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角屋委員 過剰反応でこれからソ連その他の共産圏諸国に臨むということがないようにぜひ、この法改正そのものには我々は決して賛成してないという
基本的立場はございますけれ
ども、今いろいろ
関係団体から聞いてみますと、通産省あたりは、まだ改正もなされていない
段階から過剰反応が出てきて、非常にいろいろな申請について、特認事業その他についても停滞をしておるというふうな
実態がありますが、そういうことにならないような対応をぜひやっていただきたいと思います。
あと三十分でありますけれ
ども、この間防衛大学校の視察に上原
先生と私、参りました。これは、「
調査なくして発言なし」ということを言いますけれ
ども、やはり自衛隊に対してどう考えるか、憲法上の問題からどうか、こういうかんかんがくがくの議論はもちろんあっていいわけでありますし、またあるわけでありますけれ
ども、しかし同時に、
日本の陸海空の三自衛隊が一体どういう
状況なのか、あるいは幹部自衛官を養成する防衛大学校は一体どういう教育をやっておるのか。この間、決算
委員長のときに防衛医科大学校を私、現地
調査してきたのですけれ
ども、一度防衛大学校に行ってみたいということを考えておりまして、七月二十九日の日に防大視察をやりました。夏目校長以下大変お世話になってきたわけであります。これは時間がなくなるといけませんので、FSXの問題に後、入りますけれ
ども、この問題から入らせていただきます。
防衛大学校に初めて行って私が感じたのは、大学の設置基準に基づくいわゆる大学としての教育というのがメーンとしてある、もちろん幹部自衛官の養成をやるわけですから、千時間を超える訓練課程の訓練がある、講義の中でも防衛学というものが二十八単位カリキュラムの中に入ってくるという編成になっておるわけであります。場所は丘の上で、天気のいい日は富士山が仰げるし海にも面しておりますし、なかなか環境のいいところであります。ただ、大学としての教育といわゆる幹部自衛官の養成という立場からの訓練を含む防衛
関係の教育というものとをどの程度の配分でやるかということが、カリキュラムの問題では非常に重要な問題だ。防衛大学校の
説明では、そういうものをいろいろ
検討しておる。現状の大学設置基準に基づく単位、これは一般大学の
水準よりもプラスアルファしておる、それに防衛学が入る、それに千時間を超える訓練時間が入る、それで全寮制でとにかく詰め込みであるというふうな環境から言うと、やはり
改善をしていかなければならない問題が幾つかあるだろう。
一つは、やはり過重な大学の
関係の、理科系と人文系の教育と分かれておりますけれ
ども、そういう教育、それから防衛
関係からのいわゆる防衛学、それから訓練、こういうカリキュラムの問題を具体的にこれからどう考えていくか。一部には勇ましいのがございまして、海兵、陸士式にやはり切りかえていかなければいかぬという議論が出る、これはとるべきではないと私は思います。今の防衛大学校の姿の中で、過重なカリキュラムになっておる点は工夫
改善をもう少しする必要がある。まああらましの
数字で言えば、大学の教育というのを力の配分上七割ないし八割、幹部自衛官としてのあれに三割ないし二割、これくらいのところで、やはり情操豊かなバランス感覚を持った教育をやっていくというのが
基本ではなかろうかという感じを持ちます。
それから夏目さんが、あした
マスコミの会見があるのだけれ
ども、女子学生を防衛大学校へ入れるのかどうかという
質問が出ることが予想される、これには頭が痛い、こう言っておったのですね。御
案内のとおり、防衛医科大学校の方は女子学生を採っておる。これはお医者さんの養成でありますから女子学生を採っておる。防衛大学校の方は女子学生を採らない。将来とも防衛大学校は女子学生は入れないという
方針でいかれるのかまだ
検討中であって、しかるべき時期に女子学生も入れようという考え方があるのか、その辺のところは防衛庁、
検討中だと思いますけれ
ども、いわゆる女子学生採用問題というのをどう考えられるか。
それから、まとめて聞きますけれ
ども、現地へ行って教室を見たり図書館を見たり、あるいは遠泳の訓練をやっておるところ、船で学生がちょうど帰ってくるところも見ました。
それで、十八歳以降の年齢にしては教室のいすが非常に狭い、それから教室も採光の
