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松前委員 いずれにいたしましても、この問題は単に担当者が悪いというだけの問題では済まされない。これはやはり
NHK自体におきましても内部の緩みというものがあるわけでありまして、
経営全体についても責任があると私は思うわけでございます。
また
郵政省についても、今のようなお答えでは私は全く納得することができない。こんなものを共催するような資格は全然ないと私は思うわけでありまして、もっと責任を感じてもらって、そして適切な対処をしていただかなければならないと思うのです。
緩みということで、同じようなことが
NHKの中にも随分あるように私は聞いております。例えば売上税の
国会審議、十二月ですか、あの時点での討論会、朝八時三十分の「おはようジャーナル」ですね、この「おはようジャーナル」の時間の
出席メンバーの人選をめぐって
NHK内部でかなり議論が闘わされたということを聞いております。報道と
番組の対立だというぐあいに言っておりますけれ
ども、報道側は大蔵省の人を呼びたい、
番組の方は、もっと幅広く
国民の意見を徴収する必要があるというので、そういうメンバーの選び方をしたいということで対立をしたそうです。そして結局は、大蔵省関係の者が勝ったといいますか、それが出てきたということで、これが売上税の前の討論会で出されたわけであります。
これは明らかに意図的である。売上税の法案がかかって、これをどうしようという
NHKの意図がそこに出てきてしまったということしか
考えられない。売上税問題がこのように
国民の中で大反対があって、そして今現在廃案という形になったのは、少数であるにもかかわらず野党の反対があって、それが
国民の大きな世論を巻き込むことができたという形になった。
国民の大きな世論というものはやはり大事なんだ。野党が強かったわけじゃないんです。
国民の世論なんだ。その世論を代表するメンバーを選択できなかった
NHK、これはやはり大きな問題があろうと思います。
また、売上税とか大型間接税とか、そういう名前をなるべく出さないようにという指示もあったということを聞いています。こんなことが今報道の中で行われるということになれば、これは
NHK自体の、
公共放送、不偏不党という形が全く崩れてしまう。こんなことではどうしようもない、何としてもこれは是正をしていってもらわなければ困る、私はそのように思います。
先ほどの八月十五日の問題にしても、今私が申し上げた問題にしても、とにかく
NHKの緩みというものがある。国家機密法みたいなものが出てくるというときになったら一体どんな
放送をするのか、報道をしてくるのか、そう思うと、私は本当に怖い気がするわけでございます。
特に答えは要求いたしませんが、そういうことで、どうかこれから
NHKの皆さん、姿勢を正してしっかりとした
放送をしていただきたい、そのように要望して、次に移らしてもらいたいと思います。
次の問題は
放送衛星の問題ですけれ
ども、
放送衛星の独自
番組ということで今やっておりますが、これは私に言わせれば、チャンネルをふやしただけだと見るしかないと思う。
放送衛星だから、宇宙から電波が届くから外国の
放送ができるんだということは絶対にないわけだ。そういうことは
技術的にいえばわかるわけでありまして、結局インテルサットかそういう衛星を使って国際中継をする、
番組を地上から人工衛星に上げて、そして
放送しているというだけにすぎないわけです。
こうなると、新しいチャンネルをふやした、これは
NHKの路線拡大という批判も出てきているわけですね。民間
放送からは特にそういうことを言われておりますけれ
ども、民放圧迫だ。こうして、今何チャンネルでしょうか、幾つメディアがあるのでしょうか、七つかそこら
NHKはメディアを持っているわけですけれ
ども、そうなると
NHKが巨大化する、そうすると
放送界が非常に偏ってしまう、そういう体制になるとチェックするような
放送局というものがなくなってくる。野党がなくなったときと同じことだ。そうなると、不偏不党を守る体制というものが日本の国の中になくなってしまうんじゃないか、これは大変なことになりますね。そういう状態で
放送がばちっと政治的に利用されたらどうなるか、今までの歴史を見ればわかるとおりであります。
そういうことで、
放送衛星は、ちょっとこれは大げさかもしれないけれ
ども、チャンネルをふやしただけ、そんな感じがしてくる。
NHKは巨大化に走るような雰囲気に見えてもしようがない。この辺について
NHKさんはどのようにお
考えになっているか、また
郵政大臣としてもこの辺どう
考えているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。