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山口最高裁判所長官代理者 先ほどの
関係資料の八ページ、九ページの相関表をごらんいただきたいと思います。
まず、順次御
説明申し上げますと、八ページの上の方で
事件数で百一件から百二十件のところがございます。
事件数百件を超える庁でございますが、この枠の中には十七ございます。この十七庁につきましては、いずれも人口が
相当多数でございまして、現在も人口の増加傾向がございます。それにつれまして
事件数も増加傾向を示しておりますか、あるいは近年急増しておる、そういう
状況がございまして、今後の動向に留意をする必要がございます。地方自治体はもとより、
関係各
機関の
意見を伺いましても、このような
事情を背景といたしまして、存置を
相当とする
意見が極めて強うございました。将来の動向を十分把握する必要があるという観点から、この枠内の庁十七庁につきましては、全部
統合の対象から外したわけでございます。
その次に、
事件数で申しますと六十一件から百件の庁でございまして、
所要時間が四十六分から六十分の枠内にある庁、これは例えば取手、相生、亀岡、笠間、このあたりの枠に入っている庁でございますが、これにつきましては、ある程度の人口、
事件数を有しておりまして、交通
事情につきましても、所在
市町村から受け入れ庁までの
所要時間が四十六分から六十分と比較的良好でございます。ただ、四十五分以下の庁のように交通至便というわけにはいかない、いわば中間的な領域に属するわけでございます。したがいまして、この範囲の庁につきましては各庁別に人口動態、
事件数の動向、管内全般の交通
事情等、法制審
答申に示しております
個別事情を検討したわけでございます。
これらのうち取手、亀岡、瀬戸、鳴門、笠間につきましては、人口増、
事件増の傾向がございます。今後も
相当の
事件数が予想されるということ。それから、築館、棚倉につきましては、管内に
市町村が散在しておりまして、管内全般の交通
事情がよくないということが見受けられます。大船渡につきましては、管内全般の交通
事情がよくないと同時に、人口増、
事件増の傾向が見受けられるわけでございます。これらの八庁につきましては存置すべきものと思われまして、残る今市、巻、桜井、喜多方、相生、備前、村山、島根大田、宇佐については
統合すべきものと考えたわけでございます。
その次に、
事件数が二十一件から六十件で
所要時間が七十五分を超え百二十分の庁でございます。九ページの下の方に串本、浜坂、男鹿等がございますが、この枠の中に入っている庁でございます。これらの枠内には十四庁ございますが、いずれも少ないとはいいましてもある程度の
事件数を有しておりますし、所在地から受け入れ庁までの
所要時間が七十五分を超えまして
相当の時間を要する。それから、管内全般の交通
事情も甚だ悪いわけでございまして、最遠地からの
所要時間が百十四分から、ひどいところになりますと二百九十二分ほどかかる。それから、この中で男鹿と串本を除きましてはいずれも家裁出張所が併設されております。これらの各庁につきましても、
関係各
機関の
意見も存置を
相当とするというものが大部分でございまして、この枠内にある庁は全部
統合の対象から除外するのが
相当であると考えたわけでございます。
それから、
事件数が五十一件から六十件、
所要時間が六十分を超え七十五分の枠内にある長門、国東、野辺地、徳島池田でございます。これは交通
事情は必ずしも良好とは言えませんで、特に野辺地、徳島池田につきましては管内も広うございまして、全体の交通
事情が甚だ悪い。それから長門につきましては近年著しい
事件増の傾向が見られるということからいたしまして、これらの三庁は存置すべきものといたしましたが、国東につきましては、人口の
相当の割合を占める部分におきまして、比較的短時間で受け入れ庁である杵築あるいは豊後高田へ行けるという
状況がございますので、
統合すべきものと判断したわけでございます。
それから、九ページの下の方になりますが、
事件数が十二件以下で二時間以上かかる五片、天塩、中頓別、足尾、広尾、松前でございます。
事件数が僅少ではございますが、所在地の
中心から受け入れ庁までの
所要時間が二時間以上を要しておりまして、管内全体の交通
事情等について慎重な検討が必要とされるわけであります。このうち松前、天塩、中頓別の三庁につきましては非常に交通
事情が思うございまして、いわば陸の孤島と言ってもいいようなところが見受けられます。そこで、離島を外したのと同じような
意味合いで、今回の
統合の対象からは除外するのを
相当としたわけでございます。足尾、広尾につきましては、今の天塩、中頓別、松前ほど交通
事情が悪くはないということ、
事件数もこの五片の中でさらに少ないということ等を考えまして、
統合すべきものと判断したわけでございます。
これらを除きました九十二庁につきましては、いずれも相関表上の位置からいたしまして
統合の必要性がより高いものと考えたわけでございますが、この中でも
橋本、深川、吉野、この三庁については存置すべきものといたしました。吉野と深川の二つの
裁判所はいずれも管内面積が広うございまして、管内全体の交通
事情が著しく悪い。
事件数に照らしましても、
統合によって生ずる不便が大きいと思われるわけでございます。また、
橋本につきましては近年人口の増加傾向が見られまして、むしろ
受け入れ序となるべき支部併置の妙寺簡裁の所在地自治体よりも、これはかつらぎ町になりますが、それよりも
橋本の方が人口も多く発展傾向が見られ、将来その周辺の
地域の
中心となることが予想されますので、将来は支部を含めた
配置の見直しも考える必要がございます。そういう
状況を勘案しまして、
橋本は存置することに決したわけでございます。
このような検討を加えまして、百一庁に絞り込んだわけでございます。
以上でございます。