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国務大臣(
天野光晴君) 実際問題として、地価の対策は私の方ではないのでありますが、ずっと前から地価問題を扱っている因果の
関係がございまして、そういう点でいろいろ
東京都内の地価の対策について
考えておるわけであります。税金を重くするとか処罰をするとか、いろんなことを言っておりますが、問題はやっぱり需要供給のバランスをとるということ、もうこれが理論的に一番大切なことだというふうに私はそう信じておるんです。そういう点で
政府自体がとれる政策があるのにもかかわらず、それをやらないでいて、そして地価対策をやるなんというのは、これはこっけい至極だと、私はいつも閣議でそう議論しているのであります。
そういう点から、それでは
東京の都心の地価の抑制に用いる需要供給のバランスをどうしてとるのだということになりますが、今のところでは辛うじて汐留の国鉄用地の跡地ぐらいきり使える可能性のあるものはありません。あれではやっぱり完璧ではないのでありまして、そういう
観点から私は国鉄の線路の上を利用するというあの
計画を
考えておりまして、実はとりあえずやれるのは、
東京駅はすぐやれるのじゃないか。これは国鉄の償還問題等を除外してもやれるのはあそこだけじゃないかという
考えをいたしまして、これを
提案しております。本当に土地問題に対しては中曽根内閣何もやってないんですから、そういう点で、最終的にこの問題だけは取りまとめをするようにきつく申し入れをしております。事務的には相当進んでいるという
考え方でございます。
具体的に申し上げていいと思うんですが、例えば中央郵便局は協力しますということになりました。これは郵政省の問題でありますが、
あと鉄鋼ビルも協力するというようなことになったようでありますし、観光ビルはもとより土地は国鉄のものでありますから、これは何とかすればできると思いますし、そういう点から私は、できれば中曽根内閣のうちにそれを確実にやるという方針を
つくりまして、
民間会社を
つくりたいと
考えております。
民間会社は、国家非常事態で土地対策のために実はつくる会社でありますから、
利益は除外する。要するに、全然
利益のない会社という手はないと思いますが、大体年間一割ぐらいの
利益の出る会社ならいいのじゃないかというふうに
考えております。
それですから、最初の私の
考え方では、大体霞ケ関ビル八棟分ぐらい建ては一棟ぐらい余るのじゃないかというような
感じがしたのでありますが、よくその点は
調査をいたしまして、できることならちょっと
考え方の基礎を変えまして、今変えておるのでありますが、十二棟以上建てたいと思っておるのであります。というのは、本当に地価の抑制をするためには、今既にできて入っておる者
どもがこっちが安いからこっちへ来ようということでどんどん移動をするぐらいの余裕のあるものを建てたいと
考えております。
何か手ぬるいことを総理は
考えている、審議会の議を経てなんてやっているようですが、それは条件つきにしてあります。内閣がやるのに何も審議会の議を経なくたってできることであります。審議会に出ている顔ぶれを見れば私よりは経験の浅い方ばかりだと私は思っております。そういう
観点で私は、内閣が
仕事をするのにとやかく第三者から言われる筋合いはないので、やったらどうだという
意見を出しております。九月いっぱいにめどをつけるということになっておりますから、十月三十日ごろまでこの内閣がもつのじゃないかと思いますから、その間に大丈夫運びつけるのじゃないかと思っております。
ただ、これは事務所だけのビルでございます。御承知だろうと思いますが、今非常にマンションが暴騰しまして億ションだと言われております。この間、三井不動産がやっておる大川端開発で何千倍にも倍率が上っているそうでありまして、大変はやっていいじゃないかと三井不動産の江戸会長に電話したら、いや、そうではなくて、何千倍になっても抽せんでやるからいいんだが、抽せんで当たった者が入るという状態でないと困ります。私のところは
民間会社ですから利潤追求のみでいいわけでありますが、そういうことになりますと、今の状態では抽せんに当たっても入らない可能性が非常に多い、少なくとも八〇%ぐらいは入らないのじゃないか、それがイコール値に転売をされるという結果になりますので、三井不動産がやった開発が土地暴騰に応援をしたというような
格好になったのでは申しわけないからという話をされておりましたが、それから三日後に三井不動産が総会を開きまして賃貸に切りかえたようでありますから、大変協力していただいていると、私はそう理解しているわけであります。
そういう意味で、どうしてもやっぱりマンションもあんな不便なところで三DK、四DKが六千万だというんです。あの大川端のところ、橋をかけるといっても、橋なんて十年ぐらいかかります。それが今一億二千万もするんです、その
地域で。だから、そういう意味でマンションも急がなきゃいけないと思っておりまして、マンションは、これは私の
計画でありますが、上野駅から西日暮里の駅までの間一・八キロありますが、あれにふたをかぶせて、あの上に四十階建てのマンションをずらりと並べてみたいと
考えております。
これは自動車との関連が出てくるのでありますが、自動車はとても東側から入れませんから、あの上野の山の中に
道路を
つくります。そうして、上野広小路口から西日暮里のいわゆるあの山手線のカーブのあたりまでに
道路を出しまして、もう一本は団子坂の方から大きな
道路を引きまして動物園の下を通してその伝いに持っていくようにいたしまして、いわゆるマンションと上野の山の間に自動車
道路を西日暮里まで
つくりまして開発すれば十二分にいける。私は、大体何は金かかっても、現在のほかでやる一億とか五千万とか八千万とかと言っておりますが、そういう土地を
買収してやっているあの事務所あるいはビルディングの大体三分の一近いくらいの安い価格でできるのじゃないかと
考えております。
それですから、思い切って要するに五割以下の価格で貸せるようにしますれば、ほかに入っている者はみんな移ってきますから、そうすれば地価はいや応なしにおさまるというこれは
天野論法ですが、うまくいくかどうかはできてみてからのお楽しみのことになるわけでありますが、そういうある信念に燃えておりますから、全力を尽くしてやりたいと思っておりますし、中曽根内閣でやらないと、総理、あなた地価対策何にもやらないことになって恥かくのじゃないかと言っているんですが、御本人大変このごろ気をもんでやる気になっておるようでありますから、その
結論だけは出したいと
考えております。