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水谷委員 次に、農業問題について御
質問したいと思います。
昨日、川俣先生もお触れになりましたけれども、私も実は同じような
考え方に立っていまして、いわゆる価格支持の問題とか予算に対する比率とかいろいろ調査をしたり検討したりしてきております。そういう中で、日本と欧米先進諸国の
国民総生産、農業総産出観、国家予算、それで農業予算、こういう比較のスタンスもあるのかな、こう私は思っております。これは八五年の数字でございますけれども、
我が国の
国民総生産三百二十兆七千億、そのうちの農業総産出額が十一兆七千億、これの比率は三・六%になります。西ドイツの
国民総生産は百四十九兆、農業総産出額は五兆一千億、この比率は三・四%でございます。
さてそこで、国家予算に占める農業予算の比率を日本と西ドイツを比べてみますと、日本は五十三兆四十五億の国家予算に対して二兆六千八百億、五%の比率でございます。西ドイツの場合は国家予算が二十兆八千億、うち農業予算は一兆二千億で五・七%になります。私は、過
保護であるとか予算の面から見てもいろいろな指摘等がなされているわけでございますけれども、余り当たっていない批判だなといつも余り相手にしておりませんけれども、そういうふうにつぶさに実態を調べれば調べるほど、いわゆる財政的な面から見ても
政府の施策の面から見ても、格別農業が過
保護であるという議論はどこから見ても成り立たないな、こういうふうな基本的な
考え方に立っております。かといって、国際的な内外価格差のこの問題について、この努力を少しでも惜しんだならば、格差是正の努力を惜しんだならば、大多数のお客様である消費者の皆様方、そういう皆様方の御理解が得られない。その御理解が得られなければ農業は産業として自立はできない。
国民が合意されるいわゆる農業の生産性向上やらさらにはこの価格差に対する御努力、本当に血のにじむような努力を現在もされておりますけれども、より一層していっていただかなければならない、こういう見地に私も立っているわけでございます。
そこで、先ほども、
総理がおっしゃった
答弁の内容を私申し上げましたが、確かに七十七万ヘクタールのこの減反というのは大変な問題でございます。三分の一です。耕地の三分の一は――今までは開田をして水田にしなさい、
政府が一生懸命指導をして、そして開発をして水田にした、もう十数年間かかっている事業のところで、事業半ば、畑だったのを水田にしている最中に米はつくるなよ、こういうことが全国にある。そういういろいろな
状況の中で七十七万ヘクタールが今米をつくれない。それでもなお米は、ことしも平年作でいったら
政府の持ち越しは二百五十万トンぐらいになるのではないのかな、いろんな心配もしておる。また第三次の過剰が来なければいいな、ここまで生産
調整をしていてもまだこういう
状況。ことしは三十一年ぶりに米価が五・九五%引き下げられた。さらにそれだけじゃないわけです。六十二年度当初予算の中でも、いわゆる奨励補助金についてもカットはあった。今農家に対するいろいろな
状況がある。
そこで、今何を一番農家の皆さんが心配しておられるか。我々は確かに
国民的ないろいろな要請があって、そろそろ農業も、やはり
一つは国土保全とか環境保全、国土の大切なそういう機能を果たす役割、農業がそういう側面は持っているということは主張するけれども、しかしもう一面、産業として自立しなければならないというお
考えになっていらっしゃるわけです、農家の皆さんは。ですから、いろいろなそういう環境の中でも御苦労されながら一生懸命取り組んでおられる。
そこで一番大事なのは、こういうときに
アメリカは、いよいよ九月にまたRMAがUSTRに対して、日本に対する米の問題について再提訴するという方向で動いている。さらには牛肉、かんきつの問題、十二品目の問題、二十二品目の問題等々、いわゆる日米
貿易の中で、さらにいろいろな日本の農業を取り巻く大変な
状況がこれ以上起きてくるのではないのかな。我々が一生懸命努力をしょう、真剣に取り組もうと思っているやさきに、もたそういうものが降りかかってきたら、おれたちはもうできないぞ、これ以上できないという、特にこういう声は、全国稲作経営者
会議というのがある、本気になって規模も拡大して生産コストもどんどん落として、そして新しい稲作の方向を求めておられる、そういう本当にすばらしい方々の中から、現在の国境措置といいますか、いわゆる国際
貿易における農産物
貿易の問題についてしっかりと
対応してもらいたい、こういう声が非常に強いわけでございます。
そこで、この間のOECDの
閣僚理事会、
加藤農林水産大臣、私はこの間の農林水産
委員会でも、
大臣、よく頑張ってこられましたねと率直にそう申し上げた。そしてまたサミットでも
総理は、この問題について明確な、農業の持っている多様な性格をとらえられていろいろなお話をされた。また、今回の臨時
国会における
冒頭の所信表明演説の中でも、私は今まで
総理の所信表明演説をいろいろ聞いておりましたけれども、農業問題でこんなに割かれたことはもしかしたら初めてかなということで、これは
総理も大変、今まで農は国の基だとおっしゃっておったけれども、いよいよ本格的にそういうお
考えに立たれてきているのかなと、私は生産者の皆さんだけではなくて、
国民の一人として本当にそのように心強く思っております。
そこで、二国間の交渉ですから、けんかをするわけじゃないわけでございまして、お互いに
我が国における農業の問題、また現在日本がどのような農政を
推進しているか、それらを本気になって土俵の上に出して、いわゆる牛肉、オレンジの枠の問題についても、また十二品目の問題についてもしっかり議論をしていただきたい。米についてだけは私は絶対許してはならぬ。一部に加工用原料米くらいはいいじゃないか、大体三十万トンくらいで最終的に
話し合いをつけたらどうだなんという議論がある。けしからぬ。これは、米の
我が国における特別なことくらいは、友好国である
アメリカに対してこちらが誠意を尽くしてお訴えをしていって相手に通じないわけはない、そういうふうに
考えておるわけでございますが、全体として、この日米農産物
貿易についての
政府の今後の取り組みについてお答えをしていただきたい。