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藤原(房)
委員 さて、
生産性向上ということでこれから農家の方々も内外格差の縮減のために
努力をしなければならない。今日までもそれに取り組んできておるわけでありますし、またこれからも
努力しなければならないことだろうと思います。それに伴いまして
価格的な問題、今後の動向、農産物の中での麦の
位置づけ、そういうことについていろいろお話をいただいたわけでありますが、マクロ的な経済ということでいろいろお話しするとそれなりに時代の推移としてわからないわけではないのですが、今度は一農家として営農に当たるという
立場からいたしますと、
生産性向上というものは農産物の
価格にある程度
考えなければならぬということも言われておりますし、もちろんそうあるべきだと思います。そういう中で
生産性を上げるためには基盤整備を初めとしまして、その周辺のものにつきましても力を注いでいかなければならぬ。そういうことの総合施策の中で
農業というものはあるんだろうと思います。
そういう
生産性を上げるためのいろいろな手だてがあるわけでありますけれども、その一つの
土地基盤の整備、この基盤整備につきましては今日までも大変に御
努力をいただいてまいったわけでありますが、前に一回視察に行ったことがあるのですが、仙台に田畑輪換の非常によくできたところもございまして、私どももこれは大したものだなと思うところもありますが、なかなか排水の悪いところ等どこでもできることじゃございません。
それとまた、最近基盤整備ということが言われておりますけれども、それに伴って今問題として言われておりますのは、基盤整備の工事費が非常に高いということ、それから四十年代に計画したものがだんだん工期が延びまして、そして非常に農民の負担になっているということ、計画が二度、三度変更になっている。かつて、
北海道の函館の近くの上磯、あそこに大野町というのがありますが、そこへ参りましたら、これはもう異様に当初の計画、これは農民も
生産性向上ということで進めようとしたのでありますが、現実はなかなか工事が進まない。これはこういう時代の流れの中で非常に経済の変動が激しいときであったということも一つは言えるのかもしれませんが、それにいたしましても、計画が二度も変更になり、そしてまた負担額がどんどん重くのしかかるということでは、これは基盤整備で
生産性を上げるということが農家に負債を負わせるという形になって、本来の目的が逆になっているという、こんな形になっているところを全国各地にいろいろ私どもは見聞をしているわけです。
国営上磯
土地改良事業は、四十六年に認可になって四十七年から着工いたしましたときは二十四億七千万で始まったわけでありますが、これが二回の計画変更ということで、二十四億七千万の当初の計画が七十二億五千万、そしてまたさらに百四億、このように計画がどんどん変更になって、これが受益者負担という形で農民に大きく負担が強いられた。これは全道、全国各地にこういう問題が起きて、今回は内需拡大ということでいろいろな基盤整備等についての打診がありましたけれども、とてもこういう農産物の
価格の低迷の中で私どもはもう負担に耐えられませんということは各地に出ておったのです。これはもう農林省としても十分に御存じのことだと思います。
そういうことで、
局長通達か長官通達が、今度、工事の
あり方やそれからできるだけ早くやるとか、こういう通達を出したようでありますけれども、これからのものについてはそういうことで対処の仕方もあるのかもしれません。工事の
あり方につきましても、地元に合った形で物事を進めていく。メニュー
方式、いろいろなことが取り入れられる。しかし、今までのものにつきましては二度もこれが変わって、二十四億七千万の計画が百四億ということですから、これは大変なことです。しかも大野、上磯、あの辺はそんなに大きな
規模の農家があるわけじゃございませんで、既往のものについてどうするかということもこれは重大な問題だろうと思います。
私の選挙区の共和町のところにも同じようなことがあるわけでありますが、余りにも工期が長過ぎるという、延び延びに延びておることのために、当初の計画ではもうとてもついていかれない。そしてまた事情が変わっておる。これからの問題については通達で何らかの効果を生むのかもしれませんけれども、今までのものについても何らかの軽減措置というものを
考えていかなければ、
生産性向上、これは逆に農家つぶしの元凶になる、こういうこと。詳しく一々申し上げるまでもなく、その辺のことについては全国のいろいろな問題について掌握していらっしゃると思うのですが、このことに対していろいろ部内でも御検討なさっておると思います。今までの計画のものについてこれからどういう対応をなさるか、その点お
伺いしておきたいと思います。