備蓄
の
対象
に加えていく必要もあろうかという御
指摘
もいただいておりまして、そういった
角度
からの勉強も進めているところでございます。
探鉱開発
につきましては、
国内
の
賦存状況調査
にも取り組んでいるわけでございますけれども、特に六十二
年度
から中国の
レアメタル総合開発調査
に積極的に取り組んでいるところでございます。今後五年間で約二十五億円ぐらいを投入するというような計画を持っているわけでございます。
技術開発
につきましても、
レアメタル
の
回収技術等
につきまして積極的に取り組んでいるところでございます。最近、御高承のとおり、いわゆる
酸化物
といいますか、ファインセラミックスによりまして
超電導
の
分野
で新しい
ブレークスルー
が行われつつあるわけでございます。いろいろな
角度
からさまざまのチャレンジが行われつつあるわけでございますけれども、私どもは、やはりこれを一番根っこで支えております
レアメタル
の一種でございます
レアアース
の確保ということが将来に向かっての大きな
課題
であろうかというぐあいに考えておりまして、六十三
年度
からはこのテーマにも積極的に取り組んでいこうというぐあいに考えているわけでございます。 五ページに進ませていただきたいと思いますが、さらに
日本
の
金属鉱業
の
一つ
の新しい
フロンティア
と言えようかと思うわけでございますが、
深海底鉱物資源
の問題があるわけでございます。従来から積極的に取り組んでまいりました
マンガン団塊
に加えまして、最近では
海底熱水鉱床
、さらには
コバルト
・
リッチ
、
クラスト鉱床
といったものが世界的に
注目
されるようになっているわけでございます。
マンガン団塊
につきましては、国連の
海洋法条約
に基づきまして、
昭和
五十八年以来国際的な
鉱区調整
が延々と続けられてきたわけでございますが、おかげさまでことしの八月に決着を見ました。
ハワイ南東沖
、いわゆる
マンガン銀座
と言われておる
地域
でございますが、ここで
日本
はことしじゅうに七万五千平方キロメートルの
有望鉱区
が取得できる見通しになってまいりました。
面積
にいたしますと
北海道並み
の
面積
でございまして、二十一
世紀
の
日本
の
資源政策
に大きく寄与するんではないかと大変喜んでいる次第でございます。 五十七年に
議員立法
で成立させていただきました
深海底鉱業暫定措置法
がいよいよ機能し始めるわけでございまして、改めて心からお礼を申し上げる次第でございます。 現在、
白嶺丸
、それから第二
白嶺丸
を使いまして
探査活動
を継続いたしておりますし、また
昭和
五十六
年度
からいわゆる
大型プロジェクト制度
によりまして、
マンガン団塊
の
採鉱システム
の
技術開発
を推進中でございます。さらに製錬
技術
の
開発等
を加えまして、先ほど申し上げましたように、二十一
世紀
にはいよいよこの
分野
が
現実
の
開発段階
に移行してくるんではないかというぐあいに思っている次第でございます。 この
マンガン団塊
と並びまして
海底熱水鉱床
、さらには
コバルト
・
リッチ
・
クラスト鉱床
につきましても
探査活動
を積み重ねてきているところでございます。この
二つ
の
分野
につきましても、
マンガン団塊
と同じように、いずれは国際的な
先行投資者保護スキーム
が成立をするのではないかということが予想されるわけでございまして、そうした展望のもとに
探査活動
を積み重ねていく必要があるんではないかというぐあいに思っております。 なお、
コバルト
・
リッチ
・
クラスト鉱床
につきましては
南太平洋諸国
から大変強い
調査協力
の要請がございまして、そういった面につきましても積極的に取り組んでいくということにいたしております。 以上が
資源情勢
でございますけれども、あわせまして
エネルギー情勢
につきましても簡単に御
報告
をさせていただきたいと存じます。
一つ
は最近の
国際石油情勢
でございます。一言で申し上げますと、OPECの
結束力
と
ペルシャ湾情勢
の絡み合いの中で最近の
石油価格
が形成をされているという
状況
でございます。一進一退を繰り返しているわけでございますけれども、大局的に見まして一バレル十八ドルを
中心
に不安定な動きを見せるというようなところが大方の
見方
なんではなかろうかと思っております。
ペルシャ湾情勢
につきましては、なかなか予断を許さないわけでございますけれども、長期にわたりまして
ペルシャ湾
が閉鎖される、
ホルムズ海峡
が閉鎖されるというようなことはなかなか予想しにくいという
見方
も多いようでございます。仮に何らかのハプニングがあったといたしましても、七月末で
民間備蓄
九十五日分、
国家備蓄
四十三日分、合計いたしまして百三十八日分の
備蓄
を現在擁しておりますので、これを背景に適切な
対応
を図っていけば大きな混乱を招くおそれはないんではないかというぐあいに考えているわけでございます。 次に九ページに進ませていただきます。最近の
我が国
の
エネルギー需給動向
でございますが、九ページの参考一の「
国内最終需要
」の欄をごらんいただければと思います。 いわゆる第二次
石油ショック
の後、五十七
年度
まで
日本
の
国内最終需要
は減少を続けていたわけでございますけれども、五十八
年度
から大幅な増加を見せているわけでございます。ただ、その後
円高
の
影響等
が
産業分野
に及んでまいりましたせいもございまして
伸び率
は次第に鈍化をいたしてきております。六十一
年度
の
伸び率
は〇・三%というような
状況
でございます。六十二
年度
に入りまして
円高
の
影響
もやや落ちついてきたというようなこともございまして、
かなり
需要
の
レベル
は持ち直してきているというような
状況
になっているわけでございます。 こうした
状況
の中で、一次
エネルギー
の
供給段階
で見ますと、六十一
年度
で
石油
への
依存度
は五六・八%まで
低下
をいたしてまいりました。第一次
石油ショック
の始まりました四十八
年度
の
石油依存度
は七七・六%でございましたから、二〇%以上の
低下
を見せたというようなことになるわけでございます。 その裏返しといたしまして当然
代替エネルギー
のウエートが上がってきたわけでございまして、
石炭
が一八・三%、
原子力
が九・五%、
天然ガス
が九・八%という
状況
でございます。四十八
年度
には
石炭
が一五・五%、
原子力
は〇・六%、
天然ガス
は一・五%でございましたので、
代替エネルギー
の
開発
あるいは
供給
といったものが
かなり
進んできたということが言えようかと思うわけでございますけれども、依然といたしまして
石油依存度
は
先進国
の中では高いわけでございますし、なかんずく
ホルムズ依存度
も格別に高いわけでございますので、依然として
脆弱性
が存していることは否めないわけでございます。今後とも積極的な
総合エネルギー政策
への取り組みが必要であろうかと考えている次第でございます。 十一ページに進ませていただきます。第八次
石炭対策
の
実施状況
について御
報告
をさせていただきます。 昨年十一月の
石炭鉱業審議会
の答申、さらには
関係法律
の制定というような手順を踏みまして現在第八次
石炭対策
に取り組んでおります。
集中閉山
といいますか、あるいは
雪崩閉山
といいますか、これを回避しながらいわゆる一千万トン体制に軟着陸をしていくということが
基本
かと考えているわけでございます。
過剰貯炭対策
あるいは
規模縮小円滑化対策等
につきまして積極的に取り組んでいるわけでございます。 七月に
閉山
に至りました
三井砂川炭鉱
につきましては、八月三十一日に
産炭地域振興関係
各
省庁等連絡会
におきまして
対策
の取りまとめが行われ たところでございまして、その
実施
に全力を尽くしたいと考えております。 また、
北炭真谷地炭鉱
につきましては、九月九日に極めて厳しい
状況
を踏んまえまして
会社側
から
閉山提案
が行われるに至っております。労使間の話し合いを経ましてみずからの責任と判断による結論が出るよう見守っているところでございますけれども、
事態
の
推移
に備えまして、
石炭鉱業審議会経理審査小委員会
の意見も聞きながら、
自己努力
を促しながら適切に対処することが必要なんではないかというぐあいにも考えているわけでございます。特に
未払い労務債
の解決につきましては、強力に
関係企業
あるいは
企業グループ
を指導していく必要があろうかと考えております。 本
年度
の
国内炭
の
基準炭価
につきましては、八次
対策
が決定されましたときの
基本的合意
に基づきまして六十一
年度
並み
ということで決定いたしました。また本
年度
の
国内炭
の引き取り数量につきましては、
原料炭
百六十四万トン、
一般炭
千二百二十一万トン、合計いたしまして千三百八十五万トンという数字が
関係業界
のぎりぎりの
協力
によりましてまとまったところでございます。 なお、
過剰貯炭対策
の中核になっております新
共同石炭株式会社
でございますが、本年四月に設立されました後、四月と五月に二百六十万トン、さらに七月に四十万トンを買い上げまして厳しい
状況
への
対応
に取り組んでいるところでございます。 以上、簡単でございますが、最近の
資源エネルギー情勢
につきまして御
報告
を申し上げました。
大木正吾
3
○
会長
(
大木正吾
君) 以上で
説明
の聴取は終わりました。 これより
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御発言を願います。
及川一夫
4
○
及川一夫
君
石炭
問題については後段の方で時間がとられておるようでございますから、
資源
問題を
中心
に今の御
説明
を含め御質問申し上げたいと思います。 まず最初に、
通産省所管
というわけにはいかないでしょうが、
資源
という問題についての
理解
の仕方あるいは
認識
の仕方というものについて少し整理をしておく必要があるんじゃないかなということを率直に言って
感じ
ます。というのは、この
調査会自体
が
産業そのもの
をとらえる、そしてそれが
国民生活
との関連、あるいは雇用との
関係
、それらが
エネルギー
問題にどう発展をしていく、だから
資源
問題はどう扱っていかなきやいかぬか、こういう結びになるんだろうと思うのです。 その場合に、
国民生活
ということを前提にして考えますと、単に
資源
とかあるいは
エネルギー
、極めて狭い
意味
での
資源
問題ということであってはどうも求める
課題
に正確にこたえていくことができないんじゃないか、こんなふうに思いまして、
資源
の
定義
とは一体どういうものだろうかということを検討してみますと、
産業
などのもとになる
物質
というのが一般的な
理解
あるいは
定義
ということになるんでしょうが、このことは、
産業
があって
物質
があるのであって、
物質
があって
産業
があるのではないという
理解
に立つべきだろうというふうに思うのです。 したがって、
資源
というものは何かというふうになってまいりますと、大きく分けて
人的資源
、それから
物的資源
という
二つ
に分けることができるんですが、
人的資源
の問題は教育とかいろんな問題へ発展させた
論議
になると思いますが、
物的資源
の中では、この
調査会自体
はどちらかというと
鉱物
あるいは
エネルギー
、こういったことに主体を置いて
論議
をされてきたし、また
論議
をしようとしているんじゃないか。 それ
自体
は別に間違いではないんですけれども、やはり
国民生活
全体のことを考えれば、そのほかにも
森林資源
の問題もあるし、
食糧資源
ということで問題を問うていかなければならない
課題
、あるいはこれからの時代としてよき余暇の活用とか豊かな
生活
とか、そういう
意味
合いでは
労働
時間を短縮してもう少し
生活
を楽しむ時間を拡大すべきだ、そういった点では
リゾート構想
とか、いわば
観光資源
というんでしょうか、さらには住みよい
状況
をつくるためにも
環境資源
という立場で問題を重視していかなければいけない、こんなことがあろうかと思うのです。 これはとりわけ
通産省
に答えを求めるという
意味
じゃないんですけれども、全体の
理解
としてはそういう
理解
のもとに、
認識
のもとに
論議
をしていかなければならないというふうに思うのですが、
資源
と言えば
通産省
、そういう
通産省
がどうも一番てっぺんに立っているような
感じ
がするんですが、そういう
意味
で
通産省
は今私が申し上げましたような
理解
あるいは
認識
というものを持っておられるかどうか、その点をまず第一点お伺いしたいというふうに思います。
浜岡平一
5
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 御
指摘
のとおり、
資源
問題にはさまざまの切り口があろうかと思うわけでございますけれども、実はそれぞれの問題が相互に絡み合っていることは御
指摘
のとおりであろうかと思っております。例えば
アジア地域
での
森林資源
の枯渇問題、これはやはり薪炭が、特にまきが使われているというようなところが大きな問題だと言われているわけでございまして、
エネルギー
問題とのつながりというようなものもそういったところからうかがわれるわけでございます。 また、
エネルギー
問題がいわゆる
環境
の問題と非常に密接な
関係
を持っておりまして、いわゆる
環境資源
といったような感覚が必要不可欠であることもまた広く
指摘
されているところかと思っております。やはり有限の
地球
といいますか、
宇宙船地球号
といいますか、そういった中で多くの問題が密接に絡み合っているというような
基本認識
を持つことが
基本
的に重要かと思っております。 また、そうした中で保全と利用といった問題を、人間の心の問題、さらには
技術
の問題といったものを織りまぜながら総合的に把握をしていくというようなことも必要かと思っているわけでございまして、絶えず総合的、多角的な
観点
を取り込みながら、狭い
意味
の
鉱物
資源
問題、さらには
エネルギー
問題にも取り組んでいかなければならないというぐあいに考えている次第でございます。
及川一夫
6
○
及川一夫
君 ありがとうございました。いずれにしてもこれからの問題としてはそれらを意識していかないと大変だなと。昨今の出来事でも、
政府
が補正を組み、内需の拡大に
かなり力
を入れようという姿勢が見えた途端にヒノキの
材料値段
が二倍になるというようなことなどを考えますと、やはり
政府自体
が
我が国
の
資源
、それから
他国
を含めた
国民生活
に寄与する
資源
という
意味
で、
かなり
多角的、総合的に考えていかなければならない問題であろうと思います。 ぜひ通産の方々もそういう
観点
から、できれば
政府
統一してそういったものを志向するような何らかの機関というものが必要じゃないかという
感じ
もするんですが、これはきょうの問題から離れていますから横に置くとしても、ぜひ同じ
認識
で私もこれから
論議
に参加していきたいものだということを申し上げておきたいと思います。 第二点の問題なんですが、
レアメタル
に関する問題であります。主要なものとしては、この
報告
にありますように、ニッケルとかクロムとか
タングステン
とか
コバルト
、モリブデン、あるいは
マンガン
などというのが出されているわけですが、
我が国
は
資源
が少ないとは言われながら、こういったものが全く採掘されていないのかどうか。採掘されているものがあるとすれば一体どんなものか。そしてその量的なものはどの
程度
のものなのかということについてお尋ねをしておきたいと思います。
浜岡平一
7
○
政府委員
(
浜岡平一
君)
レアメタル
につきましては、御
指摘
のとおり世界的に見ましても
賦存状況
は地理的に偏っているわけでございまして、
日本
の
現実
の姿もそのほとんどすべてを
海外
からの
供給
に
依存
しているというような
状況
でございます。しかし、全く
国内
に
資源
が賦存しないかといいますと必ずしもそうではございませんで、現在のところ
国内
からの
供給
に
依存
をいたしております
分野
は少ないわけでございますけれども、物に上りましては数%
程度
の
国内供給
があるわけでご ざいます。また、その中でただ
一つ
の例外といたしまして、
タングステン
につきましては二〇%近くを
国内
からの
供給
に仰いでいるというような
状況
でございます。 しかしまだまだ
努力
の余地はあるんではないかというぐあいに考えておりまして、先ほどもちょっと申し上げたわけでございますが、
国内
の
賦存状況
の
調査等
につきましては今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
及川一夫
8
○
及川一夫
君 どなたも
我が国
の場合には
資源
が少ない国という点では
認識
をしているわけですし、
基本
的には
他国
の皆さんに
依存
せざるを得ないということになれば、
安定供給
ということが大きなどうしても
課題
になることは
通産省
も言われておるわけですからそれ
自体
はよろしいんです。 問題は、そういう
観点
に立っていればいるほど
国内
にある
資源
、数%とは言いながら、この
資源
が例えば
閉山
という
事態
に追い込まれるような、またそれを許すということになると
他国
に頼ることが
かなり
大きくなって、一たん緩急あるときにはそれこそそのパイプが切られてしまう、あるいは水道の蛇口がひねられるように、ひねられただけでもうアウトになってしまうということになりかねないということならば、少ないながらもやはりそれ
自体安定供給
の一環として、
国内産業
として何とか維持していくということが必要だろうというふうに思うのです。銅とか鉛とか亜鉛ですか、
ベースメタル
、これを見ますと
かなり
閉山
という
事態
が発生しているわけです。 ですから、
レアメタル
の場合といえども、
円高
との
関係
において経営的に成り立つ成り立たないというようなことが先んじて、結果としては
閉山
とかあるいは採掘をやめてしまうという、
石炭
と同じような
減産政策
などというようなことがとられては一体
安定供給
との
関係
でどういう
意味
合いを持つのだろうか。ここは国策的な
意味
でも頑張るところは頑張るというふうにしなければいけないということが理屈上成り立つんですけれども、そういう思いを真の
意味
で込めていわばこれからの計画あるいは執行というものをされていくのかどうか、その辺のことについてお伺いしたいと思います。
浜岡平一
9
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 確かに非常に大きな困難に現在
日本
の
金属鉱業
は直面をいたしているわけでございますが、御
指摘
のとおり、安定的な
供給
源が
国内鉱山
であることは申し上げるまでもございません。また、今後やはり
海外
の
資源
開発
、さらには発展途上国への経済
協力
、さらには深海底
資源
へのアプローチといったような
観点
から必要になっております
技術
の
供給
源といたしましても大きな
意味
を持っているわけでございます。さらには
地域経済
の核になっている場合が多いことももちろんでございまして、そうした
観点
から
国内鉱山
の
存在意義
を十分に
認識
しながら取り組んでいく必要があろうかと思っております。
鉱業審議会
の
鉱山部会
の答申でも
指摘
をされているわけでございますけれども、そういう
状況
下でやはり企業としての合理性というものも同時に踏んまえながら取り組んでいくというような
観点
も必要なわけでございます。 そういったことで、先ほども御
説明
を申し上げたわけでございますけれども、
金属鉱業経営安定化融資制度
等を
中心
にいたしまして、大変厳しい財政
状況
下ではございますけれども、相当思い切った
対応
を講じまして将来への道を切り開いていきたいと考えているわけでございます。
及川一夫
10
○
及川一夫
君 次に、
レアメタル
の
備蓄
の問題についてお伺いしたいと思います。
備蓄
の実績ということで六十二
年度
までの内容が記されているわけですが、さらにこれからの目標、六十三
年度
ということになるんですか、六十日というふうに言われているんですが、国際的な比較が
レアメタル
の総合
対策
の十六ページに載っております。 これで見ますと、アメリカなどは三年分というふうに
備蓄
の目標を立てているわけですね。ソ連の場合はどうも資料がないからわからぬのでしょうが、そしてイギリスにしてもその他の国々にしても
我が国
が目標としているものから見ると数段大量の
備蓄
ということが実はうたわれでいるわけです。 何でこんなに違うんだろう。国の大きさもあるかもしれませんけれども、それとも軍事力がな。こう思ってみたりなんかするんですが、あるいは
日本
の国が人口一億を超えているとは言いながら
面積
の面からいうと
かなり
小さい国だから、そんなに小さい国がそれこそ大国
並み
に
備蓄
をするなどとはもってのほか、そういう批判が、摩擦が起こらないようにという配慮がどうか知りませんが、余りにも
備蓄
をしようとする目標が違い過ぎるような気がするんです。なぜ
我が国
は六十日で一番頂点に立っているアメリカは三年分なのか、そんな疑問を持つんですが、いかがでしょうか。
浜岡平一
11
