○高桑栄松君 そうですね、それは疫学的な
条件がなければしようがないわけでしょうが。ただ、先ほ
ども広中
委員の質問で剖検のことが出ておったわけですけれ
ども、
目黒先生も医学部で勉強されたので私と同じような
経過をとって医師免許証をお取りになったと思うんですけれ
ども、我々のころは特に病理解剖というのは非常に重要であった。有名な東大の内科の沖中
先生が定年退職のときに、私の誤診率は、一七%でしたかな、パーセントは今忘れましたが、一七%であると。どうして一七%が出たか。これは解剖ですよね。病理解剖をして、その結果自分の診断がはっきり間違ったのが一七%あったと。東大の
日本内科学の第一人者がそうおっしゃっているわけです。だから、医学の診断というのがその辺が最高レベルであったわけですね。
そういうことでございまして、私はこういうものは特に病理解剖の知見というのは重要だと思うんですよ川俣だから、こんな症状があった、あった、あった、しかし
中枢神経系に何らの変動もなかったとなればこれはアウトになるわけですね、そうでしょう。そういうわけなんだから、その症
状とこれとの確率論というかな、関連性というものは絶対必要なわけですよ。ですから、先ほど来の解剖と非解剖でありますが、未
処分で死亡された方の解剖例が約半分であったと、そして解剖例の中の
認定者がかなりあったということなんですけれ
ども、私は、そういう知見というのをできるだけ多く積み上げて新しい診断に対する、つまり、
判断基準の厳しい、緩いじゃないんですね、
条件がぎっちり、医学的にプロバビリティーを上げることができるものが出てきたんですからそれは何か指数を掛けてもいいと思うんだ。〇・三なら〇・三を入れてやるというような考え方でこれはやるべきであると思うんです。
ですから、解剖に付される方はというのがあったんですが、これ
先生も御
承知のように、我が国は
患者さんが亡くなったときになかなか病理解剖に賛成してくれないのが多いんです。我々のときもそうだったし、今もそうだと思うんですが、欧米なんかですとむしろ解剖をまずしてもらうのが主で、せめて
最後に自分の体が将来の人類の健康の方面に、医学に役立つようにと、はっきりわかり切っていてもやってみるわけだ。それがはっきりすればいいわけだから。何か別なものがあったらそれ診ればいいわけだ。ひょっとすると、我が国は今肺がんがだんだんふえてきたと言うけれ
ども、昔も肺がんがあったのに肺結核で隠されていて、解剖したらわかったかもしらぬのに解剖しなかったおかげで皆肺結核で死んでいる。あけてみたら本来肺がんもあったかもしれない。
だから、そういう意味でどうしても私は解剖を積極的に進めてもらいたいと思うんです。そのためのお金は用意したらいいですよ。本来、病理解剖に付すのにお金を上げるという手はありません、これは。ないけれ
ども、まあ必要があればね。知りませんけれ
どもね。これは本当にやっぱり
患者さん自身も、お医者さんにお世話になった
一つの
最後の決着というかな、そういうこともあるわけだし、そういう知見がもっともっと積み上げられていたら
——まず剖検例から新しい知見が少し加わってもいいと思うんですね。だから、剖検例が足りなかったんじゃないかと、私そういう気がしながら広中
委員の質問を聞いておって、まあいろいろあると思いました。
しかし、それはやっぱり
環境庁サイドもあるいは
熊本県も、世界に希有なというか、知られた、ベリー・フェイマスなそういう
病気なんだから、我が国の独力である程度のその前進を期待したいと思うんですよ。それが恐らく今の
申請者が願っていることだと思うんです。うっかりすればあいまいさの中で
棄却されるんじゃないかという心配ですね、それは
棄却する
理由もあるし、されない
理由もあるんでね。しかし私は医学者ですから、科学的なというか医学的な
判断で確率を高めてもらいたい、こう私は思うんで、まず剖検に対して力を入れてもらいたいと思うんですが、
先生のお考えはいかがですか。