○山本正和君 この視察のときに、一体これはどのくらいの工事費が坪当たりかかりますかということをお聞きしたら、原価として計算すると三十万ぐらいでできると、坪当たりですね。東京の都心から見ると夢みたいな話なんですね。そういうものができ上がります。もちろん個人の所有の分も今もう既にあるわけですね。ですから
考えてみて、東京湾の中にこういう新しい国土ができるわけですから、今度こそ理想的な
土地制度のあり方を、この今の
関係省庁会議の中では議論をすべきじゃないかというように思うんです。
というのは、例えば
土地の利用権は認めるけれ
ども私有権は認めないとか、
土地の売買による利益は一切これはもう認めないとか。これは、もちろん今の我が国の憲法の
制度の中ですから、そんなことは無理やりにはできぬと思うんですね。しかし、いろいろな方法があるんじゃないか、法律上は。ですから、新しい国土ができるんだと。その新しい国土についてはもうせめて、今までのように
土地さえ持っておればどんどん金もうけするんだというふうな発想は、新しいところには今後はしないというぐらいの問題をここはやっぱり
考えてもらわなければいけない、それが今日の
土地問題の解決の
一つの材料にもなるんじゃないかという気が私はするわけです。
そうかと思いますと、実際は
土地を何ぼ持っておっても、一銭にもならない
土地を持っておる人たちも田舎にはたくさんおるわけです。ところが、東京都のように一坪で一億円というふうな莫大な
価格のものもある。ですから一遍、モデルケースとしてこの臨海部の新しい国土、これについては
建設省も大変なエネルギーとお金を使って取り組まれる、東京都も大変なエネルギーを使う、あるいは
国土庁を初め
関係省庁も大変な協力の中でこれはでき上がるわけですから、何か新しい国土のあり方というものを
検討していただいたらどうだろうと。これは私の意見として申し上げておきますから、ひとつ
関係省庁の中での議論でもし取り上げていただけたら大変ありがたいと、こう思っております。
それから、この東京の臨海部
開発についてのかなり誤解がございます。この誤解というのは、四全総で言っている事柄が東京中心主義にどうしてもとられた。ところが実際は、この臨海部の
開発というのは、私なりにいろいろと勉強させてもらいますと、我が国の科学技術あるいは建築工学、
都市工学、そういうあらゆるものを駆使した
一つの壮大な実験じゃないかという気がするわけです。ですから、そういう意味での役割として、この臨海部
開発についての国民への理解というものをしていかなければ、田舎は置き去りにされたんではないか、私
どもの県はこれは新幹線も通りませんから余計そんな気がするわけですね。ですから、やっぱりこれは我が国の科学技術、我が国の国土のあり方というものを含めて、壮大な実験ですよというぐらいのことで
考えてもらう必要があるんじゃないか。また、実はそうなりますと、世界のすべての国に対して、我が日本は何もエコノミックアニマルじゃありませんよ、金もうけばかりするのじゃありませんよと、こういうふうに自然をちゃんと改造していって、未来の人類の生活の形態についても
考えていますよということを見せていくんですよというふうな、大変な仕事だろうというふうに私は思うんです。
まあこればかりじゃなしに、今からいろいろな計画があるようでございますから、例えば日本海では海洋
都市構想ですか、もうこれは坪百二十万ぐらいかかるらしいんですけれ
ども、四層建てで、どんな荒波が来ても大丈夫なような浮き船といいましょうか、そんなものも
考えられている。あるいは下関の沿岸にもそういうふうなものが
考えられている。いろいろなことが出ているわけです。そうすると、そういう我が国の国土という問題についての理解を得るということが何よりも大切じゃないか。
また、実はこの前の
決算委員会でも申し上げたんですけれでも、我が国の社会資本のあり方が七十五年には欧米というか、ヨーロッパの先進国には追いつきますよと、こういうふうなことを
建設省としては計画を出しておみえになる。そういうふうなことを含めて、私はやっぱり夢を持って、もっと国民の中に国土の問題としての夢を持った議論がされるべきだろうというふうに思うんですが、ひとつ二十一世紀を展望して我が国の国土づくり、そういうものを特に、先ほど子供たちの問題を申し上げましたけれ
ども、これはひとつ天野建設大臣、御所見をお伺いしておきたいと思うんです。