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 確かに米国三年、スイス一、二年分、スウェーデン一年というような例も世界的には見られるわけでございます。特に米国の
備蓄
の目的を見ますと、やはり戦時というような意識が取り込まれているようでございまして、いわば戦時
備蓄
といった感覚が
かなり
強いんではないかというぐあいに思っております。
日本
の
備蓄
につきましては、むしろ
供給
源が特定の
地域
あるいは特定の国に偏っておりまして、そういう
地域
あるいは国におきまして何らかの
供給
面での支障が生じた場合への
対応
というようなところが
基本
になっておりまして、いわば経済安全保障というようなねらいが基軸になっていると申し上げていいと思うわけでございます。こういったところが
備蓄
レベル
の違いといったところをもたらしているんではないかというぐあいに思っているわけでございます。
及川一夫
12
○
及川一夫
君 思いは大体同じような気もするんですが、しかしこれからの
産業
のことを考えると、ハイテク
産業
というのがそれこそこれまでの鉄鋼、造船にかわって大変な
産業
に発展をしていく、こう言われている。そのハイテク
産業
にはこの
レアメタル
的なものというのは
かなり
必要とされているという
認識
に立つんですが、ハイテク
産業
ということになると、アメリカと拮抗して相争うようなそれだけの
レベル
を
我が国
は持っているということになりますと、三年対六十日じゃえらい違うというふうに思うのですが、その辺はいかがですか。
浜岡平一
13
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 確かに六十日で万全であると言い切ることは難しいと思うわけでございます。大変財政事情に足を引っ張られておりまして苦しいところでございますけれども、六十日という目標を達成いたしました段階で次のステップをどうするかといった議論が当然展開をされようかとも思うわけでございます。 ただ、それまでの段階におきましてもう
一つ
私ども検討しなければならないかなと思っておりますのは、現在の
対象
になっております
鉱種
は七
鉱種
でございます。どちらかといいますと特殊鋼その他の特別の素材
分野
、さらにはエレクトロニクスの
分野
といったようなものが意識をされた
鉱種
が選ばれているわけでございます。ただ、これ以外にもやはりまだまだ新しい問題領域はあるわけでございまして、白金のたぐいなどもかねがね問題視されているわけでございますし、また、最近の新しい
技術
の動向に照らしますと、
レアアース
などについても全く備えがなくていいんだろうかというような議論もあり得ようかと思うわけでございます。 そういう
意味
で、七
鉱種
以外の
分野
に
備蓄
政策の幅を広げていくというような
課題
もあろうかと思っているわけでございまして、この幅の拡大と
備蓄
日数の積み上げ、この辺をいかに組み合わせていくかというところが今後の
課題
かと思っておりますが、いずれにいたしましてもこの七
鉱種
、六十日というところで安んずることはできない、さらに一段の
努力
は必ず必要になってくるのではないかという意識は強く持っております。
及川一夫
14
○
及川一夫
君 今、お答えの中で
レアアース
の問題もお触れになりましたが、私もこの面での
備蓄
というのは
対象
にならないのかどうかということを次の質問で考えておったのですが、その必要性 というか、ぜひやはり考えなければならないという
意味
のことも言われておりますし、それで一応了解をしたいというふうに思うわけでありますが、いずれにしてもこの
レアメタル
問題は
我が国
の
産業
にとっても大変な必要素材
資源
ということになるでしょうから、そういった面で我々も関心を深めたいと思いますし、ぜひこれから先も
備蓄
問題については十分注意を払っていかなければならない問題であるということを表明しておきたいと思います。 そこで、次の質問をさせていただきますが、この
報告
、また長官の
報告
の中にもありましたけれども、
超電導
を実現するための素材ということでお触れになっておりますが、国民全体から見ればこの
超電導
という言葉
自体
が新しいイメージで、一体どんなことをするのかということ、どんなことが起きて
超電導
と言えるのかというようなことについては必ずしも十分な
認識
というものはないというふうに私は思うのです。したがって、この
超電導
というのは、新聞とかいろんな本が出ていますけれども、どういう
意味
合いを持つのか、簡単で結構ですから
説明
を願いたいというふうに思います。
山本貞一
15
○
説明員
(山本貞一君)
超電導
と申しますと、ある
物質
の温度を極めて低い状態にいたしますと電気抵抗がゼロになるという
状況
が生じます。それを私ども
超電導
と言っておるわけでございますが、同時にその
物質
の周りに磁界を通さないという性質も持っております。したがいまして磁石との反発作用を持つというこの
二つ
でございます。
一つ
目の電気抵抗がゼロということにつきましては、その効果というか
意味
は、もう少し敷衍して付言して申し上げますと、抵抗がないわけですから永久電流が流れる、輪にしたコイルに電気を流すと無限に流れ続けるという性格がございます。
二つ
目には電子が非常に高速で動くということ、同時に大量に電気が流せるという性質もございます。したがいまして三つ目には電力消費が非常に少ないということも言えるわけでございます。四つ目には非常に高い磁石の磁界をつくれるという効果がございます。これが今申し上げました電気抵抗がないということの中身でございます。 第二の内部に磁界を通さないという点につきましては、専門的にはマイスナー効果と言っておりますが、その効果によって反発を生ずる、それを
産業
等に活用できるわけでございます。 簡単にその用途を申し上げますと、第一の電気抵抗がないという点につきましては、例えば発電機を非常に小型化、軽量化することができる、それから送電ロスがなく、かつ大量に送電ができるということ、また電力を蓄える、流れ続けるわけですからコイルに蓄えることができるといったような電力
エネルギー
部門に非常に大きな
影響
というか効果を持つわけでございます。 一方、先ほど申し上げましたマイスナー効果の方につきましては、リニアモーターカーで非常に速い輸送システムが可能になる、あるいは
超電導
船というようなものがつくれるという点がございます。同時にまた電子
関係
、エレクトロニクスの
関係
でも活用できまして、非常に高速、小型、かつ熱を発生しない電子計算機がつくれるというようなこと、さらに核磁気共鳴診断装置というものがございますが、そういう医療用にも使えるという大変広範囲な効果があるわけでございます。——もちろん、今申し上げましたような
超電導
につきましては、現在その
超電導
を起こすのは非常に低い、液体ヘリウムで冷却しなければいけない。絶対零度と申しますとマイナス二百七十三度ですが、それに近い温度まで冷やさないとできないというような非常に難しい問題があるわけですが、最近それより高い温度で
超電導
が生じ得るということが確認されつつあるわけでございます。
及川一夫
16
○
及川一夫
君 そういったものを可能ならしめるための素材が大きな話題に実はなっているようでありますが、その中でもイットリウムという素材が
我が国
でも岐阜で発見されたというふうに新聞に載っていたことを記憶しているんですけれども、一体どんなものなのか。実物があればちょっと見せて——見せてといってもここから見るのは大変なんだけれども、ちょっと御紹介していただきたいと思います。
浜岡平一
17
○
政府委員
(
浜岡平一
君) ただいま御
説明
をさせていただきました
超電導
の現象でございますけれども、従来は金属系の材料を
対象
にいたしまして研究が進んでいたわけでございますけれども、昨年来
酸化物
といいますか、ファインセラミックスを材料にいたしまして
ブレークスルー
的な現象が研究され続けているというような
状況
でございます。現在のところはまだ実験室段階で、さまざまの
レアアース
等を混合いたしまして、高温で焼結していろいろなテストが行われているという段階でございますが、御
指摘
のとおり、イットリウムが多くの場合には利用されているということでございまして、大きな焦点になっているわけでございます。 現在、この
分野
の
供給
につきましては、
日本
で最も
注目
をされておりますのは、御
指摘
の岐阜県の神岡鉱山から産出をいたします花崗岩質岩の中に含まれておりますスフェーンという成分でございます。
基本
的にはこのスフェーンの中にはチタニウムが含まれているわけでございますけれども、このスフェーンの一部の成分におきましては、チタニウムのかわりにイットリウムが含まれているというようなことが明らかになっておりまして、このイットリウムを取り出すことができるのではないかということが
注目
をされているわけでございます。 現在、このスフェーンからのイットリウムの抽出につきましては、
技術開発
に取り組み始めだというような段階でございますけれども、
一つ
の可能性を持った
分野
であることは御
指摘
のとおりでございます。ここに
関係
のサンプル等がございますので、後で回覧させていただければと思っております。(資料を示す)
及川一夫
18
○
及川一夫
君 そこで、
超電導
全体について
通産省
の方も考えていただきたいなというふうに思うのですが、実は、できれば
超電導
というものが実現をしたときにどんな目に見えるものがあるのかということを内々ちょっと工業
技術
院の皆さん方にお話ししておったんですけれども、テレビでも一部紹介されましたが、何といっても我々の場合も多くの意見を聞くよりは見た方が早いという
感じ
もしたものですから、できれば持ってきてほしいという注文をしたんです。 必ずしもきょうの段階では間に合わないということもございましたので、それはそれとして子といたしますけれども、できればどういう形になるか、この
調査会
で見せていただけるか、それとも研究所に赴いていかなければ見られないものかというようなことを含めて、これは
会長
やあるいは理事会で御検討をいただくことかもしれませんが、先行き実際問題として
超電導
が成立をしたその実物について見た方がいいのじゃないかという気持ちを持っておりますので、そういったことが可能かどうか、お答え願いたいと思います。
山本貞一
19
○
説明員
(山本貞一君) 本日用意できませんで大変申しわけございませんでした。
超電導
の非常に簡単な実験につきましては、先生今おっしゃいましたように、テレビのスタジオ等でも可能でございます。ここへ持ってまいることも可能でございます。液体窒素の魔法瓶を、これくらいの大きさのものを持ってきまして、
超電導
物質
という
酸化物
系でセラミックスを焼き固めたものを使いますと、先ほども申し上げました磁気反発ということで反発を生じて浮くというような現象を目で見ることができます。 きょうは用意することができませんでしたが、私どもの筑波の研究所へ赴いていただくとか、あるいは今後の機会にこちらの方へ御用意するということも、事前に言っていただければ可能だと存じます。
及川一夫
20
○
及川一夫
君 わかりました。 それでは、次に
産業
界への
影響
など例を挙げてお話ししてもらえばいいんですが、
かなり
時間も過ぎておりますから、次の機会に譲ることにいた します。 いずれにしても、
かなり
革命的なものであるというふうに言われているし、私も専門家じゃありませんけれども、いろいろな本を読む限りにおいてはそういう気がいたします。したがって重大な関心を持っているわけですが、既に
政府
では行政サイドの
対応
として、科学
技術
庁では二月に新
超電導
材料研究会、
通産省
においては四月に
超電導
産業
技術開発
懇談会、こういったものをつくられて設置されておられるようです。 それで、同じ
課題
なんだろうと思うのですが、よく拝見しますと、研究会というふうにつけた科学
技術
庁の場合には基礎研究ということにウエートを置く。
通産省
の懇談会では応用
開発
というものにウエートを置くというふうに実はなっているわけなんですが、こういった役割、任務を明らかにするために片一方では研究会、片一方では懇談会というふうにしてあるようなんですけれども、何か違いがあるんですか。基礎と応用の違いというよりも、目的は同じなんですけれども、ウエートの置き方が違うということはわかるんですが、そういう役割分担をいろいろな話の中から仲よく話し合って分けたというふうに
理解
してもよろしいんでしょうか。
山本貞一
21
○
説明員
(山本貞一君) 御
指摘
のとおり、科学
技術
庁の研究会は基礎研究に重点があると
理解
しております。私どもの懇談会では
産業
への応用
分野
というところから出発いたしまして、ただ、それを実現するために、先ほども申し上げましたが、非常に基礎的お探索あるいは実験、研究が必要でございまして、かつ、その理論的な解明もできないとうまくいかないという点もございます。そういう
意味
で、私どもの出発点は応用というところから出ておりますが、やはり基礎的な、あるいは基盤的な研究
開発
というところもやらざるを得ないということで、ある
意味
ではダブリはございます。 ただ、濃淡の違いがございますし、かつ、またこれは未知の新しい
分野
でございますので、
政府
部内におきましても、著しい重複は困るわけでございますが、色合いの違いを持った多少の重複というのは初期段階でございますのである
程度
許されるんではないかということで
関係
省庁とも話し合いをして
協力
と分担を進めておるわけでございます。
及川一夫
22
○
及川一夫
君 よく
日本
の行政当局の縄張り争いなんということが出るものですから、まさかそういう立場でおやりになっているとは私も思いたくないんですが、いい
意味
の競争は大いにやってほしいんですけれども、単なる縄張り争いでは非常に困りますので、そういった点は十分ひとつ気を配っていただきたい。 同時に、アメリカの議会筋でも大変な動きをこの
超電導
問題に対してはしているというふうに私は
認識
をいたしております。既に上院、下院に対して
超電導
に関する法案というものが、
超電導
競争法案というふうに私は聞いているんですけれども、とにかく
超電導
を早く実現せい、そのためには大いに競争せい、そういう会社が、研究者が出てくれば税制上の特典あるいは政治上の特典というものを与えるという
意味
合いで
提案
されているというふうに聞いているわけであります。 したがって、これだけはどうも
日本
の
技術
陣には絶対に負けてはならないという、これは少しおもしろおかしく書いた本なんですけれども、そんなことがうたわれているほど非常に世界各国の目が
超電導
に向いているという話も聞きますし、さらに、私は知らなかったんですけれども、我々の国会の中にも、自由民主党の先生方が
中心
のようでございますが、既に百人の
超電導
懇談会というものもつくられているというふうに実はお聞きしておりますので、
一つ
はアメリカ議会のその後のこの法案に対する動向ですね、現状、それと国会の中に百人委員会ができているということは事実なのかどうか、それをお伺いしておきたいと思います。
山本貞一
23
○
説明員
(山本貞一君) まず、アメリカの議会の動向でございますが、今先生が御
指摘
されたとおりでございまして、まず三月三十日に一九八七年
超電導
法案というのがデュレンバーガー上院議員等から提出されております。その後、四月、七月に三本の法案が出されておりまして、都合今四本の法案が提出されておるわけでございます。 アメリカでは国際競争という点に御
指摘
のとおり視点がありまして、かつ基礎研究だけじゃなくて製造法あるいは工程上の
技術開発
というところに重点を置くという、従来いわばアメリカが若干弱いと言われた面に重点を置くべきだという趣旨というふうに伺っております。その後のアメリカの議会の
状況
については今私どもさらに
調査
中でございますが、今
提案
されておるという
状況
のように聞いております。かつ下院等でコンファレンス、会議が
超電導
をテーマになされておりますし、下院で
超電導
に関する公聴会も開催されまして、各界の代表が証言を行いました。
我が国
からも長岡
技術
科学大学の斎藤進六先生が参加された次第でございます。 次に、
日本
の国会議員、自民党の先生方の議員の中で今先生御質問の百人の議員懇談会が設立されているのは事実かという御下問と存じますが、
超電導
議員連盟、正確な名前ちょっと今手元にございませんが、
超電導
議員連盟を自民党の有志の先生方が八月に設立されたというふうに承知しております。
及川一夫
24
○
及川一夫
君 大きな問題ですから、時と場合によれば超党派でこの種問題の実現に向けて
努力
し合うということはあっていいことだというふうに私は思うのですが、ただ、国会の中に議員連盟という名称になると、私らは余り呼びかけられた覚えがないものだから言うわけじゃないんですけれども、これからの問題として、私は取り扱いたいと思いますが、いずれにしても大変な問題であるということを
認識
した上に立って私どもも
対応
したいと思います。 最後の質問として、まずこの
超電導
というものが実現をする見通しですね、本当に可能なのかどうか。可能だとすれば一体いつごろか。質問
自体
が大変抽象的で申しわけないんだけれども、一体科学
技術
庁や
通産省
が所管をしている立場からどの
程度
の確信というものを持たれているのか、それをお伺いして、私ちょっと最後に意見を申し上げて終わりたいというふうに思うのですが、いかがですか。
中野昭二郎
25
○
説明員
(
中野昭二郎
君) 新
超電導
体につきましては、昨年スイスのIBMチューリヒ研究所において発見されまして以来、学界、マスコミ等におきまして特に高温化につきましてのさまざまのデータが出されているところでございます。 実用化の見通しにつきましては、これにつきましては先月京都で開催されました低温物理学国際会議等におきましても明らかにされてきておりますけれども、現状の新
超電導
体につきましては理論の確立もなされていないということで、実体と申しますか構造も明らかでない、あるいは得られている
物質
の特性あるいは性能も不安定ということで、極めて基礎的研究を推進すべき段階にある、そういうぐあいに
認識
しております。
及川一夫
26
○
及川一夫
君 時間がありませんので最後に意見を申し上げて終わりたいと思いますが、実は質問をするに当たって科学
技術
庁の皆さんや工業
技術
院、さらに
通産省
の皆さんにいろんな御意見をお伺いしたわけです。意見を伺う立場は、どうも私の
認識
からすると今にも実現しそうだ、もう五年先には、そういう気持ちで実は質問をしたわけであります。 私は専門家じゃないですから何かに動かされているわけですね。ここに牧野さんの本があるんですが、こういう本があちこちに出回っているわけです。その本というのは、もう実現は絶対可能という前提に立っている、もうすぐだ、こういうのがどうも本当に多いんであります。ですから大変すばらしいことだなと。もう鉄鋼
産業
はだめ、造船
産業
はだめ、今や
政府
だって国会だって
産業
構造の変化という問題をとらえてそれを雇用問題へどう結びつけていこうかという話のときに、もう神がかり的な、すばらしい神風が吹いた、そんな ことを書いているような本が非常に多いんです。 ところが科学
技術
庁とか
通産省
になると、いやいやどういたしまして、そんな簡単なものじゃありません、今緒についたばかりです、こういう答えしか実は返ってこないのであります。慎重さがあっていいとは思うのですが、また余り変な甘い夢を持たせてもいかぬという点でもいいんですけれども、果たしてどうなのか。もしそういうことが実態だとするともうこういう本というのはみんなインチキということに実はなってくるわけです。牧野さんなんかはもう今までやっていた仕事をやめて、これは書かなきゃいかぬというのでぱっと書いたと書いているんですからね、この中に。非常にわかりやすくは書いているんですけれども、私は一体これでいいのかどうか、余り変に惑わすような本であってはならないと思うのですが、書いている方々はほとんど
技術
者の方々が多いものですから、どうしてもやはり研究成果を、研究の結果を大きく評価したいという
意味
で先に出ているのではないかというふうに思うのです。 したがいまして、私はこの種問題については段階は必要だと思いますが、やはりある時期には監督官庁というか、こういったものを所掌として扱っている行政当局が一定の見解を加えながら、正しく縛りをかけながら大きな発展を期すという
意味
での指導というものがどうしても必要じゃないか、あるいはまた国民に対する呼びかけというものも必要ではなかろうか、こういうふうに実は思っているわけでありまして、きょうはその辺でやめたいと思いますけれども、ぜひそういうお計らいをお願いしたいということと同時に、ぜひこの問題については成功を期すために大いに力こぶを入れて
対応
すべきだということを結びにいたしまして、私の質問を終わります。
宮島滉
27
○宮島滉君 先刻長官から、
資源
問題そして
エネルギー
問題並びに
石炭
問題の情勢について御
説明
をいただいたところでありますが、私は、
資源
問題並びに
エネルギー
問題を
中心
に具体的な政策について、少し細切れになりますけれども御質問したい、かように思います。 〔
会長
退席、理事沢田一精君着席〕
我が国
が
資源
に乏しいことは、これは一般的に
認識
されておるわけでございます。したがいまして、必要な