関係で、あれで教育を受けるときいいんだろうか、階段教室といっても実に狭苦しい、もっと大学並みの理科学系の教育をやろうとすれば、通常の大学でやるような階段式教室の特別教室もやはりもう少し新設をしてはどうかというふうなことを考えました。
殊に、波止場のところに走水海上訓練場というのがあるのですが、ここは狭い暗いところに四段ベッド、これはもう前世紀のものですね。あれは、厳しい訓練をするというイズムで四段ベッドにしておるのかどうかわかりませんけれ
ども、防衛白書を見たって、一般の部隊のところは二段ベッドに少なくとも
改善をしていくということは触れておるのですね。ところが、狭い暗いところに四段ベッド。夜、とてもじゃないが寝られるものじゃない。いびきがあるだろうし、うわ言があるだろうし、とにかく、それはとても寝られるものじゃない。こういう点では、これはすぐ改めなければならぬ。
そして、私から言わせれば、ベッド生活なんですけれ
ども、ああいう海上訓練の合宿所は、半分はベッド、半分は畳と両様でやった方がいい。防衛大学校だけれ
ども、久方ぶりに畳の間で二週間訓練ができる。これは半々ぐらいでもいい。畳の間というのがない。
それから、今の学生舎のベッドというのも四人、勉強部屋とそれから寝る部屋となっておる。あれはどうするかは学生の意見も聞かなければなりませんけれ
ども、二人で勉強部屋と寝るところという方がいいんじゃないかという感じがする、しかし、これは私が見ただけの直感でありまして、四人の勉強部屋それから四人の寝る部屋というふうに、原則としてはそういう形になっておるのですけれ
ども、余りようけの人数で勉強し、ようけの人数で寝るよりも、二人一組ぐらいの方が学生舎としてはいいんじゃないか。
それから、ここは全寮制ですから、したがって学生舎の周りには芝生があったり木もあったりして環境は非常にいいんですね。だから、せめて学生舎のところの前にベンチぐらい置いたらどうか。夕涼みぐらいにちょっと出られる。もうぎっしり朝から授業、訓練、それから夜になったら前段、中段、後段の自習、それで消灯、これでは大変だと思う。
入学すると間もなくにやめていく、それからだんだんやめていく者があって、そして卒業のときになると任官拒否といって
マスコミが大きく
報道する問題がある。この任官拒否問題というのは、
報道をいろいろされておりますが、約一割前後あるときが
数字として出てまいったりします。ところが、アメリカでは大体海兵なんか上がって十年もたつと、九百人上がったうちの三百人ぐらいしか現役は残っていないというような
数字が一九六〇年、それが七〇年はどうだとか、いろいろな
数字があったり、あるいはフランスやイタリーでは、大体半分ぐらいは軍務の方に行き、半分はシビリアンの方に行くというふうな考え方をとっておると言われたりしておる。
私は、任官拒否という問題で厳しく
マスコミからも出ておりますけれ
ども、ただ手当をもらって、防衛大学校を出たら大学院に行けるという資格をもらうわけですから、そのままでいいのかという問題は議論として私は十分あり得ると思います。防衛医科大学校は、国家試験に合格して九年間、これは当然だと思いますが、勤務しない場合は御承知のように金を払うということになっていますね。防衛大学校の場合に任官をしないという者にどうするのかということは
検討問題だと思うのだけれ
ども、防衛庁の中には五年間は引き続き軍務に服させて、後は場合によっては認めようという考え方もあると言われているのですけれ
ども、この任官拒否問題というのを一体どう受けとめ、これからどうやっていこうとするのか、私は余りしゃくし定規な考え方をとるべきでないんじゃないか、しかし、かといって現状のままでよろしいということにはならないだろう。
場合によれば、防衛大学校を卒業するときに体が悪くなったという者がいる、家庭の事情でどうしても引き続き行けないという者がいる、また他の者は、ちょっと自分の性格に合わぬような感じがするから大学へ行くとか社会に出るとかいろいろあるわけですけれ
ども、こういう人たちは、一定の年限に幾ら納めよということじゃないのだけれ
ども、ある程度の金額を、防衛大学校で大変お世話になった、手当をもらって教育を受けたという
気持ちから、一定額といいますかそういうものを一定の年限内、出してくる。そしてそれは図書の購入費に充てる、さっき学生舎の環境整備を言ったけれ
ども、そういうところに充てる、余り画一的な考え方でこうするというのではなしに、その辺のところを
検討していく必要があるのではないか。
まとめて申しましたけれ
ども、それぞれ
担当のところ、最後に
防衛庁長官からということでお答えを
願いたいと思います。