○鴻巣
政府委員 昭和五十九年の八月に、現在の試行
計画、つまり三年間で中海ですとほぼ
現状の七分の一程度の塩分濃度に引き下げていくという形で徐々に淡水化したいという試行の
計画について、それで水質にも影響がないという中間
報告をいただいて、同日島根と鳥取の両県に試行させてほしいという協議をいたしまして、御
承知のような形で賛成とかまたいろいろ反対とかということでなかなか事態が打開できませんで、現在まででちょうど三年を経過いたしております。私ども
農林水産省といたしましては、この五十九年八月の中間
報告あるいは六十一年二月に出されました助言者
会議に対する私どもの六十二年八月の回答に示されますように、
現況程度の水準を維持しながら宍道湖なり中海なりの淡水化が可能であると考えておるわけです。両県ともこれまで十分
議論を尽くしておりまして、私どもとしては、もはやデスクの上で
議論するよりも安全を確かめながら実際に水門を閉めていくという試行をやる時期に来ていると考えているわけです。
今
お話しの七月十七日ですが、島根県の六十二年度予算重点要望が知事から県選出の自民党の国
会議員等に
お話があった席が終わった後で、県から六十三年度予算要望といたしまして、揖屋それから安来工区、そういうところを早期に部分完了してほしいとか、負担金の軽減問題の要請があったわけです。そこでその際私
たちも呼ばれまして、この中海干拓の
現状はどうなっているかということをきちんと聞かせてほしいという話があって、私ども出席をいたしました。したがって、いわば
現状と
問題点を
お話しするというつもりで私ども出かけていきました。その席上で最終的な結論は特段具体的にあったわけでなくて、淡水化を試行するそのやり方については、県なり地元なりの納得のいく形で具体的に考えてくれというのがそのときの会合の最終的な結論であったというように記憶をいたしております。したがって、私どもが何かそういう具体的な提案をしたとか新しい提案をしたということではなくて、
現状と
問題点について話をして、その中で水質監視を十分にやるとか、試行中にもし水質が悪くなれば後戻りをすることにも配慮したらどうかとか、そのために水門のあけ閉めを弾力的にやったらどうかというようなことが話題になったということを記憶しております。
その席上で私どもの方から申し上げましたのは、今まで中海干拓の水
質問題について御
検討いただきました専門家グループがありまして、これは京都大学農学部の市教授を
委員長といたします宍道湖・中海淡水化に伴う水
管理及び生態変化に関する研究
委員会、俗称南
委員会と略称いたしておりますが、そこに、水門を一部あけることは今までなかったのだけれども、一部あけっ放しにしておくことも
検討をお願いしたらどうかなと思っているということを私どもの方で
お話ししただけでございまして、その席はもちろん具体的な提案をしたわけではありません。なぜならば、これは出ていらっしゃる方も島根県の関係者でございますが、御
承知のとおり中海干拓は島根県と鳥取県と両県にまたがる話でございますので、鳥取県の関係者がおられない席で具体的な提案をするというのは片手落ちになるし、また私
たちも今それほど詰まっていた
段階ではございませんので、これからそういうスケジュールで専門家グループに
検討を依頼しようかと考えているという
お話をしたわけでありますが、新聞では今
お話しのような形で報道されたということだと思います。
その後両県からその具体的な内容を明らかにしてほしいという照会を受けましたので、ただいま申し上げました南
委員会の意見を聞いた上で、これから具体的な案を取りまとめまして両県に提示するように現在
作業を進めているところでございます。