資源
の安定確保は言うまでもなく至上命題であるわけでございます。特に
海外
依存度
が高いことからいたしまして、言うまでもなく国際協調を
基本
としながら長期的視野に立って
備蓄
あるいはまた
探鉱開発
、
技術
と
資源政策
を推進する必要があるということは言えるわけでございます。 また、
国内
鉱業は
鉱物
の国際市況の変動、そして
円高
の進行によって極めて危機に立たされておるわけでございまして、経営の安定化が大きな実は
課題
と言えるわけでございます。 さらに、先端
産業
等の基礎素材となる
レアメタル
の確保あるいはまた海底
鉱物
資源
の
開発等
も推進しなければならないと思いますが、それらの
資源政策
の今後のあり方について
政府
としてその方針を少し具体的にお伺いをいたしたい、かように存じます。
浜岡平一
28
○
政府委員
(
浜岡平一
君)
資源
の乏しい
日本
にとりまして、
資源政策
をどう構築していくかというのは長く大きい
課題
であろうかと思います。特に
鉱物
資源
につきましては、まだ
国内
の
資源
の
賦存状況
も全く捨てたものではないという
状況
でございます。やはり一番基軸には
国内
資源
の
開発
といった考え方が据えられるべきであろうかと思っております。何といいましても
安定供給源
でございますし、また
地域経済
への役割も大きいわけでございます。さらに
資源政策
を展開してまいりますためにはやはり何といっても
技術
と資本が根幹でございますけれども、これの
供給
源としての
意味
も持っているんではないかと思っております。 ただ、御
指摘
のとおりおのずから限界があるわけでございまして、やはり
海外
資源
の活用ということが望まれるわけでございまして、
海外
資源
の
開発等
にも積極的な姿勢が必要でございます。ただ、その際、特に
鉱物
資源
につきましては発展途上国の
賦存量
が大きいわけでございまして、これらの国々の経済のテークオフのためにこうした
資源
が活用されるべきだという要請が強いこともまた事実でございまして、やはり単に
日本
のためということではなくて、共通の利益のためというまさに経済
協力
の考え方というものがしっかりと据えられる必要があるんではなかろうかと思っております。特に太平洋
地域
におきましては今後の可能性も非常に大きいわけでございまして、特にこの
地域
にこうした姿勢で積極的に取り組んでいくことも必要なんではないかと思っているわけでございます。 さらに、その先に深海底
資源
、深海底
鉱物
という領域が存在をいたしているわけでございます。現在この
分野
につきましては
基本
的な探査が行われ、また国際的な権利調整が行われ、
技術開発
が行われているというところでございまして、二十一
世紀
に多分花開く領域ではないかと思っております。
日本
の
ニューフロンティア
といたしましても大いに期待されるわけでございます。 しかし、この
分野
におきましても、
マンガン団塊
をめぐります国連
海洋法条約
の動きに見られますとおり、この
資源
は人類共通の
資源
としてとらえ、
開発
に当たりましてはこの
開発
成果を発展途上国のテークオフのために有効に活用しようというような考え方が織り込まれているわけでございます。そうした
意味
で、やはりこの
分野
でも国際的な
協力
という感覚が必要不可欠になっているというぐあいに思っております。 以上申し上げましたように、
国内
資源
の可能な限りの利用というものを確認しながら国際協調、国際
協力
という感覚をしっかりと持ちまして、
海外
資源
、さらには深海底
資源
といったところにも視野を広げていくというのが今後の
基本
方向かと考えております。
宮島滉
29
○宮島滉君 先ほども
及川
委員から御
指摘
があったわけなんですけれども、ただいま長官からもお答えがございましたように、いわゆる
海外
依存度
が今日非常に高いわけでありますが、何としてもやはり
国内
の
資源
の
開発
ということがこれは自給向上をするためにも最も大切である、そのようにお話しになったわけでございます。したがいまして、
我が国
の現在の主要
鉱物
、これはそれぞれ物資の自給率は違っておる、私はかように思いますけれども、総括してその自給率というのはどの
程度
のものか、ひとつお答えをいただきたい、かように思います。
浜岡平一
30
○
政府委員
(
浜岡平一
君) まず、いわゆる非鉄金属の根幹でございます銅、鉛、亜鉛でございますけれども、銅につきましては自給率、これは
国内
鉱石への
依存度
というぐあいに御
理解
をいただければと思うわけでございますが、銅は一・六%、鉛は一八%、亜鉛は二九%弱といったような
状況
でございます。ほぼ同様の
定義
によりまして
レアメタル
、
レアアース
を見ますと、現在のところではほぼ全量を
海外
に
依存
しているという
状況
でございます。 〔理事沢田一精君退席、
会長
着席〕 なお、そのほかの
分野
につきましてちょっと言及させていただきますと、ニッケルもゼロ、クロムも二%
程度
というような
状況
でございます。
宮島滉
31
○宮島滉君 ただいま伺いまして、特に主要
鉱物
については
国内
の自給率が極めて低いということを改めて
認識
するわけでありますけれども、そうしたときに、主要
鉱物
の
安定供給
の確保のために当然やはり自主
開発
の推進が重要である、かように思うわけでございます。したがいまして、その自主
開発
のために
政府
として現在どのような援助政策等々を含めましてその推進方をなさっておるか伺いたい、かように思います。
浜岡平一
32
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 御質問の点につきましては、従来からいわゆる三
段階システム
と呼んでおります仕組みを
基本
にいたしているわけでございます。 第一段階の広域的な
調査
でございますけれども、これにつきましては国の役目を
中心
にすべきものというのが
基本
的な考え方でございまして、
金属鉱業事業団
が国から委託を受けて取り組んで いるわけでございます。これによりましてある
程度
有望と目される
地域
がクローズアップされてまいりますと精密地質構造
調査
を行うというわけでございまして、これが第二段階になるわけでございます。 この段階になりますと、やはり企業の役目というものを
中心
に考えておりますが、
かなり
手厚い補助を行っております。所要経費の十五分の十を金属事業団を通じまして国が補助をし、十五分の二を都道府県が補助をし、残りました十五分の三を鉱業権者が負担するというような仕組みになっているわけでございます。 第三段階がいわゆる企業によります
探鉱開発
というような段階になってくるわけでございます。この段階につきましては、
金属鉱業事業団
からの
融資
というものが
基本
の仕組みになっているわけでございますけれども、特に中小鉱山につきましては、全体の計画づくり、さらには必要な
マンパワー
の養成といったところをひっくるめまして総合的な
合理化
指導事業を行っているところでございます。なかんずく骨格になっております
開発
事業につきましては二分の一の補助、それから人員の研修につきましては三分の二の補助というような仕組みをとり良して取り組んでいるところでございます。
宮島滉
33
○宮島滉君 この
調査会
でも
石炭
政策についてはよく声高に審議がなされるわけでございますけれども、非鉄
金属鉱業
についてはややもすると取り残されたような印象も実は受けるわけでございます。ただいま長官の御答弁を伺っておりまして、それなりの諸政策がとられておるところでございますけれども、この第一次
産業
はややもすると非常に取り残されている
分野
でもございますので、ひとつ積極的に私は取り組んでいただきたい。特に先端
産業
を控えての主要な物資、重要な
資源
でございますので、ぜひこれらの
産業
について改めて政策をひとつ講じていただきたい、かように存じます。 そこで、次のお尋ねでございますが、希少
鉱物
でありますところの
レアメタル
について少し伺いたいと思います。 現在、新
エネルギー
革命と言われております
超電導
開発
に不可欠な
レアメタル
の需給
状況
、先ほども
及川
委員の中でお答えはいただいたわけでありますけれども、その
状況
等について突っ込んでひとつ御答弁いただきたい、かように存じます。
浜岡平一
34
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 私ども
レアメタル
につきましては、先ほど来御
指摘
がございますように、特殊鋼その他の新しい素材の
開発
のためにも、またエレクトロニクス
技術
の発展のためにも極めて重要な
分野
であるというぐあいに考えております。単に素材としてだけではなくて、その持っております機能が
注目
されるようになっているというような
観点
を重視したいというぐあいに考えまして積極的に取り組んできたわけでございますけれども、先ほど来お話がございますように、さらに最近になりましては
超電導
の
ブレークスルー
といったこととの
関係
で、
レアメタル
の一
分野
ではございますけれども、
レアアース
といった
分野
も改めて
注目
されるようになってきておりまして、この
分野
にさらに光を当てていく必要があろうかというぐあいに考えているところでございます。
レアメタル
につきましては、特に既に多くの
分野
におきまして実用に供されております七
鉱種
につきましては
備蓄
といった
対策
に取り組んでいるわけでございますけれども、やはりそれ以外の
分野
につきましても
資源
の探査、
探鉱開発
、さらには採取、製錬、利用にまたがります
技術
の
開発
、こういった
分野
にも積極的に取り組んでいく必要があろうかというぐあいに考えている次第でございます。 なかんずく
レアアース
につきましては、これは
探鉱開発
あるいは
技術開発
の
分野
での手を怠っておりますと、下手をしますと全体の夢が砂上の楼閣にもなりかねないわけでございますので、地道な
努力
の積み上げが必要かというぐあいに思っております。幸いにいたしまして、現在言われております
酸化物
系といいますかセラミックス系の
超電導
の
ブレークスルー
が実用化に至りますまでにはまだある
程度
の時間があるようでございますので、この時間的余裕を利用いたしまして十分
努力
をいたしまして、いよいよ実用化という段階で材料面でボトルネックが生ずるということのないように
努力
をしなければならないと思っております。
宮島滉
35
○宮島滉君 ただいま
レアメタル
につきましてのお考え方を伺ったわけでありますが、先ほども長官は、まず何といってもその
技術
的な
開発
が最も大事である、そしてまた
海外
に
依存
するためには
海外
の
開発
も必要である、特にやはり
開発
途上国についてのこれからの援助ないしはそれによる
開発
も必要であろう、また同時に深海底
資源
によるところの新しい
フロンティア
としての
開発
も必要であろう、このようにお話しになったわけでありますが、なかんずく発展途上国における
レアメタル
はそれぞれ
鉱物
の
資源
を有する国が非常に少なくないんじゃないか、このように実は思います。これらの中には、非常に
開発
に当たっては資金的な面あるいはまた
技術
的な障害で十分に
開発
できないでいることも否めない事実でございます。したがいまして、私が申し上げたいのは、このために経済
協力
によっていわゆる
資源
開発
を促進することが極めて大事ではないか、このように思うわけでございます。現在
我が国
が
海外
援助としまして、特に
開発
途上国に対しますところの
政府
開発
援助のODAでありますけれども、これらのODAの資金を
資源
開発
に積極的にやはり活用していくべきではないか、このように実は考えるわけでございます。 そこでお尋ねするわけでございますが、現在の
海外
援助資金につきましてどの
程度
資源
開発
に使用されているのかどうか、そこらあたりの事情をひとつお聞かせいただければと、かように存ずるわけでございます。
浜岡平一
36
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 御
指摘
の点は極めて重要な
課題
でございます。現在
資源
開発
をめぐります経済
協力
につきましては、国際
協力
事業団が
基本
的なプランを立案いたしまして
金属鉱業事業団
に実際の仕事を委託するというような仕組みがとられているところでございます。六十二
年度
予算におきましては約二十六億円がこの事業に投入をされているというような
状況
でございます。 従来から幾つかのプロジェクトが動いておりまして、年々幾つかのプロジェクトがスタートをいたしまして、それを累計いたしますと現在十五の
地域
で
資源
開発
調査
が行われているわけでございます。 なお、最近におきまして海底
資源
、深海底
資源
が
注目
されるようになりまして海洋
資源
調査
というジャンルが新しくつけ加えられているわけでございますけれども、太平洋諸国に対しまして一
地域
というぐあいにグルーピングしてございますけれども、やはり積極的に取り組みを始めたところでございます。十五
地域
の中には中国、タイ、パキスタン、ケニア等々の国が含まれているわけでございます。
宮島滉
37
○宮島滉君 ただいまお答えいただきましたように、
資源
開発
のためには
海外
ODA援助は極めて大事である、このように御答弁いただいたわけでございます。したがいまして、今後このODAの援助資金を積極的にやはり私は活用していただいて、そして
供給
の安定確保のために御
努力
いただきたい、かように存ずるところでございます。 次に、
レアメタル
と同様に
我が国
にとって必要不可欠の
資源
であります
石油
について少しお伺いしたいと思います。 まず第一に、最近の
ペルシャ湾情勢
のもとで
供給
に不安な
状況
はないのかどうか。全く変化があっていないのかどうか。そして万一
ホルムズ海峡
の封鎖などいわゆる不測の
事態
を生んだ場合——不測の
事態
があるとは考えられませんけれども、万一やはり不測の
事態
があったということを想定した場合、いわゆる
影響
はどうなるのかひとつお伺いをいたしたい、かように存じます。
内藤正久
38
○
政府委員
(内藤正久君) 今、先生御
指摘
のとお り、
ペルシャ湾情勢
緊迫の度を加えておりますけれども、
日本
との
関係
で見ましても、一月以降
日本
関係
のタンカー五隻が被弾事件をこうむるという動向になっておるわけでございます。かつ、先生の御
指摘
のとおり
石油
の
供給
に当たりまして
日本
は
ホルムズ海峡
経由のものが約五五%ということで、
ペルシャ湾
の動向が非常に気にかかるところでございまして、国連を
中心
とする外交
努力
の成り行きを含め、その動向について重大な関心を持って見守っておるというのが実態でございます。 それとの
関係
で
石油
情勢でございますけれども、現在の
国際石油情勢
は、六月にOPECが第三・四半期より第四・四半期の生産数量を決めておりますけれども、それがいずれも日産で千六百六十万バレルという合意をして生産を決めたわけでございますが、実際上の生産はその枠を大幅に超えまして、七月では約二百万、八月では約三百万バレルというオーバープロダクションをいたしております。それで、かつ万一の事故があったといたしましても、
ペルシャ湾
岸以外のOPEC諸国及び非OPEC諸国になお
供給
余力があるということから、
石油
情勢については引き続き注視する必要はございますけれども、直ちに
供給
不安が起こるということはないものと思っております。 今、先生御
指摘
の、では
ホルムズ海峡
閉鎖があった場合にどうなるのかという御質問でございますけれども、現時点では我々は予測し得ないシナリオと思っておりますけれども、仮に全く仮定の話といたしましてそういうことが起こったとあえて考えてみますと、中東
地域
にはパイプラインによる油送能力がなお余裕がございます。しかも先ほど申し上げましたようなOPEC以外の諸国あるいは湾岸以外のOPEC諸国からの
供給
増が期待されるということで、
かなり
の部分がそちらの
供給
で賄えると思っております。 さらに、それが予想どおりの
供給
が行われないということになりますと、現在保有しております
石油
備蓄
、これが現在
日本
の消費量ペースで約三十八日ございますので、それを取り崩して
安定供給
に支障の生じないような
対応
も準備をしておるということで、情勢については注視はいたしておりますが、当面の動きの中では特に
安定供給
に支障を生ずることはないというふうに考えておるところでございます。
宮島滉
39
○宮島滉君 ただいま御答弁いただきましたように、それなりの
対策
なり、そして
備蓄
によって十分な安全保障が保たれている、このように存ずるわけでありますが、そこで
石油
備蓄
につきましてお伺いをいたしたいと思います。
昭和
五十
年度
から
民間備蓄
を、また
昭和
五十三
年度
からは
国家備蓄
としておのおの開始されているわけでございます。特に
国家備蓄
については、当初タンカーによる
備蓄
でありましたが、最近は
備蓄
基地の完成に伴いこれらにかわっているところであります。現在
民間備蓄
量が約五千二百万キロリットル、そしてまた
国家備蓄
量が約二千三百万キロリットルであります。そして
国家備蓄
は来
年度
当面の目標であります三千万キロリットルをクリアする、このようにうかがっておるわけでありますけれども、これらのことにつきまして少し詳細にお尋ねをいたしたいと思います。
内藤正久
40
○
政府委員
(内藤正久君) 先生御
指摘
のとおり、
石油
備蓄
、これは
日本
の
エネルギー
政策上
基本
的に重要な
一つ
の柱であると
認識
いたしております。その背景といたしましては、先ほども御
説明
いたしましたとおり一次
エネルギー
の中で
石油
の占めます比率が約五五%、しかも輸入
石油
の
依存度
が九九・七%、先ほど申し上げましたように
ホルムズ依存度
が五五%という非常に脆弱な
供給
構造になっておりますので、今後とも経済安全保障上の重要な施策として位置づけてまいりたいと思っております。 その現状でございますけれども、今御
指摘
のございましたように、ことしの七月末で
民間備蓄
九十五日分、
国家備蓄
四十三日分、合わせて百三十八日分の
備蓄
水準
を維持いたしております。先生御
指摘
のとおり、
国家備蓄
につきましては六十三
年度
末三千万キロリットルを達成するという目標を着実に
実施
していくということで、本
年度
につきましては三百万キロリットルの積み増しを予定いたしておりまして、今
年度
末には二千七百万キロリットルの
水準
に達するものと予想をし、それを着実に実行しておるというのが実態でございます。
宮島滉
41
○宮島滉君 本年五月に開催されましたIEA閣僚理事会において緊急時に取り崩し可能な
石油
備蓄
の増強が合意されているわけでございます。したがいまして、
備蓄
に対する
我が国
を含む欧米諸国の最近の
状況
について、これも少し具体的にお伺いをしたい、かように思います。
内藤正久
42
○
政府委員
(内藤正久君) 今、先生御
指摘
のとおり、ことしの五月のIEA閣僚理事会で
備蓄
のあり方が
基本
的な問題となり、議論をし、合意に達しております。 その場合の共通の
認識
といたしましては、中長期的には非OPEC
地域
の
石油
生産は横ばいになっていく。他方
需要
の方を見ますと、発展途上国を
中心
に着実な
需要
増加が見込まれる。
供給
面にはなお中東
依存
が高まっていくということの中から、一九九〇年代に向けて
石油
供給
が不安定化するという懸念が共通の
認識
として持たれたわけでございます。その
認識
のもとに、今先生御
指摘
のとおり、ことしの五月の合意事項といたしまして、一九九〇年代に向けて
石油
備蓄
の重要性を一層強く
認識
し、加盟国が
備蓄
の積み増し、特に利用可能な
備蓄
の増強を行っていくということで合意を見ておるところでございます。 それで、この合意の方向に沿いまして、IEAの加盟国家はもちろんでございますが、IEAに加盟をいたしておりませんフランス等につきましても
備蓄
の増強が相当に議論をされておる実態でございます。
我が国
につきましては、先ほど申し上げましたように、当面
国家備蓄
につきまして従来からの計画でございます六十三
年度
末三千万キロリットルの積み増しを着実に実行してまいるわけでございますけれども、アメリカにつきましては七億五千万バレルを
備蓄
目標といたしておりまして、現時点で約五億三千万バレル
程度
の
備蓄
をいたしておると
理解
をいたしております。 それからオランダでございますが、これはことしの一月から、形は共同
備蓄
ということになっておりますが、実質的には
国家備蓄
を推進いたしておりまして、四十五日プラス二〇%
程度
の
備蓄
を国で保有するということで、相当のアクセシブルストックの増大という目的のための
努力
が行われております。 それから西ドイツにつきましても、民備を一部軽減し共備を拡大する。共同
備蓄
の実際上のコントロールは国がやるということで、国情に近い形での共同
備蓄
の改正案が西ドイツの議会で今議論をされておると
理解
いたしております。 それからフランスにおきましては、来年の一月から共同
備蓄
を導入するということで、
政府
の支援を含めて
備蓄
