○山本正和君 先ほど同僚
委員からお話がございまして、
決算委員会における各省庁、また各大臣の
決算委員会に対する御
答弁の問題につきまして強く要請を申し上げました。私は、やっぱり予算
委員会同様
決算委員会というものの役割は極めて重大である、また国政の基本にかかわる問題が議論される場であるというふうに思っております。そういう意味で、本日は大変各大臣お忙しい中を御出席しておられるのを見まして久しぶりに何となく
決算委員会のような気がいたします。まず感謝を申し上げておきます。
実は、六十年度の決算につきまして大蔵省から出されました六十年度決算の
説明というのを、全部は読んでおりませんが、拝見さしていただきました。その中で私はこういうことを感じたわけであります。というのは、中曽根総理になられてからのさまざまな施策の中で、確かに国民から高く評価された部分も幾つかあったわけでありますけれ
ども、同時に国民の中にあったいろいろな不満というものがこの六十年度決算の中に出てきているようにも思うわけであります。それは何かといいますと、なるほど日本の国のぜい肉を削ろうとか、あるいは国際社会の中で生き残れる力をつくろうとかいうふうなことは随分おやりになったと思うわけです。しかし一人一人の国民にとってこの五年間は温かい政治が行われておったんだろうかということについての、かなりのみんながこれでいいんだろうかというふうな気持ちがあったことは事実でございますし、また、政府・与党の中からもさまざまにそういう問題についての論議がされたことも私
ども聞くわけであります。
私は特にここで申し上げておきたいのは、日本の国民として本当にこの国に住んでよかったと、こういうふうに思うような施策というものがこれからどういうふうに講ぜられていくべきか。まさに中曽根内閣の五年間のその経験をもとにこれから国民が、私たちは日本の国に住んでいてよかった、日本の国民であってよかったというふうな方向にもっていかなきゃいけない時代だろうというふうに思うのでございます。そういう意味で新前川レポートにも触れておりますし、また宮澤大蔵大臣がかつて御提起されたことでございますけれ
ども、国民資産倍増論と、国民にもっとより豊かな生活をというふうなお話もございます。そういう意味で、これからの我が国の財政というものがそういう部分に対してかなり思い切った、まさに発想の転換に基づいた施策というものが講ぜられていくべきだろうというふうに私は思います。我が社会党も二十一世紀へ向けての目標の中に、そういう問題も幾つか初めて検討し提言もするようになってまいっております。まさに国民的合意が国民生活の向上というところに今日が向きつつあるというふうに私は思うのでございます。そういう意味できょうその問題についての本当は各大臣の御所見等も伺いたいんでございますけれ
ども、これはまたの機会に、今までもいろいろと御発言がございますから、そういうことから私
どもなりに類推いたしまして、今の新しく出ている、恐らく戦後の日本の各歴代の内閣の中で極めて新しい発想というふうに私はとっているわけでありますけれ
ども、その問題につきまして約一時間にわたりましていろいろと
関係省庁の御所見なりあるいは現在の
状況について御
質問したいと、こう思うわけであります。
それはこの前の
国会で成立いたしました総合保養地域
整備法の問題でございます。要するに今までの我が国の国民感情といいましょうか、特に一生懸命働いて活発に企業活動が行われて成功された方々、あるいは私
どものように六十歳以上の日本人の根性の中にあるのは、働くことはこれはいいことだと、働かなければだめだと、そして刻苦勉励して一生懸命に頑張って頑張って、そして老後、その長い人生に対して御苦労さんと、こういうふうな生涯というものが大体私
どもの頭の中にあったわけでありますけれ
ども、実は二十一世紀の展望ということをいたしますと、そういう時代じゃないと、人間がそういうふうにして働いていく人生でいいのかということが、これは我が国ばかりじゃございません。資本主義も社会主義も超えて、人間の生き方として議論がされているように思うわけでございます。したがって、そういう中で人間の生活の中におけるその生活の中の楽しみといいましょうか、要するにみずからの体を休める、あるいはみずからの精神にくつろぎを与える、そのことが生活の中における非常に重要なファクターである、こういうふうに私も思うわけであります。そういう意味から言いまして、この総合保養地域
整備法というものを出されたその背景は、まさに今の世紀末から新しい世紀を迎える中での国民のいろいろな期待のあらわれというふうに言ってもいいんじゃないかと私は思うわけであります。ところが、この
整備法の段階でも少々御意見を申し上げましたけれ
ども、どうも政府全体として本気になってこれをやるんですよと、こういうふうな御決意の表明がなかなかないように思うわけであります。と申しますのは、例えば総理の施政方針演説とか、あるいは
関係各省庁、責任主務大臣が五人の大臣でございますか、そういう方での協議の中で、国民に対してこういうことをやりますよという強くアピールされるようなことが国民の目の前にはなかなかわかりにくいというような感じがいたします。そしてそういうものの背景に我が国の国民の生活の基本にあるさまざまな物の考え方、もっと言いますと、これは文部大臣がお見えでございますけれ
ども、長い間の学校
教育の中で培ってきた人生論といいましょうか人生観といいましょうか、そういうふうなものも含めてみんなで考えなくてはいけない。こういうことも合わせた形でのやっぱり
関係五省庁で、一体この地域
整備法というのは何を意味するんだ、今までの歴代の内閣で初めてこの問題を出したんだ、こういう意味についての本当に緊密な御論議というものがなければ、これは場合によっては絵にかいたもちになるんじゃないか、こういう心配をしておるところでございます。
そういう意味でひとつ
関係省庁、主務大臣五人でございますけれ
ども、それ以外に各省庁に全部わたる内容がございますから、今後ともぜひともそういう意味でのさまざまな細かい部分にわたっての御検討をまず御要望しておきたいわけでございます。
ひとつ最初に、そういう問題を含めまして、大臣御出席でございますから、それぞれの各大臣から、そういう国民生活とこの保養地域構想というものにつきまして各省庁で随分議論がございました。例えば、きょうは建設大臣はお見えでございませんが、建設省はもう既に昨年随分ヨーロッパやアメリカにも
調査に行かれている。各省庁ともそういうことをやっておみえでございます。それぞれの省庁でいろいろな案をお出しになって、それが現在国土庁でもって総合的に
調整をされているという段階でございます。しかしその中で、それぞれの
関係省庁の中で、少なくともこういうことはぜひともこの構想の中に生かすべきだ、こういうふうな特色があったやに私は思っているわけでございますが、そういう意味で各省庁のひとつこの
整備法に関する御所見をまずお伺いしておきたいと思います。