○浜口
政府委員 先生御
指摘のとおりでございまして、ちょうど二十五年たったわけでございます。この
経過を振り返ってみますと、いろいろな大豆にまつわる問題がございました。
一つは、国内的に特別に申し上げなければならない点は、三十六年当時から私
どももいろいろな指導等々も行いましたけれ
ども、具体的に大豆の生産が減少してきたという点がまず特記されなければならないと思います。これにつきましていろいろ私
どもの生産対策あるいはこの法律に基づく価格対策を
実施したところでございますけれ
ども、具体的な
状況において今申し上げましたように量が減ったということが大きかったわけでございます。
ただ、こういう
状況に対応いたしまして、水田再編対策というものが
昭和五十三年から
実施されたわけでございますが、これを
一つの契機といたしましてこの減少の趨勢といったようなものが反転いたしまして、従来から大豆に対して期待されておりましたような国産大豆の食糧需要に対する位置づけというものを反映いたしまして増加してまいったわけでございます。
一つのピークといたしまして
昭和五十六年がございます。再編対策のいわゆる転作面積のピークというようなことでございまして、約六十六万ヘクタールといったようなものに相呼応いたしまして、十万ヘクタールを切っておりました大豆におきまして
一つのピークをなしております。そういうようなことで今日まで参ったわけでございますが、今
先生御
指摘の水田農業確立対策というものを本年度から
実施しておりまして、この具体的
実施状況について現在まだ
調査中でございます。
さらには、具体的には八月一日の実態
調査というものによってこの
動きというものを追っておかなければならないわけでございますが、今のところの大体の各県からの御報告を総合いたしましても、五十三年において
一つの契機となったということと同様に、大豆の面積が拡大するということになるのではないかというふうに
考えております。全体に七十七万ヘクタールということにつきましては、六十万ヘクタールに比べまして二七%の増ということでございます。そういうようなことで、一方では水田農業確立対策、すなわち田畑輪換というようなことから大豆の農業生産上の見直しというのが行われまして、昨年に比べましても大体三〇%くらいふえるのではないかということが
考えられるわけでございます。
以上のようなこれまでの経緯といったようなものから特記すべきは、それぞれの時代に応じまして具体的な生産面積というものの消長があったということでございまして、現在いわばその上昇といいますか拡大の局面を迎えているということでございます。これはもう少し深く
考えてみました場合に、もちろん農業生産全般にわたる問題ではございますけれ
ども、
一つは都道府県におきましてあぜ大豆と言われていたもの、そういったものがいわば水田の大きい面積において展開をできるような
一つの技術革新があらわれてきているということだと思います。その
一つの技術革新の典型的な象徴的なものと申しますのは収穫機でございまして、小型のものについてはハーベスターというものがございますけれ
ども、
一つは大豆専用機が機械化研究所によって検討をされ開発をされた。さらに、大型のものにつきましては汎用コンバインというようなことでございまして、生産性の向上に直接影響するような技術が開発をされ、本年から
実施に移されようとしている、そういう技術的な
段階がこれに反映するかと思います。
他方、もう一度、ちょっとくどいようでございますが、こういった国内におけるいわば減少の局面から拡大の局面に至るというちょうど境目の時あたかも、国際的に見ましても、従来五千万トンのオーダーであったものが
アメリカあるいは中国さらにブラジルといったところで拡大したということでございまして、そういう
意味で、現在国際的な大豆の生産量は今申し上げました五千万トンから七千万トンを
経過いたしまして、達観して申し上げまして約一億トンになろうという
状況になっているわけでございます。このことはもちろん大豆が十分安定的に供給されるということでございますが、一方、生産量がグローバルな
意味において拡大したということは国際市況についてかなり低迷した
状況を呈しているということでございまして、それに引きずられまして
我が国の国産大豆も、優良な特性を持っておりますけれ
ども、具体的な市況製品としては価格が低迷をしているという
状況でございます。
以上三つの点を簡単に申し上げましたが、
一つは国内生産の問題あるいは技術上の問題、さらに国際
状況というものが今日まであったわけでございます。
先生の御
指摘のとおり、こういった二十五年の中でいろいろな手を打つべきチャンスがあったのではないかということでございますが、今までのような
状況をけみして、今の
時点が一番施策として今後打つべき契機が出てきているというふうに
考えるべきではないかということでこの法案を提案させていただいた、これがこの法律の背景でございます。