の増強策が議論されております。 そういうことで、IEAの合議を踏まえ、あるいはその動向を眺めながら
関係
国がそれぞれ
備蓄
政策を強化しておるというのが現状でございます。
宮島滉
43
○宮島滉君 ただいまのお答えによりますと、各国とも
国家備蓄
については積極的にその
対応
がなされておるようであります。
我が国
はIEAの
水準
からいたしますと必ずしもその
水準
に達しているとは言えないわけでございます。したがいまして、この
国家備蓄
についてはやはり
政府
としては十分な私は
対応
が必要ではないか、このように存じます。 そこで、
石油
備蓄
について、やや一部については負担軽減を求める声も実はあるわけでありますが、ただいまお答えをいただいたように、世界情勢は極めて
備蓄
についての積極的な施策をそれぞれとっておるところでもございます。したがいまして、
我が国
として現在この
国家備蓄
につきましてそれぞれ
備蓄
基地を建設中である、このように思うわけでございますが、その建設中または工事 準備中の国家
石油
備蓄
基地のうち、その完成計画が非常にまだ不確定なものが実は見受けられるわけなんです。 そこで、不確定ないわゆる
石油
備蓄
基地について
政府
としてはどのようなお考えをお持ちであるかお伺いをいたしたい、このように思います。
内藤正久
44
○
政府委員
(内藤正久君)
国家備蓄
につきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、三千万キロリットルの
国家備蓄
原油を安定的に貯蔵する公共施設ということで、全国十カ所に施設容量ベースで約四千万キロリットルの貯蔵が可能になるタンク等を建設いたしております。既に二カ所について完成を見ておるところでございます。他方その完成までの間、
国家備蓄
を計画的に進めますために民間の余剰タンクを借り上げておりますけれども、これは
国家備蓄
の完成までの間の活用ということで位置づけておるところでございます。
国家備蓄
基地、したがいましてあと八カ所が現在建設中、一カ所についてはほぼ大宗建設が終わっておるというもの、あるいは来年完成するもの、再来年完成するもの、いろいろございます。一部のものにつきましては六十五年完成ということで、建設の実態に応じて変動要因はございますけれども、結論として申しますと、全国十カ所、四千万キロリットルに相当する施設は計画に沿って、かつ、その建設の実態に沿って着実に進められておると
理解
いたしておりまして、今後ともその実行を着実に推進していきたいというふうに思っておるところでございます。
宮島滉
45
○宮島滉君 五十三
年度
から
国家備蓄
が開始されたわけでございますけれども、その建設について不確実なものが現在あるわけでございます。そのお答えとしては、ややもするといわゆる
民間備蓄
の施設を今後使用していくんだ、そのようなお答えのように実は伺ったわけでございます。 そこで、私は長崎県に現在建設途上でありますところの上五島
石油
備蓄
につきましてお伺いをいたしたい、かように思うわけでございます。 御存じのように、上五島
石油
備蓄
につきましては六十三
年度
完成の予定に実は相なっておるわけでございます。その設備量は四百四十万キロリットルの設備が完成するわけでございますが、しかしながら、この
備蓄
の当初計画というのは御存じのように六百万キロリットルを満たすために実は計画がなされて周辺
対策
等ともすべて設置されたもの、そのように私は
理解
をいたしておるわけでございます。 過般、八月の三十日から三十一日、長崎県にとりましては未曾有の台風がございました。そして長崎県におきましては五百億を超えるというような大災害をこうむったわけでございます。特にその中で五島列島の中にあります福江市、それからまた同じ五島列島の中にあります小値賀町、それから平戸市は激甚地のいわゆる災害救助法を受けたまさに台風の通過地点であったわけです。その位値に上五島
石油
備蓄
基地は存在するわけでございますけれども、幸いにしてこの基地は全く損害も何もなかったということでございますから、いかに適地を選ばれていたかということも
一つ
言えるわけでございます。 したがいまして、そのような不測の
事態
があるにもかかわらず何らの障害、支障がなかったということでもございますし、これは洋上式でもありますけれども、何としてもやはり当初計画でありますところのいわゆる六百万キロリットル、あと八十八万キロリットルを二基追加しますと完成、当初計画のとおりこれは実現するわけでございます。そうしますと非常にコスト面からしましても割安になるんじゃないか、私はこのようにも判断をいたすわけでございます。また地元として大変実はこの件につきましては強い要請がなされておるわけでございます。 少し手前みそになりますけれども、長崎県は造船、そして炭鉱が御存じのとおり昨年閉鎖をいたしました。そして今や地元は非常に不況下にあることは御存じのとおりだ、このように思うのです。そういう
観点
からしても、何とかして上五島
石油
備蓄
基地のいわゆる当初計画の完成を地元の経済界を含めまして県民は大変切望をいたしておるところでございます。 ですから、
一つ
は要望にもなるわけでありますけれども、何としてもこの実現方をお願いいたしたい、このように思っておるところでございますが、ひとつ
政府
の真意のほどをお伺いをいたしまして質問を終わりたい、かように存じます。
内藤正久
46
○
政府委員
(内藤正久君) 今、先生御
指摘
の上五島国家
石油
備蓄
基地の建設でございますけれども、地元の全面的な御支援を得て来年十月ごろには完成をするということを目標に現在建設中でございます。 御
指摘
のとおり、施設容量につきましては八十八万キロリットルの貯蔵船五隻ということで、四百四十万キロリットルの基地として建設しておるわけでございます。先ほど来申し上げております
国家備蓄
三千万キロリットル計画に
対応
した全国十カ所の施設容量合計は、貯油率七五%という設計でございますので、施設としては四千万キロリットルということで確定をいたしております。その計画の中では上五島は玉そう分、四百四十万キロリットルということで内訳として計上されておるわけでございます。 今、先生御
指摘
の六百万キロリットルという議論が一時建設の経過の中で議論があったという経過は
理解
いたしておりますけれども、最終的に三千万キロリットル体制を決めましたときには四百四十万ということで取り扱われておったというのが東京側の
理解
でございます。したがいまして、現時点では上五島におけるさらなる
備蓄
基地の増設ということは具体化は困難であるというのが実は実態でございます。 なお、御参考まででございますけれども、今後
備蓄
をどうしていくかということを今審議会で議論をいたしております。晩秋までにある
程度
の方向性が出てくるかと思っておりますけれども、そのときの
一つ
の重要な考慮要因といたしまして、万一
国家備蓄
を増強いたす場合にも、ことしの七月、総務庁から行政勧告が出ておりまして、民間余剰タンクが非常に多いという実態を踏まえて、その利用可能性を総合的に勘案して民間余剰タンクを利用しろという
政府
全体としての動向もございます。 そういうふうなものを踏まえながら、いずれにいたしましても
備蓄
のあり方全体につきまして今審議会で議論をしておるというのが実態でございます。
馬場富
47
○馬場富君 長官の方から先ほど
説明
がありました
エネルギー
の現状についての中から三点ほど質問いたします。 最初に、
国内
資源
の問題で
国内
金属鉱業
の現状でございますが、戦後の
我が国
の発展に
金属鉱業
の担ってきた役割というのはやはり大きいと思うのです。今は
海外
依存度
が非常に強くなってきておりますが、そういう点でやはり
国内鉱山
のあり方というのも私はこれからの
資源
の中で大事な問題だ、こう考えます。その
技術
は
海外
資源
の
開発
を進める場合にもぜひまた必要であるというような
観点
からも、やはり
国内鉱山
は可能な限りその維持、存続が図られなければならない、そう考えておりますが、
国内鉱山
のあり方について
政府
はどのようにお考えか、ひとつ御
説明
願いたいと思います。
浜岡平一
48
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 御
指摘
のとおり、いろいろな
存在意義
を
日本
の
国内鉱山
は持っておるんではないかと思っております。 ただいま先生御
指摘
になりましたように、確かにウエートから申しますと
海外
資源
あるいは二十一
世紀
には深海底
資源
への
依存度
といったものが上がってくるわけでございますけれども、しかし、こういった
分野
に挑戦をいたしております企業は何であろうかということで見てみますと、これはやはりその出発点は
国内
鉱業に置いた企業が多いわけでございます。また、実際に
海外
あるいは深海底で応用されます
技術
というものもやはり
国内
で涵養され蓄積をされた
技術
といったものが使われているわけでございまして、
日本
の鉱業の
フロンティア
を広げてまいりますためのいわば出 発点というのはやはり
国内鉱山
、
国内
資源
にあるということが言えるんではなかろうかと思っております。 また、
分野
によりましてはまだ
国内
資源
への
依存度
の高い
分野
も存在をしているわけでございまして、これにつきましては何といいましても
安定供給源
だというような
意味
合いも大きいと思っております。さらには、
地域経済
にとりまして中核的な
意味
合いを持っている場合も決して少なくないわけでございます。 こういった
観点
を総合的に考えてまいりますと、やはり今後の
日本
の鉱業政策の根源には
国内
資源
の有効活用という考え方が据えられる必要があろうかというぐあいに思っている次第でございます。
馬場富
49
○馬場富君 そこで、位置づけについては重要な位置づけにあるとおっしゃいましたが、現状は非常に
関係
者から危惧されておる現状なんですね。後刻また
論議
されます
石炭
と同様に
日本
のやはり
金属鉱業
の将来も、銅、鉛など
ベースメタル
等の
国内鉱山
は主要六鉱と言われておりますが、これらの鉱山の将来性についても大丈夫かという声が
石炭
に次いで起こるんではないかという危惧も非常にありますが、この六鉱の個々の経営の見通しについて御
説明
願いたいと思います。
浜岡平一
50
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 非鉄金属につきましては、やはりほかの
産業分野
とは相当違う経営
環境
ともいうべきものが存在をしているんではないかと思っております用地金の価格にいたしましても、また鉱石の価格にいたしましても、
基本
的にはLME、ロンドンメタル市場の価格と連動して動いているといったファクターがあるわけでございます。こういった
状況
の中で、そもそも国際的なやや
供給
過剰の中で国際価格が下がっているという
状況
があったわけでございますけれども、なかんずく六十年秋以降の急激、大幅な
円高
というものが何といいましても非常に大きな打撃を与えているという
状況
であろうかと思っております。 現在、先ほどちょっと冒頭の御
説明
でも申し上げたわけでございますが、少し世界的にも需給
状況
に改善の兆しが見えておりまして、価格もどん底を脱したというような
状況
かと思われるわけでございますけれども、何といいましてももう
一つ
の要素でございます円の為替相場の方が極めて不透明でございます。この動きいかんによりましては残念ながらもう
一つ
大きな打撃が及ばないとも言い切れないわけでございます。 私どもといたしましては、こうした不安定要因というものに直面しながらの企業経営は大変苦しく難しいものだというぐあいに想像いたしておりまして、やはり引き続き経営安定資金の
融資
等を通じまして、こうした大きな
環境
の変化に
対応
できるよう
自己努力
と相まちまして適切な支援をしてまいりたいというぐあいに思っております。決して楽観は許されないというぐあいに思っておりますけれども、最善の
努力
を期待いたしたいと思っているところでございます。
馬場富
51
○馬場富君 次に、先ほどずっと質問が続いておりました
レアメタル
について、私は、これが非常に
超電導
などの先端
技術
に欠かすことのできない大事な
資源
であるということは
説明
でよくわかりますが、この
需要
が非常に急速に伸びておるというような
状況
から、今後の
資源
のあり方について大変心配になっていくんではないか。長期的に見てみても需給の増大傾向がどんどんとふえてくる。そういう点で、いいことではありますが、
資源
に
一つ
の限定があるために、
通産省
の試算によりましても二十一
世紀
の市場規模というのは現在の三倍に達するということが言われておるわけでございますが、そうなった場合の
資源
の安定的な
供給
というのは非常に難しいんじゃないか、場合によっては枯渇するんではないかという危惧があるんですが、ここらあたりはどうですか。
浜岡平一
52
○
政府委員
(
浜岡平一
君) いろいろな
見方
があろうかと思うわけでございますけれども、現在世界の
鉱物
資源
につきまして最もオールオーバーな
調査
として挙げることができます米国鉱山局の資料によりますと、
かなり
ばらつきがあるわけでございます。 現在
備蓄
対象
として私どもが取り上げております七
鉱種
について見てみますと、一九八三年現在の可採年数、現在の可採埋蔵量を現在の消費量で割った数字でございますけれども、
かなり
幅がございます。
タングステン
で六十年弱というのがどうも低いところでございますが、高いところで見ますとクロムの三百五十年強というような数字もあるわけでございまして、七
鉱種
で六十年から三百五十年というような幅がございますけれども、現在のところでは目先枯渇というようなことは世界的な視野で見れば一応懸念されないと申し上げてもいいんじゃないかというぐあいに思っております。 ただ、先ほど来申し上げておりますように、世界的な
賦存状況
というものが
かなり
偏っているわけでございます。また消費量は先生御
指摘
のように今後上がっていくわけでございまして、可採埋蔵量がふえてまいりませんとどんどんと可採年数は
低下
していくわけでございます。
需要
がふえて可採埋蔵量がふえなかったという場合には、紀元二〇〇〇年ごろには先ほど申し上げました可採年数が二分の一から三分の一に落ちるんではないかというような予測もあるわけでございまして、決して楽観は許されない、
探鉱開発
面での
努力
の積み重ねが必要不可欠ではなかろうかというぐあいに思っております。
馬場富
53
○馬場富君 そこで、
石油
危機と同じように、やはりこの
レアメタル
についても
我が国
は無
資源
国でありますし、そういう点では政情のいかんによってはいろいろな点で心配される面があります。
石油
危機が
代替エネルギー
を生んだように、先ほども
説明
の中に代替
物質
の研究が進められておる、その中にファインセラミックスなどの名も挙げられましたが、代替
物質
の研究
開発
について、やはり将来的に
レアメタル
、天然
資源
につないでいけるような研究成果が上がっているかどうか、御
説明
いただきたいと思います。
浜岡平一
54
○
政府委員
(
浜岡平一
君)
レアメタル
資源
の
探鉱
活動は、ほかの
資源
と比較をいたしますと比較的近年になって活発化しているというような
状況
でございます。なかんずく
レアアース
につきましては、これから積極的な取り組みが始まろうというような
状況
になっているわけでございます。ただ、
レアメタル
にいたしましても、それから特に
レアアース
につきましては探査
技術
の面におきましてあるいは製錬、回収
技術
の面におきまして伝統的な鉱産物とは
かなり
違った面が存在をいたしておりまして、この面での積極的な
努力
が必要であろうかというぐあいに思っているところでございます。特に現在の段階では、まだ十分に利用されてない
分野
に取り組んでいくといたしますとこういった
課題
が必要不可欠かと考えております。
日本
の
状況
はこれからまさに積極的に取り組んでいこうというような
状況
になっているわけでございます。特に
海外
に賦存をいたしております
資源
につきましては、
日本
だけではなくて、発展途上国等を
中心
にいたしまして
海外
諸国との
協力
といった方向も十分に織り込みながら
対応
していきたいというぐあいに思っているところでございます。
馬場富
55
○馬場富君 もう
一つ
は、これは限定された
資源
ですから、有限な
資源
ですから、そういう点ではやはり
レアメタル
の回収のための国際
技術
協力
というのが必要ではないか。今現在回収
技術
がないために捨てられておるという話も随分あるわけですね。こういう点については、有限な、また貴重な
資源
であるだけに、やはり国際協調をしまして、産出国とも
技術
連携をとりながらこういう
分野
の
協力
が必要ではないかと思いますが、どうですか。
浜岡平一
56
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 全く御
指摘
のとおりでございます。発展途上国の未回収
資源
に対します
技術
協力
は、経済
協力
政策の中でも大きな位置づけが与えられてしかるべきものだというぐあいに思っている次第でございます。 こういう
観点
から、例えば
昭和
五十九
年度
から、タイとの間でスズの選鉱をいたしました後に 残りました廃滓から
レアメタル
資源
を回収し有効活用するといった
技術
につきまして共同の研究
開発
を進めているところでございます。今後ともこうした
分野
での種といいますか、シーズを積極的に拾い上げまして推進をしていくことが必要不可欠であろうと思っているところでございます。
馬場富
57
○馬場富君 次に、特に
資源
のない
日本
として科学
技術
庁も非常に真剣にこれに取り組んでおるいわゆる
深海底鉱物資源
の
開発
についてですが、先ほども述べられておりますが、特に太平洋の深海底
資源
というのは無限の宝庫であるとまで言われ、太平洋の時代とも、あるいは二十一
世紀
は海底
資源
の時代だとも言われております。 そういう点で、特に
日本
は無
資源
国だという点もありますし、もう一点は何といっても海洋
日本
という、すぐれた船舶や
技術
も持っております。今
マンガン団塊
とかあるいは
海底熱水鉱床
とかあるいは
コバルト
・
リッチ
・
クラスト鉱床
、こういう探査が進められておることは非常に結構なことですが、これからの
資源
という点で、やはり
日本
の
資源
のポイントはここらあたりに置いて長期的に取り組むべきである。そういう点で科学
技術
庁等も「しんかい」等の海底探査の船等を建造しながら真剣に取り組んでおるようですけれども、この点、科学
技術
庁とエネ庁との連携はどのようになされていますか。
浜岡平一
58
○
政府委員
(
浜岡平一
君)
深海底鉱物資源
の
開発
利用を含めました海洋
開発
が
日本
の今後の大きな
フロンティア
であることは御
指摘
のとおりでございます。
鉱物
資源
、漁業
資源
、その他多くの
資源
の有効な活用のためには総合的なビジョンと構想が必要でございまして、科学
技術
庁の方におかれましてもそういった
観点
から海洋
開発
の総合的なブランというものをお示しいただいているわけでございます。 私どもも、そういった海洋
開発
の計画の中に
深海底鉱物資源
の
開発
利用といったものをしっかりと位置づけていただくようにお願いをいたしておるわけでございますが、幸いにいたしまして十分な御
理解
をいただいているんではなかろうかと思っているところでございます。現在深海底
資源
の探査につきましては、
金属鉱業事業団
の
白嶺丸
あるいは第二
白嶺丸
等を活用いたしまして積極的に取り組んできているところでございます。 今後の
課題
といたしましては、
一つ
はこの深海底からいかに有効に効率よく
マンガン団塊
等を採取するかという問題があるわけでございます。現在私どもの方でもこの
マンガン団塊
の採取システムの
開発
に取り組んでいるところでございますけれども、それの成果を海洋利用全体の中での位置づけをしっかりとらまえながら積極的に適用していく段階がいずれ来るのではなかろうかというぐあいに思っております。 さらに、その先の
課題
といたしましては、深海底
資源
につきましては製錬段階等でもまた特別の工夫が必要ではなかろうかと思っているわけでございまして、この面での
技術開発
等にも積極的に取り組んでまいりたいというぐあいに思っております。大変広大な海洋でございますので、幾つもの目的と計画が並立し得る可能性は十分大きいというぐあいに思っておりますけれども、総合的な視野の中で適切な位置づけを見つけていく必要があろうと考えております。
馬場富
59
○馬場富君 あと要望で終わりますが、先ほども質問の中に出ておりましたいわゆる
海外
で摩擦を起こすことは、
日本
もいろんな大きな国際問題を抱えておりますし、そういう点でやはり
海外
協力
というのも、また援助ということも非常に大きいポイントにもなってまいります。そういたしますと、
日本
の
資源
の
開発
になる深海底がそういう方向で使われることは政策上も最高の政策である、そう考えますので、ぜひ長官もこの深海底
資源
の問題についてはひとつ全力を挙げて取り組んでいただきたいということを強く要望いたします。 最後に、第一次、第二次オイルショックがありまして、そのときの
日本
の私どもに与えた教訓は、
石油
依存
が高過ぎた、低くしよう。それからもう
一つ
は、政情不安な中近東
依存
をなるべく避けよう。もう
一つ
は、これにかわる
代替エネルギー
の
開発
を強力に進めるべきだ。この三つが原則で
日本
の
エネルギー
対策
を実はあの当時
論議
したと思うのです、我々も。この考え方は今も変わっていませんか。
浜岡平一
60
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 全く変わってないと申し上げていいんではないかと思っております。先ほど
石油
部長
からも御
説明
申し上げましたように、依然としてやはり
日本
の
エネルギー
の
供給
構造には
脆弱性
が大きく残っていると思っているわけでございます。今後とも
石油
につきましては、
備蓄
政策それから自主
開発
原油の確保、さらには
供給
源の多角化といった
努力
が必要かと思っておりますけれども、さらに、これに加えまして
代替エネルギー
の
開発
の促進、さらにはたゆまざる省
エネルギー
の
努力
といったものが必要であろうと思っておりまして、こうしたいわゆる総合
エネルギー
対策
につきましては今後とも手を抜くことなく取り組んでまいりたいと思っております。
馬場富
61
○馬場富君 後の
石炭
のときにもちょっと質問いたしますけれども、
環境
庁と
通産省
の立地公害局が見えていると思いますが、それは近距離、中距離的にはそういう見通しの
角度
でいいと私は思いますが、今世界の専門家の間で
論議
の的となっておるのは、実は核融合の
開発
が進められておりますが、これは少なくとも五十年はかかるだろう。非常にきれいで、また非常に
資源
も多くある核融合は非常に
エネルギー
の立場から重要視されておりますけれども、まだ
開発
に最短距離でも五十年はかかるだろう。その間いずれの燃料を主にして考えていくかという問題が世界の専門家の中で多く論じられておりますが、その中で化石燃料から出すいわゆる炭酸ガスの汚染というのが非常に重要問題になってきているわけです。この点について
環境
庁と立地公害局が
かなり
検討してみえるようですが、ちょっと簡単に
説明
してもらいたいと思います。
浜岡平一
62
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 現在、立地公害局の方で勉強いたしております結果としての
認識
につきまして私の方から御
説明
をさせていただきますと、確かに化石燃料の燃焼によって生まれてまいります二酸化炭素がいわゆる温室効果といったようなものを通じまして
地球
全体の
環境
に長期的には
影響
を与えていくんではないかというような問題
指摘
があるわけでございます。大気中の二酸化炭素の濃度の観測におきましては、やはり少しずつではございますけれどもその濃度が上昇しているというような事実もあるわけでございまして、長期的な
観点
から見ますと、今後の
エネルギー
政策を考えてまいります際にはこうした
観点
を忘れることは許されないんではないかというぐあいに考えている次第でございます。 そうした
意味
でも
石油依存度
の
低下
といったことは
一つ
の
意味
合いを持っているわけでございますけれども、しかし、
代替エネルギー
の選択に当たりましては、単に
石油依存度
の
低下
というだけではなくて、
代替エネルギー
の中の選択の問題というぐあいに
課題
がつながっていくんではないかというぐあいに思っております。 先生御
指摘
のように、長い目で見ますと核融合といったものが最もこういった
地球
環境
に対しましては大きな
ブレークスルー
になるんではないかというような
観点
もあろうかと思います。また、そこに至りますまでの間のいわゆる
原子力
利用につきましても、安全面での
対応
に万全を期していく限りこうした
地球
全体の
環境
という
観点
から見ましてもそれなりの
存在意義
は持ち得るんではないかというぐあいに思っているところでございます。 いずれにいたしましても、ただいま御
指摘
の視点というものは、やはり今後の
エネルギー
政策を考えてまいります際に決して欠かすことのできない視点であろうというぐあいに思っている次第でございます。
大木正吾
63
○
会長
(
大木正吾
君) 簡潔にお願いします。
黒川雄爾
64
○
説明員
(黒川雄爾君) CO2の増大の原因は、先生御
指摘
のように化石燃料の使用とそれから森林破壊というものであるとされております。 それで、二酸化炭素の濃度が上昇していることはハワイのマウナ・ロア観測所の記録でも裏づけられております。例えばそれによりますと、毎年一・五ppm
程度
上昇しておりまして、六十年には三四五ppmになっています。それで、二酸化炭素濃度の上昇の
影響
につきましては、必ずしも研究が十分進んでいるわけではないわけですけれども、二酸化炭素濃度が二倍になると一・五度ほどから四・五度ぐらいの気温上昇が生じるとか、それによって海面が相当上昇するのではないかといったような
報告
が出ております。
環境
庁としましては、
地球
的規模の
環境
問題に関する懇談会というのが
環境
庁長官
のもとにありますけれども、ここで大気中の二酸化炭素濃度上昇による温室効果の問題とか、先ほど申しましたような森林の破壊など、そういった
地球
的
環境
問題について検討を重ねてきております。 しかし、この問題は全
地球
的な取り組みを必要とする問題でありまして、まず科学的知見の確立など、こういったものにつきまして世界気象機構とか国連
環境
計画などの国際機関を通じた
協力
が必要ではないかというふうに考えております。これらの国際機関における検討、あるいはことしの四月に公表されましたけれども、
環境
と
開発
に関する世界委員会の
報告
書などを踏まえながら
環境
庁としての取り組みを検討していきたいと思っております。
神谷信之助
65
○
神谷信之助
君 先ほどの
報告
に関連して若干の質問を時間の許す範囲で行いたいと思います。 先ほど
国内鉱山
の
状況
について、未曾有の危機的な
状況
だという
報告
がありました。まさにそのとおりだと思うのですが、それを前提にして一、二間お伺いしたいのは、
一つ
は、
鉱業審議会
の昨年の九月に出した建議ですね、あれは一ドル百七十円をベースにした
対策
を建議しているんですが、今日御承知のように百四十円台というレートになっております。そういうことで、一般新聞でも抜本的な
対策
を講じなければ鉱山は全滅するというような報道もあるんですが、これに対する
対応
はどのようにお考えですか。
浜岡平一
66
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 御
指摘
のように、
鉱業審議会
の建議が行われました時期と比べますとまた一段と
環境
の変化があることは事実でございます。確かに為替レートにつきましては先生御
指摘
のように一段と
円高
の様相が顕著になってきているわけでございます。他方国際価格といいますか国際需給につきましては若干改善の気配も見られるわけでございますけれども、決して楽観を許さないというような
状況
でございまして、気を許すことは全く許されないというぐあいに思っているわけでございます。
鉱業審議会
の建議にも盛られておりますように、やはり経済合理性という感覚を
基本
に置きながら企業サイドの自主的な
努力
と
政府
の適切な
対応
というものが組み合わされていくことが必要かと思っているわけでございます。建議におきましても、
日本
の鉱山につきましては、残念ながら撤退をするもの、相当の
合理化
を行いながらその存続を図っていくもの、現状維持を
基本
としていくもの、こういった三つの方向づけに沿って適切な選択が行われることが必要であるというようなことも示されているわけでございます。 私ども、こうした企業サイドでの選択というものをにらみながら、
金属鉱業
経営安定化
融資
を軸にいたしまして、この
状況
を乗り切っていくための適切な支援措置を今後ともきめ細かく
充実
をし
拡充
をしてまいりたいというぐあいに思っております。それから同時に、こうした
対応
によりまして
影響
を受けます
地域
につきましては、多くの
地域
対策
、中小企業
対策
を活用しながらできるだけその
影響
の緩和に努めていくというようなことが必要かというぐあいに思っているところでございます。
神谷信之助
67
○
神谷信之助
君 今、長官お話しのように建議では三つのタイプにして、高品位の鉱山でいけるところ、二番目は
合理化
で頑張れる鉱山、低品位で廃業あるいは転業を考えるべき鉱山という三つのタイプに分けて言っているんですけれども、同時に、その建議で親企業の
努力
というのも出ています。この親企業の
努力
というのはどういうようなことをお考えになっていますか。
浜岡平一
68
○
政府委員
(
浜岡平一
君) ただいま申し上げましたこうした調整措置あるいは
対応
措置が図られてまいります段階では、当然当該
地域
あるいは周辺
地域
に対しましていろいろな
影響
が発生をしてまいるわけでございます。特にそういった
影響
を受けます
地域
の活性化といいますか振興といいますか、そういった面での
努力
といったものが期待をされているわけでございます。当該企業の多角化といいますか、新
分野
への展開への支援もあろうかと思うわけでございますし、また関連企業を当該
地域
に誘致をし、あるいは誘導するといったような面での
対応
もあろうかと思うわけでございますけれども、こういった面での
努力
あるいは
協力
を期待しているということでございます。
神谷信之助
69
○
神谷信之助
君 これは、私は
石炭
の場合も同じだと思うのですけれども、
日本
の
産業
の基礎素材である金属鉱山について採算ベースだけでいくと、仕方ない、どんどんつぶれてしまう、こうなってきます。親企業の方ももうかるときはそこからピンはねをしながら、あかんようになったらどんどんつぶしてしまう。これではこれからの
日本
の
産業
の発展にとって必要不可欠な基礎素材の安定的
供給
というのが困難になってくる。ですから、そういう
観点
からの
対策
を講じないと、自然に放任をする、自助
努力
をやりなさいというだけでは僕はだめになってしまうというように思うのです。この点はそういう点を
指摘
しておきたいと思います。 それから、もう時間がありませんから、次に
レアメタル
の
探鉱開発
の問題です。 六十年の三月の
鉱業審議会
鉱山部会
の
探鉱
分科会において
調査
対象
有望
地域
として二十九
地域
を挙げて、六十
年度
三
地域
、阿武隈東部、それから笠間、松江、六十二
年度
は二
地域
をプラスして日高南部と陸中北部、こういう
探鉱
調査
を始めておられるんですけれども、鉱床発見の可能性の問題と、それから
調査
箇所をふやすという要望もあるようですが、これらについての考え方をお聞きしたい、こういうように思います。
浜岡平一
70
○
政府委員
(
浜岡平一
君)
探鉱
につきましては、取り組みを始めましてまだ十分な時間が経過いたしておりませんので、現段階で確たる評価を下すことは難しいようでございますけれども、現在まで得られております
状況
では決して悲観的ではない、
かなり
いい兆候もあらわれているというような
報告
も来ているようでございます。これはもうちょっと時間をかしていただいた方がいいんではなかろうかというぐあいに思っております。 それから
探鉱
の
対象
地域
につきましては、御
指摘
のように今後とも、ペースは必ずしも快速ではないかもしれませんけれども、年々増加をさせるようにしてまいりたいと考えております。
神谷信之助
71
○
神谷信之助
君 それでは次に、先ほどからも話が出ておりました
超電導
用の
レアメタル
、
レアアース
の問題ですけれども、イットリウム等の希土類元素が重要な役割を果たすわけですけれども、これは近くでは中国に偏在をしている、世界の埋蔵量の八〇%が中国にあるようでありますが、六十二
年度
から、先ほども
報告
がありましたが、五カ年計画で広東省など有望な鉱区の基礎
調査
を始めたというように聞いておるんですが、この進捗
状況
というのはどうなっていますか。
浜岡平一
72
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 御
指摘
のように、中国が
レアメタル
の賦存
地域
といたしまして大変有望な
地域
であるという
認識
を持っております。また、中国サイドにおきましても同国の今後の経済発展のためにはこの
資源
開発
、利用といったものが重要な手がかり、足がかりになるという
認識
を強く持っているようでございます。そういった
意味
で
日本
と中国の、俗な言い方でございますが、気合いは合っていると申し上げていいんではないかと思っております。
昭和
六十二
年度
から御
指摘
のように中国の
レアメタル
の総合的な
資源
調査
に取り組むことにいたしているわけでございます。
日本
側の
実施
主体と いたしましては
金属鉱業事業団
が当たるわけでございます。
金属鉱業事業団
を窓口にいたしまして中国側と相談を重ねてきたところでございますが、先般合意に達しまして二カ所、
一つ
は黒竜江省でございます。もう
一つ
は広東省でございますけれども、この二カ所におきまして地質
調査
、ボーリング
調査等
を行うという合意に達したところでございます。五年計画で考えておりまして、現在私どもの思っております計画では二十五億円ぐらいを投入することになるんではないかと思っておりますが、毎年当然のことながら財政当局の
理解
を得ていかなければなりませんけれども、ぜひこの方向で推進をしてまいりたいというぐあいに思っているところでございます。 なお、六十三
年度
以降こうした
努力
と並行をいたしまして、さらに
レアアース
等の回収
技術
の
開発
につきましても中国との
協力
を進めることができれば望ましいと考えておりまして、所要の予算要求を行っております。また、
レアアース
の
分野
での日中
協力
につきまして幅広い共同検討を行う場を設けるための所要の予算等も要求をいたしているところでございまして、現在開始いたしておりますプロジェクトを足がかりにいたしまして、幅の広い
協力
関係
が展開できればというぐあいに念じているところでございます。
神谷信之助
73
○
神谷信之助
君 去年の暮れそういう基礎
調査
を始める方向が決まって、今おっしゃったように広東省、それから黒竜江省を
中心
にやろうということになったわけですけれども、ところが一方この夏、七月の報道によりますと、中国は
レアアース
の
日本
向け新規輸出契約交渉を停止する、こういう通告を商社や関連業界にしてきた、そういう報道もあるわけです。
超電導
開発
で中国は今、日米両国を追い上げるという方向が出てきているし、
レアアース
の戦略的見直しを始めたという
見方
もあるんですが、今後の
日本
への安定的な
供給
についての見通し、あるいは障害、こういうような点についてはどういうようにお考えでしょうか。
浜岡平一
74
○
政府委員
(
浜岡平一
君) ただいま御
説明
申し上げましたプロジェクトなどが動いておりますので、
レアメタル
あるいは
レアアース
の
分野
につきまして私どもと中国との間にそれなりのパイプは存在をいたしているわけでございます。中国側から公式に輸出を制限するというような考え方の表明を受けたことは私どもにとってはないわけでございます。 ただ、先生御
指摘
のように、ことしの春のイットリウム等の対日輸出契約交渉の際に中国サイドでは
レアアース
類の輸出窓口を統一しよう、そのために新しい協会をつくってはどうかというような考え方があるので、既存の契約は延長をするけれども新規の契約はしばらく見合わせたいというような考え方の表明があったという
報告
は
関係業界
の方から受けているわけでございます。 既存の契約はすべて延長をされておりますし、現在のところまだ
超電導
の
分野
での
需要
が具体化してくるのは大分先のことかと思うわけでございまして、
需要
が急激にふえるというようなこともございませんので、当面は需給
関係
に大きな混乱を来すことはないんではないかというぐあいに思っておりますけれども、しかし長い目で見ますと、やはり
供給
の安定化ということにつきましては十分な配慮をしていかなければならないというようなことを強く示唆する
一つ
の情報なのではなかろうかというぐあいには思っております。
神谷信之助
75
○
神谷信之助
君 今、長官おっしゃるように、中国の経済の自由化で中国側の企業が幾つもあって格差が出てくる。それの一本化をする、そういうために一たん停止しているんだという
見方
が強いんですけれども、いずれにしても、こういった希少物資はこれからまた二十一
世紀
に向けての、
超電導
時代に向けての戦略的見地からのいろんな各国の思惑が出てきます。だから安定的
供給
を確保するという点では我が方もはっきりしたなにを持たないと非常に左右されてくる。つまりそういう
資源
が少ない
日本
としては重大な、大事な問題だと思います。この点はそういう点を
指摘
しておきたいと思います。 あと、もう時間がありませんが、先ほど言われた深海底
資源
開発
問題ですが、きょうもらったこの
報告
の中でちょっと気になるんですがね。五ページのところで、「今後、
マンガン団塊
と同様「早い者勝ち」の国際的な
先行投資者保護スキーム
の成立が予想されるため、探査実績の積み重ねが重要である。」というようになっています。 確かに、探査実績を積み重ねていくということは非常に大事です。しかし同時に、深海底
資源
の
開発
ということになりますと、探査
技術
それから採掘
技術
等々相当高度の
技術
を必要とします。したがってそれは先進諸国で限られたところになっていく。したがって発展途上国などは、深海底
資源
というのは言うたら公海ですから、その
資源
は人類の
資源
として全人類が共有できるといいますか、そういう主張も出てきている。早い者勝ち、強い者勝ちでは、それこそ植民地の分捕り合戦をやったような、そういう状態を
資源
の問題でやっては大変だというように私は思うのです。 確かに、今の国際情勢の中で早い者勝ちというなにがあって、海洋法ができる前からだあっと走り出しましたね、
先進国
が。
日本
はそういう点では後発ではあるけれども、そっちに今向かってきているんだけれども、
我が国
の立場としてその点はしっかり堅持をしてやるべきだと思うのですが、この辺はどうですか。
浜岡平一
76
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 確かに、わかりやすいようにということでこういう表現を使わせていただいたわけでございますが、誤解を招きやすいかなと思います。 先生御
指摘
のように、実際に
深海底鉱物資源
にアプローチすることができますのは、
マンガン団塊
の例を見ましても、
日本
、フランス、米国、ソ連、それに一部の
地域
でインドが加わっておるわけでございますけれども、確かに参加者は限られてくるだろうと思います。したがいまして、その成果というものは、まさに深海底にあるわけでございますから人類全体が活用するという考え方は
マンガン団塊
の場合と同様に今後とも
基本
的な考え方になるだろうと思っております。 それを前提に、割り当てられた鉱区からの成果の半分は世界全体のために供出するというルールの中でだれがやれるかということになりますと、
マンガン団塊
の例を見ましても実績者が調整
対象
に加わるという
意味
でこういう表現を使いましたけれども、考え方といたしましては、やはり先生御
指摘
のように、人類のための
資源
、
開発
の成果は特に発展途上国に及ぶようにというような考え方は今後とも堅持されていくと思いますし、また
日本
もそのルールの中で活動していかなければならないと思っております。
橋本孝一郎
77
○
橋本孝一郎
君 先ほどから
日本
の金属鉱山、特に
資源
小国でありながら世界有数の多消費国である、この条件は将来も変わらないと思うのです。したがって、そのための
安定供給
が今最も重要である。そのためには
国内
外の
開発
なりあるいは
備蓄
あるいはまた回収
技術
の向上等いろいろな総合的な
対策
が必要だと思いますけれども、私は、そういう総合戦略の中で、何といってもやはり
国内
の金属鉱山というものがポシャってしまったのではこれは何にもなりませんので、そういう立場からの質問を申し上げたいと思います。 特に金属鉱山の
金属鉱業経営安定化融資制度
、これの
拡充強化
という立場で意見を申し上げ、考えをお聞きしたいわけですが、
我が国
の金属鉱山の
技術
を温存し、さらにそれを涵養していくために従来から安定化制度が設けられているわけですが、
現実
に銅、鉛等の
ベースメタル
の主要鉱山は六鉱山を残すのみになっております。したがって、なおこれらにも一層の支援措置が求められているわけでありますが、そのために
融資
制度における
対象
事業の拡大をすべきではないか。例えば現在
対象
となっている鉱山に加えて製錬所を加えることも検討する価値があるのではないか、そう思うのですが、それについてのお考えをお尋ねしたいと思います。
浜岡平一
78
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 確かに先生御
指摘
のよ うな声もあるわけでございます。ただ、制度の根幹が
金属鉱業
経営安定化
融資
ということになっておりますものですから、俗な表現でございますが、この制度の延長線上で考えるといたしますと、山元製錬所というような限定がどうしてもやはり出てくるわけでございまして、そうなりますとその条件に該当いたします製錬所の数は必ずしも多くないという問題がございます。それ以外の製錬所は均てんできないというようなことになりまして、その辺のバランス感をどうするかというような問題もあるわけでございます。 別途の
角度
からの意見といたしましては、やはり先ほど来ちょっと話題になりましたLME
依存
でいいのかどうかとか、こういった問題を含めまして、
日本
の製錬業、金属地金
産業
のあり方につきまして総合的なレビューが必要なんではないかというような声もあるわけでございます。 そういった
角度
からの検討というものも今後余り格式張った場ではなくて適切な場を設けまして検討をしていったらというような
課題
もございまして、現在のところまだ結論を出しかねているわけでございます。もう少し各方面の意見を集約しながらその方向に踏み切るかどうか検討をいたしたいと思っております。
橋本孝一郎
79
○
橋本孝一郎
君 現在はまだ幸いにしてそういった優秀な
技術
者もいるわけですけれども、これが
閉山
ということになってきますと、将来その夢も消えるわけであります。
現実
に合いわゆる
海外
の
探鉱
あるいは
開発
ということになると
日本
の
技術
というものが非常にそういう点では有利に展開できる。そういう
技術
温存も含めて、それから優秀な
技術
者も集まるようにしておかないとこれは大変
日本
のためにも不利益ではないか、そういう
意味
でのひとつ検討をお願いしておきたいと思います。 それから、
国内
の鉱山
探鉱
の助成策についてですけれども、現在進められております
探鉱
助成策は、広域
探鉱
では国が負担しているわけであります。精密
調査
では先ほど
説明
がありましたように国の補助ということになっておるわけでありますけれども、今後総合的に
調査
を進めるためには精密
調査
も全額国庫負担ですべきではないかということが
一つ
と、それからなお、その
探鉱
を進める際に、現存する炭鉱の近辺を
調査
することが非常に少ないわけであります。今後は
探鉱
の効率を上げていくためにも、あるいはまたコストを軽減していくためにも、現存する鉱山の近辺を重点的に
調査
に加えることが適切ではないかと考えるんですが、この二点についてお答え願いたいと思います。
浜岡平一
80
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 初めの三段階制度といいますか三段階
探鉱
システムの問題でございますけれども、
基本
的な骨組みといたしまして、広域
調査
、精密
調査
、企業
探鉱
、こう進んでくるにつれまして企業のリスクテーキングをふやしていくという考え方が全体の構造になっているわけでございます。 かねてからこの精密
調査
の段階の補助率の引き上げという議論がありまして、幾度か財政当局とも議論をした経緯もあるわけでございますけれども、やはり今の
状況
下では、まず全体の財政
状況
の中で、補助金削減という流れの中で予算額の減少を食いとめるというところに全力を投入せざるを得ないというような
状況
にございまして、この全体の仕組みを変えるということにつきましては、従来もいろいろやってみましたけれども、率直に申し上げまして大変抵抗が大きいというような
状況
でございます。 それから、広域地質構造
調査
なり精密地質構造
調査
につきまして、既存の炭鉱の周辺に特に力を入れていくということにつきましては、確かにそういうねらいも十分有意義であると思われるわけでございます。運用面で当然
対応
できる問題でございますので、従来もそうでございましたけれども、今後とも御
指摘
の方向を踏んまえまして
対応
してまいりたいと考えております。
橋本孝一郎
81
○
橋本孝一郎
君 次に、休廃止鉱山の坑廃水問題についてお尋ねしたいと思います。 休廃止鉱山の坑廃水問題については、
昭和
五十六年より
かなり
改善されてきているようであります。処理義務者の永久的処理義務の是正はしかしまだ進んでおらないわけでありまして、企業が存続する限り無期限で鉱害
対策
が最終鉱業権者の責任になっております。このことは非常に企業に過大な負担を課しておるわけでありまして、
昭和
六十三年より補助
対象
比率が改善される見込みとも聞いております。これもさることながら、ある一定の期限を経過したならば処理義務を企業から免除する制度に改められないのかどうか、お尋ねしたいと思います。
安藤勝良
82
○
説明員
(安藤
勝良
君) お答えいたします。 休廃止鉱山から流出する坑廃水処理
対策
につきましては、
通産省
では従前から休廃止鉱山鉱害防止等工事費補助金制度によりまして、事業者の鉱業活動に起因しないいわゆる自然汚染あるいは他者汚染について、先生今お話がありましたように五十六
年度
から補助金制度として導入いたしまして交付しているところでございますし、また、あわせまして
金属鉱業事業団
におきまして、自己汚染分に対する低利
融資
、または坑廃水処理コストの低減を図るためのいろんな
技術開発
をやってきているところでございます。 さらにまた、来
年度
の予算要求の中で、鉱害防止工事の円滑な推進というようなことから、今の補助制度のいわゆる自然汚染比率の算定方式を見直すというようなことから、今後処理事業の一層円滑な推進ができるよう今予算要求を行っているところでございます。いわゆる問題の坑廃水処理期間の限定、いわゆる義務者の有限化の問題でございますが、これにつきましては公害防止に係る汚染者負担の原則という
関係
もございまして、昨年九月の
鉱業審議会
の建議におきまして、「鉱業権者であった者が現行制度により処理を継続をせざるを得ない」、こういう結論も出されておりまして、この問題につきましては今後とも慎重な検討が必要かと考えております。 —————————————
大木正吾
83
○
会長
(
大木正吾
君) この際、お諮りいたします。 本日、
政府
から提出されました参考資料のうち、
説明
内容把握のため必要と思われるものにつきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
大木正吾
84
○
会長
(
大木正吾
君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
大木正吾
85
○
会長
(
大木正吾
君) 本件に対する本日の
調査
はこの
程度
にとどめます。 —————————————
大木正吾
86
○
会長
(
大木正吾
君) 次に、
産業
・
資源エネルギー
に関する
調査
のうち、
石炭
問題に関する件を議題とし、
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御発言を願います。
対馬孝且
87
○対馬
孝且君
きょうは時間が三十分という短い時間に限られておりますので、第八次の
石炭
政策の
基本
問題、これに触れることはできません。残念でありますが、真谷地炭鉱の
閉山
をめぐりまして、
事態
は極めて深刻であります。したがって、それらをひとつ重点に質問いたしてまいりたい、こう思います。通産大臣、
労働
大臣、両大臣がそろわれておりますので、あわせて
労働
省
関係
もお伺いしたい、こう思います。 まず第一に、第八次
石炭
政策の初
年度
に入りましたが、残念ながら七月十四日には
三井砂川炭鉱
が
閉山
のやむなきに至りました。今度は九月九日に真谷地炭鉱がついに
閉山
を
提案
されました。我が社会党は
事態
を重要視いたしまして、五日に
調査
団十一名を現地へ派遣いたしてまいりました。極めて深刻であります。さらに、私も十四日に真谷地炭鉱の千人を超える緊急全員大会に出席いたしております。 大臣、ここで率直に言われておりますのは、金も出ない、職もない、これは一体どういうことなんだ、まさに死ねということではないか。後ほど大臣に新聞を渡しますけれども、こういう紙面が 実は出ているわけであります。職もない、金もない、どうしたらいいんだ。まさに死ねと言う以外の何物でもない。これはまさに血の叫びであります。 こういった
事態
を踏まえまして、八月二十六日、退職者の会の加藤正さんが自殺をするのやむなきに至りました。私は十四日に墓参りをいたしてまいりました。霊前に誓ってまいりました、あなたの死をむだにしないためにもひとつ労務債完済、山の再建に全力を挙げてまいりたいと。 直ちに私も八月二十七日、大変田村通産大臣は多忙でありましたが、時間を割いていただいて会見をさせていただきました。大臣も精いっぱい、現行法の、超法規的な
意味
でもひとつ全力を尽くしてまいりたい、こういう言葉をいただきまして、鋭意
努力
されておりますが、この
事態
をどのように受けとめているか。砂川あるいは真谷地の今のこの訴えをどう受けとめているか。このことを率直にまず所見をお伺いしたい、こう思います。
鈴木英夫
88
○
政府委員
(鈴木英夫君)
北炭真谷地炭鉱
株式会社、それから親会社の北海道炭砿汽船におきましては、極めて逼迫した資金事情のもとで真谷地炭鉱の今後の経営のあり方について検討を重ねてきたわけでございますが、去る九月九日、
会社側
は労組に対しまして、十月三日をもって
閉山
し、全員解雇する旨のいわゆる
閉山提案
を行ったところでございます。当省といたしましては、本件につきましては重大な関心を持ちまして経営の動向を注視しているところでございますけれども、この問題につきましては労使間の十分な話し合いによって結論が見出されるものと期待しているところでございます。 なお、先生おっしゃいました真谷地炭鉱退職者の会事務局長加藤正様の御不幸に対しましては、まことに痛ましく、御冥福をお祈りしたいと思います。 真谷地炭鉱におきましてこれまで発生いたしました退職金が多額の未払いの
状況
にあるということは大変遺憾な
事態
であるというふうに私ども
認識
しておりまして、親会社及びグループ企業挙げての
自己努力
によってこの問題の解決が図られるよう、私ども
労働
省と連携をとりつつ
会社側
を強力に指導してまいりたいというふうに考えております。
田村元
89
○国務大臣(田村元君) まことに胸痛む思いであります。 今、
政府委員
からお答えをいたしましたが、先般対馬議員が私のところへ来られていろいろと御相談を申し上げたが、九月末で二十四億円ぐらいの未払いがございますが、結局全部で百五十億くらいになるんじゃなかろうかと思います。そのうち九十億は
閉山
に伴う資金、それから約六十億が大口金融債、それから公租公課ということになっておりますが、私どももちろん親会社及びグループ企業の支援を含めた
会社側
の最大限の自助
努力
を求めていくことは当然でございます。ございますが、同時に
関係
者、すなわち金融機関また
労働
省、道庁などの御
協力
もいただきながら可能な限りの
努力
をいたしたい、それが
雪崩閉山
防止の道へもつながるわけでございますからできる限りの
努力
はいたしたい、このように考えております。
対馬孝且
90
○対馬
孝且君
今、
石炭
部長
、大臣から答えがありましたが、私はしばしば当委員会で六月十六日の会議録もありますけれども、大臣も答えておりますが、今もありましたが、このままではやはり
雪崩閉山
になるということを
指摘
いたしてまいりました。そのとおり速度は速まっているわけであります。私は率直に申し上げますが、今日の六十三
年度
原料炭
の取引予想高が御案内のとおり百二十万トン、当時百七十万トンが百二十万トンですから、端的に言って五十万トンがつまり
閉山
計画に入れざるを得ない、こうなるわけであります。 そこで私は、今回の真谷地炭鉱というのはこれは政策
閉山
である、こう言わざるを得ないのであります。なぜかと申しますと、これは今真谷地炭鉱は
原料炭
でありますから掘れば掘れる。ただ、問題は全体の
需要
量がそれに
対応
できない。つまり先ほど申しましたように百七十万トンが結果は百二十万トンですから、したがってこれはあえて
閉山
をせざるを得ないということになりますと、ここが問題なんでありますが、やり方があるんじゃないか。 しばしばここでも申し上げていますが、真谷地炭鉱の今日の現状を考える場合に、直ちに
閉山
をしないで緩やかに
閉山
をするというのであれば、今日の重大災害である例えば山はね、炭じん爆発、ガス突出、こういうものを防止するための勧告等もありますので、保安上の見地から試験炭鉱ということをやってはどうか。これは北大の礒部教授がしばしば見解を申し上げております。 この真谷地炭鉱を今直ちに
閉山
しても直ちにそれに
対応
する雇用
対策
がない。企業立地の条件が伴っていない。しかも
労働
賃金の未払いが非常に大きい。なだらかというのであれば、これは試験炭鉱に位置づけて、一定の期間試験炭鉱採掘をして、その間に雇用
対策
なり企業立地ができたところでこの肩がわりをする、
閉山
とする、これが本当のなだらか
閉山
という姿ではないのか、そうあらねばならないんじゃないかと私は思うのです。 しかし、残念ながら今の状態では、このままいくと資金ショートになる、大変な危機を迎えるという
事態
ですから、そこらあたりも含めて検討されたかどうかという点を率直にお伺いをします。
鈴木英夫
91
○
政府委員
(鈴木英夫君) 先生からただいま御
指摘
がありました例えば試験炭鉱の問題でございますけれども、たびたび当
調査会
でも御議論をいただいているところでございますが、
国内炭
鉱が地質条件が非常に複雑でございまして、かつ炭鉱ごとに
かなり
異なっておりますため、
一つ
の炭鉱で試験研究を行う研究成果というものを他の炭鉱に適用することが可能かどうかという点をめぐりましていろんな議論があるわけでございます。 ただいままでのいろんな識者の御意見等も踏まえて私ども考えてみますと、やはりこういう炭鉱保安あるいは生産の
技術
と申しますものは、操業中の炭鉱を活用いたしまして、いろんな
技術
課題
につきまして、各炭鉱の現場特性に応じた実証試験と申しますか、そういうものを
実施
していくということが適切であろうということで、現場適用化試験につきましてはいろいろの政策手段を設けまして実行しているところでございます。 こうしたことから、真谷地炭鉱
自体
を試験炭鉱として活用することは、残念ながら今の段階では非常に難しいといいますか困難であると考えておるわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、真谷地の
閉山
問題につきましては労使の話し合いによって解決が見出されるということが
基本
であろうというふうに考えておる次第でございます。 なお、先生御
指摘
の
雪崩閉山
の問題につきましては、これはやはり
需要
業界の
協力
も得、国の
対策
というようなものも糾合しながら、何としても
雪崩閉山
の回避というものが
基本
的な第八次策の骨子でございますので、そういう方向に従いまして、私どもといたしましても、
需要
業界の
協力
を得る、あるいは貯炭買い上げ制度を活用する、あるいは減産に対します交付金等を活用するということで、なだらかな縮小といいますか、
雪崩閉山
を回避する方向で政策を展開してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
対馬孝且
92
○対馬
孝且君
石炭
部長
、今答えはありましたけれども、問題はやはり今あなたも言ったように
需要
量をどうふやすかということですよ。
一般炭
一千万トン、六十六
年度
には
原料炭
ゼロでしょう。私はしばしばここで申し上げるんだけれども、
国内
専焼の火力発電所を増設するとか、あるいは
需要
業界の引き取りを、一部に起こったけれども西ドイツ方式のコールペニヒ型の国の助成を図るとか、要は絶対量をふやす以外にないんだから、問題は。そこをやるかやらぬかというのは
政府
の決断であって、あわせてこれはこれからも継続的に検討してもらいたい、先ほどの試験炭鉱を含めて申し上げておきます。 そこで、問題は今言った労務債、大臣がまさに現行法の最大限の範囲内で
努力
をされていること は多とします。そこで申し上げますけれども、八月末からずっと今日にかけて全体では今大臣言ったとおりです、百五十億ですよ、真谷地の不払いが。最小必要限度
閉山
のためには今言ったように九十億必要だ。そこで、私のあれによりますと、国の段階では大体三十億です。それから道が大臣に要請をして九億の減免補償やった。それから北炭社が十二億ないし十三億、私の方に
報告
が来ております。トータルで五十二億にもならないわけです。そうすると七十億に対してもまだ十八億足りません。 今、貯炭買い上げが五万トンある、これを二万円ベースにして約十億。それに露頭が大体四十五億トンの埋蔵炭量がある、これもトン当たり四千円計算でいきますと六億ないし八億という数字が出る。トータルで大体約七十億、六十七、八億となります。結果的に見ますと、労務債——新労務債、旧労務債を含めて約八〇%そこそこにしかならないわけです、トータルで言うと。これでは労務債を泣けっていうことになるんですよ。これは絶対に許せません。 この間の大会でも、これは後で大臣にも新聞を読んでいただきたいと思うのですが、これは深刻なものです、正直に申し上げて。これだけの血の叫びですよ。何で今になって職も会ももらえないということは理屈になるか、命綱だ、炭鉱
労働
者の。私も炭鉱マンですけれども、一日じゅうあの暗い抗内に入って、上がってきて太陽を拝んだときに、きょうも一日長らえたかと、これは私も経験者ですよ。そういうところに働いて、今その退職金がもらえない、労務債がもらえないというのは、これは命綱を切るということですから、もう人権上の問題はもちろんでありますし、言うまでもなく憲法第二十五条に保障された健康で文化的な
生活
を営む権利を有する、労基法第三条に従っても当然の債権義務として保障されるべきものである。当然のことですよ。 だから、こう考えた場合に私ども憂慮するわけでありますが、この
事態
になればやはりどんなことがあっても労務債は完済をしなければいかぬ、ここなんです。なぜ私が政策
閉山
と言ったかというと、政策
閉山
でなければ細々とでも私から言わせればこのまま
推移
をしていきながら、一定の炭量を掘って、あるときが来たら
閉山
させるということも
一つ
の方法なんですよ。それができないというんだから、できないとすればやはり政策
閉山
として、国も最大限のことはやってもらっているけれども最後の保障というものは国の責任でやるべきである、このことを私は申し上げなければなりません。 私の情報によりますと、きょう午前中に
北炭真谷地炭鉱
問題に関連して
石炭鉱業審議会経理審査小委員会
が開かれた。特に労務債あるいは小口債権を含めて緊急の経理審査小委員会も開かれている。このことも含めてこれからの見通し、これからの
対応
ということを、ぜひひとつ働く者に一定の安心感、安堵の胸をなでおろさせてもらいたい、これが私の主張であります。この点いかがでしょうか。
田村元
93
○国務大臣(田村元君) きょう午前十時から
石炭鉱業審議会経理審査小委員会
が開催されました。
北炭真谷地炭鉱
の経営
状況
につきましての討議を行いました。「
北炭真谷地炭鉱
に係る
関係
者の
対応
について」という提言を得たところであります。 北炭各社が相互に金融債務を連帯して保証しておる現状でありますから、そのもとで北炭真谷地社が極めて厳しい資金繰りの
状況
にあることなどを踏まえて、本提言におきましては、
関係
金融機関において真谷地社に対する債権の履行及び真谷地社に係る担保権の実行を当面猶予するなどの
協力
が期待されるとしております。
通産省
としましては、この提言を踏まえまして、北炭幌内炭鉱、それから空知炭砿の
石炭
各社並びに関連下請企業への
影響
を回避するように早速
関係
金融機関の
理解
と
協力
を求めるなど適切に対処してまいりたいと考えております。 先ほど申し上げましたように、特に金融機関、
通産省
、
労働
省は申すに及ばず、大蔵省も入りましょう、そして北海道庁、皆が力を合わせて可能な限りの
努力
をいたしたい。先般対馬議員に私から御
報告
しましたように、私自身で受話器をとって道庁へも
協力
の御依頼を申し上げました。その後横路知事からも御返事がありまして直接二人で話し合いましたが、非常に前向きの御
対応
が願えるようであります。いずれにいたしましても、あらゆる
関係
者が総動員でこの
対応
をしていくという必要がございますから、この点私は皆さんにお願いを申し上げて、私なりの最善を尽くしたいというふうに思っております。
対馬孝且
94
○対馬
孝且君
今、通産大臣から、通産大臣として解決に最大の
努力
をするということですから、私は七月三十日の社会
労働
委員会で平井
労働
大臣にもこの北炭真谷地の緊急
対策
をぜひとってもらいたいということを申し上げて、大臣から通産と鋭意解決に最善の
努力
をするというお答えをいただきました。 今、通産大臣からもございましたが、この前、七月三十日の社会
労働
委員会で、
一つ
は、これは明らかに今日までの旧労務債は
労働
基準
法違反である。しかも今度のこの会社
提案
によりますと、法律的には当然払わなければならない、これはっきり申し上げます。つまり協定による期末手当、有林休暇の買い上げあるいは定着奨励金、この一連の
労働
基準
法に定めた考え方からいっても払わなければならない、こういう債務を含めて、一銭も値切るという考え方ではなくて、当然
労働
基準
法に従って払わなければならないこの会社の債務、これも
労働
省として責任ある立場でひとつ行政指導をしてもらいたい、これを申し上げます。 それから、大臣からございましたが、私この間現地へ行って北炭柱に申し上げています。これは北炭柱がみずから解決すべきことである、そして国、道の
関係
方面の
協力
を得る。
基本
はみずから解決をすることだということは言っても今の現状ではもう精いっぱいのことである。こういう現況ですから、私はやはり最終的には先ほど言ったように国の段階でせめて
労働
者のこの債権債務、労務債だけは解決をしてもらう、この道以外になしというのが私の判断でございますので、今通産大臣からございましたけれども、
労働
大臣からもひとつこの解決策についての所信をお伺いしたい、こういうふうに思います。
田村元
95
○国務大臣(田村元君) その前にちょっと先ほどの答弁につけ加えて申し上げておきますが、「未払退職金については、真谷地社、北炭社及びグループ企業は、
関係業界
、
関係
金融機関等の
理解
を得てその支払に一層の
自己努力
を行うべきであり、
政府
及び地元自治体としても、その完済が図られるよう引き続き
会社側
を強力に指導すべ岩である。」というのが入っております。 先ほどちょっとこれを言い忘れましたので追加をしてお答えしておきます。
平井卓志
96
○国務大臣(平井卓志君) ただいま通産大臣からも御答弁ございましたように、現在のところはこの真谷地問題、労使間で交渉中でございますけれども、やはり当然のこととして、
閉山
になりました場合、使用者としては退職金等の労務債、これは完済するのが当然でございまして、先ほど対馬委員よりも明確に
労働
基準
法違反、まさしくそのとおりでございまして、従来から強力に指導をしてまいったところであります。 一言付言を申し上げますと、
基本
的にはこの問題は労使問題ではございますが、炭鉱という町ぐるみの問題としてとらえました場合にやはり相当な社会的一面もある。従来から通産、大蔵、私ども
労働
省も含めまして、行政官庁として大変関心を持ってこの問題に当たっておるわけでございますが、そういう一面ではまさしく政治的な一面もある。いずれにいたしましても、当然のことながら当事者間において十分話し合っていただく、使用者側はそれなりの、最大限の責任をグループともどもひとつ十分に
理解
していただくという中で、我々は今後、それぞれ所管官庁が連携いたしまして、今後の
推移
の中で最大限のことをやらなくてはいかぬなということで通産大臣からもいろ いろお話をいただいておるところであります。
対馬孝且
97
○対馬
孝且君
今、労務債問題、非常にたくさんの問題がございますが、時間があと数分よりございません。問題はやはり先ほど申しましたように労務債だけは待ったなしということでございますので、先ほどから何回も言うように、これは当然の権利であるということをここではっきり申し上げなければなりません。また炭鉱
労働
者の命綱だ、このことをひとつ踏まえて、両大臣から答えがございましたから、ひとつ最善の
努力
でもって解消するということに努めてもらいたい。よろしゅうございますか。 それでは次の問題に入ります。雇用
対策
について、これも会社
提案
を見ると極めてずさんです。これは今まで
閉山
計画を
提案
して以来、私の山も三十八年
閉山提案
になりましたが、メロン栽培であるとか真谷地建設とかと言っていますが、ふたをあけてみたら何のことはない全くもう皆無に等しいと言って過言ではありません。この問題もしばしば社会
労働
委員会、当委員会でも申し上げておりますのでもう多くは申し上げません。 私は、この問題は
通産省
の段階ではぴしっと
産業
円滑化促進法案、それからさきに商工委員会にもいわゆる雇用
対策
のための画期的なリクルートセンターの構想を私は
提案
いたしました。田村通産大臣も誠意を持ってひとつ検討してまいりたいということで、ほぼ中間の構想がまとまったように聞いておりますので、その中間
報告
があれば聞かせてもらいたい。 それからもう
一つ
は、これはやはり企業誘致を最大限やる。また地元雇用が最優先であります。今アンケートで、この間現地へ行ってみたら、八割以上の方が現地で雇用
対策
をしてもらいたい、私も確認してきました。それから企業誘致とともに第三セクターによって国が、これは言葉でなくて物心両面にわたって国が手だてをして雇用の拡大を図る、
労働
省の段階ではこれも問題になります。 それから田村通産大臣に、内外情勢で政務多忙ということもございますけれども、もし時間があればこの隣どうかぜひひとつ北海道、夕張に入ってもらいたい、こういうことがございます。もう時間になりましたので、このことだけを申し上げて終わりたいと思います。以上であります。
田村元
98
○国務大臣(田村元君) 先ほど来の御提言まことにごもっともでございます。企業誘致を積極的に行う問題、また夕張市の
地域
振興、特に第三セクターあるいはリクルートセンターの設置、いずれも非常に効果のある問題であり、でき得る限りの
努力
をいたしたい、
労働
大臣にも十分相談をして懸命の
努力
をいたしたい、このように思っております。
浜岡平一
99
○
政府委員
(
浜岡平一
君)
基本
的にはただいま大臣からお答え申し上げましたとおりでございますが、雇用
対策
につきましては、さらに
関係企業
を含めまして新しい機会の拡大に最大限の
努力
をするよう
関係
者を強力に指導してまいりたいと思っております。 それから、かねてから先生から問題提起をいただいておりますリクルートセンターの問題でございますけれども、これにつきまして私どもは、当面は年内にも設立される予定になっております財団法人北海道
地域
産業
活性化センターの機能の一環といたしまして、リクルート関連の情報収集あるいは情報提供等の機能を持ってもらうというようなことを検討いたしているところでございます。また、庁内に広く
関係
の
産業
界とか
地域
団体の結集を求めました研究会を設けまして、この新しく動き出しますセンターの機能と各
地域
の
産業
団体、
地域経済
団体の連携をどうつくり上げていくかといった
観点
からの検討を進めてまいりたいというぐあいに思っております。 同時に、
労働
省サイドにおかれます職業能力
開発
施策の
拡充
等の
課題
もあるわけでございまして、この辺はさらに
労働
省に御連絡をさせていただきまして十分な検討を進めてまいりたいと思っているところでございます。 それから
地域
振興につきまして、第三セクターの活用等につきましては御
指摘
のとおりでございまして、六十三
年度
予算でも産炭
地域
総合支援事業というような新しい柱を考えておりますので、こういったものを活用して取り組んでまいりたいと思っております。
対馬孝且
100
○対馬
孝且君
あと
労働
省に二問だけ申し上げますので、簡単にお答え願えればよろしいと思います。
一つ
は未払い賃金の立てかえ制度である賃金確保法、賃確法、私の考え方では、これは当然適用されますね、仮に
閉山
と確定すれば。その場合、現時点で考えますと約千七十名、一応賃確法を当てはめた場合一人当たり五十六万円になる、こういう試算を私なりにしているわけです。これ間違いがあれば
指摘
してもらって結構なんですが。そうなると大体千名を超えますので五億六千万の賃確法による国としての処置がとられる、その点を答えてください。 それから第二の問題としましては、この前も申し上げました、大臣、何とか直轄夫のある
程度
の適用条件を下請
関係
に全部適用してはどうか。時間がありませんから詳しく言うわけにいきませんが、とりあえず五月から、社会
労働
委員会で申し上げました結果、
努力
をされて、下請
関係
は緑の手帳、黒い手帳の分の制度を一年間延長するということがこの間大臣からも七月三十日に答えが出されました。 これではやはり下請
労働
者の
基本
的な
労働
条件が守られない、これが率直な訴えでございます。したがって、やはり黒い手帳を適用する、三年間、緑の手帳は一年でありますが、黒い手帳
並み
にこれを適用するという考え方を、今回は非常に難しいとこの間も答弁がありましたけれども、もう一度これを真剣に検討してもらいたい。このことを含めて、もう時間も過ぎておりますから一点だけのお答えを求めます。
野崎和昭
101
○
政府委員
(野崎和昭君) ただいまお尋ねの賃確法の
関係
につきましては、
閉山
という
事態
になれば当然適用になるわけでございますが、詳しい計算の根拠は省略させていただきますけれども、その場合の人数として約千七十人
程度
、額として約六億円
程度
になるのではないかと現在のところ試算いたしております。
平井卓志
102
○国務大臣(平井卓志君) 今、委員がおっしゃいました緑の手帳の問題でございますが、黒手帳を発給できないか。これはもう従来から申し上げて、委員も御案内のように、やはり
石炭
鉱業の下請におきましては、採掘等の坑内業務、これに従事しておる方々に対しては地下
労働
という特殊性にかんがみて黒手帳を出しておる。ほかの
労働
者との問題等もございまして現在のところはなかなか難しい
状況
にある。あとは、もう委員御案内のように一年間の要するに促進手当を支給するというふうに五月からいたしたわけでございます。 いずれにしましても、仮に真谷地炭鉱が
閉山
になりました場合には、これら両手帳制度を十分に活用しまして下請からの離職者の方々につきましても
生活
の安定と再就職の促進ということには
労働
省全力を挙げて対処してまいりたい、かように考えております。
馬場富
103
○馬場富君 私も今議題となっております
北炭真谷地炭鉱
閉山
の問題についてお尋ねいたします。 九月に
会社側
から
閉山
の
提案
がなされましたが、これについて
通産省
はこれを妥当と
理解
しておるのかどうか。この点とあわせまして、妥当だとしたならばその内容について御
説明
願いたいと思います。
鈴木英夫
104
○
政府委員
(鈴木英夫君) 真谷地炭鉱の
閉山提案
の内容についての御質問でございますけれども、私ども会社から聴取しているところによりますと、まず
閉山
の時期でございますが、十月三日をもって
閉山
をし全員解雇をするという
提案
になっておると承知をしております。ただし付随いたします発電所それから露天坑の操業を継続するということでございます。
閉山
の退職金につきましては、協定に基づく退職金の支給に
努力
をするというようなことが
中心
でございまして、ただし一部の支払い方法等につきましては今後検討をすると いうような内容になっておるというふうに承知をいたしております。 以上が
閉山提案
の主要な内容でございます。
馬場富
105
○馬場富君 今、御
説明
になった
閉山提案
の内容については、私どもの
調査
では、従業員千五人の全員解雇と労務債については全額を一時に支払えないなどというようなまことに厳しいという地元
関係
者の声が届いておりますが、この点をどのように
通産省
としては把握していますか。
浜岡平一
106
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 九月九日に
資源エネルギー
庁といたしましても私どもの考え方を発表させていただいたところでございますが、第八次答申以来、
関係企業
におきまして、
需要
動向の今後の見通し等を踏んまえ、またいわゆる貯炭
対策
の運用等もございましても極めて資金繰りが厳しいという
状況
下でこういう
提案
が行われたというぐあいに受けとめているわけでございます。 私どもといたしましても、かねてから重大な関心を持ちまして
事態
の動きを注視してきたところでございますけれども、今回こういう
提案
が行われたわけでございまして、やはり非常に大きな衝撃を受けているわけでございます。 今後、労使間を初めといたしまして、
関係
者の間での十分な話し合いを経まして結論が見出されるのを見守っていかなければならないと思っているところでございますが、仮に
閉山
というような
事態
に至りました場合には、雇用
対策
あるいは
地域
対策
につきまして遺漏なきを期さなければならないというぐあいに思っておりますし、また、多額の未払いの退職金の問題につきましては、先ほど来大臣からも申し上げておりますように大変遺憾な
事態
でございまして、この解消につきまして最大限の指導をしていかなければならないと思っているわけでございます。 また、
関係
金融機関に対しましても最大限の
協力
を求めていく必要があるというぐあいに思っているところでございまして、極めて深刻に受けとめているわけでございます。
馬場富
107
○馬場富君
通産省
から言われた、
会社側
が示したそういう諸条件の中で、例えば雇用
対策
にしても、国あるいは追及び夕張市の支援を得つつ最大限
努力
すると書かれておりますが、現時点で非常に大きい危惧の点は、例えば今従業員が千五人直轄の
関係
があるわけです。 今、
会社側
が示しておる雇用
対策
は、
閉山
後いわゆる電力所やあるいは露天坑等で雇用される人が九十人。それから真谷地建設を設立してそれに雇用される人が八十人。温室水耕栽培果・葉菜センター、第三セクターで雇用される人が十五人。そして関連グループ各社からの求人が三十人。メロン栽培等に参加する人が四十人。結局この数字を挙げても、現地の人が心配するのは当然であって、千五人のうちの二百五十五人です。あとの方途は示されておりません。これが実は
閉山
に対する
会社側
が示した、
労働
省が私たちに
調査
してくれた
閉山
の雇用内容なんです。またそれ以外に下請業者二十五社三百八十三人がいるわけです。 ここらあたりの雇用問題について
政府
はどのように指導なさるつもりか、これをしっかりと御答弁願いたい。
労働
省と両方あわせてお願いします。
平井卓志
108
○国務大臣(平井卓志君) おっしゃいますように、炭鉱離職者の方々を取り巻く
環境
は、雇用情勢が御案内のように非常に全般的に厳しいことに加えまして、炭鉱の所在する
地域
は長年にわたって専ら炭鉱のみに
依存
してきた
地域
が多いわけでございますから、これは本当に厳しいものと深刻に受けとめておるわけでございます。 そして、
労働
省といたしましては、どうしてもこういう時期でございますから、雇用
対策
に万全を期さなければならぬということで、先ほども御議論がございましたけれども、
一つ
には黒と緑の手帳制度の活用によりまして
生活
の安定と再就職の援助施策の
実施
、さらには御案内のように現地での臨時の職業相談所の設置やさらには機動的な職業訓練を同時に
実施
してまいる。また、御案内のように非常に求人その他が広域化をいたしておりますので、全国的な規模での求人の確保、さらには必要な住宅等の確保、これによって広域的な職業紹介を推進してまいらなければならぬ。 いま
一つ
は、四月から
実施
をいたしておりますが、
地域
雇用
開発等
促進法という措置でございますが、特に北海道地区におきましては、札幌
地域
を除きまして全道指定の網に入っておりまして、これの活用によって雇用機会の
開発
を急がなければならないというふうに考えておるわけでございます。
鈴木英夫
109
○
政府委員
(鈴木英夫君) 仮にでございますけれども、仮に真谷地炭鉱が
閉山
というようなことになりますと、先生御
指摘
のように雇用
対策
の問題がクローズアップされてくるわけでございますが、私ども
労働
省とも十分密接な連携をとりながら
二つ
の面でこの雇用
対策
を考えてまいりたいと存じます。
一つ
は企業誘致でございまして、御承知のように、私ども産炭
地域
への企業誘致につきまして産炭
地域
振興臨時措置法等に基づきまして、これまでも税制上の優遇措置あるいは工業団地の造成、分譲、あるいは進出企業に対する設備資金等の
融資
、こういった制度を持っておるわけでございまして、過去におきましてもそれなりの成果を上げてきているのではないかというふうに考えておりますが、なおる炭鉱業の縮小、
合理化
に伴いまして
地域
の疲弊が深刻化しつつあるということも十分勘案いたしまして、本
年度
からスタートいたします
地域
振興整備公団の超低利
融資
制度を活用しまして積極的に企業誘致を行ってまいりたい、これによって雇用の場を確保していきたいというふうに考えておるわけでございます。 第二に、先ほど来お話に出ております地元での
地域
振興
対策
につきまして、特に第三セクター等によります
地域
対策
につきまして、私ども総合的にこういうものを支援していこうということで、来
年度
の予算要求の中で実は産炭
地域
総合支援事業というようなものを創設すべくお願いをしておるところでございまして、空知
地域
あるいは夕張
地域
におきまして、この制度の要件に合致するプロジェクトが地元の発意で出てまいりますれば積極的に支援を行い、これもまた雇用の場につなげていきたいというふうに考えておるわけでございます。
馬場富
110
○馬場富君 下請
関係
は。
甘粕啓介
111
○
説明員
(甘粕啓介君) 現在、北炭真谷地の下請
関係
につきましては、私ども
依存度
三分の一以上の下請企業につきましては二十五社三百八十人
程度
というふうに把握しているところでございます。ただ、この場合に三分の一の
依存度
でございますので、三百八十人すべての人が離職いたしましてという
状況
ではございませんで、このうち、私どもの経験では六割あるいは七割
程度
の方が離職者として安定所に求職申し込みをされるのではないかというふうに考えておるところでございます。 こういう人たちにつきましては、先ほど来からもございますように緑の手帳というものを発給いたしまして、
生活
の安定という面ではほぼ一年間は雇用保険の受給が行われるのではないかと思いますが、その後一年間にわたりまして就職促進手当の支給ということでの
生活
の安定を図る。それから大臣の答弁にございましたように、地元における雇用機会の
開発
あるいは全国的な広域的な職業紹介という中で再就職に万全を期したいというふうに考えております。
馬場富
112
○馬場富君 最後に、資金問題でも、先ほど来通産大臣からも述べられておりますが、現地では、緊急に必要とされる
閉山
資金のうちのなお十数億が調達の見通しがない。あるいは未払いの退職金約二十四億についても完済に向けて
努力
すると言うだけで、支払いの時期や方法については触れられてない。さらに、過去の有給休暇等の買い上げ代金などの一部労務債の延べ払いやあるいは
地域
雇用
対策
もあいまいな点が多い。これはまさしく見切り
閉山
であると、現地
関係
者はそこらあたりのところに大きい危惧を抱いているわけですよ。 だから、最終的にはやはり行政の指導と政治的な決断が私は必要な時に来ておる、こう思うので す。そういう点で通産大臣と
労働
大臣のこの点についての御見解をお聞きしまして、私の質問を終わります。
田村元
113
○国務大臣(田村元君) 先ほどもお答えいたしましたように、百五十億円のうち九十億円というのは
閉山
に伴う直ちに必要な資金であります。それから六十億円が大口金融債、公租公課等でありますが、これをどうする、あれをどうするということを今具体的に私から申し上げる段階ではありませんけれども、とにかくまず北炭、親会社、関連グループ等によってできるだけの自助
努力
をやっていただく、同時に通産、
労働
、大蔵あるいは北海道庁、金融機関等々もう動員できる限りの
努力
をして、そして何とか急場をしのぐことに成功したいと今一生懸命になっております。一生懸命になっておりますが、今具体的にどの金融機関がどうでどこがどうということを御
報告
申し上げる段階ではございません。 ただ、もう既に御承知と思いますが、通産、
労働
両省は人事交流までして完全な一体化を図って共同作業をいたしております。また北海道庁も知事以下一生懸命にこの問題と取り組んでもらっております。私も何がしかの
報告
を受けております。そういうわけでございますから今しばらく御猶予を賜りたい。御猶予を賜りたいということは、今具体的に
努力
の経過の内容を申し上げることを御猶予願いたい、こういうことでございます。
平井卓志
114
○国務大臣(平井卓志君)
基本
的にはただいま通産大臣がお答え申し上げたとおりでございます。 先ほども御議論がございましたように、やはり労使間の問題でありながら一面また社会的問題としてとらえ、さらには政治的な問題として考えました場合に、
労働
基準
法違反であることはさておきまして、完済が原則であり、これが最大の解決でなければならぬというふうに考えておりますので、
関係
省庁全力を挙げてこの問題の解決に取り組んでまいりたい、かように考えております。
小笠原貞子
115
○
小笠原貞子
君 三井土砂に続いて今真谷地と、一体この先どういうことになっていくんだろう、私は、きょうは時間がございません、三つの点について質問をいたします。まことに政治的、政策的な問題として重要な今を迎えておりますので、なるべく大臣からの御答弁をお願いしたいと思うのです。 なぜ砂川に続いて真谷地をつぶさなきゃならないかというそもそもから私は大臣に考えてもらいたい。八次政策というのは何だと言ったら、七次の千七百万トンを六十六年までに一千万トンにいたします、そのためにおおむね毎年百七十五万トンないし二百万トンずつ減らしていくということでございました。ところがこの六十二
年度
の
供給
規模は幾らかというと千四百万トンですよ。七次で千七百万トンをおっしゃるように二百万トンずっとしたって千五百万トンやらなきゃならないのに千四百万トンにやるということでしょう。そうすると三百万トン、千七百万トンを千四百万トンにしちゃうんだから三百万トンもここで減らしちゃうということです。 そうすると考えていらっしゃった年々なだらかになんというものの一年半ないし二年分一遍にやっちゃうということになります。
通産省
としておっしゃる八次政策からいってもテンポが速過ぎるんです。なだらかどころじゃない、もうどんどん急斜面でやっている。スピード速くなっています。これは
閉山
、縮小のもう大きな行き過ぎですよ。八次政策そのものが破綻してきていますよ。そういう点から考えて、そもそもお出しになっている八次政策によるこの計画無視してしようがないんだよということをおっしゃるのなら私はもう論外だと思う。なぜ今真谷地をわざわざ
閉山
にスピードかけて追い込まなきゃならないのかというその理由、簡潔にお答えいただきたいと思います。
浜岡平一
116
○
政府委員
(
浜岡平一
君) ちょっと事実
関係
を御
説明
させていただきたいと思いますが、御
指摘
のとおり、六十二
年度
のいわゆる
国内炭
の引き取り量につきましては、今回もう
需要
業界ぎりぎりの
協力
を求めた結果といたしまして千三百八十五万トンという数字が先般まとまったわけでございます。これに相応いたします六十一
年度
の数字は千四百七十五万トンでございます。ただいま先生から御
指摘
のございました数字につきましては、こうしたいわゆる引き取り数量等に加えまして雑炭等の取引等が加えられた数字になっておりまして、千三百八十五万と比較していただきます場合は千四百七十五万という数字と比べていただくのが適切であろうかというぐあいに思っております。 ただ、いずれにいたしましても確かに
国内炭
の引き取りにつきましては
状況
は非常に厳しいわけでございまして、私どもといたしましては、
過剰貯炭対策
等を含めまして
事態
の大きな衝撃が各方面に及んでいかないように最大限の
努力
はしなければならないというぐあいに思っているところでございます。
小笠原貞子
117
○
小笠原貞子
君 今の問題でももっと突っ込みたいんだけれども、時間がないんです。最大限の
努力
をするだとか、もう可能な限りだとか、最大限の見守ってなんていろいろ言葉でおっしゃることは私もう要らないんです。 それで、一体こういうことがなぜ起こったかといえば、七次のところからもう破綻してきているわけですよ。七次がもうめちゃくちゃになっちゃったわけでしょう。これは六月十六日の委員会で私が言いました。七次政策が実行不可能になったとおっしゃいました、ここで、議事録にも残っているわけです。七次政策の破綻から今みたいな状態が起きてきているということです。やれなかったんだといって次々と破綻させられていったら何のための
石炭
政策なのかと私は言いたいんです。だめだった、それで済むんだったら何のために
石炭
政策というのを出していらっしゃるかということなんですよ。 それで、大変今厳しい、厳しいとおっしゃったけれども、確かに厳しいと今まで言われていました。しかし、ここのところどうですか、鉄鋼の
需要
というのがふえているでしょう。粗鋼生産量当初見込みを大きく上回って九千三百万トンから九千七百万トンという回復基調になっているというふうに言われています。収益も大幅に改善されている。川鉄社長も内需効果の予想以上だ、こういうふうに言われているわけです。 そこで、景気は回復に向かっているからといって、
原料炭
当初アメリカからの引き取り量七百五十万トンだったのを九百八十万トンにふやしたんです。アメリカから買うのを九百八十万トン、当初よりも二百三十万トンふやしているわけです。二百三十万トンのうち真谷地というのは一体何は生産になるんですか、六十万トンちょっとでしょう。そうするとこれはアメリカからの輸入をちょっと六分の一抑えてもらったら山は助かるんです。そういうことをしっかりと頭に置いて指導してもらわないと、しようがないわで指導されたら何にも実りがないということですよ。これだけ景気回復になった、アメリカからの輸入というものを二百三十万トンもふやすなら何で
日本
の真谷地の山の
石炭
を買うという気にならないのか、私はここのところを言いたいわけです。 山の人がたくさんいらっしゃるけれども、この中に家族がみんないるでしょう。その後ろにまた
地域
社会が控えているということを考えたら、私はそういう
意味
で、しっかりと
日本
の炭鉱、家族、
地域
を守るという立場で
通産省
立ってもらわなければならないということを言いたいわけです。それをしっかり頭に置いておいてください。 そして二番目の質問、最後の問題なんだけれども、真谷地がかかっている債務、先ほどから言われているように百五十億、こう言われました。内訳を言ってみれば、NEDOから三十二億でしょう。公害防止事業団、雇用促進事業団から七億です。それから公租公課、所得税、厚生年金、健康保険、雇用保険、自治団体等から十七億です。それから未払い退職金が二十三億、
閉山
に伴う退職金が四十億、手形、資材、下請の負債などが三十億、こういうふうになるわけです。 ここのところで、
閉山提案
に当たって、そして資金計画はどうなっているんだという
提案
を見たときに、私は全く驚くべきというよりも、さすがやっぱり北炭だなと言わざるを得なかった。なぜなら、いわゆる公的債務というのは初めから払う計画はないですよ、公租なんか、税金やなんかの。やっぱり北炭ですよ。これみんな払わないという計画でしょう。それからあといろいろとかぶせてくるけれども、それは結局回り回って税金にかぶさってくるということになるわけです。 だから、私がここで言いたいことは何かといったら、賃確法もさっきおっしゃっていたけれども、これも国のお金を使うわけでしょう。つまり自分でどれだけ払うという北炭自身の会社の姿勢がないですよ、これは体質といえば体質だけれども。つまり、完済するのは会社としての責任においてやるというその大前提をしっかり押さえなければ、会社は、お金払えませんよ、そして、あっちまけてもらいます、こっちからもらいます、回り回って全部自分の腹痛めないでみんなからもらおうという魂胆だと言わざるを得ないですよね。これは、私国会へ出て二十年、もう炭鉱問題ずっとやってきて、北炭一番たちが悪いんです、ここで言いたいんだけれども。 このたちが悪い北炭を相手にして最善の
努力
尽くしますなんてきれいな言葉では
努力
したかいがなくなっちゃう。何にももう跡残りませんよ。そういう会社だから、会社
自体
がどの
程度
責任を持つか、そういう姿勢で強力に押していかなければだめなんだ。これは極めて労使の問題でございましてなんて、正常な労使——
労働
者は正常なんです。使の方は正常じゃないんだから、これを相手に労使の問題でございますなんて見てられたらだめです。 北炭に財産がないのかといったら、財産ありますよ。前から私ずっと調べているけれども、財産あるのに結局担保になっている、こういうふうなわけでしょう。この前、北炭夕張のあのときもグループに責任を持たせる、銀行とか三井観光。この生い立ちから見ればまことにみんなかぶったっていいくらいのものです。 そういうグループ、三井銀行とか三井物産とか三井観光、ここのところ、北炭の財産あるんだから、これ担保を外してやれば資金繰りつくわけだから、ここのところをしっかりと押さえてもらいたい。三井グループ、ここのところをまず押さなかったらだめだということです。それをどの
程度
強力にやってもらえるか。そこの責任、北炭が主体であって、そして三井グループが主体だ、ここをうんと押しまくらなければ、うんなんと言う相手じゃないということです。 そして幌内、空知、兄弟鉱とのたすき状の債務保証。真谷地が倒れたらもう幌内も空知も危なくなってくるんだから、たすきがけで連続倒産しないようにしっかりやってもらいたいというのが二番目の質問ですよ。そういう相手ですからね、ぜひそういう姿勢で、みんなで助けていこうなんて、そんな善意じゃだめなんです。きちっと会社と背後のグループを指導してやっていただきたいと思います。 政治的でありますから、大臣の決意も込めて。
田村元
118
○国務大臣(田村元君) 今おっしゃったことで、北炭並びに、つまり親会社並びにその関連グループ、私は長官以下に徹底的に厳しく指導せいということを言っております。最善の
努力
とか懸命の
努力
とかということを言ったってだめだとおっしゃるけれども、それはやはり言わなければしようがないと思います、率直なこと言って。私が一生懸命やっておりますことは、これは野党の方もお認めいただいておると思うのです。私もほとんどほかの仕事ほうりっ放しで
国内
問題ではもう
石炭
にかかり切っております。率直に言って、いろいろと指導してもなかなか相手も手ごわいですからね、だからおっしゃるとおりだと思うのですよ。ですから、それに対してうんと厳しく指導せいということを言っております。 それから、先ほど鉄鋼がよくなってきたのにというお話でございましたが、鉄鋼はどん底から幾らかはい上がったけれども、悪いんですよ、率直に言って、そこで鉄鋼に百二十万トン買ってもらうのに苦労したんですよ、本当に苦労しました。また野党の中でも鉄鋼を守れという方もあるんですよ、それぞれのお立場があるから。私は鉄鋼より
石炭
をとっている、こういうことでございますので、その点はどうぞひとつ御
理解
を願いとうございます。
小笠原貞子
119
○
小笠原貞子
君 いや、大臣は一生懸命やっているのわかるわけ。それをあなた言わなきゃならないって正直ですね。だけれども、私も正直に考えれば、最善の
努力
を尽くしたけれども相手が悪くてだめでしたと言われればまたこれそのままになっちゃうから、だから本当にもう大臣、この今の問題を本当にお願いします。私はもうそれこそ自殺されたという人の気持ちわかりますよ、一人一人の一生かかっているんだから。そういうことでしっかりお願いしたいと思います。厳しく指導するようにと言っているとおっしゃったけれども、大臣ひとつ乗り込んでいくぐらいやってほしいんです、本当に。それくらいの姿勢でお願いしたい。とにかく相手は三井グループなんだから、ここのところをねらい定めてやってください。 三番目の問題なんだけれども、会社から出された
提案
にしても下請の問題全然考えられてないです。皆さんも大変だけれども、下請といったらもう本当に大変ですよ。おっぽり出されたらそれっきりです。こういう立場から、今までのことを考えますと、下請との契約が解除されるときには下請の組なり会社が働く組夫だとか下請の人たちに、解雇予告金だとか解決金だとか引っ越し金だとか、それぞれ名前は違うけれどもいろんな名目でその組の人たちに払えるようにしてきたわけです。それが今度全然する気がないでしょう。三井砂川のときも、それから住友、三菱でも下請に対して契約を解除するときに会社は何ぼかというふうに補償して出しているんです。今度は全然出そうとしない。何にも出てない。下請のことなんて何にも書いてないわけです。 これは大臣、やっぱり下請って別の仕事しているんじゃないんです。坑内に入っている者はさっきも黒手帳同じにもらえると言われたように、その仕事を一緒にやっているんです、直轄の人なんかと一緒に。そして下請の人たちが、一人や二人じゃないんですよ、その下請の人たちが山を支えてきているんです。それを金がないから払えない、同じ今まで仕事してきた、山を支えてきた者に対してそういうことでほうっておかれたら大変なことになるんですからね。だから下請の問題については具体的に、三井砂川や住友、三菱でもやっていたみたいに、その下請の会社に会社の責任で出すことを保証するということをしっかりとこれも取りつけてもらいたい。そうしなかったら下請全部もうそのままおっぽり出されるということです。だからその下請の問題をしっかりやってもらいたい。 それから平井
労働
大臣には、先ほどから言われているけれども、本当に働いて働いて、金がないから払えませんなんていうことは、これはもう
労働
省の立場として許されないことです。石田
労働
大臣のときだからもう十何年前になりますか、そのときから大臣はっきりおっしゃった。金がないとか、くだらないそういう
会社側
の理由によって
労働
者に退職金を払わないということはこれは許されないとおっしゃった。私はそのとおりだと思うのです。その退職金の問題についてもきちっと出すということを、これも
労働
省に私はいつも言っている、相手は北炭ですよ、そこを考えてしっかりやってもらいたいということを、再度大臣の決意を込めて、本当にしっかりやってもらいたいんです。平井大臣若いし、やる気になったら一生懸命やれるはずだから。 ということで、田村通産大臣は下請の問題も含めてきちっとやると。資金繰りははっきりしていない、
労働
者の雇用問題もはっきりしていない、下請はほっぽらかされる、こういう何にもめどが立たない中で
閉山
を許してはならないということです。この下請の問題と平井
労働
大臣の発言をお 願いしたいと思います。
田村元
120
○国務大臣(田村元君) 下請関連企業が少なからぬ
影響
を受けることは、これは我々も大変心配をいたしております。
閉山提案
直後にエネ庁の長官談話を発表いたしまして、
関係
金融機関に対して
理解
と
協力
を求めたところでございますが、先ほども申し上げましたように、この問題、もちろん長官談話とは何だ、大臣談話でなければとおっしゃるかもしれません。あるいはそれが必要だったかもしれません。しかし長官談話が出てしまったものですからあれですが、私はこの問題は、私の任期がいつまであるかわかりませんけれども、余りそう先の長いものじゃないかもしれませんが、それにしても私は、自分が委員会であるいは本会議でお答えしたことに対する言責は一代議士に戻ってもとっていきたいと思っております。そして私の在任中とにもかくにも私自身で采配を振ってこういう問題と取り組んでいきたい。先生の御本じゃありませんが、私はいいかげんなことを言ってその場逃れをしようとは思っておりません。面を太陽に向けて堂々と歩けるようにしたいというふうに思っております。
平井卓志
121
○国務大臣(平井卓志君) いろいろ御
指摘
ございましたけれども、労務債の問題につきましては、おっしゃいますように事案の重大性にかんがみまして当然親会社の
協力
、
理解
が必要であるというふうに
認識
をいたしております。したがって、
労働
省といたしましては、これまでも労務債の処理につきましては、真谷地社はもとより親会社に対してもあらゆる
努力
を尽くして支払うようにというように指導してきたところでございますが、今後とも田村通産大臣ともども大蔵省も含めましてこの問題について総合的に全力を挙げて強力に指導してまいりたいというふうに考えております。
小笠原貞子
122
○
小笠原貞子
君 済みません、もう一言。
大木正吾
123
○
会長
(
大木正吾
君) 時間がもう大分過ぎましたので。
小笠原貞子
124
○
小笠原貞子
君 三十秒でいいです。
大木正吾
125
○
会長
(
大木正吾
君) どうぞ。
小笠原貞子
126
○
小笠原貞子
君 最後に言いたいわけ。大臣、いつまで大臣かわからないとおっしゃっておったけれども、
閉山
は十月五日にやりたいと会社は言っているんですよ。それまでは大丈夫だと思うのですね。それまでに資金繰りもさっき言ったようにつかない、
労働
者の雇用問題、
地域
対策
、下請問題、何にもめどが立ってない中で
閉山
ということは許されないと私は思うのです。めどが立ってこうこうこうだと、めどが立たないままで
閉山
などということは絶対にあってはならないということで、大臣の一層の御決意をお願いしたいと思います。どうです。
田村元
127
○国務大臣(田村元君) 共産党の大幹部から私の任期を保証していただいたので、どうも面映ゆい思いでございますが、とにかく全力を挙げて指導をいたしてまいりますと率直に申し上げます。
橋本孝一郎
128
○
橋本孝一郎
君 二、三点質問申し上げます。 第八次の
石炭
政策が取りまとめられてから急激に炭鉱の
閉山
が相次いております。したがって、その救援
対策
についてはもう既に多くの質問が出ましたので省略します、時間もありませんので。ひとつ最大の
努力
をお願いしたいと思います。 視点を変えまして、
閉山
後の炭鉱の保安を確保するために具体的な
対策
はどのようになっておるのか、お尋ねしたいと思います。
安藤勝良
129
○
説明員
(安藤
勝良
君) 保安の確保は
石炭
鉱業の事業を
実施
する上では大前提でございます。
国内炭
鉱を取り巻く厳しい情勢の中にありまして、保安
対策
にいささ
かなり
とも緩みが生じることのないよう保安確保に万全を期さなくてはいかぬと考えております。このため
閉山
等に対しまして炭鉱の労使と一体となった保安確保の自主的
努力
が何よりも増して重要かと思います。
政府
におきましても、
石炭
鉱業に対する支援の
拡充
、監督指導の強化等適切な処置を講じているところでございます。 具体的には、
閉山
炭鉱への
対応
として保安
対策
に問題が生じないよう適切な保安計画を出させまして、それに基づきまして保安要員の適正な配置がとられているかどうか、あるいは通気あるいは坑道維持等につきまして適切な
実施
がなされているかどうか、そういったきめ細かい監督指導をしているところでございます。今後ともこの
観点
に立って監督指導を適切に行っていく所存でございます。
橋本孝一郎
130
○
橋本孝一郎
君 先ほどからも出ておりますように、
閉山
後の産炭
地域
において一人でも多くの雇用機会の確保ということが今非常に問題になっております。それには何といっても自助
努力
が私は最大必要だと思うのですけれども、その経過の問題には余り触れられておらないんでありますけれども、この間
閉山
した
三井砂川炭鉱
では、小会社を設立して立て坑を利用した無重力実験装置を建設すると聞いていますが、これは一体
地域
振興にどのように役立つと地元から期待されておるのか、お聞かせ願いたいと思います。もちろん、こういったいわゆる自助
努力
に対して、雇用機会を確保するために
通産省
としても何らかの優遇措置をとっていくべきだと思うのですけれども、そのお考えについてお尋ねしたいと思います。
田村元
131
○国務大臣(田村元君) 御質問のような無重力実験施設が実現いたしますれば、これはもう建設工事あるいは維持管理その他の業務にかかわります新規雇用の創出が見込まれる、これは当然でございます。そのほか内外の研究者の来訪によりまして
地域
活性化等さまざまな波及効果が生じると思います。実質面でも起こりましょうし、またメンタルな面でも起こってくると思います。 そういうことで地元は大変期待しておるというわけでございますが、今後
通産省
としましても、
閉山
地域
での企業活動に対しましては、
産業
基盤整備基金からの利子補給による
地域
振興整備公団の低利
融資
制度、また工業用機械等の特別償却制度など、いろいろ助成制度を活用しながら可能な限りの援助をしていく所存でございます。
橋本孝一郎
132
○
橋本孝一郎
君 最後に、国際的な視点からちょっとお尋ねしたいんですが、六月の
調査会
でも取り上げられた問題ですが、太平洋コールフローの構想ですね、これは私は積極的に推進すべきだと考えておるわけですけれども、その後の進捗
状況
はどのようになっておるのか、お尋ねしたいと思います。
浜岡平一
133
○
政府委員
(
浜岡平一
君) 確かに太平洋
地域
全体の
石炭
需要
を喚起していくという
観点
からこの問題に取り組んでいるわけでございます。推進母体といたしまして太平洋コールフロー推進委員会を設けまして、各
関係
方面の結集を求めまして各種の
調査
、提言を行い、さらには太平洋
地域
へのミッション派遣とか国際シンポジウムの開催などによりまして啓蒙普及を進めていってはどうかというぐあいに考えているわけでございます。既に七月に発起人会が終わっておりまして、九月に設立総会が行われ、同時に記念行事といたしましてセミナーが開かれるというような運びになっていると承知いたしておりますが、これをてこにいたしまして積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
大木正吾
134
○
会長
(
大木正吾
君)
石炭
問題に対する本日の
調査
はこの
程度
にとどめますが、
会長
からも
関係
省庁の最善の
努力
を要請いたしておきます。 —————————————
大木正吾
135
○
会長
(
大木正吾
君) 次に、
継続調査要求
に関する件についてお諮りいたします。
産業
・
資源エネルギー
に関する
調査
につきましては、閉会中もなお
調査
を継続することとし、本件の
継続調査要求
書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
大木正吾
136
○
会長
(
大木正吾
君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては
会長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
大木正吾
137
○
会長
(
大木正吾
君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
大木正吾
138
○
会長
(
大木正吾
君) 次に、
委員派遣
に関する件についてお諮りいたします。 閉会中の
委員派遣
につきましては、その取り扱いを
会長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
大木正吾
139
○
会長
(
大木正吾
君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十三分散会 —————・—————